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ベトナムドン高に複数要因【フィスコ・コラム】
配信日時:2026/02/08 09:00
配信元:FISCO
*09:00JST ベトナムドン高に複数要因【フィスコ・コラム】
ベトナム通貨ドンに上昇圧力がかかり、昨年春先以来の高値圏に浮上しています。高成長を背景に株価は年初に過去最高値を更新し、投資熱も継続。一方、対米摩擦回避に共通の命題を抱える中国との関係強化は、ドンを押し上げる材料になりました。
ドン高の背景として外部環境の追い風が挙げられます。外為市場では米国の政治・金融を巡る不確実性から、ドル売りに振れやすい地合いです。その結果、新興国通貨全般に売り圧力が和らぎ、相対的に安定した経済成長を維持する国の通貨が見直されることになりました。そうしたなか、ドル・ベトナムドンは26000ドンを下抜け(ドンは上抜け)売られにくい通貨として評価されているもようです。
ベトナムが為替の安定を重視する背景には、輸出主導の成長モデルと過去に通貨安を巡って対米摩擦を招いた経験があります。中国の代替生産拠点として外資を呼び込む立場にあるだけに、通貨の急変は投資環境を損ねかねません。当局が為替管理に強く関与する姿勢は「急落を容認しない」という市場の受け止めにつながり、ドン売り圧力を弱める効果を発揮しています。
製造業は、米国や欧州向け輸出の最終組み立て拠点として位置付けられ、輸出代金や投資資金は主にドルで国内に流入。これらの資金は、賃金支払いや設備投資など国内で使う段階でドンに換えられるため、企業活動そのものがドル売り・ドン買いを生む構造です。中国依存を避けたい外資が生産拠点を移す動きも続くため、実体経済に根ざした資金の流れがドン相場を安定的に支えているのです。
さらにドンを支えるのが中国との関係強化です。南シナ海問題などの懸案は残るものの、米国との通商摩擦回避という共通の課題を抱える中で、ベトナムと中国は関係強化に動きました。当面は摩擦を顕在化させない姿勢が確認されたことで、地政学リスクへの警戒感が後退。新興国通貨は政治・外交リスクに敏感なだけに、中国との関係が落ち着いていることはドン売りを弱める要因になります。
ドン安は輸出に追い風となるものの、輸入依存度の高さや外資誘致、対米関係を考えればやはり通貨の安定が重視されます。2025年後半にかけて成長率は加速し、特に工業・サービス分野で裾野の広がりが確認されました。通年の成長率も政府目標を上回り、経済政策運営の安定感を印象付けます。通貨の安定を重視した政策が、高成長を持続させる環境を整えたと言えそうです。
(吉池 威)
※あくまでも筆者の個人的な見解であり、弊社の見解を代表するものではありません。
<CN>
ドン高の背景として外部環境の追い風が挙げられます。外為市場では米国の政治・金融を巡る不確実性から、ドル売りに振れやすい地合いです。その結果、新興国通貨全般に売り圧力が和らぎ、相対的に安定した経済成長を維持する国の通貨が見直されることになりました。そうしたなか、ドル・ベトナムドンは26000ドンを下抜け(ドンは上抜け)売られにくい通貨として評価されているもようです。
ベトナムが為替の安定を重視する背景には、輸出主導の成長モデルと過去に通貨安を巡って対米摩擦を招いた経験があります。中国の代替生産拠点として外資を呼び込む立場にあるだけに、通貨の急変は投資環境を損ねかねません。当局が為替管理に強く関与する姿勢は「急落を容認しない」という市場の受け止めにつながり、ドン売り圧力を弱める効果を発揮しています。
製造業は、米国や欧州向け輸出の最終組み立て拠点として位置付けられ、輸出代金や投資資金は主にドルで国内に流入。これらの資金は、賃金支払いや設備投資など国内で使う段階でドンに換えられるため、企業活動そのものがドル売り・ドン買いを生む構造です。中国依存を避けたい外資が生産拠点を移す動きも続くため、実体経済に根ざした資金の流れがドン相場を安定的に支えているのです。
さらにドンを支えるのが中国との関係強化です。南シナ海問題などの懸案は残るものの、米国との通商摩擦回避という共通の課題を抱える中で、ベトナムと中国は関係強化に動きました。当面は摩擦を顕在化させない姿勢が確認されたことで、地政学リスクへの警戒感が後退。新興国通貨は政治・外交リスクに敏感なだけに、中国との関係が落ち着いていることはドン売りを弱める要因になります。
ドン安は輸出に追い風となるものの、輸入依存度の高さや外資誘致、対米関係を考えればやはり通貨の安定が重視されます。2025年後半にかけて成長率は加速し、特に工業・サービス分野で裾野の広がりが確認されました。通年の成長率も政府目標を上回り、経済政策運営の安定感を印象付けます。通貨の安定を重視した政策が、高成長を持続させる環境を整えたと言えそうです。
(吉池 威)
※あくまでも筆者の個人的な見解であり、弊社の見解を代表するものではありません。
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