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アイカ工 Research Memo(2):化成品と建装建材の2本柱。建装建材が営業利益の約7割を占める(1)
配信日時:2026/01/13 08:32
配信元:FISCO
*08:32JST アイカ工 Research Memo(2):化成品と建装建材の2本柱。建装建材が営業利益の約7割を占める(1)
■アイカ工業<4206>の事業概要
同社事業は化成品セグメントと建装建材セグメントの2本柱で構成される。2025年3月期の売上高について、化成品が55.7%、建装建材44.3%となり、売上面では化成品セグメントが過半を占める。一方、営業利益においては化成品セグメント29.3%に対し、建装建材セグメントが70.7%を稼ぐ高収益構造が特徴となっている。
1. 化成品セグメント
(1) 国内
主力商品である接着剤においては、建築施工用から工業用まで豊富なラインナップの接着剤を擁し、建物・家具・自動車・電子製品など多種多様な産業用途や使用環境に対応している。また、研磨布紙(サンドペーパー)や自動車ブレーキの摩擦材、鋳物用型材、断熱材、耐火材、塗料などの原料となるフェノール樹脂などが幅広い工業製品の素材として使用されている。
次に、建設樹脂においては、塗り壁材・塗り床材・補修補強材などの製品が該当する。代表的な製品である1975年発売の塗り壁材「ジョリパット」は色柄デザインの改良や耐候性・低汚染性・防カビといった機能向上が重ねられ、職人の手仕事による豊かな表現を可能とする内外装材として、市場ニーズに応じて進化を続けている。また、塗り床材については、近年半導体・EV関連工場や物流倉庫の建設プロジェクトが各地で進むなか、需要が拡大している。
最後に、機能材料分野が非建設分野として注力領域となっている。有機微粒子においては化粧品用途の肌をきれいに見せる機能などを持つ「ガンツパール」は国内のみならず海外でも高い市場シェアを誇っており、同分野においてブランド力を保持している。UV硬化型樹脂は紫外線で硬化し、タッチパネルや携帯電話・デジタルカメラ向けのハードコーティング剤として用いられている。さらに足元では、自動車内外装向けの3次元加飾フィルムに対する期待感が大きい。自動車製造で排出されるCO2の約25%が塗装工程に起因するとされているが、塗装の代替手段として同商品に注目が集まっている。内装向け商品では既に採用が拡大しているなか、今後は外装向け商品において、業界に先駆けて早期実用化するべく取り組みを進めている。
近年の業況としては、低採算品の見直しなど収益性の改善を着実に進めている。具体的には、祖業である国内接着剤商品については、競合商品が多く利益率が低下していたため、採算性の低い品目の統廃合や適正な価格設定を断行している。同事業の強みとしては、長年培った接着剤開発のノウハウと信頼性の高い品質が挙げられる。国内におけるトップクラスのシェア及び実績に対する顧客の信頼の厚さに加えて、多種多様な商品群で顧客ニーズにきめ細かく対応できる柔軟性も特長と言える。また、自社で原材料から製品設計まで手掛ける総合力により、環境規制への先行対応や独創的な商品開発が可能であり、競合他社との差別化につながっている。
(2) 海外
近年のM&Aを通じた事業拡大の結果、海外が化成品セグメントの売上高において大半を占めており、2025年3月期においてはセグメント売上高の71.8%となった。また、主要子会社であるアイカ・アジア・パシフィックグループ(AAPグループ)は、海外の売上高のうち75.1%を占めており、海外ビジネスにおいて中核的存在になっている。
海外市場でのマーケティング戦略としては、経済成長が著しいアジア各国に幅広く製造・販売拠点を有し、それぞれの地域・顧客の需要に応じた商品を提供するなど改良開発に力を入れている。また、基本的には地産地消のビジネスモデルであり、消費地の近くで大規模プラントにより自動生産できる戦略も差別化につながっている。日本で培った接着剤技術や素材開発力も併せて投入することで競合他社との差別化を図り、現地顧客の信頼を獲得している。
一方で、海外事業においては中国経済の影響には留意したい。中国、特に不動産市況についてはいまだ回復の兆しが見られない状態にあり、同社事業においても下押し圧力が継続している状況にある。現段階では、同社の売上高と収益性に対する中国ビジネスの影響は限定的となっているが、さらなる景況感の悪化は経営上のダウンサイドにつながりうる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 三浦 健太郎)
<KM>
同社事業は化成品セグメントと建装建材セグメントの2本柱で構成される。2025年3月期の売上高について、化成品が55.7%、建装建材44.3%となり、売上面では化成品セグメントが過半を占める。一方、営業利益においては化成品セグメント29.3%に対し、建装建材セグメントが70.7%を稼ぐ高収益構造が特徴となっている。
1. 化成品セグメント
(1) 国内
主力商品である接着剤においては、建築施工用から工業用まで豊富なラインナップの接着剤を擁し、建物・家具・自動車・電子製品など多種多様な産業用途や使用環境に対応している。また、研磨布紙(サンドペーパー)や自動車ブレーキの摩擦材、鋳物用型材、断熱材、耐火材、塗料などの原料となるフェノール樹脂などが幅広い工業製品の素材として使用されている。
次に、建設樹脂においては、塗り壁材・塗り床材・補修補強材などの製品が該当する。代表的な製品である1975年発売の塗り壁材「ジョリパット」は色柄デザインの改良や耐候性・低汚染性・防カビといった機能向上が重ねられ、職人の手仕事による豊かな表現を可能とする内外装材として、市場ニーズに応じて進化を続けている。また、塗り床材については、近年半導体・EV関連工場や物流倉庫の建設プロジェクトが各地で進むなか、需要が拡大している。
最後に、機能材料分野が非建設分野として注力領域となっている。有機微粒子においては化粧品用途の肌をきれいに見せる機能などを持つ「ガンツパール」は国内のみならず海外でも高い市場シェアを誇っており、同分野においてブランド力を保持している。UV硬化型樹脂は紫外線で硬化し、タッチパネルや携帯電話・デジタルカメラ向けのハードコーティング剤として用いられている。さらに足元では、自動車内外装向けの3次元加飾フィルムに対する期待感が大きい。自動車製造で排出されるCO2の約25%が塗装工程に起因するとされているが、塗装の代替手段として同商品に注目が集まっている。内装向け商品では既に採用が拡大しているなか、今後は外装向け商品において、業界に先駆けて早期実用化するべく取り組みを進めている。
近年の業況としては、低採算品の見直しなど収益性の改善を着実に進めている。具体的には、祖業である国内接着剤商品については、競合商品が多く利益率が低下していたため、採算性の低い品目の統廃合や適正な価格設定を断行している。同事業の強みとしては、長年培った接着剤開発のノウハウと信頼性の高い品質が挙げられる。国内におけるトップクラスのシェア及び実績に対する顧客の信頼の厚さに加えて、多種多様な商品群で顧客ニーズにきめ細かく対応できる柔軟性も特長と言える。また、自社で原材料から製品設計まで手掛ける総合力により、環境規制への先行対応や独創的な商品開発が可能であり、競合他社との差別化につながっている。
(2) 海外
近年のM&Aを通じた事業拡大の結果、海外が化成品セグメントの売上高において大半を占めており、2025年3月期においてはセグメント売上高の71.8%となった。また、主要子会社であるアイカ・アジア・パシフィックグループ(AAPグループ)は、海外の売上高のうち75.1%を占めており、海外ビジネスにおいて中核的存在になっている。
海外市場でのマーケティング戦略としては、経済成長が著しいアジア各国に幅広く製造・販売拠点を有し、それぞれの地域・顧客の需要に応じた商品を提供するなど改良開発に力を入れている。また、基本的には地産地消のビジネスモデルであり、消費地の近くで大規模プラントにより自動生産できる戦略も差別化につながっている。日本で培った接着剤技術や素材開発力も併せて投入することで競合他社との差別化を図り、現地顧客の信頼を獲得している。
一方で、海外事業においては中国経済の影響には留意したい。中国、特に不動産市況についてはいまだ回復の兆しが見られない状態にあり、同社事業においても下押し圧力が継続している状況にある。現段階では、同社の売上高と収益性に対する中国ビジネスの影響は限定的となっているが、さらなる景況感の悪化は経営上のダウンサイドにつながりうる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 三浦 健太郎)
<KM>
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