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クイック Research Memo(3):人材サービス事業をコアに5つの事業を展開
配信日時:2026/01/07 12:03
配信元:FISCO
*12:03JST クイック Research Memo(3):人材サービス事業をコアに5つの事業を展開
■クイック<4318>の事業概要
1. 事業セグメントの構成
人材サービス事業は、MR、看護、建設、自動車等、専門職・特定領域に特化した人材紹介が中心であり、2025年3月期の売上高22,744百万円(構成比70.0%)と最大の柱である。その他4つの事業の同期の売上高については、Indeed、求人ボックス等のアグリゲーション型求人メディアの代理販売を中心に行うリクルーティング事業が3,430百万円(構成比10.6%)、地域情報誌の出版やコンサルティングサービスを展開する地域情報サービス事業が2,670百万円(構成比8.2%)、HR情報サイト「日本の人事部」を運営するHRプラットフォーム事業が1,247百万円(構成比3.8%)、そして現地日系企業を中心にグローバルな人材サービスを提供する海外事業が2,408百万円(構成比7.4%)となっている。
人材紹介の領域特化・横展開戦略が事業成長をけん引
2. 事業セグメント別概要
(1) 人材サービス事業
人材サービス事業は、「人材紹介」と「人材派遣・紹介予定派遣・業務請負等」の2分野からなる。
同社の主力である人材紹介は、クイック独自の一気通貫制をとっている。その特徴のひとつは、業界・専門職専任のコンサルタントが、求人企業と求職者の双方を担当することにある。これは、多くの同業他社がコンサルタントを「求人企業担当」と「求職者担当」を分ける分業型のオペレーショナルマネジメントを採用していることとは対照的だ。これによって特定の業界、職種事情を熟知したコンサルタントが双方のニーズを深く理解し、双方に情報提供を行う事ができる。
そしてクイック独自の一気通貫制のもう一つの特徴が、同じ領域のコンサルタント同士が協力(コラボレーション)しながら、より質の高いマッチングを組織として実現していることにある。そのコラボレーション率は毎年売上の80%前後になるという。この高いコラボレーション率は同社の企業文化が「きれいで、いい仕事をする」ことを重視している結果である。一人のコンサルタントが、求人企業と求職者双方を担当しながら、質の高いマッチングを組織として行う体制ができていると言える。
この体制が仕事のやりがいを担保しつつ、組織としての成果を高める要因となっており、オープンワーク社の「働きがいのある企業ランキング2025年」で20位(対象2万484社)、人材サービス業界の総合評価ランキング(2025年7月時点)で1位といった外部評価にもつながっていると考えられる。同社の体制はコンサルタントの育成に一定の時間が必要となるが、コンサルタントの力量が一定水準を超えれば高品質の採用支援が実施できる仕組みが構築されており、業界標準である分業制を採用する競合に対して大きな競争優位となっていると言えるだろう。
加えて、同社は特定の業種・職種に特化した専門特化型のサービス展開を行っている点も大きな強みである。建設、IT、看護師、MR等、景気の変動による影響を受けにくく、かつ有効求人倍率の高い分野に注力している。厚生労働省が毎月公表する「職業別労働市場関係指標(実数)」によると、2025年9月の「職業別有効求人倍率(パートタイムを含む常用)」は、「建設業界人材」が5.63倍、「情報処理・通信技術者」が1.41倍、「看護師含む医療人材」が2.00倍と全職業平均の1.10倍を上回っている。
また、東京都のハローワークの情報によると、都内のIT人材の有効求人倍率は2025年3月時点で約3.5倍と高水準にある。これらのデータから、同社が取り組む専門職・特定領域における旺盛な人材採用ニーズがうかがわれる。
同社は、まず製薬業界の領域において専門特化型の組織を確立し、看護、化粧品、建設、電気・機械、自動車と着実に横展開を実行してきた。それぞれの領域で専門性を深めシェアを獲得しつつ、2022年にはIT人材、2023年にはハイキャリア、2024年には管理系職種への取り組みも開始している。
また、各専門領域に特化したサイト運営も行っている。2009年5月の看護師紹介事業の専門サイト「看護roo!(カンゴルー!)転職」をリリース以降、MRの専門サイト「MR BiZ(エムアール・ビズ)」、製薬業界向け専門サイト「Answers(アンサーズ)」、建設業界向け専門サイト「建設設備求人データベース」、自動車業界向け専門サイト「オートモーティブ・ジョブズ」を立ち上げた。そして2021年には施工管理向け専門サイト「セコカンプラス」といった専門サイトを立ち上げ、多くの求職者を集客できる仕組みを持っている。2010年3月期から2025年3月期の15年間で、同社の売上は6,277百万円から32,501百万円と5.2倍(CAGR11.6%)の成長を遂げているが、人材サービス事業の売上は2,643百万円から22,744百万円と8.6倍(CAGR15.4%)となっており、人材サービス事業が同社の成長をけん引してきたことがわかる。
既存の領域については、同社はサービスの深化によるシェア追及を進めている。例えば、看護師紹介事業は、ダウンロード数260万以上を誇る看護師向けのシフト管理アプリ「ナスカレ」やDL数業界トップの国家試験対策アプリ「看護roo!国試」、コミュニティサイト「看護roo!」の運営を通じて、サービスの深化とブランド強化を進めている。さらに、2024年6月には、(株)キャリタスから譲受した看護学生の就職支援事業を「看護roo!就活」とリブランディングしスタートした。就職活動時から看護学生に看護roo!のサービス利用を促し、看護roo!転職への新規登録に繋げていく狙いだ。
こうした取り組みにより、看護師紹介事業は、現在では国内の上位グループに位置するまでの成長を遂げ、現在でも主力の領域として安定的に売上が伸長している。一方、近年では看護師以外の領域における売上成長率が看護師紹介事業を上回り、看護師紹介事業以外の専門職領域のシェアが拡大基調にある。再現性の高い領域特化・横展開戦略を採る人材紹介は、今後も成長を続ける可能性が高いと当社は見ている。
人材派遣・紹介予定派遣・業務請負等は、労働者派遣事業、有料職業紹介を予定する紹介予定派遣、業務請負サービス及び認可保育園・小規模認可保育園の運営を含んでいる。少子高齢化に伴う医療従事者不足から派遣ニーズが高まる看護師と、保育学生の減少等を背景に高水準のニーズが続く保育士の派遣が注力分野である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 西村 健)
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1. 事業セグメントの構成
人材サービス事業は、MR、看護、建設、自動車等、専門職・特定領域に特化した人材紹介が中心であり、2025年3月期の売上高22,744百万円(構成比70.0%)と最大の柱である。その他4つの事業の同期の売上高については、Indeed、求人ボックス等のアグリゲーション型求人メディアの代理販売を中心に行うリクルーティング事業が3,430百万円(構成比10.6%)、地域情報誌の出版やコンサルティングサービスを展開する地域情報サービス事業が2,670百万円(構成比8.2%)、HR情報サイト「日本の人事部」を運営するHRプラットフォーム事業が1,247百万円(構成比3.8%)、そして現地日系企業を中心にグローバルな人材サービスを提供する海外事業が2,408百万円(構成比7.4%)となっている。
人材紹介の領域特化・横展開戦略が事業成長をけん引
2. 事業セグメント別概要
(1) 人材サービス事業
人材サービス事業は、「人材紹介」と「人材派遣・紹介予定派遣・業務請負等」の2分野からなる。
同社の主力である人材紹介は、クイック独自の一気通貫制をとっている。その特徴のひとつは、業界・専門職専任のコンサルタントが、求人企業と求職者の双方を担当することにある。これは、多くの同業他社がコンサルタントを「求人企業担当」と「求職者担当」を分ける分業型のオペレーショナルマネジメントを採用していることとは対照的だ。これによって特定の業界、職種事情を熟知したコンサルタントが双方のニーズを深く理解し、双方に情報提供を行う事ができる。
そしてクイック独自の一気通貫制のもう一つの特徴が、同じ領域のコンサルタント同士が協力(コラボレーション)しながら、より質の高いマッチングを組織として実現していることにある。そのコラボレーション率は毎年売上の80%前後になるという。この高いコラボレーション率は同社の企業文化が「きれいで、いい仕事をする」ことを重視している結果である。一人のコンサルタントが、求人企業と求職者双方を担当しながら、質の高いマッチングを組織として行う体制ができていると言える。
この体制が仕事のやりがいを担保しつつ、組織としての成果を高める要因となっており、オープンワーク社の「働きがいのある企業ランキング2025年」で20位(対象2万484社)、人材サービス業界の総合評価ランキング(2025年7月時点)で1位といった外部評価にもつながっていると考えられる。同社の体制はコンサルタントの育成に一定の時間が必要となるが、コンサルタントの力量が一定水準を超えれば高品質の採用支援が実施できる仕組みが構築されており、業界標準である分業制を採用する競合に対して大きな競争優位となっていると言えるだろう。
加えて、同社は特定の業種・職種に特化した専門特化型のサービス展開を行っている点も大きな強みである。建設、IT、看護師、MR等、景気の変動による影響を受けにくく、かつ有効求人倍率の高い分野に注力している。厚生労働省が毎月公表する「職業別労働市場関係指標(実数)」によると、2025年9月の「職業別有効求人倍率(パートタイムを含む常用)」は、「建設業界人材」が5.63倍、「情報処理・通信技術者」が1.41倍、「看護師含む医療人材」が2.00倍と全職業平均の1.10倍を上回っている。
また、東京都のハローワークの情報によると、都内のIT人材の有効求人倍率は2025年3月時点で約3.5倍と高水準にある。これらのデータから、同社が取り組む専門職・特定領域における旺盛な人材採用ニーズがうかがわれる。
同社は、まず製薬業界の領域において専門特化型の組織を確立し、看護、化粧品、建設、電気・機械、自動車と着実に横展開を実行してきた。それぞれの領域で専門性を深めシェアを獲得しつつ、2022年にはIT人材、2023年にはハイキャリア、2024年には管理系職種への取り組みも開始している。
また、各専門領域に特化したサイト運営も行っている。2009年5月の看護師紹介事業の専門サイト「看護roo!(カンゴルー!)転職」をリリース以降、MRの専門サイト「MR BiZ(エムアール・ビズ)」、製薬業界向け専門サイト「Answers(アンサーズ)」、建設業界向け専門サイト「建設設備求人データベース」、自動車業界向け専門サイト「オートモーティブ・ジョブズ」を立ち上げた。そして2021年には施工管理向け専門サイト「セコカンプラス」といった専門サイトを立ち上げ、多くの求職者を集客できる仕組みを持っている。2010年3月期から2025年3月期の15年間で、同社の売上は6,277百万円から32,501百万円と5.2倍(CAGR11.6%)の成長を遂げているが、人材サービス事業の売上は2,643百万円から22,744百万円と8.6倍(CAGR15.4%)となっており、人材サービス事業が同社の成長をけん引してきたことがわかる。
既存の領域については、同社はサービスの深化によるシェア追及を進めている。例えば、看護師紹介事業は、ダウンロード数260万以上を誇る看護師向けのシフト管理アプリ「ナスカレ」やDL数業界トップの国家試験対策アプリ「看護roo!国試」、コミュニティサイト「看護roo!」の運営を通じて、サービスの深化とブランド強化を進めている。さらに、2024年6月には、(株)キャリタスから譲受した看護学生の就職支援事業を「看護roo!就活」とリブランディングしスタートした。就職活動時から看護学生に看護roo!のサービス利用を促し、看護roo!転職への新規登録に繋げていく狙いだ。
こうした取り組みにより、看護師紹介事業は、現在では国内の上位グループに位置するまでの成長を遂げ、現在でも主力の領域として安定的に売上が伸長している。一方、近年では看護師以外の領域における売上成長率が看護師紹介事業を上回り、看護師紹介事業以外の専門職領域のシェアが拡大基調にある。再現性の高い領域特化・横展開戦略を採る人材紹介は、今後も成長を続ける可能性が高いと当社は見ている。
人材派遣・紹介予定派遣・業務請負等は、労働者派遣事業、有料職業紹介を予定する紹介予定派遣、業務請負サービス及び認可保育園・小規模認可保育園の運営を含んでいる。少子高齢化に伴う医療従事者不足から派遣ニーズが高まる看護師と、保育学生の減少等を背景に高水準のニーズが続く保育士の派遣が注力分野である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 西村 健)
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