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クロスプラス:高回転・低粗利モデルを武器に、EC・ライフスタイルを次の成長軸へ
配信日時:2026/01/07 10:06
配信元:FISCO
*10:06JST クロスプラス:高回転・低粗利モデルを武器に、EC・ライフスタイルを次の成長軸へ
クロスプラス<3320>は、婦人・子供向け衣料を中心としたアパレル製品の企画・製造・卸売を主軸に、小売(店舗・EC)やライフスタイル商材まで展開するアパレル企業だ。売上の約8割をBtoB(専門店・量販店・無店舗向け卸売)が占め、残り約2割が自社小売・ECで構成されている。自社でデザイナーを抱えた企画主導型で、卸売を中心とするビジネスモデルを採用しているため、粗利率は相対的に高くないものの在庫回転を高める運営を徹底することで、安定的な収益創出を可能としている点が同社の大きな強みだ。
2026年1月期第3四半期累計の連結業績は、売上高460.5億円(前年同期比2.6%減)と減収となった一方、営業利益は16.6億円(同27.2%増)と大幅な増益を確保した。減収の主因は、アパレル卸売、特に、天候不順など外部環境要因の影響を受けた専門店向け販売の伸び悩みである。記録的な残暑や天候不順により秋冬商品の立ち上がりが鈍く、販売数量が伸び悩んだ。一方で、利益面では構造的な改善が進んだことが明確に表れている。
増益要因の第一は、売上総利益率の改善にある。小売・ECの売上構成比が上昇したことに加え、採算性の低い取引を抑制し、利益が見込める商品・チャネルに注力した結果、粗利率が改善した。第二に、販管費の抑制が挙げられる。広告宣伝費や固定費を前年並みにコントロールし、売上減少局面でもコストが膨らまなかった。第三に、在庫ロスの低減である。同社はアパレル在庫回転を高水準で維持する運営を徹底しており、円安による仕入コスト上昇環境下でも、ロス削減が利益押し上げに寄与した。
2026年1月期通期の会社計画は、売上高640.0億円(前期比3.2%増)、営業利益12.0億円(同16.5%増)としている。第3四半期時点で営業利益は通期計画を上回っているが、同社では例年、第4四半期(12~1月)はセール比率が高く、利益水準が低下しやすい傾向があることから、現時点での上方修正は行っていない。一方、ECは高い成長を維持しており、SNSや動画を活用した販売強化が進めば、利益面での上振れ余地もある。
市場環境を見ると、物価上昇の影響で消費者の選別志向は強まっているが、同社にとっては必ずしも逆風一辺倒ではない。BtoB中心のビジネスモデルにより、専門店が弱含む局面でも量販店や無店舗向け、ECなどチャネル間でバランス調整が可能である点は安定性につながる。実際、量販店向けや無店舗向けは相対的に底堅く推移している。
競合との比較では、SPA型アパレルが価格・回転競争を強める一方、同社は「企画力×供給力×高回転」という卸売モデルを磨いてきた点が特徴だ。過去5年間を振り返ると、外部環境の影響で利益水準は変動しているものの、自己資本比率は直近で58.1%水準と、財務基盤は着実に強化されている。収益変動に耐え得る体力を備えた点は、中小型アパレル卸の中では評価できよう。
中期経営計画では、2028年1月期に売上高680億円、営業利益20億円、ROE9.0%以上の達成を目標に掲げている。成長戦略の柱として、1.ECの拡大、2.ライフスタイル分野の育成、3.既存アパレル卸事業の採算改善を位置付けている。なかでもECは、現状で売上高比率が約5%にとどまるものの、将来的に10%超への引き上げを目指しており、規模拡大が進めば利益面での貢献度は一段と高まる見込みだ。また、ライフスタイル分野については、現在は育成フェーズにあり、足元の利益寄与は限定的であるが、ブランド育成と売上規模の拡大が進展すれば、新たな収益源として成長する余地がある。
株主還元については、DOE(株主資本配当率)を指標とした方針を導入し、2028年1月期にDOE2.5%を目指し、毎年の増配を掲げている。2026年1月期は年間配当46円(前期比16円増)を予定し、配当利回りは3.3%に達する。安定的かつ継続的な還元姿勢を明確にしている点は、個人投資家にとって安心材料といえる。
総じて同社は、売上成長を追う局面から、採算重視で収益体質を磨く段階へと移行しつつある。短期的には天候や消費動向の影響を受けやすいものの、EC・ライフスタイルといった成長領域の育成が進めば、中期的な利益成長と企業価値向上が期待できる。
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2026年1月期第3四半期累計の連結業績は、売上高460.5億円(前年同期比2.6%減)と減収となった一方、営業利益は16.6億円(同27.2%増)と大幅な増益を確保した。減収の主因は、アパレル卸売、特に、天候不順など外部環境要因の影響を受けた専門店向け販売の伸び悩みである。記録的な残暑や天候不順により秋冬商品の立ち上がりが鈍く、販売数量が伸び悩んだ。一方で、利益面では構造的な改善が進んだことが明確に表れている。
増益要因の第一は、売上総利益率の改善にある。小売・ECの売上構成比が上昇したことに加え、採算性の低い取引を抑制し、利益が見込める商品・チャネルに注力した結果、粗利率が改善した。第二に、販管費の抑制が挙げられる。広告宣伝費や固定費を前年並みにコントロールし、売上減少局面でもコストが膨らまなかった。第三に、在庫ロスの低減である。同社はアパレル在庫回転を高水準で維持する運営を徹底しており、円安による仕入コスト上昇環境下でも、ロス削減が利益押し上げに寄与した。
2026年1月期通期の会社計画は、売上高640.0億円(前期比3.2%増)、営業利益12.0億円(同16.5%増)としている。第3四半期時点で営業利益は通期計画を上回っているが、同社では例年、第4四半期(12~1月)はセール比率が高く、利益水準が低下しやすい傾向があることから、現時点での上方修正は行っていない。一方、ECは高い成長を維持しており、SNSや動画を活用した販売強化が進めば、利益面での上振れ余地もある。
市場環境を見ると、物価上昇の影響で消費者の選別志向は強まっているが、同社にとっては必ずしも逆風一辺倒ではない。BtoB中心のビジネスモデルにより、専門店が弱含む局面でも量販店や無店舗向け、ECなどチャネル間でバランス調整が可能である点は安定性につながる。実際、量販店向けや無店舗向けは相対的に底堅く推移している。
競合との比較では、SPA型アパレルが価格・回転競争を強める一方、同社は「企画力×供給力×高回転」という卸売モデルを磨いてきた点が特徴だ。過去5年間を振り返ると、外部環境の影響で利益水準は変動しているものの、自己資本比率は直近で58.1%水準と、財務基盤は着実に強化されている。収益変動に耐え得る体力を備えた点は、中小型アパレル卸の中では評価できよう。
中期経営計画では、2028年1月期に売上高680億円、営業利益20億円、ROE9.0%以上の達成を目標に掲げている。成長戦略の柱として、1.ECの拡大、2.ライフスタイル分野の育成、3.既存アパレル卸事業の採算改善を位置付けている。なかでもECは、現状で売上高比率が約5%にとどまるものの、将来的に10%超への引き上げを目指しており、規模拡大が進めば利益面での貢献度は一段と高まる見込みだ。また、ライフスタイル分野については、現在は育成フェーズにあり、足元の利益寄与は限定的であるが、ブランド育成と売上規模の拡大が進展すれば、新たな収益源として成長する余地がある。
株主還元については、DOE(株主資本配当率)を指標とした方針を導入し、2028年1月期にDOE2.5%を目指し、毎年の増配を掲げている。2026年1月期は年間配当46円(前期比16円増)を予定し、配当利回りは3.3%に達する。安定的かつ継続的な還元姿勢を明確にしている点は、個人投資家にとって安心材料といえる。
総じて同社は、売上成長を追う局面から、採算重視で収益体質を磨く段階へと移行しつつある。短期的には天候や消費動向の影響を受けやすいものの、EC・ライフスタイルといった成長領域の育成が進めば、中期的な利益成長と企業価値向上が期待できる。
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