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橋本総業HD Research Memo(4):快適な暮らしを実現するため3つのベストを追求(1)
配信日時:2025/12/29 11:04
配信元:FISCO
*11:04JST 橋本総業HD Research Memo(4):快適な暮らしを実現するため3つのベストを追求(1)
■橋本総業ホールディングス<7570>の中期計画
1. 企業理念
同社は、「設備商品の流通とサービスを通じて、快適な暮らしを実現する」というミッションの下、社会に貢献することを目指している。また、「設備のベストコーディネーター」「流通としてベストパートナー」「会社としてベストカンパニー」という「『3つのベストの追求』で、7つのステークホルダーに貢献する」というビジョンを掲げている。商品を直接手にする施主や工事店には、「設備のベストコーディネーター」として、会員専用Webサイト「OPS」やWebカタログ「e設備ネット」を通じて最適な商品を提案している。また、仕入先や販売先とは、「流通としてベストパートナー」として、購買代理機能や販売代理機能を発揮することで共存共栄を図っている。株主に対しては1株当たり当期純利益を拡大して株価や配当を充実させ、社員に対しては待遇や職場環境の拡充、社会に対しては環境課題などに取り組むことで、社会に役立つ「会社としてベストカンパニー」を目指している。
売上高計画は2027年3月期に前倒しで達成へ
2. 中期計画「HAT Vision 2027」
同社は企業理念やビジョンに基づき、2024年3月期に中期計画「HAT Vision 2027」を策定した。さらなる成長へ向け、事業活動を積極的に展開することでグループ全体として「きわだつ中堅企業」となり、快適生活創造企業へと進化していくことを目指している。そのため、従来のトップダウンから、従業員個々が自立し一人ひとりが自ら決定し行動するボトムアップ型SELFアクション企業へと変革していく方針だ。これによりチャレンジ10(売上・粗利・利益いずれも10%増 経費IT活用で横ばい目指す)を実現し、2028年3月期に売上高2,000億円※、経常利益率3.5%(経常利益70億円)、ROE12%、ROA6%、自己資本比率50%、配当性向30%、DOE(株主資本配当率)3.5%、定期昇給を除く給与改善10億円規模も達成する方針であった。
※ 中期計画策定時からの売上高増加分500億円は、既存市場の拡大で300億円、新規市場の取り込みで200億円(新規領域の開拓で100億円、新店を中心とする拠点拡大で60億円、生産性向上で40億円)を想定している。
中期計画を実現するには、リフォーム市場や物流の高度化への対応、高付加価値化や生産性向上といった取り組みによって、「設備卸No.1」「グループ力強化」「きわだつ会社」を目指す必要がある。具体的には、「設備卸No.1」のテーマでは、既にNo.1の東日本以外、中日本と西日本でもシェアの向上をねらう。足元で、子会社含めて西日本のNo.1が見えてきたところである。「グループ力強化」のテーマでは、工務店を含めた四位一体・ワンチームの考え方を浸透させる。そのうえで、合計年商1兆円を超えるみらいグループを中心に、信頼感や信用をより一層磨いて強化する。「きわだつ会社」のテーマでは、企業としての裾野を広げるとともに、様々な商品・サービスで日本一や日本初を追求して頂点をより高くする。このための基本戦略として、成長戦略である「3つのフル」、ネットワーク戦略の「みらい会活動」、生産性向上に向けた「進化活動」を推進し、加えてSDGs活動をベースとする同社独自のH-SDGCG活動の展開も進める。なお、こうした様々な戦略のなかでも、山陰セキスイ商事や(株)ブラストのM&Aや、東京ガス<9531>や双日建材との提携などが順調に推移している。このため、売上高2,000億円は2027年3月期に前倒しで達成する見込みとなった。以下に、中期計画の基本戦略について説明する。
(1) 3つのフル
成長戦略の「3つのフル」は「フルカバー」「フルライン」「フル機能」のことで、「どこでも、何でも、どんなことでも対応する」という同社の意思表示であり、「3つのフル」を追求することで、ステークホルダーとともに栄えようという考え方に基づいている。「フルカバー」は、得意先や仕入先とともに地域にネットワークを作り、1県1拠点の県別体制で全国の需要に対応、各メーカーから物流だけでなく営業も任せられる体制を構築することを指す。これまで着実に拠点づくりを行ってきたが、今後、新設拠点の展開スピードを加速する。中期計画期間では新設8拠点と移転6拠点を予定しており、1拠点当たり月商を5,000万円と仮定すると、中期計画期間中に60億円程度の増収を見込んでいる。未進出の県が現状で北陸、関西、中国、四国、九州に10県あり、既存エリアを含めて依然出店余地は大きいと言える。
「フルライン」は、設備関連資材であれば何でもワンストップで対応することを指し、PCやタブレットでの商品閲覧も可能となっている。これまで仕入先口座数を着実に伸ばして取り扱いアイテム数を拡充してきたが、取引先をさらに充実することで、管材のみならず電材や建材、住宅設備、産業機械など新領域の商材を積極的に増やす計画だ。新領域への拡大では中期計画期間中で100億円程度の売上高増加を目指すが、なかでも主力の管材とともに建築3資材を構成する電材と建材について、一層積極的に取り組む。「フル機能」は、基本7機能(対応、価格、在庫、配送、販促、研修、情報)、工程9機能(事前の引合・受注・照会、当日の納入・施工・加工、事後のアフターメンテナンス・現調・取替)、ソリューション9機能(物流、施工、情報、システム、業務、サポート、教育、人材、金融)によってどんなことでもワンストップで対応することで、メーカーや販売店など取引先の利便性向上を図っている。なかでも、設計(双日建材、タイ設計センター)、施工(集合住宅向け材工一括対応、手配の一本化など)、金属加工(白井工場)の機能強化を推進するとともに、ソリューションについては、同社と各子会社の間で取引先ニーズに従って細分化・強化し、具体的成果に結びつける考えだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)
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1. 企業理念
同社は、「設備商品の流通とサービスを通じて、快適な暮らしを実現する」というミッションの下、社会に貢献することを目指している。また、「設備のベストコーディネーター」「流通としてベストパートナー」「会社としてベストカンパニー」という「『3つのベストの追求』で、7つのステークホルダーに貢献する」というビジョンを掲げている。商品を直接手にする施主や工事店には、「設備のベストコーディネーター」として、会員専用Webサイト「OPS」やWebカタログ「e設備ネット」を通じて最適な商品を提案している。また、仕入先や販売先とは、「流通としてベストパートナー」として、購買代理機能や販売代理機能を発揮することで共存共栄を図っている。株主に対しては1株当たり当期純利益を拡大して株価や配当を充実させ、社員に対しては待遇や職場環境の拡充、社会に対しては環境課題などに取り組むことで、社会に役立つ「会社としてベストカンパニー」を目指している。
売上高計画は2027年3月期に前倒しで達成へ
2. 中期計画「HAT Vision 2027」
同社は企業理念やビジョンに基づき、2024年3月期に中期計画「HAT Vision 2027」を策定した。さらなる成長へ向け、事業活動を積極的に展開することでグループ全体として「きわだつ中堅企業」となり、快適生活創造企業へと進化していくことを目指している。そのため、従来のトップダウンから、従業員個々が自立し一人ひとりが自ら決定し行動するボトムアップ型SELFアクション企業へと変革していく方針だ。これによりチャレンジ10(売上・粗利・利益いずれも10%増 経費IT活用で横ばい目指す)を実現し、2028年3月期に売上高2,000億円※、経常利益率3.5%(経常利益70億円)、ROE12%、ROA6%、自己資本比率50%、配当性向30%、DOE(株主資本配当率)3.5%、定期昇給を除く給与改善10億円規模も達成する方針であった。
※ 中期計画策定時からの売上高増加分500億円は、既存市場の拡大で300億円、新規市場の取り込みで200億円(新規領域の開拓で100億円、新店を中心とする拠点拡大で60億円、生産性向上で40億円)を想定している。
中期計画を実現するには、リフォーム市場や物流の高度化への対応、高付加価値化や生産性向上といった取り組みによって、「設備卸No.1」「グループ力強化」「きわだつ会社」を目指す必要がある。具体的には、「設備卸No.1」のテーマでは、既にNo.1の東日本以外、中日本と西日本でもシェアの向上をねらう。足元で、子会社含めて西日本のNo.1が見えてきたところである。「グループ力強化」のテーマでは、工務店を含めた四位一体・ワンチームの考え方を浸透させる。そのうえで、合計年商1兆円を超えるみらいグループを中心に、信頼感や信用をより一層磨いて強化する。「きわだつ会社」のテーマでは、企業としての裾野を広げるとともに、様々な商品・サービスで日本一や日本初を追求して頂点をより高くする。このための基本戦略として、成長戦略である「3つのフル」、ネットワーク戦略の「みらい会活動」、生産性向上に向けた「進化活動」を推進し、加えてSDGs活動をベースとする同社独自のH-SDGCG活動の展開も進める。なお、こうした様々な戦略のなかでも、山陰セキスイ商事や(株)ブラストのM&Aや、東京ガス<9531>や双日建材との提携などが順調に推移している。このため、売上高2,000億円は2027年3月期に前倒しで達成する見込みとなった。以下に、中期計画の基本戦略について説明する。
(1) 3つのフル
成長戦略の「3つのフル」は「フルカバー」「フルライン」「フル機能」のことで、「どこでも、何でも、どんなことでも対応する」という同社の意思表示であり、「3つのフル」を追求することで、ステークホルダーとともに栄えようという考え方に基づいている。「フルカバー」は、得意先や仕入先とともに地域にネットワークを作り、1県1拠点の県別体制で全国の需要に対応、各メーカーから物流だけでなく営業も任せられる体制を構築することを指す。これまで着実に拠点づくりを行ってきたが、今後、新設拠点の展開スピードを加速する。中期計画期間では新設8拠点と移転6拠点を予定しており、1拠点当たり月商を5,000万円と仮定すると、中期計画期間中に60億円程度の増収を見込んでいる。未進出の県が現状で北陸、関西、中国、四国、九州に10県あり、既存エリアを含めて依然出店余地は大きいと言える。
「フルライン」は、設備関連資材であれば何でもワンストップで対応することを指し、PCやタブレットでの商品閲覧も可能となっている。これまで仕入先口座数を着実に伸ばして取り扱いアイテム数を拡充してきたが、取引先をさらに充実することで、管材のみならず電材や建材、住宅設備、産業機械など新領域の商材を積極的に増やす計画だ。新領域への拡大では中期計画期間中で100億円程度の売上高増加を目指すが、なかでも主力の管材とともに建築3資材を構成する電材と建材について、一層積極的に取り組む。「フル機能」は、基本7機能(対応、価格、在庫、配送、販促、研修、情報)、工程9機能(事前の引合・受注・照会、当日の納入・施工・加工、事後のアフターメンテナンス・現調・取替)、ソリューション9機能(物流、施工、情報、システム、業務、サポート、教育、人材、金融)によってどんなことでもワンストップで対応することで、メーカーや販売店など取引先の利便性向上を図っている。なかでも、設計(双日建材、タイ設計センター)、施工(集合住宅向け材工一括対応、手配の一本化など)、金属加工(白井工場)の機能強化を推進するとともに、ソリューションについては、同社と各子会社の間で取引先ニーズに従って細分化・強化し、具体的成果に結びつける考えだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)
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