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ヨータイ:独立系耐火物メーカー、PBR1倍付近かつ配当利回り5%超え
配信日時:2025/12/25 10:52
配信元:FISCO
*10:52JST ヨータイ:独立系耐火物メーカー、PBR1倍付近かつ配当利回り5%超え
ヨータイ<5357>は、国内の耐火物メーカーにおいて定形耐火物 生産量No.1、売上高4位のリーディングカンパニーとなる。耐火物メーカーとして長い歴史を持ち、鉄鋼、セメント、非鉄金属、窯業、環境装置など幅広い産業向けに耐火物を供給している。耐火物は高温環境で炉や設備を保護するために不可欠な資材であり、社会インフラやものづくりを支える存在だ。同社は耐火物等の製造販売を軸に事業を展開し、加えて工業炉のライニング設計から築炉・メンテナンスまで担うエンジニアリング事業を持つ。
主な顧客は、高炉法では日本製鉄、JFEスチールなど、電炉法では東京製鐵、大同特殊鋼、山陽特殊製鋼などとなる。事業セグメントは、それぞれの産業ごとに求められる最適な耐火物を製造・販売する耐火物等事業(2025年3月期の売上高構成比82%)、工業炉のライニング設計と自社で製造した耐火物の施工・メンテナンスを行うエンジニアリング事業(同18%)に分かれている。2025年3月期の業種別売上実績(金額比)は、鉄鋼43.3%、環境装置15.5%、セメント14.9%、非鉄金属10.0%、窯業5.1%、化学・石灰4.6%、電子部品3.7%、硝子2.1%、その他0.9%。
国内では黒崎播磨<5352>や品川リフラ<5351>など大手競合が存在するが、ヨータイは特定の系列に属さない独立系メーカーとして柔軟かつ迅速な対応力を持ち、耐火物の製造・販売と施工・メンテナンスによる「材工一式」が強みとなっている。また、大手は高炉向け比率が高い一方で、ヨータイは電炉に強く、鉄鋼業界のCN対応や電炉シフトにおいてニーズを捉えている。さらに、生産設備の活用と徹底した効率化の追求により、多くの品目を扱いながらも高い生産性を実現している。エンジニアリング事業ではごみ焼却場など環境装置向けのメンテナンス案件が大半を占め、継続的な需要が見込まれている。非鉄金属分野では豊富な実績を顧客に評価されており、業種ごとに強みを発揮することで事業基盤を固めている。
2026年3月期第2四半期の業績は、売上高13,957百万円(前年同期比3.6%減)、営業利益1,327百万円(同16.3%減)で着地した。窯業や鉄鋼向け受注減が響いたこと、また、原燃料価格の高騰等が収益を圧迫した。通期計画は売上高29,000百万円(前期比1.0%減)、営業利益3,200百万円(同8.2%減)を見込んでいる。
足元の市況としては、鉄鋼、セメントを含め国内主要産業は生産量の拡大が難しく、需要回復に時間を要している。鉄鋼業界では電炉シフトが進み、同社の強みである電炉向け製品需要は中長期的に追い風となる。また、環境装置や廃棄物処理設備向けの需要は底堅く、エンジニアリング事業の安定収益源となっている。海外では、日本企業の現地法人向け売上が中心だが、現地ローカルメーカーへの拡販を進めており、東南アジアを中心に訪問回数を増やして種まきを続けている。
同社は第二次中期経営計画(2025年3月期-2027年3月期)において、2027年3月期に売上高320億円、営業利益44億円を目標に掲げている。しかし国内生産が伸び悩む中で、計画達成には顧客操業の回復が不可欠と認識しているようだ。海外売上は前期に21億円と目標を前倒しで達成したが、スポット案件が寄与した側面もあり、今後は現地ローカル顧客への拡販が重要なテーマとなる。また、顧客からの要望が高い環境配慮型耐火物の新製品を開発しており、環境配慮型製品として、不焼成スピネルれんがやクロムフリーキャスタブルなど、顧客先でのテストを重ねている段階で量産フェーズ入りに向けて取り組みが続いている。成長ドライバーとしては、電炉向け需要の取り込み、環境配慮型耐火物の普及、海外市場での定着が中計達成に向けた鍵となる。
株主還元方針は「配当性向60%以上または1株85円以上の高い方」としており、今期の年間配当は据え置きの90円を予定している。PBR1倍水準に接近する中で、安定的な還元姿勢を示している。また2025年には麻生グループがTOBを実施し筆頭株主となったが、経営の独立性は維持されており、麻生セメントとの取引拡大や協業余地に期待が寄せられている。PBR1倍付近、配当利回り5%超えで推移する中、「ものづくりを支える耐火物メーカー」として産業構造変化や環境対応といった中長期テーマに的確に対応できるか注目しておきたい。
<NH>
主な顧客は、高炉法では日本製鉄、JFEスチールなど、電炉法では東京製鐵、大同特殊鋼、山陽特殊製鋼などとなる。事業セグメントは、それぞれの産業ごとに求められる最適な耐火物を製造・販売する耐火物等事業(2025年3月期の売上高構成比82%)、工業炉のライニング設計と自社で製造した耐火物の施工・メンテナンスを行うエンジニアリング事業(同18%)に分かれている。2025年3月期の業種別売上実績(金額比)は、鉄鋼43.3%、環境装置15.5%、セメント14.9%、非鉄金属10.0%、窯業5.1%、化学・石灰4.6%、電子部品3.7%、硝子2.1%、その他0.9%。
国内では黒崎播磨<5352>や品川リフラ<5351>など大手競合が存在するが、ヨータイは特定の系列に属さない独立系メーカーとして柔軟かつ迅速な対応力を持ち、耐火物の製造・販売と施工・メンテナンスによる「材工一式」が強みとなっている。また、大手は高炉向け比率が高い一方で、ヨータイは電炉に強く、鉄鋼業界のCN対応や電炉シフトにおいてニーズを捉えている。さらに、生産設備の活用と徹底した効率化の追求により、多くの品目を扱いながらも高い生産性を実現している。エンジニアリング事業ではごみ焼却場など環境装置向けのメンテナンス案件が大半を占め、継続的な需要が見込まれている。非鉄金属分野では豊富な実績を顧客に評価されており、業種ごとに強みを発揮することで事業基盤を固めている。
2026年3月期第2四半期の業績は、売上高13,957百万円(前年同期比3.6%減)、営業利益1,327百万円(同16.3%減)で着地した。窯業や鉄鋼向け受注減が響いたこと、また、原燃料価格の高騰等が収益を圧迫した。通期計画は売上高29,000百万円(前期比1.0%減)、営業利益3,200百万円(同8.2%減)を見込んでいる。
足元の市況としては、鉄鋼、セメントを含め国内主要産業は生産量の拡大が難しく、需要回復に時間を要している。鉄鋼業界では電炉シフトが進み、同社の強みである電炉向け製品需要は中長期的に追い風となる。また、環境装置や廃棄物処理設備向けの需要は底堅く、エンジニアリング事業の安定収益源となっている。海外では、日本企業の現地法人向け売上が中心だが、現地ローカルメーカーへの拡販を進めており、東南アジアを中心に訪問回数を増やして種まきを続けている。
同社は第二次中期経営計画(2025年3月期-2027年3月期)において、2027年3月期に売上高320億円、営業利益44億円を目標に掲げている。しかし国内生産が伸び悩む中で、計画達成には顧客操業の回復が不可欠と認識しているようだ。海外売上は前期に21億円と目標を前倒しで達成したが、スポット案件が寄与した側面もあり、今後は現地ローカル顧客への拡販が重要なテーマとなる。また、顧客からの要望が高い環境配慮型耐火物の新製品を開発しており、環境配慮型製品として、不焼成スピネルれんがやクロムフリーキャスタブルなど、顧客先でのテストを重ねている段階で量産フェーズ入りに向けて取り組みが続いている。成長ドライバーとしては、電炉向け需要の取り込み、環境配慮型耐火物の普及、海外市場での定着が中計達成に向けた鍵となる。
株主還元方針は「配当性向60%以上または1株85円以上の高い方」としており、今期の年間配当は据え置きの90円を予定している。PBR1倍水準に接近する中で、安定的な還元姿勢を示している。また2025年には麻生グループがTOBを実施し筆頭株主となったが、経営の独立性は維持されており、麻生セメントとの取引拡大や協業余地に期待が寄せられている。PBR1倍付近、配当利回り5%超えで推移する中、「ものづくりを支える耐火物メーカー」として産業構造変化や環境対応といった中長期テーマに的確に対応できるか注目しておきたい。
<NH>
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