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ククレブ Research Memo(1):CREのプラットフォーマーとして確固たる地位確立を目指す中期経営計画を策定
配信日時:2025/12/24 13:01
配信元:FISCO
*13:01JST ククレブ Research Memo(1):CREのプラットフォーマーとして確固たる地位確立を目指す中期経営計画を策定
■要約
ククレブ・アドバイザーズ<276A>は、企業が保有する工場や倉庫などの事業用不動産(以下、CRE)に関する課題を、不動産テックシステムで可視化し、有効活用施策の提案、不動産売買・賃貸、仲介、プロジェクトマネジメントなどの各種ソリューションサービスを展開している。不動産テックによる業務効率化と、簿価でおおむね20億円以下と大手不動産プレイヤーが参入しないコンパクトCRE市場に注力することで、2019年の会社設立以来、業績は高成長を続けている。2024年11月に東京証券取引所(以下、東証)グロース市場に株式上場を果たした。
1. 2025年8月期の業績概要
2025年8月期の連結業績は、売上高で前期比101.2%増の2,555百万円、営業利益で同45.6%増の612百万円と大幅増収増益となった。増収増益の要因は、主にCREソリューションビジネスの売上高が同112.7%増の2,383百万円と大きく伸長したことにある。これは、販売用不動産の売却に伴うバランスシート(以下、B/S)を活用した不動産投資案件の売上計上やCREアドバイザリー収入の増加などによるものである。また、不動産テックビジネスの売上高も契約件数の増加に伴い同15.0%増の171百万円と順調に拡大した。営業利益率が前期の33.2%から24.0%に低下したのは、B/S活用による不動産投資案件の売上高が同4倍増の1,540百万円となり、全体に占める構成比が上昇したことによる。
2. 2026年8月期の業績見通し
2026年8月期の連結業績は、売上高で前期比83.9%増の4,700百万円、営業利益で同79.4%増の1,100百万円と大幅増収増益が続く見通しである。企業の遊休不動産を有効活用する動きが活発化するなか、同社は不動産テックを活用して潜在的な案件の掘り起こしを効率的に進めており、前期に引き続きCREソリューションビジネスが大きく伸長する見込みである。四半期ベースではB/S活用による不動産投資の大型売却案件が予定されている第3四半期に2,231百万円の売上高を見込んでいる。前期は上期に収益が偏重していたため、第2四半期までは前年同期比で2ケタ減益が続く見込みだが、足元の需要は引き続き旺盛で、パイプラインも順調に積み上がっていることから、会社計画は十分に達成可能と弊社では見ている。
3. 中期経営計画と株主還元策
同社は2025年10月に2028年8月期までの中期経営計画を発表した。不動産テックを起点とした、CREソリューションの高い「質」と「成長性」を通じたビジネス展開の加速により、CREプラットフォーマーとしての地位確立を目指す。さらなる成長に向けて戦略的アライアンスを加速し、不動産テックを活用しながらCREソリューションの各種サービスをさらに強化する。また新たな取り組みとして、中堅・中小企業の事業承継ニーズに対応した不動産M&A案件への投資や、不動産テック企業のM&A・アライアンス戦略を推進する。なお、同社は2025年11月に公募及び第三者割当増資により約24億円の資金調達を実施した。ただし、今回の中期経営計画は、これら増資による資金調達を前提とせずに策定されている。
2028年8月期の業績目標は、売上高120億円、営業利益32億円を設定し(年平均成長率は売上高で67.5%、営業利益で73.6%)、営業利益は5倍増を目指す。60兆円規模となるコンパクトCRE市場は、情報の非対称性や秘匿性の高さから難易度の高い市場であり、大手不動産会社もほとんど手掛けていないブルーオーシャン市場と位置付けられる。今後も不動産テックを活用した独自のビジネスモデルを推進することで、高成長が継続する可能性が高いと弊社は見ている。
なお、株主還元については、事業資金への活用、内部留保の充実を最優先としながらも、株主利益最大化と内部留保のバランスを見ながら配当を行うことを基本方針としている。2025年8月期の1株当たり配当金は、前期比5.0円増配の22.0円(上場記念配当2.0円含む)を実施した。2026年8月期の1株当たり配当金は前期比5.0円増配となる27.0円と6期連続の増配を予定しており、今後も利益成長とともに配当水準の向上を目指す。
■Key Points
・2025年8月期はB/S活用不動産の売却などにより大幅増収増益を達成
・2026年8月期もCREソリューションに対する需要は旺盛で高成長が続く見通し
・2028年8月期に売上高120億円、営業利益32億円を目指す中期経営計画を策定
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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ククレブ・アドバイザーズ<276A>は、企業が保有する工場や倉庫などの事業用不動産(以下、CRE)に関する課題を、不動産テックシステムで可視化し、有効活用施策の提案、不動産売買・賃貸、仲介、プロジェクトマネジメントなどの各種ソリューションサービスを展開している。不動産テックによる業務効率化と、簿価でおおむね20億円以下と大手不動産プレイヤーが参入しないコンパクトCRE市場に注力することで、2019年の会社設立以来、業績は高成長を続けている。2024年11月に東京証券取引所(以下、東証)グロース市場に株式上場を果たした。
1. 2025年8月期の業績概要
2025年8月期の連結業績は、売上高で前期比101.2%増の2,555百万円、営業利益で同45.6%増の612百万円と大幅増収増益となった。増収増益の要因は、主にCREソリューションビジネスの売上高が同112.7%増の2,383百万円と大きく伸長したことにある。これは、販売用不動産の売却に伴うバランスシート(以下、B/S)を活用した不動産投資案件の売上計上やCREアドバイザリー収入の増加などによるものである。また、不動産テックビジネスの売上高も契約件数の増加に伴い同15.0%増の171百万円と順調に拡大した。営業利益率が前期の33.2%から24.0%に低下したのは、B/S活用による不動産投資案件の売上高が同4倍増の1,540百万円となり、全体に占める構成比が上昇したことによる。
2. 2026年8月期の業績見通し
2026年8月期の連結業績は、売上高で前期比83.9%増の4,700百万円、営業利益で同79.4%増の1,100百万円と大幅増収増益が続く見通しである。企業の遊休不動産を有効活用する動きが活発化するなか、同社は不動産テックを活用して潜在的な案件の掘り起こしを効率的に進めており、前期に引き続きCREソリューションビジネスが大きく伸長する見込みである。四半期ベースではB/S活用による不動産投資の大型売却案件が予定されている第3四半期に2,231百万円の売上高を見込んでいる。前期は上期に収益が偏重していたため、第2四半期までは前年同期比で2ケタ減益が続く見込みだが、足元の需要は引き続き旺盛で、パイプラインも順調に積み上がっていることから、会社計画は十分に達成可能と弊社では見ている。
3. 中期経営計画と株主還元策
同社は2025年10月に2028年8月期までの中期経営計画を発表した。不動産テックを起点とした、CREソリューションの高い「質」と「成長性」を通じたビジネス展開の加速により、CREプラットフォーマーとしての地位確立を目指す。さらなる成長に向けて戦略的アライアンスを加速し、不動産テックを活用しながらCREソリューションの各種サービスをさらに強化する。また新たな取り組みとして、中堅・中小企業の事業承継ニーズに対応した不動産M&A案件への投資や、不動産テック企業のM&A・アライアンス戦略を推進する。なお、同社は2025年11月に公募及び第三者割当増資により約24億円の資金調達を実施した。ただし、今回の中期経営計画は、これら増資による資金調達を前提とせずに策定されている。
2028年8月期の業績目標は、売上高120億円、営業利益32億円を設定し(年平均成長率は売上高で67.5%、営業利益で73.6%)、営業利益は5倍増を目指す。60兆円規模となるコンパクトCRE市場は、情報の非対称性や秘匿性の高さから難易度の高い市場であり、大手不動産会社もほとんど手掛けていないブルーオーシャン市場と位置付けられる。今後も不動産テックを活用した独自のビジネスモデルを推進することで、高成長が継続する可能性が高いと弊社は見ている。
なお、株主還元については、事業資金への活用、内部留保の充実を最優先としながらも、株主利益最大化と内部留保のバランスを見ながら配当を行うことを基本方針としている。2025年8月期の1株当たり配当金は、前期比5.0円増配の22.0円(上場記念配当2.0円含む)を実施した。2026年8月期の1株当たり配当金は前期比5.0円増配となる27.0円と6期連続の増配を予定しており、今後も利益成長とともに配当水準の向上を目指す。
■Key Points
・2025年8月期はB/S活用不動産の売却などにより大幅増収増益を達成
・2026年8月期もCREソリューションに対する需要は旺盛で高成長が続く見通し
・2028年8月期に売上高120億円、営業利益32億円を目指す中期経営計画を策定
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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