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湖池屋:高付加価値スナックと海外展開でブランド価値向上を目指す
配信日時:2025/12/24 10:18
配信元:FISCO
*10:18JST 湖池屋:高付加価値スナックと海外展開でブランド価値向上を目指す
湖池屋<2226>は1953年創業、日本で初めてポテトチップスを量産したスナック菓子専業メーカーである。「ポテトチップス のり塩」「カラムーチョ」「すっぱムーチョ」「スコーン」などのロングセラーに加え、「湖池屋プライドポテト」「ピュアポテト」など国産じゃがいもと素材感を訴求した高付加価値商品を展開し、強固なブランド力を誇っている。製造から販売までを一貫で手掛けるサプライチェーンと、独自の開発力・マーケティング力に特長を持つ。
同社の事業は国内と海外の2セグメントで構成される。国内では、高付加価値商品等の継続拡販、継続的な新機軸商品開発、中部工場稼働による生産能力拡大と物流効率改善を柱に事業を推進している。一方、昨今の異常高温等から起因するものと推測される馬鈴薯品質の悪化や原材料・人件費の上昇により製造コストが増加し、収益下押し要因になっている。他方、海外事業は台湾・ベトナム・タイに加え、2025年6月設立の米国子会社KOIKEYA AMERICA INC.を通じて北米展開に着手している。足元では、台湾でのプロモーション見直しにより収益性が改善し、ベトナムでは「Polinky」が好調を維持、タイでは販売チャネルの多様化を進めている。世界的なコスト上昇の影響は避けられないが、価格転嫁や高付加価値品へのシフトに加え、米国事業など新たな成長領域の開拓が期待される。
事業環境としては、国内スナック市場は人口減少下においても需要は底堅い。一方、気温上昇に伴う馬鈴薯品質悪化による歩留まり低下、植物油・資材・物流費、人件費の高止まりが続き、収益下押し要因となっている。競合大手との競争も激しいが、同社の強みである商品開発、マーケティングによって差別化し、ブランドロイヤルティの維持・向上が図られよう。また、同社は中部工場の稼働を開始しているが、生産・物流効率改善によりコスト増の吸収を図る構えである。
2026年3月期通期の業績予想は、売上高は前期比2.7%増の610億円、営業利益は同5.5%減の38億円、経常利益は同6.6%減の37億5,000万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同7.3%減の24億円と、増収減益となる計画である。当初計画からは北海道産じゃがいも不作に伴う原料調達難と調達価格上昇を織り込み、売上高、利益ともに下方修正を既に実施している。
中長期的には、高付加価値ブランドの育成とロングセラー再活性化、海外事業拡大、設備投資と生産・物流効率化による収益性向上を軸とした方針が開示資料で示されている。ここ数年は国内外とも売上は拡大している一方、原材料市況や気象要因で利益が振れやすくなっており、コスト構造の強靭化とブランド価値向上が中期的な重点テーマとなっている。
株主還元においては、内部留保と成長投資とのバランスを考慮しつつ継続的な配当を実施している。2026年3月期についても、前期と同額の一株当たり55円を予定する(配当性向24.4%、予想配当利回り1.19%)。また、株主優待として年1回、2,500円相当の自社商品詰め合わせを配布している。
投資の視点では、高付加価値スナックと海外展開を軸にした成長ポテンシャルは依然大きい。一方、原材料市況や天候要因により利益が振れやすく、今後の対応策については留意したい。足元の株価バリエーションPER20.5倍と過熱感はなく、中長期での投資を検討したい。
<NH>
同社の事業は国内と海外の2セグメントで構成される。国内では、高付加価値商品等の継続拡販、継続的な新機軸商品開発、中部工場稼働による生産能力拡大と物流効率改善を柱に事業を推進している。一方、昨今の異常高温等から起因するものと推測される馬鈴薯品質の悪化や原材料・人件費の上昇により製造コストが増加し、収益下押し要因になっている。他方、海外事業は台湾・ベトナム・タイに加え、2025年6月設立の米国子会社KOIKEYA AMERICA INC.を通じて北米展開に着手している。足元では、台湾でのプロモーション見直しにより収益性が改善し、ベトナムでは「Polinky」が好調を維持、タイでは販売チャネルの多様化を進めている。世界的なコスト上昇の影響は避けられないが、価格転嫁や高付加価値品へのシフトに加え、米国事業など新たな成長領域の開拓が期待される。
事業環境としては、国内スナック市場は人口減少下においても需要は底堅い。一方、気温上昇に伴う馬鈴薯品質悪化による歩留まり低下、植物油・資材・物流費、人件費の高止まりが続き、収益下押し要因となっている。競合大手との競争も激しいが、同社の強みである商品開発、マーケティングによって差別化し、ブランドロイヤルティの維持・向上が図られよう。また、同社は中部工場の稼働を開始しているが、生産・物流効率改善によりコスト増の吸収を図る構えである。
2026年3月期通期の業績予想は、売上高は前期比2.7%増の610億円、営業利益は同5.5%減の38億円、経常利益は同6.6%減の37億5,000万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同7.3%減の24億円と、増収減益となる計画である。当初計画からは北海道産じゃがいも不作に伴う原料調達難と調達価格上昇を織り込み、売上高、利益ともに下方修正を既に実施している。
中長期的には、高付加価値ブランドの育成とロングセラー再活性化、海外事業拡大、設備投資と生産・物流効率化による収益性向上を軸とした方針が開示資料で示されている。ここ数年は国内外とも売上は拡大している一方、原材料市況や気象要因で利益が振れやすくなっており、コスト構造の強靭化とブランド価値向上が中期的な重点テーマとなっている。
株主還元においては、内部留保と成長投資とのバランスを考慮しつつ継続的な配当を実施している。2026年3月期についても、前期と同額の一株当たり55円を予定する(配当性向24.4%、予想配当利回り1.19%)。また、株主優待として年1回、2,500円相当の自社商品詰め合わせを配布している。
投資の視点では、高付加価値スナックと海外展開を軸にした成長ポテンシャルは依然大きい。一方、原材料市況や天候要因により利益が振れやすく、今後の対応策については留意したい。足元の株価バリエーションPER20.5倍と過熱感はなく、中長期での投資を検討したい。
<NH>
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