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上新電機 Research Memo(5):2026年3月期は会社計画を上回って着地、コスト増も増収効果により補完
配信日時:2025/12/01 11:05
配信元:FISCO
*11:05JST 上新電機 Research Memo(5):2026年3月期は会社計画を上回って着地、コスト増も増収効果により補完
■上新電機<8173>の業績動向
1. 2026年3月期中間期の業績概要
2026年3月期中間期の連結業績は、売上高が前年同期比9.6%増の210,452百万円、営業利益が同16.3%増の2,138百万円、経常利益が同12.8%増の2,004百万円、親会社株主に帰属する中間純利益が同13.7%減の1,894百万円となった。期初計画(売上高196,000百万円、営業利益2,000百万円)に対して、売上高は7.4%、営業利益は6.9%上回って着地した。
売上面は店舗販売が前年同期比9.3%増、ECが同22.2%増といずれも拡大した。パソコン、携帯電話、ゲーム・玩具が好調であったことに加え、足元で低迷していた家電もエアコンを中心に健闘した。品種別の売上高の増減率を見ると、パソコンは「Windows 10」のサポート終了に伴う買い替え需要の発生により同43.6%増、携帯電話は販売数の順調な増加により同23.2%増、ゲーム・模型・玩具・楽器は「Nintendo Switch 2」発売に伴うゲーム機本体及び関連商品の販売好調などにより同22.4%増と拡大した。
利益面については、営業利益の増減要因を見ると、売上総利益が16億円増、人件費が3億円増、家賃・地代が1億円増、物流費が3億円増、広告宣伝費が1億円増などであり、コストの増加を増収効果により補完した。
十分な財務安全性を有すると評価、在庫流動性も順調に改善
2. 財務状況と経営指標
2026年3月期中間期の財務状況を見ると、資産合計は前期末比1,839百万円減少の229,664百万円となった。流動資産合計は現金及び預金、売掛金の減少などにより同2,430百万円減少した。固定資産合計は有形固定資産及び無形固定資産の増加により同592百万円増加した。負債合計は同1,344百万円減少の125,493百万円となった。流動負債合計は有利子負債の減少などにより同1,411百万円減少した。固定負債合計は同66百万円減少と前期末並みとなった。純資産合計は配当金の支払いなどにより同494百万円減少の104,171百万円となった。
2026年3月期中間期の主な経営指標を見ると、同社の財務体質は依然として良好であり、バランスシートの健全性が維持されていることが窺える。自己資本比率は45.4%と十分な水準であることに加え、有利子負債から現金及び預金を控除して算出されるネットデットは前期末比10,896百万円減少しており、債務返済能力が改善している。また、在庫の効率的な運用を示す棚卸資産回転日数は前期末比0.6日短縮されており、関西茨木物流センターやアウトレット店舗を活用した在庫管理の取り組みにより、在庫流動性の改善が継続している。在庫管理の精度が向上しているとともに、キャッシュ・フローの効率性も高まっていると評価される。同社は健全な財務基盤を維持しながら、資産効率や資金調達構造の最適化にも注力しており、中長期的な企業価値の向上に向けた経営姿勢が財務面に反映されていると言えよう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林 拓馬)
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1. 2026年3月期中間期の業績概要
2026年3月期中間期の連結業績は、売上高が前年同期比9.6%増の210,452百万円、営業利益が同16.3%増の2,138百万円、経常利益が同12.8%増の2,004百万円、親会社株主に帰属する中間純利益が同13.7%減の1,894百万円となった。期初計画(売上高196,000百万円、営業利益2,000百万円)に対して、売上高は7.4%、営業利益は6.9%上回って着地した。
売上面は店舗販売が前年同期比9.3%増、ECが同22.2%増といずれも拡大した。パソコン、携帯電話、ゲーム・玩具が好調であったことに加え、足元で低迷していた家電もエアコンを中心に健闘した。品種別の売上高の増減率を見ると、パソコンは「Windows 10」のサポート終了に伴う買い替え需要の発生により同43.6%増、携帯電話は販売数の順調な増加により同23.2%増、ゲーム・模型・玩具・楽器は「Nintendo Switch 2」発売に伴うゲーム機本体及び関連商品の販売好調などにより同22.4%増と拡大した。
利益面については、営業利益の増減要因を見ると、売上総利益が16億円増、人件費が3億円増、家賃・地代が1億円増、物流費が3億円増、広告宣伝費が1億円増などであり、コストの増加を増収効果により補完した。
十分な財務安全性を有すると評価、在庫流動性も順調に改善
2. 財務状況と経営指標
2026年3月期中間期の財務状況を見ると、資産合計は前期末比1,839百万円減少の229,664百万円となった。流動資産合計は現金及び預金、売掛金の減少などにより同2,430百万円減少した。固定資産合計は有形固定資産及び無形固定資産の増加により同592百万円増加した。負債合計は同1,344百万円減少の125,493百万円となった。流動負債合計は有利子負債の減少などにより同1,411百万円減少した。固定負債合計は同66百万円減少と前期末並みとなった。純資産合計は配当金の支払いなどにより同494百万円減少の104,171百万円となった。
2026年3月期中間期の主な経営指標を見ると、同社の財務体質は依然として良好であり、バランスシートの健全性が維持されていることが窺える。自己資本比率は45.4%と十分な水準であることに加え、有利子負債から現金及び預金を控除して算出されるネットデットは前期末比10,896百万円減少しており、債務返済能力が改善している。また、在庫の効率的な運用を示す棚卸資産回転日数は前期末比0.6日短縮されており、関西茨木物流センターやアウトレット店舗を活用した在庫管理の取り組みにより、在庫流動性の改善が継続している。在庫管理の精度が向上しているとともに、キャッシュ・フローの効率性も高まっていると評価される。同社は健全な財務基盤を維持しながら、資産効率や資金調達構造の最適化にも注力しており、中長期的な企業価値の向上に向けた経営姿勢が財務面に反映されていると言えよう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林 拓馬)
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