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芝浦メカトロニクス:生成AI需要を追い風に成長を続ける装置メーカー
配信日時:2025/11/26 10:40
配信元:FISCO
*10:40JST 芝浦メカトロニクス:生成AI需要を追い風に成長を続ける装置メーカー
芝浦メカトロニクス<6590>は、主に半導体製造装置、フラットパネルディスプレイ(FPD)製造装置を手掛ける企業である。半導体、FPDそれぞれ前工程と後工程の両方に装置を供給する体制を備えることや、半導体前工程の中でもデバイスの製造工程だけでなく、シリコンウェーハ製造工程やマスク製造工程向けの製品を手掛けるなど、業界内で独自の地位を確立している。また、特に近年は半導体後工程の先端パッケージ向け装置が、AIやデータセンターの需要拡大を背景に活用の広がりが見込まれている。
事業セグメントは「ファインメカトロニクス」「メカトロニクスシステム」「流通機器システム」「不動産賃貸」の4つで構成され、売上構成比では半導体製造装置やその保守・サービスを中心とする半導体分野が全体の8割近くを占める。近年は生成AI用GPU用途の先端パッケージ向け装置の需要拡大も追い風に業績が順調に拡大しており、複数年連続の増収増益を実現している。
同社の強みは、第一に前工程から後工程にわたる製品ラインアップと、それを支える技術力にある。洗浄、エッチング、ボンディングといった多彩な工程に対応するコア技術を複数持ち、例えばエッチング技術は、半導体前工程の主力製品であるロジック/ファウンドリ向けの先端デバイスに対応するエッチング装置のほかマスク向けエッチング装置に、ボンディング技術は、半導体後工程の先端パッケージ向け装置にと、現在の主力製品に幅広く活かされている。また、このような製品ラインアップにより、需要変動が大きい半導体業界の中で安定した事業基盤を築いている。
第二に、特定製品群でグローバルニッチトップを実現している点がある。半導体前工程向けの枚葉式シリコンウェーハ洗浄装置、枚葉式高温リン酸エッチング装置、後工程向けの先端パッケージ向け装置といった、特定領域ながらも高シェアを獲得する製品、グローバルニッチトップ製品を擁している。
第三に、グローバル展開の進展が挙げられる。売上の約7割を海外が占め、中国や台湾を中心に高い成長が続いている。
2026年3月期第2四半期(2025年4〜9月)の業績は、売上高42,277百万円(前年同期比16.2%増)、営業利益7,572百万円(同31.7%増)と増収増益となった。背景には、生成AI用GPU需要の拡大による半導体後工程の先端パッケージ向け装置の受注の継続的な好調がある。半導体前工程の受注も堅調で、下期以降のさらなる回復が期待されている。また、FPD関連は依然として低調だったが、主力の半導体分野が全体をけん引した。通期見通しについても、売上高83,500百万円(前回5月公表予想比4.4%増)、営業利益12,500百万円(同19.0%増)と上方修正した。
同社は今期までの3年間を成長投資フェーズと位置付けており、研究開発費や減価償却費の増加に加え、今後の需要変動の可能性もあるが、AI関連投資の継続を背景に上振れ余地も残されている。
今後の成長戦略として、同社は長期ビジョン「芝浦ビジョン2033」において2033年までに売上高1,000億円以上と営業利益率20%以上を達成することを目標に掲げている。グローバルニッチトップ製品を中心に半導体分野の拡大をさらに進め、シリコンウェーハ製造、フォトマスク製造、ウェーハプロセス、モジュールプロセスの4工程それぞれで優位性をさらに強化するべく新製品の開発に注力する方針で、足元ではハイブリッドボンダや先端向けのPLP(パネルレベルパッケージ)用途の新製品の開発も進展している。
半導体需要は今後も世界的に拡大していくことが期待されており、同社の技術基盤や製品ラインアップ、またその実績を武器に、様々な需要を上手く取り込んで成長していくことが期待される。
株主還元については、配当性向35%を目安とした業績に裏付けられた配当の方針を示しており、2026年3月期の配当予想は、当初の年間200円から、業績予想の上方修正にともない238円とした。中長期的には、成長投資を継続しつつも利益水準に応じた柔軟な還元を行う体制を整えている。
総じて、芝浦メカトロニクスは半導体需要拡大を追い風に、半導体の前工程・後工程をラインアップに備える製品群とグローバルニッチトップ戦略によって持続的な成長を続けている。短期的には前工程の調整局面も見られるものの、中長期的には今後もあらゆる産業や製品における半導体の需要を受け、高付加価値装置への需要は一段と高まる見込みである。今後も同社の業績の推移と新製品開発の進展に注目していきたい。
<HM>
事業セグメントは「ファインメカトロニクス」「メカトロニクスシステム」「流通機器システム」「不動産賃貸」の4つで構成され、売上構成比では半導体製造装置やその保守・サービスを中心とする半導体分野が全体の8割近くを占める。近年は生成AI用GPU用途の先端パッケージ向け装置の需要拡大も追い風に業績が順調に拡大しており、複数年連続の増収増益を実現している。
同社の強みは、第一に前工程から後工程にわたる製品ラインアップと、それを支える技術力にある。洗浄、エッチング、ボンディングといった多彩な工程に対応するコア技術を複数持ち、例えばエッチング技術は、半導体前工程の主力製品であるロジック/ファウンドリ向けの先端デバイスに対応するエッチング装置のほかマスク向けエッチング装置に、ボンディング技術は、半導体後工程の先端パッケージ向け装置にと、現在の主力製品に幅広く活かされている。また、このような製品ラインアップにより、需要変動が大きい半導体業界の中で安定した事業基盤を築いている。
第二に、特定製品群でグローバルニッチトップを実現している点がある。半導体前工程向けの枚葉式シリコンウェーハ洗浄装置、枚葉式高温リン酸エッチング装置、後工程向けの先端パッケージ向け装置といった、特定領域ながらも高シェアを獲得する製品、グローバルニッチトップ製品を擁している。
第三に、グローバル展開の進展が挙げられる。売上の約7割を海外が占め、中国や台湾を中心に高い成長が続いている。
2026年3月期第2四半期(2025年4〜9月)の業績は、売上高42,277百万円(前年同期比16.2%増)、営業利益7,572百万円(同31.7%増)と増収増益となった。背景には、生成AI用GPU需要の拡大による半導体後工程の先端パッケージ向け装置の受注の継続的な好調がある。半導体前工程の受注も堅調で、下期以降のさらなる回復が期待されている。また、FPD関連は依然として低調だったが、主力の半導体分野が全体をけん引した。通期見通しについても、売上高83,500百万円(前回5月公表予想比4.4%増)、営業利益12,500百万円(同19.0%増)と上方修正した。
同社は今期までの3年間を成長投資フェーズと位置付けており、研究開発費や減価償却費の増加に加え、今後の需要変動の可能性もあるが、AI関連投資の継続を背景に上振れ余地も残されている。
今後の成長戦略として、同社は長期ビジョン「芝浦ビジョン2033」において2033年までに売上高1,000億円以上と営業利益率20%以上を達成することを目標に掲げている。グローバルニッチトップ製品を中心に半導体分野の拡大をさらに進め、シリコンウェーハ製造、フォトマスク製造、ウェーハプロセス、モジュールプロセスの4工程それぞれで優位性をさらに強化するべく新製品の開発に注力する方針で、足元ではハイブリッドボンダや先端向けのPLP(パネルレベルパッケージ)用途の新製品の開発も進展している。
半導体需要は今後も世界的に拡大していくことが期待されており、同社の技術基盤や製品ラインアップ、またその実績を武器に、様々な需要を上手く取り込んで成長していくことが期待される。
株主還元については、配当性向35%を目安とした業績に裏付けられた配当の方針を示しており、2026年3月期の配当予想は、当初の年間200円から、業績予想の上方修正にともない238円とした。中長期的には、成長投資を継続しつつも利益水準に応じた柔軟な還元を行う体制を整えている。
総じて、芝浦メカトロニクスは半導体需要拡大を追い風に、半導体の前工程・後工程をラインアップに備える製品群とグローバルニッチトップ戦略によって持続的な成長を続けている。短期的には前工程の調整局面も見られるものの、中長期的には今後もあらゆる産業や製品における半導体の需要を受け、高付加価値装置への需要は一段と高まる見込みである。今後も同社の業績の推移と新製品開発の進展に注目していきたい。
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