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ガーデン Research Memo(3):主力ブランドは「壱角家」と「山下本気うどん」
配信日時:2025/11/26 11:03
配信元:FISCO
*11:03JST ガーデン Research Memo(3):主力ブランドは「壱角家」と「山下本気うどん」
■事業概要
1. 事業内容
ガーデン<274A>の主力事業は飲食事業で、ラーメン事業、レストラン事業、ステーキ事業、寿司事業など様々な飲食店舗の運営、及び保有するブランドに関わるフランチャイズ事業を行っている。同社が運営する飲食店舗の特徴は、ラーメンやうどん、丼といった1,000~1,500円程度の比較的低価格な「日常食業態」から、居酒屋や寿司など客単価が2,000円を超える「機会食業態」まで、幅広いジャンルのブランドを有している点にある。全業態で黒字化しているが、「壱角家」と「山下本気うどん」が高収益の主力ブランドに育っており、この2本柱を成長ドライバーとしている。なお、2026年2月期中間期末時点で、店舗数は197店舗(直営166店舗、業務委託※1店舗、FC30店舗)となっている。また、同社は不動産事業も展開しているが、ほとんどが店舗開発や店舗開発に伴うリーシングなど同社飲食事業向けの業務で、その他事業に含まれている。
※ 同社従業員が独立制度を利用して、同社ブランドの既存店舗の運営・管理を行う形態。既存店を運営するため開店時から一定の客数が見込めるうえ、開店費用やフランチャイズ費用などがかからない。
(1) ラーメン事業
ラーメン業界は、個人店など小資本の店舗を中心に店舗数が漸減傾向にあり、大手チェーンへの集約が進んでいる。同社は、横浜家系ラーメン「壱角家」をはじめ、博多とんこつラーメン「一竜」、「だるまのめ」、背脂醤油とんこつ「てらッちょ。」など、幅広いジャンルのラーメン店を運営している。なかでも「壱角家」が主力ブランドで、都心ターミナル駅を地盤に10~40代男性客を中心にチェーン展開、家系ラーメン特有の濃厚でクリーミーなスープとスープが絡みやすい特注の中太麺のラーメンを提供している。また、「壱角家」では自社で持つ様々なラーメンジャンルを活用してメニューの幅を広げているため、家系以外の味も楽しめるという特徴があり、強い業態と言われる家系のなかでも特に差別化された業態となっている。調達については、家系はギフトの工場で一括して仕込んだ麺とスープを、家系以外は厳選した仕入先などから同社仕様の材料を仕入れているため、店舗調理はセットアップするだけでよく、店舗装備もオペレーションもローコストな仕組みとなっている。なお、卓上に多種類の調味料を用意しており、顧客自身が様々に味付けを変えられる。
接客に関しては、長年の経験とM&Aによって積み上げられた独自マニュアルに加え、QSCAを徹底して実施しているため、経験の浅いアルバイトや外国人でもブレのない安定した味と気持ちの良いサービスを提供できる。店舗開発に関しては、駅前立地の路面店を中心に開発してきたが、認知度の向上に伴って引き合いが強まってきた商業施設内のフードコートへの出店も増やしている。もともと駅前立地の中心客層である若年男性に人気だったが、ファミリー層の来店が多いフードコート向けに価格やメニューをアレンジすることでファミリー層の支持も得たようだ。投資については、主力の路面店はオペレーションコストが低く「壱角家」で21%以上と店舗収益率が高いうえ、居抜き店舗を活用するなど初期投資を低く抑えているため、投資回収期間は1年半〜2年と比較的短い。フードコートの投資採算については、入店客数は路面店と変わりないが、セルフサービスのため従業員が少なく営業時間もだいたい11時〜20時と短いので店舗収益率が路面店と同等以上となるうえ、内装やフロアコストがほとんどかからず投資額が路面店の半額程度と低いため、投資回収期間は路面店に比べてさらに短くなっている。
(2) レストラン事業
レストラン事業では、創作さぬきうどんの「山下本気うどん」とハワイアンレストランを運営している。このうち同社2本目の柱として成長し始めたのが「山下本気うどん」である。本場香川の老舗製粉工場でPBのうどん粉を製造して取り寄せ、店内で製麺したのち一晩熟成して提供、出汁は昆布と鰹をベースにこだわりの醤油で仕立てている。このため味への評価は高く、加えて好立地への出店や内外装のリニューアル、映えるメニューの開発など業態としてブラッシュアップを重ねてきた。この結果、高収益化とブランド構築に成功し、市場規模と店舗数がともに増加傾向にあるうどん業界のなかで人気ブランドとなった。2021年10月に商標を獲得して以降は、本格的に多店舗展開を開始、成長ドライバーとしての位置付けを明確にしている。
「山下本気うどん」では、落ち着いた和の雰囲気のなかで、老舗名店を踏襲した定番の味を提供している。一方、メニュー数で10%強(売上高では3分の1程度)を占める、見映えの楽しさも意識した期間・季節限定のキラー商品に特徴がある。例えば、期間限定メニューだった「白い明太チーズクリームうどん」は、食べやすい味付けとインパクトのある見た目で女性客を中心に好評で、SNSで拡散され、テレビなどメディアでも取り上げられたほか、2025年9月にはジャパン・フード・セレクションで最高位グランプリを受賞した。ほかにも「白いカルボナーラうどん」など積極的にメニュー開発を行っており、キラー商品から定番化されるメニューも増えている。「山下本気うどん」のキラー商品は特に来店目的性が高いため、ビルを1棟借りした場合の2階以上でも十分収益を確保できる業態となっている(1階は「壱角家」)。投資回収期間が1年半と短いため多店舗展開に適した業態といえ、首都圏などの駅近好物件や商業施設のフードコートへの新規出店を進めるとともに、フランチャイズ方式による全国展開も目指している。
(3) ステーキ事業・寿司事業・フランチャイズ事業
ステーキ事業では、「鉄板王国」「ステーキの王様」を展開、肉以外も国産米や新鮮な野菜など食材にこだわり、熱々の鉄板で好みの焼き加減に仕上げたステーキを、厳選した十数種類のスパイスや果実を独自にブレンドしたオリジナルソースとともに、リーズナブルな価格で提供している。「情熱のすためしどんどん」は、独自に開発したニンニク醤油で炒めた豚バラを熱々のご飯に載せた丼などバリエーション豊富なメニューが特徴である。「MARZAC」は、気軽に立ち寄れる「ワイン食堂」をコンセプトに、和洋様々な料理をアラカルトで楽しめる業態である。寿司事業では、内外の観光客をターゲットに、お台場のダイバーシティ東京プラザに「回転寿司プレミアム海王」を構え、新鮮で厳選された旬の食材を使った、握り寿司や創作寿司、おつまみなどを提供している。「肉寿司/シン・ニクズシマン」は、「肉を美味しく食べる方法と、新しい価値の有る料理」をコンセプトに、馬・牛・豚・鶏・ホルモンなどあらゆる肉を最適な調理法で提供する肉料理専門の寿司店である。また、「壱角家」「肉寿司」「元祖博多中州屋台とんこつラーメン 一竜」「山下本気うどん」に関しては、フランチャイズ方式を用いた事業を展開し、スーパーバイザーによる経営指導と食材の卸売りを行っている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)
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1. 事業内容
ガーデン<274A>の主力事業は飲食事業で、ラーメン事業、レストラン事業、ステーキ事業、寿司事業など様々な飲食店舗の運営、及び保有するブランドに関わるフランチャイズ事業を行っている。同社が運営する飲食店舗の特徴は、ラーメンやうどん、丼といった1,000~1,500円程度の比較的低価格な「日常食業態」から、居酒屋や寿司など客単価が2,000円を超える「機会食業態」まで、幅広いジャンルのブランドを有している点にある。全業態で黒字化しているが、「壱角家」と「山下本気うどん」が高収益の主力ブランドに育っており、この2本柱を成長ドライバーとしている。なお、2026年2月期中間期末時点で、店舗数は197店舗(直営166店舗、業務委託※1店舗、FC30店舗)となっている。また、同社は不動産事業も展開しているが、ほとんどが店舗開発や店舗開発に伴うリーシングなど同社飲食事業向けの業務で、その他事業に含まれている。
※ 同社従業員が独立制度を利用して、同社ブランドの既存店舗の運営・管理を行う形態。既存店を運営するため開店時から一定の客数が見込めるうえ、開店費用やフランチャイズ費用などがかからない。
(1) ラーメン事業
ラーメン業界は、個人店など小資本の店舗を中心に店舗数が漸減傾向にあり、大手チェーンへの集約が進んでいる。同社は、横浜家系ラーメン「壱角家」をはじめ、博多とんこつラーメン「一竜」、「だるまのめ」、背脂醤油とんこつ「てらッちょ。」など、幅広いジャンルのラーメン店を運営している。なかでも「壱角家」が主力ブランドで、都心ターミナル駅を地盤に10~40代男性客を中心にチェーン展開、家系ラーメン特有の濃厚でクリーミーなスープとスープが絡みやすい特注の中太麺のラーメンを提供している。また、「壱角家」では自社で持つ様々なラーメンジャンルを活用してメニューの幅を広げているため、家系以外の味も楽しめるという特徴があり、強い業態と言われる家系のなかでも特に差別化された業態となっている。調達については、家系はギフトの工場で一括して仕込んだ麺とスープを、家系以外は厳選した仕入先などから同社仕様の材料を仕入れているため、店舗調理はセットアップするだけでよく、店舗装備もオペレーションもローコストな仕組みとなっている。なお、卓上に多種類の調味料を用意しており、顧客自身が様々に味付けを変えられる。
接客に関しては、長年の経験とM&Aによって積み上げられた独自マニュアルに加え、QSCAを徹底して実施しているため、経験の浅いアルバイトや外国人でもブレのない安定した味と気持ちの良いサービスを提供できる。店舗開発に関しては、駅前立地の路面店を中心に開発してきたが、認知度の向上に伴って引き合いが強まってきた商業施設内のフードコートへの出店も増やしている。もともと駅前立地の中心客層である若年男性に人気だったが、ファミリー層の来店が多いフードコート向けに価格やメニューをアレンジすることでファミリー層の支持も得たようだ。投資については、主力の路面店はオペレーションコストが低く「壱角家」で21%以上と店舗収益率が高いうえ、居抜き店舗を活用するなど初期投資を低く抑えているため、投資回収期間は1年半〜2年と比較的短い。フードコートの投資採算については、入店客数は路面店と変わりないが、セルフサービスのため従業員が少なく営業時間もだいたい11時〜20時と短いので店舗収益率が路面店と同等以上となるうえ、内装やフロアコストがほとんどかからず投資額が路面店の半額程度と低いため、投資回収期間は路面店に比べてさらに短くなっている。
(2) レストラン事業
レストラン事業では、創作さぬきうどんの「山下本気うどん」とハワイアンレストランを運営している。このうち同社2本目の柱として成長し始めたのが「山下本気うどん」である。本場香川の老舗製粉工場でPBのうどん粉を製造して取り寄せ、店内で製麺したのち一晩熟成して提供、出汁は昆布と鰹をベースにこだわりの醤油で仕立てている。このため味への評価は高く、加えて好立地への出店や内外装のリニューアル、映えるメニューの開発など業態としてブラッシュアップを重ねてきた。この結果、高収益化とブランド構築に成功し、市場規模と店舗数がともに増加傾向にあるうどん業界のなかで人気ブランドとなった。2021年10月に商標を獲得して以降は、本格的に多店舗展開を開始、成長ドライバーとしての位置付けを明確にしている。
「山下本気うどん」では、落ち着いた和の雰囲気のなかで、老舗名店を踏襲した定番の味を提供している。一方、メニュー数で10%強(売上高では3分の1程度)を占める、見映えの楽しさも意識した期間・季節限定のキラー商品に特徴がある。例えば、期間限定メニューだった「白い明太チーズクリームうどん」は、食べやすい味付けとインパクトのある見た目で女性客を中心に好評で、SNSで拡散され、テレビなどメディアでも取り上げられたほか、2025年9月にはジャパン・フード・セレクションで最高位グランプリを受賞した。ほかにも「白いカルボナーラうどん」など積極的にメニュー開発を行っており、キラー商品から定番化されるメニューも増えている。「山下本気うどん」のキラー商品は特に来店目的性が高いため、ビルを1棟借りした場合の2階以上でも十分収益を確保できる業態となっている(1階は「壱角家」)。投資回収期間が1年半と短いため多店舗展開に適した業態といえ、首都圏などの駅近好物件や商業施設のフードコートへの新規出店を進めるとともに、フランチャイズ方式による全国展開も目指している。
(3) ステーキ事業・寿司事業・フランチャイズ事業
ステーキ事業では、「鉄板王国」「ステーキの王様」を展開、肉以外も国産米や新鮮な野菜など食材にこだわり、熱々の鉄板で好みの焼き加減に仕上げたステーキを、厳選した十数種類のスパイスや果実を独自にブレンドしたオリジナルソースとともに、リーズナブルな価格で提供している。「情熱のすためしどんどん」は、独自に開発したニンニク醤油で炒めた豚バラを熱々のご飯に載せた丼などバリエーション豊富なメニューが特徴である。「MARZAC」は、気軽に立ち寄れる「ワイン食堂」をコンセプトに、和洋様々な料理をアラカルトで楽しめる業態である。寿司事業では、内外の観光客をターゲットに、お台場のダイバーシティ東京プラザに「回転寿司プレミアム海王」を構え、新鮮で厳選された旬の食材を使った、握り寿司や創作寿司、おつまみなどを提供している。「肉寿司/シン・ニクズシマン」は、「肉を美味しく食べる方法と、新しい価値の有る料理」をコンセプトに、馬・牛・豚・鶏・ホルモンなどあらゆる肉を最適な調理法で提供する肉料理専門の寿司店である。また、「壱角家」「肉寿司」「元祖博多中州屋台とんこつラーメン 一竜」「山下本気うどん」に関しては、フランチャイズ方式を用いた事業を展開し、スーパーバイザーによる経営指導と食材の卸売りを行っている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)
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