注目トピックス 市況・概況
来週の相場で注目すべき3つのポイント:米小売売上高、米PPI、野口日銀審議委員講演
配信日時:2025/11/22 17:23
配信元:FISCO
*17:23JST 来週の相場で注目すべき3つのポイント:米小売売上高、米PPI、野口日銀審議委員講演
■株式相場見通し
予想レンジ:上限51000円-下限47500円
今週末の米国株式市場は上昇。ダウ平均は前日比493.15ドル高の46245.41ドル、ナスダックは同195.03ポイント高の22273.08で取引を終了した。225ナイト・セッションは日中終値比30円高の48810円。NY連銀のウィリアムズ総裁が、労働市場の軟化を背景に、連邦準備制度理事会(FRB)が近いうちに再び利下げを行う余地があるとの見方を示した。これに伴い、12月の利下げ継続期待が再燃する形となった。
週末21日の日経平均株価は約1200円、2.4%の大幅な下落となったものの、TOPIXはほぼ横ばいにとどまっている。日経平均は、一部の半導体株やAI関連株の動向に大きく影響を受ける指数となってしまっている状況だ。エヌビディアのコンセンサスを上回る決算がAIバブルへの懸念を払拭させるものとならなかったことから、日経平均株価に関しては、先行きの下値不安が拭えないであろう。一方、半導体・AI関連株から他の銘柄への資金シフトの動きは強まる可能性がある。日中関係の悪化によってインバウンド関連株などには今後も警戒が続く可能性も高いが、バリュー系の出遅れ銘柄、グロース系の中小型株などへの押し目買いには注目しておきたい。
また、政府は21日の臨時閣議において、21.3兆円規模の総合経済対策を決定している。実質GDP(国内総生産)を24兆円程度、成長率を年率1.4%ほど押し上げる効果を見込むとしており、成長投資の柱となり得る分野の銘柄などには見直しの動きが強まっていきそうだ。とりわけ、経済対策のポイントとされているところでは、造船の能力向上に向けた「10年間の基金」創設、宇宙、国土強靭化などへの投資、病院や医療従事者向けの補助金、副首都機能の整備などが注目できよう。一方、積極的な財政拡張策も一因となって国内長期金利の上昇が続いている。一段の金利上昇、それに伴う更なる円安の進行などは、全般的な株式投資の手控え材料につながる可能性が残る。
米国では12月9-10日に連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されるが、FRBでは10月の雇用統計や消費者物価指数(CPI)のデータを入手できないまま、FOMCに臨むことになる。来週予定されていた7-9月期の国内総生産(GDP)や10月の個人消費なども発表が延期される。パウエルFRB議長と歩調を合わせる傾向があるとされるウィリアムズ総裁のハト派発言を受けて、12月利下げ確率は一気に高まったものの、ここまでタカ派的なFRB高官発言が目立っており、依然として12月の利下げ実施には不透明感が残るところ。日経平均の行方を左右する米ハイテク株の方向感は引き続き掴みにくいとみられる。
27日には感謝祭の休日を控えており、来週の米国市場は様子見ムードも強まるとみられる。海外投資家の日本株への資金流入も細る公算があろう。一方、28日はブラックフライデーとなり、年末商戦の状況次第では、個人消費の拡大が米国景気の支えになるとして、12月入り後の米国市場の明るい材料につながっていく可能性は残る。
■為替市場見通し
来週の米ドル・円は底堅い値動きを保つ可能性がある。米景気減速への懸念で12月利下げ観測が広がった場合、リスク選好的なドル買い・円売りは抑制される可能性がある。11月20日に発表された米9月雇用統計では、非農業部門雇用者数は前月分から増加したが、失業率は上昇、強弱まちまちの内容だった。また、ウィリアムズ米NY連銀総裁が11月21日、「近い将来の利下げにまだ余地がある」との見方を伝えたことから、12月利下げの確率は上昇した。
ただ、日本銀行による12月利上げの可能性は大幅に低下しており、日本円との比較で安全とされる米ドルの需要がただちに弱まる可能性は低いとみられる。10月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合の議事要旨では、一段の緩和に慎重な参加メンバーが過半数を占めていたことが判明している。また、日本銀行の植田総裁、片山財務相、城内経済財政担当相が19日に都内で会談を行ったが、為替についての具体的な話は出なかったことから、市場参加者の間では外為市場で円買い介入が実施される可能性は低いとの見方が多い。短期間で大幅なドル高円安となったことから、ドルの急反落が一部で警戒されているものの、日米金利差の大幅な縮小は想定されていないため、ドル高円安の基調が短期間で失われる可能性は低いとみられる。
■来週の注目スケジュール
11月24日(月・祝):株式市場は祝日のため休場(勤労感謝の日の振替休日)、独・IFO企業景況感指数(11月)など
11月25日(火):東京地区百貨店売上高(10月)、全国百貨店売上高(10月)、米・小売売上高(9月)、米・生産者物価コア指数(9月)、米・FHFA住宅価格指数(9月)、米・S&PCS20都市住宅価格指数(9月)、米・企業在庫(8月)、米・中古住宅販売件数(10月)、米・消費者信頼感指数(11月)、欧・ユーロ圏新車販売台数(10月)、独・GDP改定値(7-9月)など
11月26日(水):企業向けサービス価格指数(10月)、景気先行CI指数(9月)、景気一致指数(9月)、工作機械受注(10月)、米・新規失業保険申請件数(先週)、米・耐久財受注(9月)、米・MNIシカゴ購買部協会景気指数(11月)、米・地区連銀経済報告(ベージュブック)公表、欧・欧州中央銀行(ECB)が金融安定報告公表、NZ・ニュージーランド準備銀行(中央銀行)が政策金利発表、豪・消費者物価指数(10月)など
11月27日(木):野口旭日銀審議委員が大分県金融経済懇談会で講演、米・株式市場は祝日のため休場(感謝祭)、中・工業利益(10月)、欧・ユーロ圏マネーサプライ(10月)、欧・ユーロ圏消費者信頼感指数(11月)、欧・ユーロ圏景況感指数(11月)、欧・ECB議事要旨(10月会合)、韓・中央銀行が政策金利発表など
11月28日(金):有効求人倍率(10月)、失業率(10月)、東京CPI(11月)、鉱工業生産指数(10月)、小売売上高(10月)、百貨店・スーパー売上高(10月)、住宅着工件数(10月)、米・株式市場は短縮取引(感謝祭翌日の金曜日「ブラックフライデー」)、欧・ECBがユーロ圏CPI予想(10月)、独・消費者物価指数(10月)、独・失業率(失業保険申請率)(11月)、加・GDP(7-9月)、スイス・GDP(7-9月)、台湾・GDP(7-9月)、南ア・貿易収支(10月)など
11月30日(日):中・製造業PMI(11月)、中・非製造業PMI(11月)など
<YU>
予想レンジ:上限51000円-下限47500円
今週末の米国株式市場は上昇。ダウ平均は前日比493.15ドル高の46245.41ドル、ナスダックは同195.03ポイント高の22273.08で取引を終了した。225ナイト・セッションは日中終値比30円高の48810円。NY連銀のウィリアムズ総裁が、労働市場の軟化を背景に、連邦準備制度理事会(FRB)が近いうちに再び利下げを行う余地があるとの見方を示した。これに伴い、12月の利下げ継続期待が再燃する形となった。
週末21日の日経平均株価は約1200円、2.4%の大幅な下落となったものの、TOPIXはほぼ横ばいにとどまっている。日経平均は、一部の半導体株やAI関連株の動向に大きく影響を受ける指数となってしまっている状況だ。エヌビディアのコンセンサスを上回る決算がAIバブルへの懸念を払拭させるものとならなかったことから、日経平均株価に関しては、先行きの下値不安が拭えないであろう。一方、半導体・AI関連株から他の銘柄への資金シフトの動きは強まる可能性がある。日中関係の悪化によってインバウンド関連株などには今後も警戒が続く可能性も高いが、バリュー系の出遅れ銘柄、グロース系の中小型株などへの押し目買いには注目しておきたい。
また、政府は21日の臨時閣議において、21.3兆円規模の総合経済対策を決定している。実質GDP(国内総生産)を24兆円程度、成長率を年率1.4%ほど押し上げる効果を見込むとしており、成長投資の柱となり得る分野の銘柄などには見直しの動きが強まっていきそうだ。とりわけ、経済対策のポイントとされているところでは、造船の能力向上に向けた「10年間の基金」創設、宇宙、国土強靭化などへの投資、病院や医療従事者向けの補助金、副首都機能の整備などが注目できよう。一方、積極的な財政拡張策も一因となって国内長期金利の上昇が続いている。一段の金利上昇、それに伴う更なる円安の進行などは、全般的な株式投資の手控え材料につながる可能性が残る。
米国では12月9-10日に連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されるが、FRBでは10月の雇用統計や消費者物価指数(CPI)のデータを入手できないまま、FOMCに臨むことになる。来週予定されていた7-9月期の国内総生産(GDP)や10月の個人消費なども発表が延期される。パウエルFRB議長と歩調を合わせる傾向があるとされるウィリアムズ総裁のハト派発言を受けて、12月利下げ確率は一気に高まったものの、ここまでタカ派的なFRB高官発言が目立っており、依然として12月の利下げ実施には不透明感が残るところ。日経平均の行方を左右する米ハイテク株の方向感は引き続き掴みにくいとみられる。
27日には感謝祭の休日を控えており、来週の米国市場は様子見ムードも強まるとみられる。海外投資家の日本株への資金流入も細る公算があろう。一方、28日はブラックフライデーとなり、年末商戦の状況次第では、個人消費の拡大が米国景気の支えになるとして、12月入り後の米国市場の明るい材料につながっていく可能性は残る。
■為替市場見通し
来週の米ドル・円は底堅い値動きを保つ可能性がある。米景気減速への懸念で12月利下げ観測が広がった場合、リスク選好的なドル買い・円売りは抑制される可能性がある。11月20日に発表された米9月雇用統計では、非農業部門雇用者数は前月分から増加したが、失業率は上昇、強弱まちまちの内容だった。また、ウィリアムズ米NY連銀総裁が11月21日、「近い将来の利下げにまだ余地がある」との見方を伝えたことから、12月利下げの確率は上昇した。
ただ、日本銀行による12月利上げの可能性は大幅に低下しており、日本円との比較で安全とされる米ドルの需要がただちに弱まる可能性は低いとみられる。10月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合の議事要旨では、一段の緩和に慎重な参加メンバーが過半数を占めていたことが判明している。また、日本銀行の植田総裁、片山財務相、城内経済財政担当相が19日に都内で会談を行ったが、為替についての具体的な話は出なかったことから、市場参加者の間では外為市場で円買い介入が実施される可能性は低いとの見方が多い。短期間で大幅なドル高円安となったことから、ドルの急反落が一部で警戒されているものの、日米金利差の大幅な縮小は想定されていないため、ドル高円安の基調が短期間で失われる可能性は低いとみられる。
■来週の注目スケジュール
11月24日(月・祝):株式市場は祝日のため休場(勤労感謝の日の振替休日)、独・IFO企業景況感指数(11月)など
11月25日(火):東京地区百貨店売上高(10月)、全国百貨店売上高(10月)、米・小売売上高(9月)、米・生産者物価コア指数(9月)、米・FHFA住宅価格指数(9月)、米・S&PCS20都市住宅価格指数(9月)、米・企業在庫(8月)、米・中古住宅販売件数(10月)、米・消費者信頼感指数(11月)、欧・ユーロ圏新車販売台数(10月)、独・GDP改定値(7-9月)など
11月26日(水):企業向けサービス価格指数(10月)、景気先行CI指数(9月)、景気一致指数(9月)、工作機械受注(10月)、米・新規失業保険申請件数(先週)、米・耐久財受注(9月)、米・MNIシカゴ購買部協会景気指数(11月)、米・地区連銀経済報告(ベージュブック)公表、欧・欧州中央銀行(ECB)が金融安定報告公表、NZ・ニュージーランド準備銀行(中央銀行)が政策金利発表、豪・消費者物価指数(10月)など
11月27日(木):野口旭日銀審議委員が大分県金融経済懇談会で講演、米・株式市場は祝日のため休場(感謝祭)、中・工業利益(10月)、欧・ユーロ圏マネーサプライ(10月)、欧・ユーロ圏消費者信頼感指数(11月)、欧・ユーロ圏景況感指数(11月)、欧・ECB議事要旨(10月会合)、韓・中央銀行が政策金利発表など
11月28日(金):有効求人倍率(10月)、失業率(10月)、東京CPI(11月)、鉱工業生産指数(10月)、小売売上高(10月)、百貨店・スーパー売上高(10月)、住宅着工件数(10月)、米・株式市場は短縮取引(感謝祭翌日の金曜日「ブラックフライデー」)、欧・ECBがユーロ圏CPI予想(10月)、独・消費者物価指数(10月)、独・失業率(失業保険申請率)(11月)、加・GDP(7-9月)、スイス・GDP(7-9月)、台湾・GDP(7-9月)、南ア・貿易収支(10月)など
11月30日(日):中・製造業PMI(11月)、中・非製造業PMI(11月)など
<YU>
Copyright(c) FISCO Ltd. All rights reserved.
ニュースカテゴリ
注目トピックス 市況・概況
NY市場・クローズ
海外市場動向
注目トピックス 日本株
注目トピックス 経済総合
強弱材料
コラム【EMW】
オープニングコメント
日経225・本日の想定レンジ
寄り付き概況
新興市場スナップショット
注目トピックス 外国株
個別銘柄テクニカルショット
ランチタイムコメント
後場の投資戦略
後場の寄り付き概況
相場概況
本日の注目個別銘柄
JASDAQ市況
マザーズ市況
Miniトピック
来週の買い需要
日経QUICKニュース
みんかぶニュース 投資家動向
みんかぶニュース 為替・FX
みんかぶニュース 市況・概況
みんかぶニュース 個別・材料
みんかぶニュース コラム
みんかぶニュース その他
ビットコインニュース
アルトコインニュース
GRICI
暗号資産速報
Reuters Japan Online Report Business News
金融ウォッチ その他
FISCO その他
グロース市況
