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オンコリスバイオファーマ:ウイルス療法で新たな治療選択肢を切り拓く創薬ベンチャー
配信日時:2025/11/11 14:24
配信元:FISCO
*14:24JST オンコリスバイオファーマ:ウイルス療法で新たな治療選択肢を切り拓く創薬ベンチャー
オンコリスバイオファーマ<4588>は、ウイルス学に基づく独自の創薬技術を事業基盤とし、がんや重症ウイルス感染症の治療薬を開発するバイオベンチャーである。2004年に設立され、東京証券取引所グロース市場に上場している。事業は創薬事業の単一セグメントで、主力パイプラインには腫瘍溶解ウイルス「OBP-301(テロメライシン)」、神経難病治療薬「OBP-601(censavudine)」、次世代腫瘍溶解ウイルス「OBP-702」などが含まれる。特に同社の創業のきっかけでもあるOBP-301については富士フイルム富山化学との国内販売提携を結んでおり、ライセンス収入と将来的な製品販売収入を組み合わせたハイブリッド型のビジネスモデルを構築している。食道がんを対象とした先駆け審査指定も受けて来期の製品化が目指せる段階まで漕ぎつけており、世界初の食道がん局所治療薬となる可能性がある。
同社の強みは、第一にOBP-301というがん治療に画期的な選択肢をもたらす製品とそれを研究フェーズから製品化まで実現し得る明確なビジョンである。OBP-301は放射線療法との併用で局所奏効率58.3%を示し、従来治療に比べ顕著な効果を確認している。また副作用は発熱やリンパ球数低下など比較的軽微で、安全性も高いとされる。創業時の新たながん治療の確立という明確なビジョンに沿った研究開発を貫き、製品化目前の段階にまで到達した。第二に、ビジネスモデルの柔軟性が挙げられる。ライセンス契約によるマイルストーン収入と、承認後の販売収入を組み合わせることで、研究開発型ベンチャーながら持続的な収益基盤を目指している。第三に、国際的な連携の広がりである。OBP-601については米国Transposon社が全額負担で臨床試験を進めており、同社はリスクを抑えつつグローバルな開発を推進している。
2025年12月期第2四半期の業績は、売上高28百万円(前年同期比9%減)、営業損失1,267百万円(前年同期は793百万円の損失)となった。OBP-301上市の最終段階を迎えており、研究開発費は前年同期523百万円から1,017百万円へと拡大した。一方で営業キャッシュフローは前払金の減少によりマイナス幅が改善しており、資金繰り面では一定の改善がみられる。通期業績予想については、マイルストーン収入など不確定要素が多く合理的な数値算出が困難として非開示とされており、OBP-301の販売によるキャッシュフローが生まれるのは2026年12月期の下期以降とされている。
今後の成長見通しとして、中核品であるOBP-301の薬事申請が2025年内に予定されており、承認後は世界初の食道がん局所治療薬として上市が期待される。さらに市販後臨床試験や全例調査を実施し、適応拡大として直腸がんや肛門がん領域への展開も見込んでいる。2026年12月期の薬事申請承認を目指し、その後、拡販・シェア拡大を計画している。がん治療に影響力を持つキーオピニオンリーダーの医師らのネットワークに働きかけOBP-301のグローバルな導入推進を図り、まずは単年で100億円の売上が安定的に確保できる体制の構築を目指す。また、OBP-601は神経難病領域(PSPやALS等)への開発が進んでおり、適応拡大とともに新たな成長ドライバーとなる可能性がある。
株主還元については、2025年12月期の配当予想はゼロであり、現時点では成長投資を優先している。同社は研究開発型ベンチャーとして、収益基盤の確立を優先しながらも将来的には業績に連動した安定的な株主還元を志向していく姿勢を示している。
総じて、オンコリスバイオファーマは、がん治療における新たなモダリティであるウイルス療法の先駆者として存在感を高めつつある。OBP-301の承認申請はラストスパートとなっており、承認取得から上市に至るプロセスは大きな転換点となる。今後は適応拡大や国際展開の進展も含め、同社の成長軌道に注目していきたい。
<HM>
同社の強みは、第一にOBP-301というがん治療に画期的な選択肢をもたらす製品とそれを研究フェーズから製品化まで実現し得る明確なビジョンである。OBP-301は放射線療法との併用で局所奏効率58.3%を示し、従来治療に比べ顕著な効果を確認している。また副作用は発熱やリンパ球数低下など比較的軽微で、安全性も高いとされる。創業時の新たながん治療の確立という明確なビジョンに沿った研究開発を貫き、製品化目前の段階にまで到達した。第二に、ビジネスモデルの柔軟性が挙げられる。ライセンス契約によるマイルストーン収入と、承認後の販売収入を組み合わせることで、研究開発型ベンチャーながら持続的な収益基盤を目指している。第三に、国際的な連携の広がりである。OBP-601については米国Transposon社が全額負担で臨床試験を進めており、同社はリスクを抑えつつグローバルな開発を推進している。
2025年12月期第2四半期の業績は、売上高28百万円(前年同期比9%減)、営業損失1,267百万円(前年同期は793百万円の損失)となった。OBP-301上市の最終段階を迎えており、研究開発費は前年同期523百万円から1,017百万円へと拡大した。一方で営業キャッシュフローは前払金の減少によりマイナス幅が改善しており、資金繰り面では一定の改善がみられる。通期業績予想については、マイルストーン収入など不確定要素が多く合理的な数値算出が困難として非開示とされており、OBP-301の販売によるキャッシュフローが生まれるのは2026年12月期の下期以降とされている。
今後の成長見通しとして、中核品であるOBP-301の薬事申請が2025年内に予定されており、承認後は世界初の食道がん局所治療薬として上市が期待される。さらに市販後臨床試験や全例調査を実施し、適応拡大として直腸がんや肛門がん領域への展開も見込んでいる。2026年12月期の薬事申請承認を目指し、その後、拡販・シェア拡大を計画している。がん治療に影響力を持つキーオピニオンリーダーの医師らのネットワークに働きかけOBP-301のグローバルな導入推進を図り、まずは単年で100億円の売上が安定的に確保できる体制の構築を目指す。また、OBP-601は神経難病領域(PSPやALS等)への開発が進んでおり、適応拡大とともに新たな成長ドライバーとなる可能性がある。
株主還元については、2025年12月期の配当予想はゼロであり、現時点では成長投資を優先している。同社は研究開発型ベンチャーとして、収益基盤の確立を優先しながらも将来的には業績に連動した安定的な株主還元を志向していく姿勢を示している。
総じて、オンコリスバイオファーマは、がん治療における新たなモダリティであるウイルス療法の先駆者として存在感を高めつつある。OBP-301の承認申請はラストスパートとなっており、承認取得から上市に至るプロセスは大きな転換点となる。今後は適応拡大や国際展開の進展も含め、同社の成長軌道に注目していきたい。
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