注目トピックス 市況・概況
来週の相場で注目すべき3つのポイント:米小売売上高、NY連銀製造業景気指数、米輸入物価指数
配信日時:2025/08/09 16:54
配信元:FISCO
*16:54JST 来週の相場で注目すべき3つのポイント:米小売売上高、NY連銀製造業景気指数、米輸入物価指数
■株式相場見通し
予想レンジ:上限42500円-下限41400円
今週末の米国株式市場は上昇。ダウ平均は前日比206.97ドル高の44175.61ドル、ナスダックは同207.32ポイント高の21450.02で取引を終了した。225ナイト・セッションは日中終値比470円高の42290円。トランプ米大統領とプーチン露大統領の会談期待で地政学的リスク懸念が後退した。また、引き続き年内の利下げを期待した買いも優勢だった。
今週末の日経平均は761円高と大幅高になったが、買い戻しも交えた需給主導による面が大きく、過熱感も感じられる状況である。TOPIXは初の3000ポイント乗せとなり、目先は達成感が強まる余地もあろう。3連休明けとなる来週は、完全にお盆休みムードとなり、主要企業の4-6月期決算発表もほぼ一巡の中で、機関投資家の売買も急速に細る見通し。薄商いの中で、今週末にかけ上昇した反動安リスクに警戒も必要となろう。
来週は国内で4-6月期国内総生産(GDP)が発表される。市場予想は、前期比+0.1%、前期比年率では+0.2%となっているが、米国関税の影響は今後本格化するとみられるため、相場の大きな変動要因にはつながりにくいだろう。むしろ、来週は米国の経済指標が焦点となってくる。とりわけ、足下で米国景気の先行き警戒感が再燃している中、小売売上高などが注目されてこよう。関税前の駆け込み消費の反動などが強まってこないか注視。また、同じく週末には、NY連銀製造業景気指数やミシガン大学消費者マインド指数など、景気の先行指標的なマインドを映す経済指標の発表が予定されている。雇用情勢に対する見方が変化する状況下、少なくとも警戒感は先行しやすいだろう。来週の米国市場では、利下げ期待から再度、景気の減速懸念に関心がシフトすると考える。
とはいえ、21日からのジャクソンホール会合を控えて、早期利下げ期待も一定程度は継続し、米国株式市場の下支えとなりそうだ。来週はインフレ指標の発表も相次ぎ、大幅な上振れがない限り、9月利下げ期待は後退しないだろう。この観点では、消費者物価指数(CPI)よりもむしろ、その先行指標となり得る輸入物価指数などが注目される。関税による物価の上昇懸念が薄まれば、今後のCPIの上振れも限定的と考えられる。
電通グループ<4324>やSOMPOホールディングス<8630>など一部主力大型株の決算発表は残すが、来週予定されている決算発表は中小型株が中心となる。機関投資家の売買減少が見込まれる中で、決算を手掛かりとした中小型株の値幅取りの動きが中心となろう。一方、お盆明け後には機関投資家の市場回帰で、好決算発表銘柄を見直す動きが強まる公算、これを見越した先回り的な動きなどは妙味となる可能性がある。なお、週末には自民党の両院議員総会が開催されたが、臨時の総裁選を実施するかなど議論されているもようであり、財政拡張派とされる新総理候補などが今後クローズアップされてくれば、来週の株高材料とされる余地もあろう。
■為替市場見通し
来週のドル・円は伸び悩みか。米国の7月雇用統計は予想外に低調な内容となり、6月の非農業部門雇用者数が大幅に下方修正された。米連邦準備制度理事会(FRB)当局者からは9月利下げの必要性を求める意見も出始めた。金融緩和に前向きとされる人物の連邦公開市場委員会(FOMC)メンバー入りの可能性から、緩和的な政策に転じるとの見方が高まっている。米ロ首脳会談への期待が浮上しており、米インフレ指標の伸びが市場予想を上回った場合、リスク回避的なドル売りは縮小する可能性があるが、個人消費関連の指標は悪化が予想され、景気減速が懸念された場合は、緩和的な金融政策をにらみドル売りが強まりそうだ。
なお、8月12日発表の7月米消費者物価指数(CPI)は総合、コア指数のいずれも前年比で堅調な内容が予想される。14日の7月生産者物価指数(PPI)は前月比で伸びが見込まれており、インフレ高進が意識されやすい。しかし、15日発表される米7月小売売上高では、個人消費の鈍化が示される可能性があろう。7月小売売上高が市場予想を下回った場合、9月利下げ観測を後押しする要因となりそうだ。
■来週の注目スケジュール
8月11日(月):株式市場は祝日のため休場(山の日)、中・資金調達総額(7月、15日までに)、中・マネーサプライ(7月、15日までに)、中・元建て新規貸出残高(7月、15日までに)など
8月12日(火):マネーストック(7月)、米・消費者物価コア指数(7月)、米・財政収支(7月)、英・ILO失業率(4-6月)、英・失業率(7月)、独・ZEW期待指数(8月)、豪・オーストラリア準備銀行(中央銀行)が政策金利発表など
8月13日(水):国内企業物価指数(7月)、工作機械受注(7月)、独・CPI(7月)、露・GDP(4-6月)など
8月14日(木):米・新規失業保険申請件数(先週)、米・生産者物価コア指数(7月)、欧・ユーロ圏GDP改定値(4-6月)、欧・ユーロ圏鉱工業生産指数(6月)、英・GDP速報値(4-6月)、、英・鉱工業生産指数(6月)、英・商品貿易収支(6月)、豪・失業率(7月)など
8月15日(金):GDP速報値(4-6月)、鉱工業生産(6月)、設備稼働率(6月)、米・輸入物価指数(7月)、米・ニューヨーク連銀製造業景気指数(8月)、米・小売売上高(7月)、米・鉱工業生産指数(7月)、米・企業在庫(6月)、米・ミシガン大学消費者信頼感指数速報(8月)、米・対米証券投資収支(ネット長期TICフロー)(6月)、中・新築住宅価格(7月)、中・中古住宅価格(7月)、中・鉱工業生産指数(7月)、中・小売売上高(7月)、中・固定資産投資(都市部)(7月)、中・調査失業率(7月)、中・不動産投資(7月)、中・住宅不動産販売(7月)台湾・GDP(4-6月)、香港・GDP(4-6月)など
<YU>
予想レンジ:上限42500円-下限41400円
今週末の米国株式市場は上昇。ダウ平均は前日比206.97ドル高の44175.61ドル、ナスダックは同207.32ポイント高の21450.02で取引を終了した。225ナイト・セッションは日中終値比470円高の42290円。トランプ米大統領とプーチン露大統領の会談期待で地政学的リスク懸念が後退した。また、引き続き年内の利下げを期待した買いも優勢だった。
今週末の日経平均は761円高と大幅高になったが、買い戻しも交えた需給主導による面が大きく、過熱感も感じられる状況である。TOPIXは初の3000ポイント乗せとなり、目先は達成感が強まる余地もあろう。3連休明けとなる来週は、完全にお盆休みムードとなり、主要企業の4-6月期決算発表もほぼ一巡の中で、機関投資家の売買も急速に細る見通し。薄商いの中で、今週末にかけ上昇した反動安リスクに警戒も必要となろう。
来週は国内で4-6月期国内総生産(GDP)が発表される。市場予想は、前期比+0.1%、前期比年率では+0.2%となっているが、米国関税の影響は今後本格化するとみられるため、相場の大きな変動要因にはつながりにくいだろう。むしろ、来週は米国の経済指標が焦点となってくる。とりわけ、足下で米国景気の先行き警戒感が再燃している中、小売売上高などが注目されてこよう。関税前の駆け込み消費の反動などが強まってこないか注視。また、同じく週末には、NY連銀製造業景気指数やミシガン大学消費者マインド指数など、景気の先行指標的なマインドを映す経済指標の発表が予定されている。雇用情勢に対する見方が変化する状況下、少なくとも警戒感は先行しやすいだろう。来週の米国市場では、利下げ期待から再度、景気の減速懸念に関心がシフトすると考える。
とはいえ、21日からのジャクソンホール会合を控えて、早期利下げ期待も一定程度は継続し、米国株式市場の下支えとなりそうだ。来週はインフレ指標の発表も相次ぎ、大幅な上振れがない限り、9月利下げ期待は後退しないだろう。この観点では、消費者物価指数(CPI)よりもむしろ、その先行指標となり得る輸入物価指数などが注目される。関税による物価の上昇懸念が薄まれば、今後のCPIの上振れも限定的と考えられる。
電通グループ<4324>やSOMPOホールディングス<8630>など一部主力大型株の決算発表は残すが、来週予定されている決算発表は中小型株が中心となる。機関投資家の売買減少が見込まれる中で、決算を手掛かりとした中小型株の値幅取りの動きが中心となろう。一方、お盆明け後には機関投資家の市場回帰で、好決算発表銘柄を見直す動きが強まる公算、これを見越した先回り的な動きなどは妙味となる可能性がある。なお、週末には自民党の両院議員総会が開催されたが、臨時の総裁選を実施するかなど議論されているもようであり、財政拡張派とされる新総理候補などが今後クローズアップされてくれば、来週の株高材料とされる余地もあろう。
■為替市場見通し
来週のドル・円は伸び悩みか。米国の7月雇用統計は予想外に低調な内容となり、6月の非農業部門雇用者数が大幅に下方修正された。米連邦準備制度理事会(FRB)当局者からは9月利下げの必要性を求める意見も出始めた。金融緩和に前向きとされる人物の連邦公開市場委員会(FOMC)メンバー入りの可能性から、緩和的な政策に転じるとの見方が高まっている。米ロ首脳会談への期待が浮上しており、米インフレ指標の伸びが市場予想を上回った場合、リスク回避的なドル売りは縮小する可能性があるが、個人消費関連の指標は悪化が予想され、景気減速が懸念された場合は、緩和的な金融政策をにらみドル売りが強まりそうだ。
なお、8月12日発表の7月米消費者物価指数(CPI)は総合、コア指数のいずれも前年比で堅調な内容が予想される。14日の7月生産者物価指数(PPI)は前月比で伸びが見込まれており、インフレ高進が意識されやすい。しかし、15日発表される米7月小売売上高では、個人消費の鈍化が示される可能性があろう。7月小売売上高が市場予想を下回った場合、9月利下げ観測を後押しする要因となりそうだ。
■来週の注目スケジュール
8月11日(月):株式市場は祝日のため休場(山の日)、中・資金調達総額(7月、15日までに)、中・マネーサプライ(7月、15日までに)、中・元建て新規貸出残高(7月、15日までに)など
8月12日(火):マネーストック(7月)、米・消費者物価コア指数(7月)、米・財政収支(7月)、英・ILO失業率(4-6月)、英・失業率(7月)、独・ZEW期待指数(8月)、豪・オーストラリア準備銀行(中央銀行)が政策金利発表など
8月13日(水):国内企業物価指数(7月)、工作機械受注(7月)、独・CPI(7月)、露・GDP(4-6月)など
8月14日(木):米・新規失業保険申請件数(先週)、米・生産者物価コア指数(7月)、欧・ユーロ圏GDP改定値(4-6月)、欧・ユーロ圏鉱工業生産指数(6月)、英・GDP速報値(4-6月)、、英・鉱工業生産指数(6月)、英・商品貿易収支(6月)、豪・失業率(7月)など
8月15日(金):GDP速報値(4-6月)、鉱工業生産(6月)、設備稼働率(6月)、米・輸入物価指数(7月)、米・ニューヨーク連銀製造業景気指数(8月)、米・小売売上高(7月)、米・鉱工業生産指数(7月)、米・企業在庫(6月)、米・ミシガン大学消費者信頼感指数速報(8月)、米・対米証券投資収支(ネット長期TICフロー)(6月)、中・新築住宅価格(7月)、中・中古住宅価格(7月)、中・鉱工業生産指数(7月)、中・小売売上高(7月)、中・固定資産投資(都市部)(7月)、中・調査失業率(7月)、中・不動産投資(7月)、中・住宅不動産販売(7月)台湾・GDP(4-6月)、香港・GDP(4-6月)など
<YU>
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