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消費者心理の悪化に身構える米国市場 (2) 【シルバーブラットの「S&P500」月例レポート】

配信日時:2025/03/14 11:40 配信元:MINKABU
●主なポイント  ○2月の株式市場は政治イベント(政策の発表や変更)を見極めようとする動きが強まり、今後の政策や関税の動きを睨みながら資産配分の見直しを進める展開となりました。株式市場は実際に2月中に終値での最高値を2回更新したものの、消費の先行きに対する不透明感が強まるにつれて値を下げていきました。S&P500指数 は2月に1.42%下落しました(配当込みのトータルリターンはマイナス1.30%)。1月は全面高となり2.70%上昇しましたが(同プラス2.78%)、昨年12月は2.50%下落しました(同マイナス2.38%)。過去3ヵ月のリターンはマイナスに転じ1.29%下落(同マイナス0.97%)、年初来は1.24%上昇(同プラス1.44%)、過去1年は16.84%上昇(同プラス18.41%)となりました。2024年は23.31%の上昇でした(同プラス25.02%)。   ⇒2月のS&P500指数のトータルリターンはマイナス1.30%でしたが、マグニフィセント・セブンを除くとトータルリターンはプラス0.41%になっていたはずでした。また、年初来のリターンもプラス1.44%ではなく、プラス3.27%となっていたはずでした。  ○2月の主なデータ   ⇒2月もS&P500指数の終値での最高値更新は続きました(2月中は2回、1月は1回。2024年11月の米大統領選挙以降では13回)。同指数は月の前半までは上昇基調を辿りましたが、一転して値を下げる展開となりました(前月末から1.77%上昇した後、月末にかけて一時3.36%安まで下落)。好調な企業業績を背景に取引時間中の最高値(6147.43)と、(2日連続して)終値での最高値更新(6144.15)を記録しましたが、月末にかけては個人消費に対する警戒感から下落しました(小売大手ウォルマートの業績見通しが市場予想を下回ったことや消費者信頼感の低下がきっかけでした)。S&P500指数は2月に1.42%下落しました。1月は全面高の展開で2.70%上昇、12月は全面安の展開で2.50%の下落でした(11月は全面高の展開で5.73%上昇)。2月は19営業日のうち10営業日で上昇しましたが(1月は20営業日のうち12営業日で上昇)、値上がり銘柄数が減少し、値下がり銘柄数を下回りました。2月は値上がり銘柄数が248銘柄、値下がり銘柄数が255銘柄となりました。1月は値上がり銘柄数が355銘柄で値下がり銘柄数が148銘柄、12月は値上がり銘柄数が54銘柄で値下がり銘柄数が449銘柄でした。2月の出来高は前月比10%増、前年同月比では18%増となりました。   ⇒2月は11セクターのうち6セクターが上昇しました。1月は10セクター、12月は3セクターが上昇しました。2月のパフォーマンスが最高となったのは生活必需品で5.59%上昇しました(年初来では7.58%上昇、2023年末比では20.47%上昇)。パフォーマンスが最低だったのは一般消費財で9.42%下落しました(年初来では5.44%下落、2023年末比では22.10%上昇)。   ⇒S&P500指数は2月に1.42%下落して、5954.50で月を終えました(配当込みのトータルリターンはマイナス1.30%)。1月は2.70%上昇(同プラス2.78%)して6040.53、12月は2.50%下落(同マイナス2.38%)して5881.63でした。過去3ヵ月間では1.29%下落(同マイナス0.97%)、過去1年間では17.99%上昇(同プラス19.55%)、年初来では1.24%上昇(同プラス1.44%)でした。2024年通年では23.31%上昇(同プラス25.02%)、2023通年では24.23%上昇(同プラス26.29%)、2022年通年では19.44%下落(同マイナス18.11%)でした。   ⇒コロナ危機前に付けた2020年2月19日の高値からは75.85%上昇(同プラス90.20%)となっています。  ○米国10年国債利回りは1月末の4.55%から4.21%に低下して月を終えました(2024年末は4.58%、2023年末は3.88%、2022年末も3.88%、2021年末は1.51%、2020年末は0.92%、2019年末は1.92%、2018年末は2.69%、2017年末は2.41%)。30年国債利回りは1月末の4.80%から4.49%に低下して取引を終えました(同4.78%、同4.04%、同3.97%、同1.91%、同1.65%、同2.30%、同3.02%、同3.05%)。  ○英ポンドは1月末の1ポンド=1.2400ドルから1.2579ドルに上昇し(2024年末は1.2520ドル、2023年末は1.2742ドル、2022年末は1.2099ドル)、ユーロは1月末の1ユーロ=1.0367ドルから1.0373ドルに上昇しました(同1.0360ドル、同1.0838ドル、同1.0703ドル)。円(対米ドル)は1月末の1ドル=155.15円から150.58円に上昇し(同157.32円、同141.02円、同132.21円)、人民元は1月末の1ドル=7.1867元から7.2838元に下落しました(同7.2770元、同7.1132元、同6.9683元)。  ○2月末の原油価格は4.8%下落し、1月末の1バレル=73.58ドルから同70.07ドルとなりました(2024年末は同71.75ドル、2023年末は同71.31ドル、2022年末は同80.45ドル)。米国のガソリン価格(EIAによる全等級)は2月に1.0%上昇し、1ガロン=3.255ドルとなりました(1月末は3.224ドル、2024年末は同3.128ドル、2023年末は同3.238ドル、2022年末は同3.203ドル)。2020年末から原油価格は44.7%上昇し(2020年末は1バレル=48.42ドル)、ガソリン価格は39.7%上昇しました(2020年末は1ガロン=2.330ドル)。   ⇒2025年1月時点のEIAの報告によると、ガソリン価格の内訳は、58%が原油、16%が販売・マーケティング費、9%が精製コスト、17%が税金となっています。  ○金価格は1月末の1トロイオンス=2833.80ドルから上昇し、2866.90ドルで2月の取引を終えました(2024年末は2638.40ドル、2023年末は2073.60ドル、2022年末は1829.80ドル)。  ○VIX恐怖指数は1月末の16.43から19.63に上昇して2月を終えました。月中の最高は22.40、最低は17.31でした(2024年末は17.35、2023年末は21.67、2022年末は17.22)。   ⇒同指数の2025年の最高は22.51、最低は14.58でした。   ⇒同指数の2024年の最高は75.73、最低は10.62でした。   ⇒同指数の2023年の最高は30.81、最低は11.81でした。   ⇒同指数の2022年の最高は38.89、最低は16.34でした。  ○目標株価は引き続き上昇しています。S&P500指数に対する市場関係者の1年後の目標株価は2023年11月時点から15ヵ月連続して上昇し、現在値から16.0%上昇の6905となっています(1月末時点では12.6%上昇の6804、12月末時点では6709)。それ以前の目標株価は9ヵ月連続の低下から、11ヵ月連続の上昇を経て、2023年11月末まで2ヵ月連続で低下していました。ダウ平均の目標株価も3ヵ月連続の上昇から2ヵ月連続の低下を経て、2月まで15ヵ月連続して上昇しており、2月末時点では現在値から12.7%上昇の4万9391ドルとなっています(1月末時点では9.6%上昇の4万8838ドル、12月末時点では4万8092ドル)。 ※「消費者心理の悪化に身構える米国市場 (3)」へ続く 株探ニュース

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