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高島 Research Memo(4):2025年3月期第2四半期は増収・営業減益。販管費の増加が影響(1)
配信日時:2024/12/27 16:04
配信元:FISCO
*16:04JST 高島 Research Memo(4):2025年3月期第2四半期は増収・営業減益。販管費の増加が影響(1)
■高島<8007>の業績動向
1. 2025年3月期第2四半期の業績概要
2025年3月期第2四半期の連結業績は、売上高で前年同期比10.4%増の46,392百万円、営業利益で同8.9%減の908百万円、経常利益で同27.6%減の833百万円、親会社株主に帰属する中間純利益で同32.0%減の482百万円となった。中期経営計画「サステナV(バリュー)」で定める各種戦略を着実に遂行するなか、建材、産業資材、電子・デバイスとすべての事業セグメントが前年同期比で増収となったことが連結ベースの売上高を押し上げた。利益面に関しては、産業資材セグメントと電子・デバイスセグメントが増益と好調だったものの、建材セグメントが減益となったことや、M&Aを推進するなかで連結子会社が増えたことを受け、のれん償却費用を含む販管費が増加したことなどが影響した。営業減益に関しては、中計で推進するM&Aの影響という側面も大きく、事業自体は総じて順調に進捗している状況である。同社は、グループ全体で成長率と収益性の観点から事業ポートフォリオの整理を推進している。こうしたなかで、販管費率も中長期的に適正化していくものと弊社は見ている。なお、経常利益に関しては、在外子会社における現地通貨安の影響を受け為替差損が増加したことなどが影響したほか、親会社株主に帰属する中間純利益に関しては、前年同期に投資有価証券売却益を特別利益として計上していたことの反動が出た。
上半期終了時点の通期業績予想に対する進捗率は、売上高が49.4%、営業利益が45.4%、経常利益が41.7%、親会社株主に帰属する当期純利益が30.2%となっている。政策保有株式の売却を実施していないことなどを受け、最終利益の進捗率が想定よりも若干低調ではあるものの、営業利益に関してはおおむね想定通りの進捗である。期末に向けて各事業がしっかりと利益を積み上げることによって業績予想達成を目指す。加えて、同社は政策保有株式の純資産に占める比率を10.0%未満へと縮減してく方針を掲げている。この方針の下、期末に向けて持合株式の売却を実行する可能性も十分あると弊社は見ている。
セグメント別の業績は以下のとおりである。
(1) 建材セグメント
売上高は前年同期比14.7%増の30,178百万円、セグメント利益は同31.1%減の670百万円となった。このうち、建設資材分野の売上高は前年同期比37.2%増の17,708百万円と急伸した。大型物件を獲得したことや、2023年6月に連結子会社化した岩水開発が前年同期は2カ月分の業績寄与だったものが、当期については6カ月分の業績寄与となったことなどがトップラインを押し上げた。
一方、断熱資材の売上高は、国内住宅市場の低迷を受け、前年同期比12.8%減の4,309百万円となった。市場の影響を受け、一時的に減収を強いられたものの、政府が省エネ住宅の普及を推進するなかで断熱資材に対する需要は今後も堅調に推移していくことが見込まれる。省エネ住宅の推進においては断熱資材が重要な部材となってくることから、今後も拡販に注力していく方針だ。
中期経営計画において同社が将来投資事業として定める再生可能エネルギー資材分野の売上高は、前年同期比3.9%減の6,535百万円となった。営業活動の効率化を目的に、注力販売先を見直したことなどが減収要因となった。大規模顧客を高島本体、中小規模の顧客への営業をグループ会社に集約するという営業活動の生産性向上を目的とした取り組みが一時的な減収要因となったものの、効率的にトップラインの拡大と利益の積み上げを実現できる事業体制が整ってきている。再生可能エネルギーに対する社会的にニーズが高まりを見せるなか、同事業の業績が効率的に拡大していくことが想定される状況である。
利益面に関しては、新たに連結化した岩水開発が住宅市場低迷の影響を受けたほか、一部収益性の低い案件が発生したことなどが響いた。岩水開発では、高島本体と営業活動を共同で推進するなど、買収後のPMIは順調な進捗を見せたものの、外部環境落ち込みの影響が大きかった。
(2) 産業資材セグメント
売上高は前年同期比4.2%増の8,547百万円、セグメント利益は同29.3%増の441百万円となった。このうち、繊維関連資材分野の売上高は同11.2%増の4,049百万円だった。トラック資材を中心とする重布関連が復調したことや、防衛省向け装備品の需要が拡大したことなどが売上の拡大に寄与した。一方、樹脂関連資材分野の売上高は同1.5%減の4,497百万円だった。中期経営計画で基盤拡大注力事業として定めるEV関連物流資材と医療関連においては、同社の強みであるスペック営業を推進することによって順調に新規顧客を開拓していったものの、2024年4月に高島ロボットマーケティング(株)を売却したことが減収要因となった。同セグメントにおいては2024年4月、変化の速い事業環境のなか、意思決定の迅速化や経営リソースの効率的な配分などを目的にとして、高島インダストリーズを設立しており、上記の売却は事業ポートフォリオ見直しの一環として実施されたものである。グループ企業の売却が一時的に減収要因となったものの、事業ポートフォリオの選択と集中は着実に進捗しており、中長期的にはより効率的に売上と利益を拡大させていく方針だ。
利益面に関しては、繊維関連資材分野が売上を伸ばすなかで、しっかりと利益を積み上げたことが産業資材セグメント全体の増益に貢献した。
(3) 電子・デバイスセグメント
売上高は前年同期比3.6%増の7,682百万円、セグメント利益は同76.8%増の363百万円となった。このうち、デバイス分野の売上高は同5.0%増の3,305百万円、アセンブリ分野の売上高は同2.8%増の4,373百万円だった。日本国内の民生電子機器市場及び白物家電市場は依然として厳しい状況にあったものの、コロナ後に業界全体に積み上がっていた部品在庫の出荷が進み、在庫解消が進んだことがが増収増益に寄与した。特に部品在庫の順調な解消などを受け、セグメント利益は76.8%増と急伸した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
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1. 2025年3月期第2四半期の業績概要
2025年3月期第2四半期の連結業績は、売上高で前年同期比10.4%増の46,392百万円、営業利益で同8.9%減の908百万円、経常利益で同27.6%減の833百万円、親会社株主に帰属する中間純利益で同32.0%減の482百万円となった。中期経営計画「サステナV(バリュー)」で定める各種戦略を着実に遂行するなか、建材、産業資材、電子・デバイスとすべての事業セグメントが前年同期比で増収となったことが連結ベースの売上高を押し上げた。利益面に関しては、産業資材セグメントと電子・デバイスセグメントが増益と好調だったものの、建材セグメントが減益となったことや、M&Aを推進するなかで連結子会社が増えたことを受け、のれん償却費用を含む販管費が増加したことなどが影響した。営業減益に関しては、中計で推進するM&Aの影響という側面も大きく、事業自体は総じて順調に進捗している状況である。同社は、グループ全体で成長率と収益性の観点から事業ポートフォリオの整理を推進している。こうしたなかで、販管費率も中長期的に適正化していくものと弊社は見ている。なお、経常利益に関しては、在外子会社における現地通貨安の影響を受け為替差損が増加したことなどが影響したほか、親会社株主に帰属する中間純利益に関しては、前年同期に投資有価証券売却益を特別利益として計上していたことの反動が出た。
上半期終了時点の通期業績予想に対する進捗率は、売上高が49.4%、営業利益が45.4%、経常利益が41.7%、親会社株主に帰属する当期純利益が30.2%となっている。政策保有株式の売却を実施していないことなどを受け、最終利益の進捗率が想定よりも若干低調ではあるものの、営業利益に関してはおおむね想定通りの進捗である。期末に向けて各事業がしっかりと利益を積み上げることによって業績予想達成を目指す。加えて、同社は政策保有株式の純資産に占める比率を10.0%未満へと縮減してく方針を掲げている。この方針の下、期末に向けて持合株式の売却を実行する可能性も十分あると弊社は見ている。
セグメント別の業績は以下のとおりである。
(1) 建材セグメント
売上高は前年同期比14.7%増の30,178百万円、セグメント利益は同31.1%減の670百万円となった。このうち、建設資材分野の売上高は前年同期比37.2%増の17,708百万円と急伸した。大型物件を獲得したことや、2023年6月に連結子会社化した岩水開発が前年同期は2カ月分の業績寄与だったものが、当期については6カ月分の業績寄与となったことなどがトップラインを押し上げた。
一方、断熱資材の売上高は、国内住宅市場の低迷を受け、前年同期比12.8%減の4,309百万円となった。市場の影響を受け、一時的に減収を強いられたものの、政府が省エネ住宅の普及を推進するなかで断熱資材に対する需要は今後も堅調に推移していくことが見込まれる。省エネ住宅の推進においては断熱資材が重要な部材となってくることから、今後も拡販に注力していく方針だ。
中期経営計画において同社が将来投資事業として定める再生可能エネルギー資材分野の売上高は、前年同期比3.9%減の6,535百万円となった。営業活動の効率化を目的に、注力販売先を見直したことなどが減収要因となった。大規模顧客を高島本体、中小規模の顧客への営業をグループ会社に集約するという営業活動の生産性向上を目的とした取り組みが一時的な減収要因となったものの、効率的にトップラインの拡大と利益の積み上げを実現できる事業体制が整ってきている。再生可能エネルギーに対する社会的にニーズが高まりを見せるなか、同事業の業績が効率的に拡大していくことが想定される状況である。
利益面に関しては、新たに連結化した岩水開発が住宅市場低迷の影響を受けたほか、一部収益性の低い案件が発生したことなどが響いた。岩水開発では、高島本体と営業活動を共同で推進するなど、買収後のPMIは順調な進捗を見せたものの、外部環境落ち込みの影響が大きかった。
(2) 産業資材セグメント
売上高は前年同期比4.2%増の8,547百万円、セグメント利益は同29.3%増の441百万円となった。このうち、繊維関連資材分野の売上高は同11.2%増の4,049百万円だった。トラック資材を中心とする重布関連が復調したことや、防衛省向け装備品の需要が拡大したことなどが売上の拡大に寄与した。一方、樹脂関連資材分野の売上高は同1.5%減の4,497百万円だった。中期経営計画で基盤拡大注力事業として定めるEV関連物流資材と医療関連においては、同社の強みであるスペック営業を推進することによって順調に新規顧客を開拓していったものの、2024年4月に高島ロボットマーケティング(株)を売却したことが減収要因となった。同セグメントにおいては2024年4月、変化の速い事業環境のなか、意思決定の迅速化や経営リソースの効率的な配分などを目的にとして、高島インダストリーズを設立しており、上記の売却は事業ポートフォリオ見直しの一環として実施されたものである。グループ企業の売却が一時的に減収要因となったものの、事業ポートフォリオの選択と集中は着実に進捗しており、中長期的にはより効率的に売上と利益を拡大させていく方針だ。
利益面に関しては、繊維関連資材分野が売上を伸ばすなかで、しっかりと利益を積み上げたことが産業資材セグメント全体の増益に貢献した。
(3) 電子・デバイスセグメント
売上高は前年同期比3.6%増の7,682百万円、セグメント利益は同76.8%増の363百万円となった。このうち、デバイス分野の売上高は同5.0%増の3,305百万円、アセンブリ分野の売上高は同2.8%増の4,373百万円だった。日本国内の民生電子機器市場及び白物家電市場は依然として厳しい状況にあったものの、コロナ後に業界全体に積み上がっていた部品在庫の出荷が進み、在庫解消が進んだことがが増収増益に寄与した。特に部品在庫の順調な解消などを受け、セグメント利益は76.8%増と急伸した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
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