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三洋化成 Research Memo(4):特定分野への依存度が小さい全天候型の収益構造が特徴

配信日時:2024/12/27 12:04 配信元:FISCO
*12:04JST 三洋化成 Research Memo(4):特定分野への依存度が小さい全天候型の収益構造が特徴 ■事業概要

3. セグメント別の収益構造
三洋化成工業<4471>のセグメント別売上高については、幅広い産業向けに提供し、特定分野への依存度が小さい全天候型の収益構造となっていることが特徴だ。2025年3月期中間期の分野別売上構成比は生活・健康産業関連分野が27%、石油・輸送機産業関連分野が33%、プラスチック・繊維産業関連分野が17%、情報・電気電子産業関連分野が14%、環境・住設産業関連分野が9%だった。

分野別に見ると、生活・健康産業関連分野は、紙オムツ用高吸水性樹脂の事業環境悪化に伴い売上高・営業損益とも悪化傾向だったが、事業撤退を決定したため2025年3月期以降は営業損益の改善が見込まれている。石油・輸送機産業関連分野は、高付加価値製品の潤滑油添加剤「アクルーブ」の拡販などによって売上高・営業損益とも拡大傾向となっている。プラスチック・繊維産業関連分野、情報・電気電子産業関連分野、環境・住設産業関連分野はおおむね横ばいでの推移となっている。


大手総合化学メーカーとの競合リスクは小さい
4. リスク要因・収益特性
一般的なリスク要因としては、景気要因による需要変動、為替レート・原料価格の変動、カントリーリスク、製品開発・技術革新への対応遅れなどが挙げられる。

同社は、幅広い産業向けに製品を提供する全天候型の収益構造のため景気要因による需要変動の影響は比較的小さく、独自技術をベースに機能化学品市場で高シェアを誇っていることを特徴・強みとしているため大手総合化学メーカーとの競合リスクも小さい。原料価格については原料の約9割がナフサ由来のため原油価格の影響を受ける。ただし、多少のタイムラグ(原料価格上昇時はややマイナス要因、原料価格下落時はややプラス要因)があるものの、原料価格に連動する形で製品価格を改定するため期ズレなどを除けば大きな利益変動要因とはならない。さらに原料の集中購買や生産プロセス見直しなどによるコストダウンも推進している。また懸案となっていた高吸水性樹脂事業から撤退し、高付加価値製品の拡販を推進している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)


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