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DDグループ Research Memo(6):高収益ブランドの出店拡大が成長をけん引。足元業績は順調に回復(2)
配信日時:2024/12/23 14:06
配信元:FISCO
*14:06JST DDグループ Research Memo(6):高収益ブランドの出店拡大が成長をけん引。足元業績は順調に回復(2)
■決算動向
2. 2025年2月期上期の業績概要
DDグループ<3073>の2025年2月期上期の連結業績は、売上高が前年同期比5.4%増の19,202百万円、営業利益が同6.9%増の1,787百万円、経常利益が同14.4%増の1,802百万円、親会社株主に帰属する中間純利益(以下、中間純利益)が同15.3%減の1,204百万円と計画を上回る増収及び営業増益となった。なお、中間純利益が減益となったのは、当初計画を上回る業績で推移したことから、繰越欠損金を鑑みた法人税等を上回る結果となったことによるものである。
売上高は、夏場における台風及び酷暑による影響はあったものの、「飲食・アミューズメント事業」が既存店の伸びや新規店舗の貢献により総じて好調に推移した。既存店売上高(上期平均)は客数及び客単価ともに増加し、前年同期比108.0%(想定は103.5%)と想定を上振れた。一方、「ホテル・不動産事業」については、厚木ホテルの一棟借上げ契約終了(2023年5月末)※に伴う影響によりわずかに減収となったものの、その点を除けば、貸コンテナ事業が安定推移したほか、ホテル事業においても夏季需要増などにより稼働率・客室単価ともに堅調であった。
※ 神奈川県による新型コロナウイルス感染症軽症者受入施設としての一棟借上げは2023年5月末に終了。その後、リニューアル工事を経て、2024年3月15日に「3S HOTEL ATSUGI」としてリブランドオープンしたが、その間の売上計上はなく、固定費やリニューアル工事費のみが発生する状況が続いていた。
出退店については、新規出店3店舗、退店12店舗(構造改革の一環として既に退店を決定していたもの)により、2024年8月末の直営店舗数は314店舗となった。
損益面では、「ホテル・不動産事業」において「3S HOTEL ATSUGI」のリブランドオープンに伴う準備費用が発生したものの、「飲食・アミューズメント事業」による収益の押し上げやコスト構造改革(不採算店舗の解消を含む)の継続により営業増益を確保した。なお、物価上昇に伴う原価率への影響についても、コストコントロールや同業他社との共同購買※等により想定の範囲内に抑えることができた。
※ 約800店舗が参加する共同購入プラットフォームに拡大している。既に多種多様な業態を運営している同社グループだからこそ実現可能なビジネスモデルであると弊社では評価している。
財政状態については、現金及び預金の減少などにより総資産が前期末比2.2%減の33,540百万円に減少した一方、自己資本は内部留保の積み増しにより同11.7%増の10,143百万円に増加し、自己資本比率は30.2%(前期末は26.5%)に改善した。有利子負債は同11.9%減の16,698百万円に減少し、D/Eレシオも1.6倍(前期末は2.1倍)に良化した。
各事業の業績や主な取り組みは以下のとおり。
(1) 飲食・アミューズメント事業
a) 飲食
売上高は前年同期比5.6%増の14,102百万円、セグメント利益は同26.5%増の1,613百万円となった。夏場における台風や酷暑等のほか、食材価格やエネルギー価格の上昇といった外部環境の悪化の影響を受けたものの、都心への人流回帰や外食需要の回復を取り込み、客数及び客単価がそれぞれ増加した。既存店売上高(上期平均)は同108.2%に伸長するとともに、新規店舗の立ち上がりの早さも業績に寄与したようだ。損益面でも、増収による収益の押し上げのほか、コスト構造改革の継続や原価高騰対策(共同購買等)も奏功し大幅な増益を達成し、セグメント利益率も11.4%(前年同期は9.6%)と2ケタ水準に達した。出退店については、新規出店2店舗、退店10店舗により2024年8月末の店舗数(直営店)は263店舗になった。また、IPコンテンツを活用した店舗運営受託でも成果をあげることができた。
b) アミューズメント事業
売上高は前年同期比6.7%増の3,984百万円、セグメント利益は同4.5%増の822百万円となった。「飲食事業」と同様、都心への人流回帰やイベント施策の推進により、客数及び客単価がそれぞれ増加し、既存店売上高は同107.4%に伸長した。損益面でも、原価高止まりが続くなかで、増収による収益の押し上げにより増益を確保した。出退店については、新規出店1店舗、退店2店舗により2024年8月末の店舗数(直営店)は51店舗になった。また、カプセルホテル「GLANSIT」ブランド(2施設)を再稼働した(2024年2月22日より)。
(2) ホテル・不動産事業
売上高は前年同期比1.7%減の1,115百万円、セグメント利益は同65.7%減の89百万円となった。わずかに減収となったのは、新型コロナウイルス感染症の軽症者受け入れ施策として提供していた厚木ホテルの1棟借上げが2023年5月末に契約終了となり、その後リニューアル工事期間(2024年3月15日まで)に入っていたことが主因である(約285百万円の減収要因)。一方、貸コンテナ事業は安定した伸びを継続しているうえ、ホテル事業も夏季需要増などを取り込み、稼働率及び客室単価ともに堅調に推移した※。また、2024年3月15日にリブランドオープンした「3S HOTEL ATSUGI」も順調に立ち上がったことから、わずかな減収にとどめることができた。一方、損益面では、厚木ホテルの1棟借上げ契約終了に伴う影響(約195百万円の減益要因)に加え、「3S HOTEL ATSUGI」リブランドオープンに伴う準備費用発生及び中長期滞在の法人契約の獲得が計画よりも遅延したことにより大幅な減益となった。
※ コンテナ事業における2024年8月末のコンテナ数は2,117個(前期末は2,041個)に増え、稼働率は90%程度を維持している。また、ホテル事業(リブランドオープンした「3S HOTEL ATSUGI」を除く)における第2四半期(単独)の客室単価は12,290円(前年同期は13,214円)、稼働率は80%水準(前年同期は75%水準)と、ともに堅調に推移した。
3. 2025年2月期上期の総括
2025年2月期上期を総括すると、経済活動が正常化するなかで、計画を上回る増収増益で推移したところは、同社業態の優位性が失われていないことを実証するものとして評価できる。2年目に入っている中期経営計画(最終2026年2月期)では、次のステージに向けた体制強化期間として出店ペースを抑えているものの、既存店の伸び(特に客数の伸び)により増収を確保し、利益率も大きく改善したことは注目すべきポイントである。また、仕入コストが上昇するなかで、以前から進めてきた共同購買プラットフォームが順調に規模を拡大しながら稼働しているところもプラスの材料であり、今後どのように発展するのかに注目したい。活動面でも、新業態店舗が順調に立ち上がっているところや、IPコンテンツを活用する店舗運営受託でも実績をあげており、同社グループの業態開発力や店舗運営ノウハウにおける強みを改めて示すことができた。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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2. 2025年2月期上期の業績概要
DDグループ<3073>の2025年2月期上期の連結業績は、売上高が前年同期比5.4%増の19,202百万円、営業利益が同6.9%増の1,787百万円、経常利益が同14.4%増の1,802百万円、親会社株主に帰属する中間純利益(以下、中間純利益)が同15.3%減の1,204百万円と計画を上回る増収及び営業増益となった。なお、中間純利益が減益となったのは、当初計画を上回る業績で推移したことから、繰越欠損金を鑑みた法人税等を上回る結果となったことによるものである。
売上高は、夏場における台風及び酷暑による影響はあったものの、「飲食・アミューズメント事業」が既存店の伸びや新規店舗の貢献により総じて好調に推移した。既存店売上高(上期平均)は客数及び客単価ともに増加し、前年同期比108.0%(想定は103.5%)と想定を上振れた。一方、「ホテル・不動産事業」については、厚木ホテルの一棟借上げ契約終了(2023年5月末)※に伴う影響によりわずかに減収となったものの、その点を除けば、貸コンテナ事業が安定推移したほか、ホテル事業においても夏季需要増などにより稼働率・客室単価ともに堅調であった。
※ 神奈川県による新型コロナウイルス感染症軽症者受入施設としての一棟借上げは2023年5月末に終了。その後、リニューアル工事を経て、2024年3月15日に「3S HOTEL ATSUGI」としてリブランドオープンしたが、その間の売上計上はなく、固定費やリニューアル工事費のみが発生する状況が続いていた。
出退店については、新規出店3店舗、退店12店舗(構造改革の一環として既に退店を決定していたもの)により、2024年8月末の直営店舗数は314店舗となった。
損益面では、「ホテル・不動産事業」において「3S HOTEL ATSUGI」のリブランドオープンに伴う準備費用が発生したものの、「飲食・アミューズメント事業」による収益の押し上げやコスト構造改革(不採算店舗の解消を含む)の継続により営業増益を確保した。なお、物価上昇に伴う原価率への影響についても、コストコントロールや同業他社との共同購買※等により想定の範囲内に抑えることができた。
※ 約800店舗が参加する共同購入プラットフォームに拡大している。既に多種多様な業態を運営している同社グループだからこそ実現可能なビジネスモデルであると弊社では評価している。
財政状態については、現金及び預金の減少などにより総資産が前期末比2.2%減の33,540百万円に減少した一方、自己資本は内部留保の積み増しにより同11.7%増の10,143百万円に増加し、自己資本比率は30.2%(前期末は26.5%)に改善した。有利子負債は同11.9%減の16,698百万円に減少し、D/Eレシオも1.6倍(前期末は2.1倍)に良化した。
各事業の業績や主な取り組みは以下のとおり。
(1) 飲食・アミューズメント事業
a) 飲食
売上高は前年同期比5.6%増の14,102百万円、セグメント利益は同26.5%増の1,613百万円となった。夏場における台風や酷暑等のほか、食材価格やエネルギー価格の上昇といった外部環境の悪化の影響を受けたものの、都心への人流回帰や外食需要の回復を取り込み、客数及び客単価がそれぞれ増加した。既存店売上高(上期平均)は同108.2%に伸長するとともに、新規店舗の立ち上がりの早さも業績に寄与したようだ。損益面でも、増収による収益の押し上げのほか、コスト構造改革の継続や原価高騰対策(共同購買等)も奏功し大幅な増益を達成し、セグメント利益率も11.4%(前年同期は9.6%)と2ケタ水準に達した。出退店については、新規出店2店舗、退店10店舗により2024年8月末の店舗数(直営店)は263店舗になった。また、IPコンテンツを活用した店舗運営受託でも成果をあげることができた。
b) アミューズメント事業
売上高は前年同期比6.7%増の3,984百万円、セグメント利益は同4.5%増の822百万円となった。「飲食事業」と同様、都心への人流回帰やイベント施策の推進により、客数及び客単価がそれぞれ増加し、既存店売上高は同107.4%に伸長した。損益面でも、原価高止まりが続くなかで、増収による収益の押し上げにより増益を確保した。出退店については、新規出店1店舗、退店2店舗により2024年8月末の店舗数(直営店)は51店舗になった。また、カプセルホテル「GLANSIT」ブランド(2施設)を再稼働した(2024年2月22日より)。
(2) ホテル・不動産事業
売上高は前年同期比1.7%減の1,115百万円、セグメント利益は同65.7%減の89百万円となった。わずかに減収となったのは、新型コロナウイルス感染症の軽症者受け入れ施策として提供していた厚木ホテルの1棟借上げが2023年5月末に契約終了となり、その後リニューアル工事期間(2024年3月15日まで)に入っていたことが主因である(約285百万円の減収要因)。一方、貸コンテナ事業は安定した伸びを継続しているうえ、ホテル事業も夏季需要増などを取り込み、稼働率及び客室単価ともに堅調に推移した※。また、2024年3月15日にリブランドオープンした「3S HOTEL ATSUGI」も順調に立ち上がったことから、わずかな減収にとどめることができた。一方、損益面では、厚木ホテルの1棟借上げ契約終了に伴う影響(約195百万円の減益要因)に加え、「3S HOTEL ATSUGI」リブランドオープンに伴う準備費用発生及び中長期滞在の法人契約の獲得が計画よりも遅延したことにより大幅な減益となった。
※ コンテナ事業における2024年8月末のコンテナ数は2,117個(前期末は2,041個)に増え、稼働率は90%程度を維持している。また、ホテル事業(リブランドオープンした「3S HOTEL ATSUGI」を除く)における第2四半期(単独)の客室単価は12,290円(前年同期は13,214円)、稼働率は80%水準(前年同期は75%水準)と、ともに堅調に推移した。
3. 2025年2月期上期の総括
2025年2月期上期を総括すると、経済活動が正常化するなかで、計画を上回る増収増益で推移したところは、同社業態の優位性が失われていないことを実証するものとして評価できる。2年目に入っている中期経営計画(最終2026年2月期)では、次のステージに向けた体制強化期間として出店ペースを抑えているものの、既存店の伸び(特に客数の伸び)により増収を確保し、利益率も大きく改善したことは注目すべきポイントである。また、仕入コストが上昇するなかで、以前から進めてきた共同購買プラットフォームが順調に規模を拡大しながら稼働しているところもプラスの材料であり、今後どのように発展するのかに注目したい。活動面でも、新業態店舗が順調に立ち上がっているところや、IPコンテンツを活用する店舗運営受託でも実績をあげており、同社グループの業態開発力や店舗運営ノウハウにおける強みを改めて示すことができた。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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