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サンフロ不動産 Research Memo(6):物件販売の多くを第3四半期以降に予定
配信日時:2024/12/05 15:06
配信元:FISCO
*15:06JST サンフロ不動産 Research Memo(6):物件販売の多くを第3四半期以降に予定
■サンフロンティア不動産<8934>の今後の見通し
1. 2025年3月期の業績見通し
2025年3月期の業績予想は、売上高100,000百万円(前期比25.2%増)、営業利益20,870百万円(同18.6%増)、経常利益20,000百万円(同15.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益14,000百万円(同17.5%増)と、期初計画を据え置きとしている。中期経営計画の最終年度として、経常利益率20%台の高い収益性と、ROE10%以上の資本効率を継続しつつ定量目標の達成を目指す。同社グループの業績予想(営業利益・経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益)に対する達成率は、2024年3月期まで13期連続で100%を上回っており、コロナ禍といった事業環境の急変化にも柔軟に対応している。2025年3月期の業績予想を現行中期経営計画の目標値と同額としたことで、市場へのコミット達成意識が強くうかがえる。不動産サービス事業の堅実な成長に加え、ストックビジネスであるホテル運営事業の業績が拡大傾向にあり、通期計画の達成はもちろんのこと、中長期的な持続的成長も大いに期待できると弊社では見ている。
2025年3月期第2四半期の通期計画に対する進捗は計画どおりである。フロー型事業に属する、リプランニング事業・ホテル開発事業・海外開発事業における販売用不動産売却では、契約済みの物件売却を含めると通期計画に対する進捗率は約50%と堅調に推移している。また、ストック型事業に属する、不動産サービス・ホテル運営事業等、販売用不動産売却以外の全事業では、増収増益基調を継続しており、第2四半期においても過去最高を更新している。大型物件を含む物件販売計画の多くを、第3四半期以降に予定していることから、通期計画の達成に向けた事業の加速が期待できると弊社では見ている。
2. 重点施策
2025年3月期の重点施策は以下のとおりである。
(1) 不動産再生事業
不動産再生事業では、売上総利益率30%超の高い収益性を継続する見通しであり、既存のリプランニング事業に加えて、ニューヨークでのアパートメント・リプランニングや不動産小口所有商品の売却を見込む。前期に引き続き良物件の仕入れ・開発を計画的に行い、高収益・高稼働の物件を提供する。2025年3月期は前期を上回る売却益を計画しており、期末棚卸資産についても投資を積極的に進め増加を計画している。社内外のネットワークを活用しながら、スピード感ある仕入活動に引き続き注力する。期末棚卸資産残高は1,200億円~1,250億円を予想しており、想定売上高は1,600億円~1,785億円、売上総利益率は25%~30%を見込んでいる。これにより、期末棚卸資産の含み益は400億円~535億円程度になることが読み取れる。平均事業期間は2025年3月期第2四半期で538日(前期比162日減)であり、回転率を維持しながら投資の回収と成長を図る。同社グループは短期物件の平均事業期間の理想を1年から1年半としている。回転率とバランスを意識した適正な棚卸資産構成により事業運営をしていることから、持続的な利益成長が期待できると弊社では見ている。
(2) 不動産サービス事業
不動産サービス事業では、各事業とも堅調な伸びを継続しており、リーシングマネジメント事業の新店舗、貸会議室の新拠点、及びプロパティマネジメント事業の管理受託棟数増による利益伸長を見込む。リーシングマネジメント事業では、地域密着の支店展開を加速させており、支店の増加に伴い管轄エリアを細分化することで、今まで以上に地域に根差した「お困りごと解決」が可能となる。都心5区以外の管理物件が増えることで、これまで以上に多くの情報が得られるようになり、不動産再生事業の要である仕入活動への寄与も期待できると弊社では見ている。貸会議室事業では、法人顧客のリピート需要が増加しており、大口企業や業界団体の研修、学会や検定試験の会場としてのニーズを着実に取り込んでいる。足元では、2024年8月16日に「ビジョンセンターグランデ東京浜松町」、9月1日に「ビジョンセンター東京虎ノ門」、9月17日に「ビジョンセンター横浜みなとみらい」を開業しており、新拠点の稼働向上に注力していくとともに、引き続き主要ターミナル駅周辺での出店を強化する方針である。同社グループ会社であるサンフロンティアスペースマネジメント(株)が運営する貸会議室は、駅前などの需要があるエリアに集中して出店していることから、受注状況は好調に推移している。同事業は大口企業のリピートが多いという特徴があるため、今後は安定的な利益の積み上げが期待できる。加えて、東京都内の貸会議室需要は検定試験や研修需要のほかにも、近年増加傾向にある会議室を持たない企業や、関連各社が集まる業界団体の研修向けの需要もあり、潜在需要によるポテンシャルは高い。2025年3月期以降も開業・増床が進むのではないかと弊社では見ている。プロパティマネジメント事業では、管理受託棟数が右肩上がりに推移しており、2025年第2四半期末時点で522棟となった。引き続き管理受託棟数増による利益伸長を見込んでおり、2025年3月期末には540件を目標としている。賃貸仲介部門との協働によるテナント誘致や、適正賃料への条件改定等に取り組むことで、高稼働・高収益なビル経営をサポートしていく。ビルメンテナンス事業では、顧客ニーズは引き続き堅調で、新卒・中途を含めた人財採用を強化し管理体制の増強を図る。外注費(主に人件費)をはじめとした原価の高騰については適切な価格転嫁を実施済みであり、収益性は良化する見通しである。また、滞納賃料保証事業では、契約件数が右肩上がりで推移しており、2025年3月期第2四半期末では4,001件となった。新規契約についても、都心5区(千代田区・中央区・港区・渋谷区・新宿区)が79%を占め、順調に獲得件数を積み上げており、2025年3月期末には4,200件の到達を目指す。
(3) ホテル・観光事業
ホテル運営事業では、需要回復と質の高いサービスにより業績伸長を見込んでいる。稼働率・客室単価の向上に加えて、前期にM&Aを実施したホテルの利益貢献を見込んでおり、運営室数の増加とサービス力の向上により事業成長を加速させる。ホテル開発事業に関しては、下半期以降に物件売却を計画しており、積極的なホテル開発投資によりビジネスと観光のニーズに応えながら地域創生へ貢献していく。また、首都圏以外の一部地方で人口減少が課題となっている一方、再生可能エネルギー関連のビジネス需要が高まりを見せている。再生可能エネルギー関連の設備はメンテナンスが不可欠であるため、一過性で終わらない長期的なビジネス需要が期待できる。加えて、自治体からの誘致案件等であれば、より有利な条件で進出可能であり、国内旅行・インバウンド需要に加えてビジネス需要を取り込むことで、さらなる成長が期待できると弊社では見ている。
(4) 販管費
ホテル現場でのシステム投資に加えて、人的資本への投資による費用増加を計画している。人的資本への投資に関しては、人財の成長に向けてベースアップや採用活動の強化を見込んでいる。人財・事業に向けた投資は、同社グループ事業の中長期的な成長に不可欠なものであり、潤沢な自己資本と事業の収益性を勘案すれば、投下資本の調達と回収に特段の懸念はないと弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
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1. 2025年3月期の業績見通し
2025年3月期の業績予想は、売上高100,000百万円(前期比25.2%増)、営業利益20,870百万円(同18.6%増)、経常利益20,000百万円(同15.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益14,000百万円(同17.5%増)と、期初計画を据え置きとしている。中期経営計画の最終年度として、経常利益率20%台の高い収益性と、ROE10%以上の資本効率を継続しつつ定量目標の達成を目指す。同社グループの業績予想(営業利益・経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益)に対する達成率は、2024年3月期まで13期連続で100%を上回っており、コロナ禍といった事業環境の急変化にも柔軟に対応している。2025年3月期の業績予想を現行中期経営計画の目標値と同額としたことで、市場へのコミット達成意識が強くうかがえる。不動産サービス事業の堅実な成長に加え、ストックビジネスであるホテル運営事業の業績が拡大傾向にあり、通期計画の達成はもちろんのこと、中長期的な持続的成長も大いに期待できると弊社では見ている。
2025年3月期第2四半期の通期計画に対する進捗は計画どおりである。フロー型事業に属する、リプランニング事業・ホテル開発事業・海外開発事業における販売用不動産売却では、契約済みの物件売却を含めると通期計画に対する進捗率は約50%と堅調に推移している。また、ストック型事業に属する、不動産サービス・ホテル運営事業等、販売用不動産売却以外の全事業では、増収増益基調を継続しており、第2四半期においても過去最高を更新している。大型物件を含む物件販売計画の多くを、第3四半期以降に予定していることから、通期計画の達成に向けた事業の加速が期待できると弊社では見ている。
2. 重点施策
2025年3月期の重点施策は以下のとおりである。
(1) 不動産再生事業
不動産再生事業では、売上総利益率30%超の高い収益性を継続する見通しであり、既存のリプランニング事業に加えて、ニューヨークでのアパートメント・リプランニングや不動産小口所有商品の売却を見込む。前期に引き続き良物件の仕入れ・開発を計画的に行い、高収益・高稼働の物件を提供する。2025年3月期は前期を上回る売却益を計画しており、期末棚卸資産についても投資を積極的に進め増加を計画している。社内外のネットワークを活用しながら、スピード感ある仕入活動に引き続き注力する。期末棚卸資産残高は1,200億円~1,250億円を予想しており、想定売上高は1,600億円~1,785億円、売上総利益率は25%~30%を見込んでいる。これにより、期末棚卸資産の含み益は400億円~535億円程度になることが読み取れる。平均事業期間は2025年3月期第2四半期で538日(前期比162日減)であり、回転率を維持しながら投資の回収と成長を図る。同社グループは短期物件の平均事業期間の理想を1年から1年半としている。回転率とバランスを意識した適正な棚卸資産構成により事業運営をしていることから、持続的な利益成長が期待できると弊社では見ている。
(2) 不動産サービス事業
不動産サービス事業では、各事業とも堅調な伸びを継続しており、リーシングマネジメント事業の新店舗、貸会議室の新拠点、及びプロパティマネジメント事業の管理受託棟数増による利益伸長を見込む。リーシングマネジメント事業では、地域密着の支店展開を加速させており、支店の増加に伴い管轄エリアを細分化することで、今まで以上に地域に根差した「お困りごと解決」が可能となる。都心5区以外の管理物件が増えることで、これまで以上に多くの情報が得られるようになり、不動産再生事業の要である仕入活動への寄与も期待できると弊社では見ている。貸会議室事業では、法人顧客のリピート需要が増加しており、大口企業や業界団体の研修、学会や検定試験の会場としてのニーズを着実に取り込んでいる。足元では、2024年8月16日に「ビジョンセンターグランデ東京浜松町」、9月1日に「ビジョンセンター東京虎ノ門」、9月17日に「ビジョンセンター横浜みなとみらい」を開業しており、新拠点の稼働向上に注力していくとともに、引き続き主要ターミナル駅周辺での出店を強化する方針である。同社グループ会社であるサンフロンティアスペースマネジメント(株)が運営する貸会議室は、駅前などの需要があるエリアに集中して出店していることから、受注状況は好調に推移している。同事業は大口企業のリピートが多いという特徴があるため、今後は安定的な利益の積み上げが期待できる。加えて、東京都内の貸会議室需要は検定試験や研修需要のほかにも、近年増加傾向にある会議室を持たない企業や、関連各社が集まる業界団体の研修向けの需要もあり、潜在需要によるポテンシャルは高い。2025年3月期以降も開業・増床が進むのではないかと弊社では見ている。プロパティマネジメント事業では、管理受託棟数が右肩上がりに推移しており、2025年第2四半期末時点で522棟となった。引き続き管理受託棟数増による利益伸長を見込んでおり、2025年3月期末には540件を目標としている。賃貸仲介部門との協働によるテナント誘致や、適正賃料への条件改定等に取り組むことで、高稼働・高収益なビル経営をサポートしていく。ビルメンテナンス事業では、顧客ニーズは引き続き堅調で、新卒・中途を含めた人財採用を強化し管理体制の増強を図る。外注費(主に人件費)をはじめとした原価の高騰については適切な価格転嫁を実施済みであり、収益性は良化する見通しである。また、滞納賃料保証事業では、契約件数が右肩上がりで推移しており、2025年3月期第2四半期末では4,001件となった。新規契約についても、都心5区(千代田区・中央区・港区・渋谷区・新宿区)が79%を占め、順調に獲得件数を積み上げており、2025年3月期末には4,200件の到達を目指す。
(3) ホテル・観光事業
ホテル運営事業では、需要回復と質の高いサービスにより業績伸長を見込んでいる。稼働率・客室単価の向上に加えて、前期にM&Aを実施したホテルの利益貢献を見込んでおり、運営室数の増加とサービス力の向上により事業成長を加速させる。ホテル開発事業に関しては、下半期以降に物件売却を計画しており、積極的なホテル開発投資によりビジネスと観光のニーズに応えながら地域創生へ貢献していく。また、首都圏以外の一部地方で人口減少が課題となっている一方、再生可能エネルギー関連のビジネス需要が高まりを見せている。再生可能エネルギー関連の設備はメンテナンスが不可欠であるため、一過性で終わらない長期的なビジネス需要が期待できる。加えて、自治体からの誘致案件等であれば、より有利な条件で進出可能であり、国内旅行・インバウンド需要に加えてビジネス需要を取り込むことで、さらなる成長が期待できると弊社では見ている。
(4) 販管費
ホテル現場でのシステム投資に加えて、人的資本への投資による費用増加を計画している。人的資本への投資に関しては、人財の成長に向けてベースアップや採用活動の強化を見込んでいる。人財・事業に向けた投資は、同社グループ事業の中長期的な成長に不可欠なものであり、潤沢な自己資本と事業の収益性を勘案すれば、投下資本の調達と回収に特段の懸念はないと弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
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