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NYの視点:米9月雇用統計、緩やかな利下げペースを正当化する結果か

配信日時:2024/10/03 07:41 配信元:FISCO
*07:41JST NYの視点:米9月雇用統計、緩やかな利下げペースを正当化する結果か 米労働省が発表する9月雇用統計の先行指標のひとつとして注目される民間部門の雇用者数を示すADP雇用統計の9月分は+14.3万人となった。伸びは8月から予想以上に拡大し6月来で最大となった。8月分も+10.3万人と+9.9万人から上方修正された。同じくパンデミック以降、労働市場動向を正確に示すとして注目の直近の新規失業保険申請件数(9/22)は21.8件と、4カ月ぶり低水準となり、企業が雇用削減を加速している兆候は見られない。また、米8月JOLT求人件数は804万件と、予想外に5月来の800万件台を回復した。総失業者数に対する求人件数の割合は失業者1人に対し1.13と7月の1.08から改善し、労働市場が底堅い証拠となった。

ただ、製造業の雇用は依然冴えない。ISM製造業景況指数の9月雇用は43.9と、8月の47からさらに低下し、4カ月連続の50割れ。JOLT求人件数の自主退職率は1.9%と7月2.0%から低下しパンデミックで経済が封鎖した2020年来で最低。パンデミック時を除き、自主退職率がこの水準に達したのは2015年で、失業率は5.3%だった。消費者信頼感指数でも雇用が「十分」との回答は30.9%で21年3月来で最低となった。7カ月連続の低下で2008年来で最長となる。「雇用を得るのが困難」は18.3%と、21年初旬来で最高に達した。労働市場を判断するうえでエコノミストが注目する両項目の差は8カ月連続で縮小しており、大恐慌以来で最長という。

市場エコノミストの平均予想では失業率が4.2%と、8月と同水準にとどまる見込み。非農業部門雇用者数は前月比+15万人と、8月+14.2万人から伸び拡大が予想されている。平均時給は前月比+0.3%と+0.4%から伸び鈍化、前年比では+3.8%と、前月と同水準が予想されており、賃金インフレも段階的な鈍化が証明される見込み。労働市場は底堅い兆候が見られると同時に、一部では雇用者が労働市場への自信を失っている兆候も見られる。次回連邦公開市場委員会(FOMC)で、大幅利下げよりも小幅利下げの思惑を強める結果が予想される。

■米9月雇用先行指標
●ADP雇用統計:+14.3万人(8月:+10.3万人←+9.9万人)
●ISM製造業景況指数雇用:43.9(8月46)
●8月JOLT求人:804万件(7月771.1万件)
●新規失業保険申請件数
日付 | 申請件数 | 前週比 | 平均 | 受給者数
09/22/24| 218,000|
09/14/24| 222,000|
09/07/24| 231,000| 3,000| 231,000| 1,829,000
08/31/24| 228,000| -4,000| 230,250| 1,843,000
08/24/24| 232,000| -1,000| 231,750| 1,845,000
08/17/24| 233,000| 5,000| 236,250| 1,860,000
08/10/24| 228,000| -6,000| 236,750| 1,855,000
08/03/24| 234,000| -16,000| 241,000| 1,859,000

■9月消費者信頼感指数:98.7(8月105.6)
雇用(%)
十分:30.9(8月32.7、2023年39.7)
不十分:50.8(50.5、46.1)
雇用を得るのが困難:18.3(16.8、14.2)

6か月後
雇用:
増加:16.4(16.3、16.2)
減少:18.3(17.0、18.9)
不変:65.3(66.7、64.9)
所得
増加:18.0(18.6、17.9)
減少:13.0(11.7、14.1)
不変:69.0(69.7、68.0)

●米雇用統計予想
失業率:4.2%(8月4.2%)
非農業部門雇用者数:15万人(14.2万人)
平均時給:前月比+0.3%、前年比+3.8%(+0.4%、+3.8%)

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