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NYの視点:地政学的リスクがくすぶる、引き続きインフレリスクに

配信日時:2024/05/21 07:42 配信元:FISCO
*07:42JST NYの視点:地政学的リスクがくすぶる、引き続きインフレリスクに 多くの連邦準備制度理事会(FRB)高官は、米国のインフレは鈍化基調だが、目標達成を一段と確信するデータはいまのところ乏しく、想定以上に長く現行の金利を据え置く可能性が高まっているとの見解で一致していると見られ、ドルを支えている。

本年の連邦公開市場委員会(FOMC)の投票権を持つサンフランシスコ連銀のデイリー総裁は「インフレが持続的に2%に向けて鈍化する確信がまだもてない」としながらも、「利上げが必要な証拠は現在見られない」と、利上げは予想していないが、当面金利据え置きを予想している。やはり本年の投票権を有するアトランタ連銀のボスティック総裁は「インフレが目標である2%に達成することが確実になるまで時間がかかる」「FRBはすべての可能性にオープン、多くの経済シナリオがある」、と展開次第で、利上げの可能性もほのめかした。

ジェファーソンFRB副議長やバーFRB副議長はインフレ対処で辛抱強さが必要との考えを示した。ジェファーソン副議長はディスインフレの過程が長期にわたると指摘。バー副議長は最近の金融引き締め策で、インフレが目標値に達成するまでには一段の時間が必要となる可能性が強いと指摘した。バー副議長は第1四半期のインフレに失望したとし、同時に、利下げに向けた確信は何も供給されなかった、と失望感を隠さなかった。金利を据え置き、動向を見守る良い位置にあるとし、やはり金利据え置きを支持。

FRB高官は依然インフレが低下基調にあるとの見解では一致しているようだが、中東リスクがくすぶることは商品価格の高止まり、インフレリスクの存続につながる可能性がある。国営メディアによると、航空機事故でイランのライシ大統領とアブドラヒアン外相の死亡が確認された。イランの政策が大幅に修正されることはないと言われているが不透明感につながる。また、イスラエルのベングビール国家安全保障大臣が親イラン組織ヒズボラを壊滅させるためにはレバノン侵攻が必要と指摘するなど、地政学的リスクは依然根強い。


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