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CAICAD Research Memo(2):金融機関向けシステム開発やブロックチェーン技術に強み
配信日時:2024/01/26 13:02
配信元:FISCO
*13:02JST CAICAD Research Memo(2):金融機関向けシステム開発やブロックチェーン技術に強み
■事業概要
CAICA DIGITAL<2315>は、金融業界向けを主としたシステム開発や暗号資産に関するシステム開発などを行う「ITサービス事業」を軸に、金融商品取引法に基づく第一種金融商品取引業、暗号資産に関する金融商品の開発・販売、暗号資産交換所運営などを手掛ける「金融サービス事業」を展開してきた。高い信頼性や処理能力などが求められる金融業界向けのシステム開発を中心として、長年にわたって蓄積してきた高度な技術やノウハウなどに強みがあり、同社グループ全技術者(約400 名)がブロックチェーン技術者となる計画を実行しているところも特長的である。ブロックチェーン技術を活用したFinTech分野を戦略的注力分野に位置付けており、暗号資産関連ビジネスに取り組むとともに、様々な分野で将来性が期待されているNFT分野、さらにはWeb3を活用した事業拡大を進めている。
ただ、海外の大手暗号資産交換所の経営破綻などを発端とする暗号資産市場の混乱により、2021年3月期に参入した暗号資産交換所「Zaif」の運営をはじめとする「金融サービス事業」が、業績の足を引っ張る状況が続いていることから、「Zaif」を含む連結子会社3社の譲渡により、抜本的な事業再編を決断した。今後は、安定したキャッシュ・フローを生み出すシステム開発の「ITサービス事業」へ集中するとともに、次世代の分散型インターネットとして注目されているWeb3ビジネスの拡大に注力する方針である。
前期までの各事業の概要は以下のとおりである。
(1) ITサービス事業
創業来の主力事業であり、50年以上の実績を誇る(株)CAICAテクノロジーズにより、銀行・証券・保険といった金融機関向けシステム開発(コンサルティングや保守・運用を含む)をはじめ、流通・小売業、情報通信業など、多様な業種でシステム構築を手掛けている。特に、金融業界向けのシステム開発が70%程度を占め、同社グループの強みの源泉となっている。大手SIerからコアパートナーの認定を受け、大手SIerを通じた受注(二次請け)が中心であるものの、基幹システムを担っている金融機関向けは継続率が高く、事業基盤は安定している。また、大企業からの一次請け受注も増加しており、安定性はさらに増している。
一方、暗号資産関連のシステム開発については、これまで同社グループ内で運営していた暗号資産交換所「Zaif」のシステムインテグレーションを担うとともに、ほかの暗号資産交換所システムも手掛けている。また、テレワークの広がりを受け、「セキュリティ・コンサルティング・サービス」※の提供やエンドユーザーのセキュリティリテラシーを向上させる「CAICA Security Training/標的型メール訓練サービス」といった自社ブランド製品の販売比率向上に取り組むとともに、Web3事業に参入する企業を支援する、セミオーダー型NFTマーケットプレイス開発サービス及び「Web3型のデータ保管サービス」の提供開始など、Web3ビジネスの拡大に向けた動きも活発化させている。
※現行のテレワーク環境の脆弱性診断や、課題の顕在化、課題対応方法の提案など、テレワークに関するあらゆるセキュリティ課題をサポートするサービス。
(2) 金融サービス事業
2018年2月に連結子会社となったカイカ証券(株)(金融商品取引法に基づく第一種金融商品取引業)を中心に金融商品の企画・開発・組成・販売などを手掛け、特に暗号資産関連商品の開発・販売に注力してきた。また、2021年3月には暗号資産交換所「Zaif」を擁する(株)カイカエクスチェンジホールディングスを連結子会社とし、暗号資産関連ビジネスの拡大に向けて体制を整えた。カイカエクスチェンジグループは、主に暗号資産交換所「Zaif」における受入手数料や暗号資産売買の損益のほか、(株)カイカキャピタルによる暗号資産の自己勘定による運用益を収益減としてきた。
ただ、カイカ証券については、独自のワラント商品に加え、暗号資産関連商品の取り扱いを拡充してきたものの、暗号資産市場の混乱による影響を受け、デリバティブ派生商品に対する投資家の意欲の衰退などもあり、予定していた商品の拡充ができなかったうえ、業績も伸び悩んでいることから、第一種金融商品取引業と投資運用業の廃止を決定し、2023年11月30日付けで廃業となった。
また、暗号資産交換所「Zaif」を運営する(株)カイカエクスチェンジについても、暗号資産市場の低迷による影響を受け、大幅な赤字体質が続いたほか、カイカキャピタルも低調に推移していることから、2023年10月31日付けでカイカエクスチェンジホールディングスの全株式を譲渡し、それに伴ってカイカエクスチェンジ及びカイカキャピタルも連結範囲から除外された。
一方、カイカフィナンシャルホールディングスにおいては、2022年11月からはブロックチェーンゲーム専門のNFTマーケットプレイス「Zaif INO」を立ち上げると、Web3企業とのコラボレーションによりNFT販売を開始した。NFTの販売高に応じた販売手数料を収益源とし、既に15回のNFT販売実績を積み上げてきたが、本格的な業績寄与には時間を要する見通しである(2023年10月期末時点)。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
<HH>
CAICA DIGITAL<2315>は、金融業界向けを主としたシステム開発や暗号資産に関するシステム開発などを行う「ITサービス事業」を軸に、金融商品取引法に基づく第一種金融商品取引業、暗号資産に関する金融商品の開発・販売、暗号資産交換所運営などを手掛ける「金融サービス事業」を展開してきた。高い信頼性や処理能力などが求められる金融業界向けのシステム開発を中心として、長年にわたって蓄積してきた高度な技術やノウハウなどに強みがあり、同社グループ全技術者(約400 名)がブロックチェーン技術者となる計画を実行しているところも特長的である。ブロックチェーン技術を活用したFinTech分野を戦略的注力分野に位置付けており、暗号資産関連ビジネスに取り組むとともに、様々な分野で将来性が期待されているNFT分野、さらにはWeb3を活用した事業拡大を進めている。
ただ、海外の大手暗号資産交換所の経営破綻などを発端とする暗号資産市場の混乱により、2021年3月期に参入した暗号資産交換所「Zaif」の運営をはじめとする「金融サービス事業」が、業績の足を引っ張る状況が続いていることから、「Zaif」を含む連結子会社3社の譲渡により、抜本的な事業再編を決断した。今後は、安定したキャッシュ・フローを生み出すシステム開発の「ITサービス事業」へ集中するとともに、次世代の分散型インターネットとして注目されているWeb3ビジネスの拡大に注力する方針である。
前期までの各事業の概要は以下のとおりである。
(1) ITサービス事業
創業来の主力事業であり、50年以上の実績を誇る(株)CAICAテクノロジーズにより、銀行・証券・保険といった金融機関向けシステム開発(コンサルティングや保守・運用を含む)をはじめ、流通・小売業、情報通信業など、多様な業種でシステム構築を手掛けている。特に、金融業界向けのシステム開発が70%程度を占め、同社グループの強みの源泉となっている。大手SIerからコアパートナーの認定を受け、大手SIerを通じた受注(二次請け)が中心であるものの、基幹システムを担っている金融機関向けは継続率が高く、事業基盤は安定している。また、大企業からの一次請け受注も増加しており、安定性はさらに増している。
一方、暗号資産関連のシステム開発については、これまで同社グループ内で運営していた暗号資産交換所「Zaif」のシステムインテグレーションを担うとともに、ほかの暗号資産交換所システムも手掛けている。また、テレワークの広がりを受け、「セキュリティ・コンサルティング・サービス」※の提供やエンドユーザーのセキュリティリテラシーを向上させる「CAICA Security Training/標的型メール訓練サービス」といった自社ブランド製品の販売比率向上に取り組むとともに、Web3事業に参入する企業を支援する、セミオーダー型NFTマーケットプレイス開発サービス及び「Web3型のデータ保管サービス」の提供開始など、Web3ビジネスの拡大に向けた動きも活発化させている。
※現行のテレワーク環境の脆弱性診断や、課題の顕在化、課題対応方法の提案など、テレワークに関するあらゆるセキュリティ課題をサポートするサービス。
(2) 金融サービス事業
2018年2月に連結子会社となったカイカ証券(株)(金融商品取引法に基づく第一種金融商品取引業)を中心に金融商品の企画・開発・組成・販売などを手掛け、特に暗号資産関連商品の開発・販売に注力してきた。また、2021年3月には暗号資産交換所「Zaif」を擁する(株)カイカエクスチェンジホールディングスを連結子会社とし、暗号資産関連ビジネスの拡大に向けて体制を整えた。カイカエクスチェンジグループは、主に暗号資産交換所「Zaif」における受入手数料や暗号資産売買の損益のほか、(株)カイカキャピタルによる暗号資産の自己勘定による運用益を収益減としてきた。
ただ、カイカ証券については、独自のワラント商品に加え、暗号資産関連商品の取り扱いを拡充してきたものの、暗号資産市場の混乱による影響を受け、デリバティブ派生商品に対する投資家の意欲の衰退などもあり、予定していた商品の拡充ができなかったうえ、業績も伸び悩んでいることから、第一種金融商品取引業と投資運用業の廃止を決定し、2023年11月30日付けで廃業となった。
また、暗号資産交換所「Zaif」を運営する(株)カイカエクスチェンジについても、暗号資産市場の低迷による影響を受け、大幅な赤字体質が続いたほか、カイカキャピタルも低調に推移していることから、2023年10月31日付けでカイカエクスチェンジホールディングスの全株式を譲渡し、それに伴ってカイカエクスチェンジ及びカイカキャピタルも連結範囲から除外された。
一方、カイカフィナンシャルホールディングスにおいては、2022年11月からはブロックチェーンゲーム専門のNFTマーケットプレイス「Zaif INO」を立ち上げると、Web3企業とのコラボレーションによりNFT販売を開始した。NFTの販売高に応じた販売手数料を収益源とし、既に15回のNFT販売実績を積み上げてきたが、本格的な業績寄与には時間を要する見通しである(2023年10月期末時点)。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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