注目トピックス 日本株
シュッピン Research Memo(4):各EC施策の効果発現により「カメラ事業」が好調に推移(1)
配信日時:2022/12/21 15:04
配信元:FISCO
■決算概要
1. 2023年3月期上期決算の概要
(1) 決算の概況
シュッピン<3179>の2023年3月期上期の業績は、売上高が前年同期比15.4%増の21,885百万円、営業利益が同23.8%増の1,628百万円、経常利益が同21.8%増の1,645百万円、四半期純利益が同20.6%増の1,125百万円と、計画を上回る増収増益となり、過去最高業績(上期ベース)を更新した。
「時計事業」については、中国のロックダウンなど国際情勢等の影響を受けて免税売上が低調に推移し、店舗売上が大きく落ち込んだものの、各EC施策の効果発現(AIを活用したOne to Oneマーケティング等)により「カメラ事業」が大きく拡大し、業績全体の伸びに寄与した。新製品の発売によりカメラ市場全体が活況を呈したことも追い風となったようだ。「筆記具事業」及び「自転車事業」については、こだわりや希少性を重視したニッチ市場でのポジションを堅持する戦略により小規模ながら安定した業績の伸びを実現している。また、注力するグローバル戦略(越境EC)についても、カメラ及び時計ともに着実な進展を図ることができた。
利益面でも、増収による収益の押し上げに加え、AIMDの安定稼働によるカメラ中古品の売上総利益率の改善や販管費のコントロールにより大幅な営業増益を実現した。営業利益率も7.4%(前年同期は6.9%)に改善し、時計事業が苦戦するなかでも、過去最高(上期ベース)の営業利益及び営業利益率を更新することができた。
財政状態については、「現金及び預金」や「商品」が増加したものの、「売掛金」が減少したことで資産合計は前期末比0.5%減の14,338百万円と僅かに減少した。一方、自己資本は内部留保の積み増しにより同4.8%増の5,727百万円と増加したことから、自己資本比率は39.9%(前期末は37.9%)に改善した。
(2) 売上総利益率及び販管費の状況
2023年3月期上期の売上総利益率(全体)は18.8%(前年同期は18.6%)に改善した。利益率の高い「カメラ事業」の売上構成比が高まったことや、前期に導入したAIMDの安定稼働によりカメラ中古品の売上総利益率がさらに改善したことが理由である。また、販管費は、売上高連動の販売促進費やクレジット利用手数料、新たなシステム開発投資に伴う運用費、給与ベースアップやスタッフ増員に伴う人件費の増加に加え、株式報酬制度の導入に伴う一過性費用の発生などがあったものの、売上総利益の伸びや生産性向上を通じたコスト抑制により販管費率は11.4%(同11.7%)に良化した。特に、売上高が拡大するなかでも広告宣伝費が増えていないところは、同社のビジネスモデルの特長を示していると言える。
2. 事業別の業績
(1) カメラ事業(EC比率:87.1%)
売上高は前年同期比26.4%増の15,341百万円、セグメント利益は同30.3%増の1,763百万円と大きく拡大した。AIMD、AIコンテンツレコメンドなど、AI活用による独自機能やサービスによるOne to Oneマーケティングが奏功し、EC売上が好調に推移した。特にメール、アプリに加え、5月からはLINEでのお知らせ機能(プッシュ通知)を開始し、スマートフォンでの利便性をさらに高めたことや、カメラメーカー各社から新製品が発売され市場全体が活況を呈したことも追い風となったようだ。店舗売上についても、新製品効果も手伝って順調に回復してきた。利益面では、AIMDの安定稼働により中古カメラの売上総利益率が改善し、大幅な増益を実現するとともに、高水準にあるセグメント利益率も11.5%(前年同期は11.2%)とさらに改善を図ることができた。
(2) 時計事業(EC比率:54.1%)
売上高は前年同期比5.9%減の5,871百万円、セグメント利益は同13.7%減の320百万円と減収減益となった。これまで取り組んできた戦略的商品ラインナップの拡充(「ロレックス」の買取強化)を継続し、EC売上は大きく伸長したものの、国際情勢等(コロナ禍に伴う入国規制等)の影響を受けて免税売上が大幅に減少し、店舗売上が落ち込んだ。特に中国のロックダウンによる影響が大きかったと見られる。また、免税売上の低迷に端を発し、ロレックスの国内中古品価格もやや軟調に推移しているようだ。同社としては、免税売上の低迷は一過性要因によるものであることや、国内外の需要には根強いものがあることから、将来利益の源泉として戦略的在庫投資を維持していく方針である。一方、越境ECについては、認知度を高めながら着実に伸びており、新たなチャネルとしての可能性が見えてきた(詳細は後述)。利益面でも、減収による収益の下押しにより減益となったが、市場動向を鑑みた価格設定によりセグメント利益率は5.5%(前年同期は5.9%)を確保した。
(3) 筆記具事業(EC比率:81.8%)
売上高は前年同期比16.5%増の214百万円、セグメント利益は15百万円(前年同期は1百万円の損失)と増収となり、損益も大きく改善した。メーカーとの協業によるオリジナル商品の企画・販売に加え、レアモデルの万年筆等を多数取り揃えるなど、独自の商品ラインナップを充実させたことや、中古品の買取強化を通じた中古品売上の拡大が増収に寄与した。利益面でも、適切な販売価格の設定や費用の削減により大幅な損益改善を図ることができた。
(4) 自転車事業(EC比率:66.2%)
売上高は前年同期比11.2%増の458百万円、セグメント利益は同20.4%増の30百万円と増収増益となった。コロナ禍における需要増が一巡したものの、スマートフォンアプリによる日常的な情報発信やECサイト上での様々な営業施策が奏功したことに加え、店舗では世界的に人気の高い日本メーカーのパーツに対する免税需要が高まったこともあり、増収となった。利益面でも、引き続き効率性を重視した運営により収益性の改善も着実に進んできた。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
<NS>
1. 2023年3月期上期決算の概要
(1) 決算の概況
シュッピン<3179>の2023年3月期上期の業績は、売上高が前年同期比15.4%増の21,885百万円、営業利益が同23.8%増の1,628百万円、経常利益が同21.8%増の1,645百万円、四半期純利益が同20.6%増の1,125百万円と、計画を上回る増収増益となり、過去最高業績(上期ベース)を更新した。
「時計事業」については、中国のロックダウンなど国際情勢等の影響を受けて免税売上が低調に推移し、店舗売上が大きく落ち込んだものの、各EC施策の効果発現(AIを活用したOne to Oneマーケティング等)により「カメラ事業」が大きく拡大し、業績全体の伸びに寄与した。新製品の発売によりカメラ市場全体が活況を呈したことも追い風となったようだ。「筆記具事業」及び「自転車事業」については、こだわりや希少性を重視したニッチ市場でのポジションを堅持する戦略により小規模ながら安定した業績の伸びを実現している。また、注力するグローバル戦略(越境EC)についても、カメラ及び時計ともに着実な進展を図ることができた。
利益面でも、増収による収益の押し上げに加え、AIMDの安定稼働によるカメラ中古品の売上総利益率の改善や販管費のコントロールにより大幅な営業増益を実現した。営業利益率も7.4%(前年同期は6.9%)に改善し、時計事業が苦戦するなかでも、過去最高(上期ベース)の営業利益及び営業利益率を更新することができた。
財政状態については、「現金及び預金」や「商品」が増加したものの、「売掛金」が減少したことで資産合計は前期末比0.5%減の14,338百万円と僅かに減少した。一方、自己資本は内部留保の積み増しにより同4.8%増の5,727百万円と増加したことから、自己資本比率は39.9%(前期末は37.9%)に改善した。
(2) 売上総利益率及び販管費の状況
2023年3月期上期の売上総利益率(全体)は18.8%(前年同期は18.6%)に改善した。利益率の高い「カメラ事業」の売上構成比が高まったことや、前期に導入したAIMDの安定稼働によりカメラ中古品の売上総利益率がさらに改善したことが理由である。また、販管費は、売上高連動の販売促進費やクレジット利用手数料、新たなシステム開発投資に伴う運用費、給与ベースアップやスタッフ増員に伴う人件費の増加に加え、株式報酬制度の導入に伴う一過性費用の発生などがあったものの、売上総利益の伸びや生産性向上を通じたコスト抑制により販管費率は11.4%(同11.7%)に良化した。特に、売上高が拡大するなかでも広告宣伝費が増えていないところは、同社のビジネスモデルの特長を示していると言える。
2. 事業別の業績
(1) カメラ事業(EC比率:87.1%)
売上高は前年同期比26.4%増の15,341百万円、セグメント利益は同30.3%増の1,763百万円と大きく拡大した。AIMD、AIコンテンツレコメンドなど、AI活用による独自機能やサービスによるOne to Oneマーケティングが奏功し、EC売上が好調に推移した。特にメール、アプリに加え、5月からはLINEでのお知らせ機能(プッシュ通知)を開始し、スマートフォンでの利便性をさらに高めたことや、カメラメーカー各社から新製品が発売され市場全体が活況を呈したことも追い風となったようだ。店舗売上についても、新製品効果も手伝って順調に回復してきた。利益面では、AIMDの安定稼働により中古カメラの売上総利益率が改善し、大幅な増益を実現するとともに、高水準にあるセグメント利益率も11.5%(前年同期は11.2%)とさらに改善を図ることができた。
(2) 時計事業(EC比率:54.1%)
売上高は前年同期比5.9%減の5,871百万円、セグメント利益は同13.7%減の320百万円と減収減益となった。これまで取り組んできた戦略的商品ラインナップの拡充(「ロレックス」の買取強化)を継続し、EC売上は大きく伸長したものの、国際情勢等(コロナ禍に伴う入国規制等)の影響を受けて免税売上が大幅に減少し、店舗売上が落ち込んだ。特に中国のロックダウンによる影響が大きかったと見られる。また、免税売上の低迷に端を発し、ロレックスの国内中古品価格もやや軟調に推移しているようだ。同社としては、免税売上の低迷は一過性要因によるものであることや、国内外の需要には根強いものがあることから、将来利益の源泉として戦略的在庫投資を維持していく方針である。一方、越境ECについては、認知度を高めながら着実に伸びており、新たなチャネルとしての可能性が見えてきた(詳細は後述)。利益面でも、減収による収益の下押しにより減益となったが、市場動向を鑑みた価格設定によりセグメント利益率は5.5%(前年同期は5.9%)を確保した。
(3) 筆記具事業(EC比率:81.8%)
売上高は前年同期比16.5%増の214百万円、セグメント利益は15百万円(前年同期は1百万円の損失)と増収となり、損益も大きく改善した。メーカーとの協業によるオリジナル商品の企画・販売に加え、レアモデルの万年筆等を多数取り揃えるなど、独自の商品ラインナップを充実させたことや、中古品の買取強化を通じた中古品売上の拡大が増収に寄与した。利益面でも、適切な販売価格の設定や費用の削減により大幅な損益改善を図ることができた。
(4) 自転車事業(EC比率:66.2%)
売上高は前年同期比11.2%増の458百万円、セグメント利益は同20.4%増の30百万円と増収増益となった。コロナ禍における需要増が一巡したものの、スマートフォンアプリによる日常的な情報発信やECサイト上での様々な営業施策が奏功したことに加え、店舗では世界的に人気の高い日本メーカーのパーツに対する免税需要が高まったこともあり、増収となった。利益面でも、引き続き効率性を重視した運営により収益性の改善も着実に進んできた。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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