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NYの視点:米11月CPI受け、12月FOMCで0.25%利上げ観測、来年にはさらに小幅な利上げ

配信日時:2022/12/14 08:08 配信元:FISCO
11月消費者物価指数(CPI)は前月比+0.1%となった。伸びは10月+0.4%から予想以上に鈍化し、8月来で最小の伸びにとどまった。前年比では+7.1%と、やはり10月+7.7%から予想以上に鈍化。5カ月連続の鈍化で昨年12月来で最小。また、連邦準備制度理事会(FRB)が注目しているコア指数は前月比+0.2%と、10月+0.3%から予想外に伸びが鈍化。昨年8月来で最小となった。前年比では+6.0%と、7月来で最小の伸びとなった。

コアCPIの下方サプライズに加えて、FRBが金融政策決定において重要視しているインフレ期待の指標で、NY連銀やミシガン大消費者信頼感指数のインフレ期待指数も予想以上に低下した。これにより12月FOMCでは、FRBが4会合連続で0.75%の利上げを実施後、0.5%利上げ減速が一段と正当化された。一部では0.25%の利上げ観測も浮上。来年の利上げ観測も後退しつつある。ドル指数は重要な節目200日移動平均水準を割り込んでおり中期的な下落基調入りした可能性がある。

CPIではエネルギーや中古車価格の伸びが鈍化した一方で、シェルターが前年比で7.1%高と6カ月連続で伸びが拡大した。

エネルギー:前年比+13.1%(10月+17.6%)
中古車・トラック:−3.3%(+2.0%)
シェルター:+7.1%(+6.9%)

コアCPIでは4割がshelterが占める。除外した場合はマイナスインフレとなるため、ペンシルバニア大のシーゲル教授は12月で利上げを打ち止めるべきと強く主張。

また、ウォールストリートジャーナル紙のFedウオッチャーは12月FOMCでは、CPIの伸び鈍化で25BPの利上げ観測も浮上したが、50BP利上げの軌道にあると見ている。同時に、最近のインフレ鈍化の指標がピーク金利5%超への到達への軌道を複雑化させると指摘。通常、金利をインフレ水準以上に引き上げなければ、インフレは抑制しない。12月FOMCでは1月、2月会合で0.25%をさらに下回る小幅な利上げを実施する可能性を協議する可能性が強いと述べた。

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