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NYの視点:インフレ収束感も、FRBの利上げペース減速観測強まる

配信日時:2022/11/11 08:56 配信元:FISCO
米10月消費者物価指数(CPI)は前月比+0.4%と、伸びは拡大観測に反し9月と同水準を維持した。前年比では+7.7%と、9月+8.2%から予想以上に伸びが縮小し1月来で最小の伸びとなった。米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ指標として注目している変動の激しい燃料や食品を除いたコア指数は前月比+0.3%。伸びは9月+0.6%から予想以上に鈍化し7月来で最小。前年比でも+6.3%と、9月+6.6%から予想以上に鈍化した。

CPIの大半を占める家賃などの伸びは依然高水準だが、特に中古車やヘルスケアコストの低下が顕著でインフレを押し下げ。食品価格の上昇も一段落したことも物価の抑制を手伝った。

●米10月CPI
中古車:前月比-2.4%(前年比+2.0%)
アパレル:-0.7%(+4.1%)
家賃等:+0.8%(+6.9%)
食品:+0.6%(+10.9%)
ガソリン:+4.0%(+17.5%)

インフレがピークに達したとの見解が強まっただけでなく、ウォートン・スクール・オブ・ビジネスのジェラミー・シーゲル教授は「インフレはすでに終息」としており、12月FOMCでの25BPの利上げの可能性を指摘。同教授は度々FRBが遅行指標に焦点をあて過ぎており、過剰な利上げに繋がると警告。デイリー米サンフランシスコ連銀総裁は利上げ減速を支持しているものの同時に、7.7%のインフレは勝利には程遠いとし、利上げ継続の必要性を示した。

米短期金融市場ではこの引き締めサイクルでの最高金利が現状で4.9%を織り込んでおり、CPI発表前の5.1%前後から低下した。


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