注目トピックス 日本株
GセブンHD Research Memo(4):「業務スーパー」は新規出店攻勢により増収増益が続く
配信日時:2021/11/29 15:44
配信元:FISCO
■G-7ホールディングス<7508>の業績動向
2. 事業セグメント別動向
(1) オートバックス・車関連事業
オートバックス・車関連事業の売上高は前年同期比0.8%増の16,720百万円、経常利益は同5.9%増の614百万円となった。このうち、主力のG-7・オート・サービスについては、コロナ禍が長期化したことにより帰省や行楽シーズンの来店客数が伸び悩み、主力商品であるタイヤに加えて、ドライブレコーダーやナビゲーション等の需要が低調だったことが響いた。
カテゴリー別の売上増減率を見ると、車通勤の増加に伴いメンテナンス関連が前年同期比13.3%増、オイルが同3.6%増となった一方で、タイヤが同2.6%減、カーエレクトロニクス製品が同9.5%減、サービスが同1.9%減となった。利益面では、採算の良いタイヤ販売の減少が響き減益となった。
既存店ベースの月次売上高伸び率の推移を見ると、2021年4月~5月は前年同月の水準が低かった反動で2ケタ増となったものの、6月以降は減少に転じており、「オートバックス」本部の既存店伸び率との比較で見ても、ほぼ同様の動きとなっている。なお、2021年9月末における国内のオートバックス関連店舗は出店・退店ともに1店舗となり、前期末横ばいの75店舗となった。
また、新業態として2020年3月より出店を開始したアウトドア用品専門店「FIELD SEVEN」については中部圏に1店舗を出店し、合計3店舗となった。コロナ禍が続くなかで売上高としてはまだ十分な水準とは言えないものの、コロナ収束後のキャンプ需要の拡大を見据えて、商品戦略などを見直しながら収益化を目指している。また、コインランドリー「マンマチャオ」も近畿圏で1店舗を出店し、合計6店舗となっている。
G-7バイクワールドについては、コロナ禍における移動手段としてバイクの需要が拡大していることや、バイク王&カンパニー<3377>が運営する「バイク王」とのコラボ出店の取り組みが奏功して既存店ベースでは前年同期比1ケタ台の増収となった。ただ、2021年3月期に閉店した1店舗(岡山久米店)の売上減少分を、同じく前期に出店した店舗(高松店)の売上で穴埋めできず、全体では減収となった。一方、利益面では既存店の売上拡大に伴う収益性の改善により2ケタ増益となっている。2021年9月末における国内店舗数は前期末比横ばいの12店舗となった。
海外のオートバックス及びバイクワールド事業については、出店しているマレーシアでコロナ禍が続いている影響で減収となった。ただ、コスト削減に取り組んだことで損失額は前年同期から縮小している。2021年9月末の店舗数は、「オートバックス」「バイクワールド」ともに2店舗で前期末横ばいだった。そのほか、G-7.CrownTradingの自動車輸出販売事業についても、コロナ禍の影響で減収基調が続いたものの、損益面では売掛金の回収が進んだことにより利益に転換した。
(2) 業務スーパー事業
G-7スーパーマートで展開する業務スーパー事業の売上高は前年同期比6.9%増の43,879百万円、経常利益は同6.1%増の2,169百万円といずれも過去最高を更新し、会社計画を上回る進捗となった。前年の巣ごもり需要の反動で既存店売上高は同1.1%減となったものの、新規出店効果によりカバーした。2021年9月末の店舗数は前年同期比15店舗増の170店舗と1割増加している。2022年3月期第2四半期累計期間では5店舗出店(九州圏3店舗、首都圏及び北海道各1店舗)した。利益面では、増収効果によって店舗出店及び改装費用の増加等を吸収して増益となった。
既存店ベースの月次売上高増減率の推移を見ると、前年の巣ごもり需要の反動により2021年4~5月は前年同月比でマイナスに転じていたものの、同年6月以降は堅調に推移した。特に2021年9月は感謝セールを実施したことやメディアで取り上げられたこともあって10%増と16ヶ月振りの2ケタ増を記録した。神戸物産<3038>の直轄店舗の動きについてもほぼ同様の動きとなっている。
(3) 精肉事業
G-7ミートテラバヤシで展開する精肉事業の売上高は前年同期比0.8%増の9,401百万円、経常利益は同54.5%減の236百万円と増収減益となった。売上高は前年の巣ごもり需要の反動により既存店ベースで同7.2%減と低迷したものの、新規出店効果でカバーして全体では増収を維持した。「業務スーパー」との同時出店戦略により、2021年9月末の店舗数は同21店舗増の148店舗と大幅に増加している。
一方、利益面では仕入価格の高騰による粗利益率の低下に加えて、店舗数拡大に伴うテナント料等の固定費増加等により3ケタ減益となった。主力販売商品である米国産輸入牛肉が、世界的な需要拡大とコロナ禍による生産量の伸び悩みによる需給ひっ迫で価格が高騰し、同事業の収益を圧迫した。
なお、2020年7月に組織したアンデス食品事業部については、コロナ禍の長期化で業務用の売上低迷が続き減収となったものの、期中に1店舗を閉店するなどコスト削減に取り組んだことで、損益面ではやや改善した(損失額が縮小)。
(4) その他事業
その他事業については売上高で前年同期比7.2%減の11,937百万円、経常利益で同16.6%減の231百万円となった。このうち「miniピアゴ」「めぐみの郷」については、それぞれ前年同期にコロナ禍により急拡大した内食需要の反動減により減収減益となった。特に「めぐみの郷」については、買取販売方式を採用している中部及び関東圏の店舗で商品廃棄ロスが発生したことも収益悪化要因となった。2021年9月末の店舗数は、「miniピアゴ」が前期末比1店舗減の71店舗、「めぐみの郷」が同横ばいの45店舗(出店、退店各1店舗)となった。
G7ジャパンフードサービスで展開する食品事業は増収増益となった。営業リソースを拡充した効果により首都圏を中心にこだわり食品の顧客開拓が進んだほか、PB商品となる冷凍食品の販売も好調だった。損益面では、都内の事業所を2ヶ所から1ヶ所に集約したことや、不採算だった飲食・スイーツ事業の整理を進めたことも増益要因となった。飲食店事業では「いきなり!ステーキ」の国内店舗2店舗を2021年5月末に閉店し、残りの台湾店舗も2022年3月に閉店する予定となっている。また、スイーツ事業についても同様に2022年1月に「RINGO」1店舗を閉店し、すべて撤退する予定となっている。
G7リテールジャパンで展開する女性向けフィットネスクラブの「カーブス」については増収となり、損益も改善した。前年同期はコロナ禍で営業自粛を強いられていたが、2022年3月期は会員数も徐々に回復に向かっている。2021年9月末の店舗数は前期末比横ばいの25店舗となった。一方、収益が低迷していた「ステップゴルフ」3店舗については、2021年7月末にすべて撤退した。また、新業態として自転車販売専門店「トレジャーサイクル」の1号店を2021年7月に兵庫県内のグループ店舗敷地内に出店した。当面は、収益モデルの構築に向けた取り組みを進めていく予定となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2. 事業セグメント別動向
(1) オートバックス・車関連事業
オートバックス・車関連事業の売上高は前年同期比0.8%増の16,720百万円、経常利益は同5.9%増の614百万円となった。このうち、主力のG-7・オート・サービスについては、コロナ禍が長期化したことにより帰省や行楽シーズンの来店客数が伸び悩み、主力商品であるタイヤに加えて、ドライブレコーダーやナビゲーション等の需要が低調だったことが響いた。
カテゴリー別の売上増減率を見ると、車通勤の増加に伴いメンテナンス関連が前年同期比13.3%増、オイルが同3.6%増となった一方で、タイヤが同2.6%減、カーエレクトロニクス製品が同9.5%減、サービスが同1.9%減となった。利益面では、採算の良いタイヤ販売の減少が響き減益となった。
既存店ベースの月次売上高伸び率の推移を見ると、2021年4月~5月は前年同月の水準が低かった反動で2ケタ増となったものの、6月以降は減少に転じており、「オートバックス」本部の既存店伸び率との比較で見ても、ほぼ同様の動きとなっている。なお、2021年9月末における国内のオートバックス関連店舗は出店・退店ともに1店舗となり、前期末横ばいの75店舗となった。
また、新業態として2020年3月より出店を開始したアウトドア用品専門店「FIELD SEVEN」については中部圏に1店舗を出店し、合計3店舗となった。コロナ禍が続くなかで売上高としてはまだ十分な水準とは言えないものの、コロナ収束後のキャンプ需要の拡大を見据えて、商品戦略などを見直しながら収益化を目指している。また、コインランドリー「マンマチャオ」も近畿圏で1店舗を出店し、合計6店舗となっている。
G-7バイクワールドについては、コロナ禍における移動手段としてバイクの需要が拡大していることや、バイク王&カンパニー<3377>が運営する「バイク王」とのコラボ出店の取り組みが奏功して既存店ベースでは前年同期比1ケタ台の増収となった。ただ、2021年3月期に閉店した1店舗(岡山久米店)の売上減少分を、同じく前期に出店した店舗(高松店)の売上で穴埋めできず、全体では減収となった。一方、利益面では既存店の売上拡大に伴う収益性の改善により2ケタ増益となっている。2021年9月末における国内店舗数は前期末比横ばいの12店舗となった。
海外のオートバックス及びバイクワールド事業については、出店しているマレーシアでコロナ禍が続いている影響で減収となった。ただ、コスト削減に取り組んだことで損失額は前年同期から縮小している。2021年9月末の店舗数は、「オートバックス」「バイクワールド」ともに2店舗で前期末横ばいだった。そのほか、G-7.CrownTradingの自動車輸出販売事業についても、コロナ禍の影響で減収基調が続いたものの、損益面では売掛金の回収が進んだことにより利益に転換した。
(2) 業務スーパー事業
G-7スーパーマートで展開する業務スーパー事業の売上高は前年同期比6.9%増の43,879百万円、経常利益は同6.1%増の2,169百万円といずれも過去最高を更新し、会社計画を上回る進捗となった。前年の巣ごもり需要の反動で既存店売上高は同1.1%減となったものの、新規出店効果によりカバーした。2021年9月末の店舗数は前年同期比15店舗増の170店舗と1割増加している。2022年3月期第2四半期累計期間では5店舗出店(九州圏3店舗、首都圏及び北海道各1店舗)した。利益面では、増収効果によって店舗出店及び改装費用の増加等を吸収して増益となった。
既存店ベースの月次売上高増減率の推移を見ると、前年の巣ごもり需要の反動により2021年4~5月は前年同月比でマイナスに転じていたものの、同年6月以降は堅調に推移した。特に2021年9月は感謝セールを実施したことやメディアで取り上げられたこともあって10%増と16ヶ月振りの2ケタ増を記録した。神戸物産<3038>の直轄店舗の動きについてもほぼ同様の動きとなっている。
(3) 精肉事業
G-7ミートテラバヤシで展開する精肉事業の売上高は前年同期比0.8%増の9,401百万円、経常利益は同54.5%減の236百万円と増収減益となった。売上高は前年の巣ごもり需要の反動により既存店ベースで同7.2%減と低迷したものの、新規出店効果でカバーして全体では増収を維持した。「業務スーパー」との同時出店戦略により、2021年9月末の店舗数は同21店舗増の148店舗と大幅に増加している。
一方、利益面では仕入価格の高騰による粗利益率の低下に加えて、店舗数拡大に伴うテナント料等の固定費増加等により3ケタ減益となった。主力販売商品である米国産輸入牛肉が、世界的な需要拡大とコロナ禍による生産量の伸び悩みによる需給ひっ迫で価格が高騰し、同事業の収益を圧迫した。
なお、2020年7月に組織したアンデス食品事業部については、コロナ禍の長期化で業務用の売上低迷が続き減収となったものの、期中に1店舗を閉店するなどコスト削減に取り組んだことで、損益面ではやや改善した(損失額が縮小)。
(4) その他事業
その他事業については売上高で前年同期比7.2%減の11,937百万円、経常利益で同16.6%減の231百万円となった。このうち「miniピアゴ」「めぐみの郷」については、それぞれ前年同期にコロナ禍により急拡大した内食需要の反動減により減収減益となった。特に「めぐみの郷」については、買取販売方式を採用している中部及び関東圏の店舗で商品廃棄ロスが発生したことも収益悪化要因となった。2021年9月末の店舗数は、「miniピアゴ」が前期末比1店舗減の71店舗、「めぐみの郷」が同横ばいの45店舗(出店、退店各1店舗)となった。
G7ジャパンフードサービスで展開する食品事業は増収増益となった。営業リソースを拡充した効果により首都圏を中心にこだわり食品の顧客開拓が進んだほか、PB商品となる冷凍食品の販売も好調だった。損益面では、都内の事業所を2ヶ所から1ヶ所に集約したことや、不採算だった飲食・スイーツ事業の整理を進めたことも増益要因となった。飲食店事業では「いきなり!ステーキ」の国内店舗2店舗を2021年5月末に閉店し、残りの台湾店舗も2022年3月に閉店する予定となっている。また、スイーツ事業についても同様に2022年1月に「RINGO」1店舗を閉店し、すべて撤退する予定となっている。
G7リテールジャパンで展開する女性向けフィットネスクラブの「カーブス」については増収となり、損益も改善した。前年同期はコロナ禍で営業自粛を強いられていたが、2022年3月期は会員数も徐々に回復に向かっている。2021年9月末の店舗数は前期末比横ばいの25店舗となった。一方、収益が低迷していた「ステップゴルフ」3店舗については、2021年7月末にすべて撤退した。また、新業態として自転車販売専門店「トレジャーサイクル」の1号店を2021年7月に兵庫県内のグループ店舗敷地内に出店した。当面は、収益モデルの構築に向けた取り組みを進めていく予定となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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