注目トピックス 日本株ニュース一覧

注目トピックス 日本株 矢作建 Research Memo(4):売上債権の増加を有利子負債で調達するも、自己資本比率は47.7%と高水準を維持 *13:44JST 矢作建 Research Memo(4):売上債権の増加を有利子負債で調達するも、自己資本比率は47.7%と高水準を維持 ■業績動向4. 財務状況と経営指標矢作建設工業<1870>の2025年3月期末の総資産は18,220百万円増加し、144,220百万円となった。主な増加要因は完成工事未収入金等(受取手形、電子記録債権含む)が18,560万円増加したことによる。そのほかの資産の増減は現金及び預金が4,318百万円減少、販売用不動産が962百万円増加、有形固定資産が2,010百万円減少した。負債は合計15,923百万円増加したが、主な増加要因は有利子負債が長短合計で16,200百万円増加したことである。そのほか、工事未払金が3,441百万円増加、未成工事受入金が1,495百万円増加、未払法人税等が4,298百万円減少した。純資産合計は68,835百万円(前期末比2,297百万円増)となった。完成工事未収入金が大幅増加した要因は、期末にかけて、大府東海開発プロジェクトを中心とした大型の建設工事が進捗したことによるものである。一方、コロナ禍以降積み増していた手元資金の保有水準の見直しや、工事の施工進捗に伴う協力業者への支払いなどによって、現金及び預金が減少し、有利子負債が増加した。なお、同社は、D/Eレシオは1.0倍以内、自己資本比率は40%以上を意識したうえで、有利子負債を活用する方針としているが、D/Eレシオは0.56倍に留まり、自己資本比率は47.7%と高水準を維持した。また、流動比率も195.0%と健全な水準を維持した。5. キャッシュ・フローの状況2025年3月期の営業活動によるキャッシュ・フローは、17,191百万円の支出となった。主な収入は、税金等調整前当期純利益8,163百万円、減価償却費1,050百万円、仕入債務の増加3,440百万円、未成工事受入金の増加1,495百万円であった。一方、主な支出は、売上債権の増加18,559百万円、棚卸資産の増加728百万円、未払消費税の減少5,475百万円、法人税等の支払額5,853百万円であった。投資活動によるキャッシュ・フローは255百万円の支出となった。財務活動によるキャッシュ・フローは13,149百万円の収入であった。主な増減要因は長短借入金の増加が16,200百万円、配当金の支払が3,038百万円となった。この結果、2025年3月期末の現金及び現金同等物は4,298百万円減少し、同期末残高は15,619百万円となった。(執筆:フィスコ客員アナリスト 渡邉俊輔) <HN> 2025/07/02 13:44 注目トピックス 日本株 矢作建 Research Memo(3):2025年3月期は増収となるも、前期の産業用地売却益の反動減で減益 *13:43JST 矢作建 Research Memo(3):2025年3月期は増収となるも、前期の産業用地売却益の反動減で減益 ■業績動向1. 2025年3月期の業績概要矢作建設工業<1870>の2025年3月期の業績は、売上高140,699百万円(前期比17.4%増)、営業利益8,654百万円(同9.0%減)、経常利益8,616百万円(同10.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益5,643百万円(同12.7%減)となり、増収減益の決算となった。売上高は、建築事業を中心に施工の進捗が順調に進んだことを主な要因として、過去最高を更新した。一方、利益面では、前期に計上された産業用地売却益の反動減や、人件費の上昇といったコスト増加が影響し減益となった。主力の建築事業は好調、売上総利益率も上昇に転じる2. 事業別動向(1) 建築事業建築事業は、売上高86,529百万円(前期比32.2%増)、売上総利益4,676百万円(同40.0%増)となった。コロナ禍を経て、民間建築需要や設備投資の回復を背景に、大型物流施設等のプロジェクトが順調に進捗したことにより増収となり、同事業として過去最高の売上高を更新した。用途別では、一般建築工事が68,566百万円(同40.4%増)、マンション工事が17,963百万円(同8.1%増)であった。利益面では、増収効果に加えて売上総利益率が5.4%(同0.3ポイント上昇)に改善したことが寄与して増益となった。2024年3月期は、建築資材高騰の影響により受注時と仕入時の価格の乖離が収益を圧迫していたが、インフレを反映した価格転嫁が進んだこと、さらに顧客とともに価値を創出するプロジェクト推進の成果が奏功した。(2) 土木事業土木事業は、売上高32,172百万円(前期比4.6%増)、売上総利益6,159百万円(同1.4%減)となった。宅地造成工事や鉄道高架化工事などの民間工事が伸長し増収となった。用途別では、官庁工事が12,361百万円(同0.9%増)、民間工事が16,031百万円(同7.9%増)、PW工事が3,778百万円(同3.2%増)といずれも堅調に推移した。利益面では、2024年3月期において一部大型工事で大幅な変更増額による利益の獲得があった反動もあり、売上総利益率は19.1%(同1.2ポイント低下)と若干低下して、減益となった。ただし、依然として良好な利益水準を維持している。(3) 不動産事業不動産事業では、売上高が21,997百万円(前期比6.8%減)、売上総利益は8,580百万円(同16.0%減)となった。前期の大府東海開発プロジェクト1号宅地売却に伴う売上・利益の反動により、減収減益となった。ただし、同プロジェクト2号地の売却もあり、2023年3月以前との比較では、引き続き高水準を維持した。売上高の内訳は、分譲マンション事業が7,583百万円(同4.5%増)、不動産販売が9,931百万円(同16.8%減)、その他が4,483百万円(同1.8%増)であった。分譲マンション事業では、2025年3月期に完成引渡しを迎えた物件の販売が順調に推移し、183戸(同23戸増)を販売した。なお、大府東海開発プロジェクトは同社にとって過去最大規模の開発プロジェクトである。愛知県大府市と東海市にまたがる23万平方メートルの工業団地開発として、同社は2017年3月期から土地の取りまとめを開始した。2024年3月期には造成工事と1号宅地の販売を完了した。同年度から建築工事が始まり、2号宅地の販売も進めている。既に売却を完了した1号宅地と2号宅地における収益は、完成工事高・不動産事業等売上高の合計で約1,000億円を見込む。受注環境は良好、受注高・次期繰越高とも4期連続で過去最高を更新3. 受注の状況同社が所属する土木・建築業界では、コロナ禍を経た民間設備投資の回復が続いており、特に建築分野では底堅い需要が見られる。土木分野においても、国土強靭化計画に関連した公共工事が各地で進められており、堅調な受注環境が続いている。一方、慢性的な施工キャパシティ不足が続いており、需要と供給のミスマッチが生じている。こうした環境は、施工能力を確保している企業にとっては大きな機会となっており、同社にとっても追い風となっている。(1) 受注高2025年3月期の受注高は、建築事業・土木事業とも複数の大型工事を受注し、146,182百万円(前期比8.3%増)と4期連続で過去最高を更新した。事業別では、建築事業は民間工事がほぼ100%を占めており、内訳はマンション工事が14.7%、一般建設工事が85.3%となった。一般建設工事は前期比若干の減少(0.9%減)となったものの、中部圏に加えて、首都圏でも大型建築案件を受注し、依然として高い水準を維持した。土木事業では、過去より官民拮抗した受注高を確保しているが、民間(PW工事含む)が25,889百万円(同67.8%増)と大幅に伸ばした。なおPW工事の受注も底堅く推移している。(2) 次期繰越高2026年3月期以降の売上高に寄与する次期繰越高は、2025年3月期末の時点で163,985百万円(前期比18.7%増)と、受注高と同じく4期連続で過去最高を更新した。内訳は官庁が14.1%、民間が85.9%である。事業別では、建築事業は民間がほぼ100%、土木事業は官民おおむね半々となっている。なお、受注から完成工事までの期間は、プロジェクトの規模や建物の構造等によるものの、建築事業・土木事業ともに1.5〜3年が平均となっている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 渡邉俊輔) <HN> 2025/07/02 13:43 注目トピックス 日本株 矢作建 Research Memo(2):東海地域を基盤とした総合建設業。名古屋鉄道との関係も強み *13:42JST 矢作建 Research Memo(2):東海地域を基盤とした総合建設業。名古屋鉄道との関係も強み ■会社概要矢作建設工業<1870>は、1949年5月に戦後の混乱と荒廃のなかで日本の復興を目指した山田勝男(やまだかつお)氏によって、愛知県西加茂郡挙母町(現 愛知県豊田市)にて設立された総合建設会社である。「誠実進取で自ら創造し、常に社会の要請にこたえる事業を行う」という企業理念の下、建築事業・土木事業・不動産事業の3つを主力事業として展開している。創業の地である東海地域を基盤としながら全国へ事業を拡大しており、現在は名古屋市東区に本社を置き、東京・大阪・広島・東北・九州に支店を構えている。1967年に名古屋鉄道の子会社であった名鉄建設(株)を吸収合併し、これを契機に名古屋鉄道が同社の主要株主となった。現在、同社は名古屋鉄道の持分法適用関連会社である。この合併により、従来の土木中心の事業構成から、建築分野へと事業領域を拡大し、さらに鉄道関連工事、特に軌道工事が同社の柱の1つとして加わった。現在でも、名古屋鉄道からの軌道工事や駅舎の建築・改修などを受注している。発注者や協力会社と連携しながら、鉄道の安全運行に支障をきたさぬよう工事を遂行するなど、地域社会との密接な連携の下、事業活動を行っている。また、同社は1995年の阪神淡路大震災を契機として耐震分野にも注力しており、バブル崩壊後の建設不況期には「耐震補強工事」で活路を見出し、今日の財務基盤の安定にもつながっている。分譲マンション事業、ビル・マンション管理事業、緑化事業、舗装事業、耐震補強事業、資材販売、ゴルフ場運営などを手掛ける8つのグループ会社とともに、幅広い事業領域をカバーすることで事業ポートフォリオの安定化と持続的成長を図っている。2023年3月には、京都を地盤とする北和建設(株)を子会社化した。■事業概要建築・土木・不動産の3事業がバランス、事業間のシナジーも発揮同社は、東海エリアを基盤としながらも、リニア中央新幹線の開業を見据えた経済圏の拡張を図っている。特に、地域に根ざした活動を通じて行政や地場企業との密接なネットワークを構築し、用地開発や民間プロジェクトの創出においてほかのゼネコンとの差別化を実現している。設計・施工一体の提案力を生かした高付加価値型の事業展開に加え、産業用地の開発(土木事業)・販売(不動産事業)から、同地における物流施設や工場の建設(建築事業)へと展開するなど、事業間のシナジーを効果的に発揮している点も、同社の大きな強みである。また、名古屋鉄道との資本関係や長年にわたる信頼関係を背景に、鉄道関連の特殊工事にも強みを持っている。2025年3月期における売上構成は、建築事業が61.5%、土木事業が22.9%、不動産事業が15.6%となった。また売上総利益の構成比では建築事業が24.1%、土木事業が31.7%、不動産事業が44.2%である。このように、3事業はそれぞれ異なる特性を持ちながらも連携し、バランスのとれた収益構造を形成している点が特徴である。1. 建築事業建築事業は、同社の中核を担う事業であり、物流施設やマンション、オフィス、商業施設、工場などの多様な建築物の設計・施工を一括で請け負うことを強みとしている。東海地域では、大手設計事務所と比較しても遜色のない設計スタッフを擁し、顧客と密接に連携しながら、ともにプロジェクトを“創り”上げていくスタイルを目指している。こうした取り組みにより、設計施工一括受注の比率は全体の90%を超える水準となっており、同社の高い利益率の源泉となっている。設計士など技術者の採用・育成は重要な経営課題の1つとして捉えており、社会的に注目度の高いプロジェクトや先進的な案件へも積極的に挑戦している。さらに、連結子会社である北和建設、矢作ビル&ライフ(株)、(株)テクノサポートとの連携により、耐震補強、リニューアル、建設資材の販売などを含むトータルな建築ソリューションを提供している。耐震補強に関しては、建物の構造やニーズに合わせて様々な工法を確立しており、学校や庁舎など公共施設を中心に日本全国で4,400件を超える採用実績を持つ。2. 土木事業土木事業では、道路、橋梁、上下水道、造成といったインフラ工事に加え、鉄道軌道や高架化などの鉄道関連工事を展開している。特に、名古屋鉄道向けの鉄道軌道工事は専任で担っており、毎期安定的な受注を確保している。また、不動産事業における産業用地開発に付随する造成工事をはじめとして、民間案件も多く受注している。そのため、官民半々の比率となっている点も特徴的で、経済環境に左右されにくい体質と言える。さらに、同社独自の「パンウォール(PW)工法」は、用地の制約がある現場でも施工性と安全性を両立させる技術として、中日本高速道路(株)(NEXCO中日本)や防衛省などでも採用実績がある。施工主にとっては用地買収が少なく済むメリットもあり、高い評価を得ている。連結子会社であるヤハギ道路(株)は舗装工事を、ヤハギ緑化(株)は緑化・環境整備工事を手掛けており、土木分野におけるグループの施工能力の底上げに寄与している。3. 不動産事業不動産事業では、産業用地の開発・販売、分譲マンション事業、賃貸管理事業を展開している。産業用地開発においては、行政との強固な関係性に加えて、製造業の集積地という地域特性を生かせる点が競争優位性となっている。BCP(事業継続計画)※や災害意識の高まりを背景に、行政とも連携し、郊外や内陸への移転を進める企業の需要を的確に捉えている点も追い風となっている。大府東海工業団地プロジェクトでは、1号宅地は2024年3月期に販売完了済で2026年3月期にかけて建築工事を進めている。2号宅地も一部が2025年3月期に販売完了済で、残りは2026年3月期中の販売完了が見込まれている。販売後の建築工事も予定されており、不動産販売と建築工事の双方で業績に貢献している。※ 自然災害・大規模火災・テロ攻撃といった緊急事態に際し、企業が事業資産の損害を最小限に抑え、中核事業の継続または早期復旧を図るため、平時の準備と緊急時の方法を定めた計画。同社子会社において手掛ける分譲マンション事業は、主に東海圏においてファミリー層を中心とした開発・販売を行っており、地元密着型の事業展開を通じて安定した需要を確保している。立地や市場動向に応じて柔軟にターゲット層を調整しており、たとえば都心部では単身及び共働きで世帯収入が比較的高い層向け、郊外エリアではファミリー層向けなど、需要に即した商品企画に強みを持つ。加えて、設計・施工を自社で一括して担うことにより、品質管理や工期調整、住戸プランにも柔軟に対応可能である。分譲マンションの開発は、不動産事業の収益源であると同時に、建築事業とのシナジーを発揮する重要なドライバーであり、グループの総合力が発揮される領域である。連結子会社である矢作地所(株)がマンション分譲や不動産賃貸及び不動産開発を行い、矢作ビル&ライフがビル・マンションの管理、不動産賃貸及び分譲マンションのカスタマーサービス事業を行っている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 渡邉俊輔) <HN> 2025/07/02 13:42 注目トピックス 日本株 矢作建 Research Memo(1):2026年3月期は売上高・各利益とも最高業績を見込む。中期経営計画も達成へ *13:41JST 矢作建 Research Memo(1):2026年3月期は売上高・各利益とも最高業績を見込む。中期経営計画も達成へ ■要約矢作建設工業<1870>は、1949年に設立された総合建設会社である。主に建築・土木・不動産事業の3つを柱とし、設計・施工一体の高付加価値の事業を展開している。また、名古屋鉄道<9048>との資本関係を生かした鉄道工事にも強みを持っている。建築事業は、物流施設やマンション、オフィス、商業施設、工場など幅広い分野において、設計施工を一貫して手掛けている。土木事業では、道路やトンネル、鉄道関連のインフラ工事に対応し、官民半々の比率が特徴である。不動産事業では、産業用地開発・販売や分譲マンション事業を行う。産業用地開発については、造成(土木事業)・販売(不動産事業)から同地における物流施設や工場の建設(建築事業)へと展開するなど、事業間のシナジーを効果的に発揮している点も、同社の大きな強みである。1. 2025年3月期の業績概要2025年3月期の連結業績は、売上高140,699百万円(前期比17.4%増)、営業利益8,654百万円(同9.0%減)、経常利益8,616百万円(同10.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益5,643百万円(同12.7%減)と、増収減益の決算となった。売上高は、建築事業を中心に施工が順調に進んだことを主な要因として、過去最高を更新した。一方、利益面では、前期に計上した産業用地売却利益の反動減や、人件費の上昇といったコスト増加が影響し減益となった。受注高は堅調に推移し、146,182百万円(同8.3%増)と4期連続で過去最高を更新した。また2026年3月期以降の売上高に寄与する次期繰越高も163,985百万円(同18.7%増)と同じく4期連続過去最高を更新した。2. 2026年3月期業績見通し2026年3月期の連結業績は、売上高168,000百万円(前期比19.4%増)、営業利益10,000百万円(同15.5%増)、経常利益9,900百万円(同14.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益6,600百万円(同16.9%増)を予想している。不動産事業で分譲マンションの供給減に伴う減収となる見込みながら、建築事業・土木事業において豊富な次期繰越高を背景に全体として増収を見込んでいる。利益面では、増収効果に加えて、資材価格上昇分の価格転嫁を進めることによって増益を見込んでいる。なお、売上高・各利益ともに、過去最高を見込んでいる。3. 中期経営計画の状況2026年3月期を最終年度とする5ヶ年の中期経営計画では、売上高目標を130,000百万円としていたが、着地見込みは168,000百万円(目標比29.2%増)と大幅に上回る見通しである。また営業利益は目標値である10,000百万円を確保する見込みとなっている。2030年度に目指す「課題解決&価値創造型企業」に向け、2027年3月期から始まる次期中期経営計画における加速度的な成長フェーズへの移行に弾みをつけた。4. 株主還元同社は、株主還元に関する基本方針として、経営基盤の強化と企業価値の向上に向けて長期的な視点に立って株主資本の充実に努めるとともに、継続的かつ安定的な株主還元を実施することを掲げている。配当方針については、「配当性向30%以上」としていたが、利益変動に左右されにくい安定配当を実現するため、2026年3月期以降は「自己資本配当率(DOE)5%以上、かつ累進配当」を基本とする方針に変更した。これに伴い2026年3月期の年間配当は90円に増配(2025年3月期は普通配当60円及び記念配当20円の合計80円)する予定であり、DOEは5.6%の見通しである。株主との丁寧な対話を重視し、株主還元について誠実かつ積極的に取り組む姿勢を示している。■Key Points・2025年3月期は増収減益も、受注高・次期繰越高は4期連続で過去最高を更新・2026年3月期は売上高・各利益とも最高業績を見込む。中期経営計画も達成へ・株主還元の配当方針を「自己資本配当率(DOE)5%以上、かつ累進配当を採用」へ変更、2026年3月期は年間90円に増配予定(DOE5.6%)(執筆:フィスコ客員アナリスト 渡邉俊輔) <HN> 2025/07/02 13:41 注目トピックス 日本株 ジェイリース---エイエフビイの株式取得(子会社化) *13:14JST ジェイリース---エイエフビイの株式取得(子会社化) ジェイリース<7187>は1日、エイエフビイ(AFB)(本社:大分県大分市)の全株式を取得し、完全子会社化することを決議した。AFBは大分県大分市に本社を置く総合広告代理店で、1971年9月1日に設立され、資本金は1,600万円。テレビ・ラジオ・新聞・屋外広告の定例媒体やスポット広告、イベント運営、グラフィック・Web・映像制作など幅広い広告サービスを提供している。ジェイリースは、AFBの蓄積されたノウハウとメディアネットワークを取り込むことで、同社グループのマーケティングやプロモーション機能の強化を図る。株式取得価額は600万円で、アドバイザリー費用等を含めた総額は700万円。取得株式数は32,000株で、議決権所有割合は100.0%となる。株式譲渡契約締結日は2025年7月1日、株式譲渡決済日は同年7月25日を予定している。 <ST> 2025/07/02 13:14 注目トピックス 日本株 ノイルイミューン・バイオテック---やまぐち再生医療等実用化・産業化推進補助金の事業採択 *13:12JST ノイルイミューン・バイオテック---やまぐち再生医療等実用化・産業化推進補助金の事業採択 ノイルイミューン・バイオテック<4893>は1日、2025年度やまぐち再生医療等実用化・産業化推進補助金事業において、同社が申請した「次世代型免疫強化技術を搭載したCAR-T細胞療法による世界初固形腫瘍治療の社会実装及び研究開発広域連携拠点の形成」が採択されたと発表した。本事業は、山口大学発の免疫強化技術「PRIME技術」を基盤とし、同技術を搭載した次世代型PRIME CAR-T細胞を用いて、治療効果が限定的である固形がんに対する新たな治療法の実用化を目指し、CAR-T細胞療法の臨床開発及び商用製造に向けた次世代製造法の開発を実施するものである。また、山口県を中心としたCAR-T細胞療法の広域的な研究開発の連携拠点の形成を目指す。補助事業の期間は最長3年間(2027年度まで)で、補助上限は年額0.30億円とされている。 <ST> 2025/07/02 13:12 注目トピックス 日本株 共立メンテ---大幅反発、ホテル業界への強気の見方を反映して米系証券では格上げ *13:09JST 共立メンテ---大幅反発、ホテル業界への強気の見方を反映して米系証券では格上げ 共立メンテ<9616>は大幅反発。モルガン・スタンレーMUFG証券では投資判断を「イコールウェイト」から「オーバーウェイト」に格上げ。目標株価も3530円から4640円に引き上げている。新規供給量の抑制やインバウンド需要増加の恩恵を受けるとして、ホテル業界に対する強気の見方を再確認。とりわけ、同社はホテル事業の専業度が高く、株価バリュエーションの割安感も強いと指摘しているようだ。 <ST> 2025/07/02 13:09 注目トピックス 日本株 ユニリタ Research Memo(8):2015年4月にビーコンITと経営統合、「ユニリタ」として新たなスタート *13:08JST ユニリタ Research Memo(8):2015年4月にビーコンITと経営統合、「ユニリタ」として新たなスタート ■沿革と業績推移1. 沿革ユニリタ<3800>の前身であるスリービー(株)は、1982年に人材開発及び組織開発のためのプログラムを提供するビジネスコンサルタントの子会社として東京都中央区に設立された。ビジネスコンサルタントを起源とする(株)ソフトウェア・エージー・オブ・ファーイースト(1996年8月、(株)ビーコン インフォメーション テクノロジーに商号変更)が国内で販売していた「A-AUTO」を米国市場で販売することが目的であった。その後、1987年に(株)ビーエスピーへ商号を変更した。同社の転機は、1993年にソフトウェア・エージー・オブ・ファーイーストのシステム運用関連の事業を継承し、システム運用管理パッケージソフトウェアの専門会社として本格的な活動を開始したことである。その後、ITシステム投資の拡大を追い風として順調に事業基盤の強化を図りながら、金融機関や大手企業を含め、基幹業務システム(メインフレーム)を中心に実績を積み上げてきた。2001年にはビーエスピーソリューションズを設立し、コンサルティングとソリューション事業を本格的に開始した。2006年にジャスダック証券取引所に上場を果たした(2022年4月からの東京証券取引所市場再編に伴い、スタンダード市場へ移行。2014年1月には、(株)ビーコンIT(登記社名:ビーコン インフォメーション テクノロジー)を連結化することで、データ活用などの成長分野を取り込むとともに事業構造の変革に着手した。2015年4月には連結子会社であるビーコンITを吸収合併するとともに、社名を(株)ユニリタに変更した。新社名には、価値創造のために「ユニークな発想」で「利他の精神」を持って顧客と社会の発展に貢献する企業を目指すという想いが込められている。2. 過去の業績推移同社の業績を振り返ると、売上高は2012年3月期から2014年3月期にかけて、オープン系システムへのシフトが進むなか、「システム運用事業(現 プロダクトサービスの一部)」の伸びが同社の成長をけん引した。ただ、2015年3月期にビーコンITの連結化により業容が大きく拡大した後は、事業構造変革に取り組むなかで売上高はしばらく伸び悩んできたと言える。もっとも、2019年3月期に「システムインテグレーション事業(現 プロフェッショナルサービスの一部)」を展開する無限の買収が業容拡大に寄与すると、2020年3月期以降は注力する「クラウド事業(現 クラウドサービス)」が着実に伸びてきた。損益面では、依然として「メインフレーム事業(現 プロダクトサービスの一部)」への収益依存度が高いものの、「プロダクト事業(現 プロダクトサービス)」の損益改善が進展するに伴って営業利益率は上昇傾向をたどり、2014年3月期は28.1%と高い水準に到達した。2015年3月期以降は、事業構造変革に伴う先行投資などにより営業利益率は低下しているが、それでも20%前後の水準を維持してきた。ただ、2019年3月期以降は、成長分野である「クラウド事業」や新規事業など、将来を見据えた先行投資の影響により営業利益率は従前と比べて低い水準にある。今後は、「クラウドサービス」の損益改善や「プロフェッショナルサービス」の付加価値向上などにより、「メインフレーム事業」の縮小に伴う影響をいかにカバーしていくのかが最大の注目点と言えるだろう。財務面では、財務基盤の安定性を示す自己資本比率は、2014年3月期にビーコンIT連結化により一度低下したものの、2016年3月期はビーコンITの吸収合併(親会社の持分変動)に伴い80.1%に上昇した。また、短期的な支払能力を示す流動比率も潤沢な「現金及び預金」の残高を反映して高い水準(2024年3月期末で305.8%)で推移しており、財務基盤の安定性は非常に優れている。それが今後の成長に向けた先行投資を支えている。一方、資本効率を示すROEも2ケタの水準で推移してきたが、事業ポートフォリオの変化と先行投資の影響により、2018年3月期以降は10%を下回っている。■株主還元2026年3月期は前期比2.0円増配の年間72.0円を予想同社の配当方針は、株主資本配当率(DOE)を基準としている。先行投資などによる期間損益に変動されず、安定かつ持続的な増配を目指すことが理由である。また、自己株式取得についても機動的に実施し、取得済み分は適宜消却などを実施する方針としている。2025年3月期の配当については、前期比2.0円増配の年間70.0円(中間35.0円、期末35.0円)に決定した。また、2026年3月期についても同2.0円増配となる年間72.0円(中間36.0円、期末36.0円)を予定している。今後も利益成長に伴う増配基調が継続する見通しである。(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫) <HN> 2025/07/02 13:08 注目トピックス 日本株 ユニリタ Research Memo(7):中期経営計画を減額修正。売上高132.5億円、営業利益11.5億円を目指す *13:07JST ユニリタ Research Memo(7):中期経営計画を減額修正。売上高132.5億円、営業利益11.5億円を目指す ■中期経営計画の方向性1. 中期経営計画の方向性中期経営計画(2025年3月期~2027年3月期)がスタートして初年度を経過した。ユニリタ<3800>は、「クラウドサービス」における進捗の遅れや原価率上昇などを勘案し、数値目標を引き下げた。ただ、今後の方向性に大きな変更はない。「Re.Connect 2026」※という基本方針の下、「サービス提供型事業の拡大」「新たな価値提供モデルの確立」「事業プロセスの変革」の3つの事業戦略をさらに推進する方針である。また、グループ理念を軸とした持続的な経営と価値創造の実現に向け、人的資本投資の加速を含む、サステナビリティ基盤の強化にも取り組む考えだ。※ 様々なステークホルダーとの接点やつながり方を抜本的に見直し「再度、より良い形でつながり直す」という意味が込められている。(1) 3つの事業戦略のポイントと今後の重点施策1) サービス提供型事業の拡大引き続き、クラウド成長領域への投資の拡大や顧客の最適なモダナイゼーションの実現、製品・サービスの一部効率化と新規領域への参入検討などを進める。2026年3月期は、クラウドサービスの投資対効果の最大化に向けた開発・販売・サポート体制面の強化とコスト構造の改善に取り組む。また、需要が拡大しているマイグレーション対応については、リソースを補完するパートナーとの協業モデルを構築し提案力をさらに高める考えだ。2) 新たな価値提供モデルの確立これまでブラッシュアップしてきた「サービスマネジメント」及び「データマネジメント」をコアコンピタンスに再定義したうえで、グループ横断、エコシステムによる顧客提供価値の高度化、社会課題事業への継続的投資とアライアンス強化などに取り組む。2026年3月期は、新たな独自の価値提供モデル※の確立と具体的な提案を推進する。また、地域交通課題の解決を図る事業の成長に向けた協業パートナーとの拡大を図る。※ サービス及びデータマネジメントにおける強みやグループ連携により、顧客の成功を支援するユニリタグループDXソリューション「UCDI」(UNIRITA Group Customer success Data Integration)の創出に取り組む。3) 事業プロセスの変革サービスシフトを支える品質マネジメントの強化、プロセス標準化による実装、運用体制の構築、顧客起点での全社的カスタマーサクセス推進体制の確立を目指す。2026年3月期も引き続きサービス提供機能の連携と品質改善による顧客満足度の向上、及び事業収益性改善に取り組む。(2) 財務目標中期経営計画の初年度である2025年3月期での「クラウドサービス」の進捗遅れや原価率上昇の状況等を勘案し、数値目標を減額修正した。最終年度の2027年3月期の目標として、売上高132.5億円、営業利益11.5億円(営業利益率8.7%)、ROE7.4%に減額修正した。一方、研究開発費、設備投資などの投資計画に見直しはないようだ。また、利益成長に伴う増配にも引き続き意欲的である。計画には入っていないものの、M&Aの検討も継続する方針であり、データマネジメント人材の獲得やサービスラインの強化につながるような対象先を候補に考えているようだ。2. 中長期的な注目点今回、中期経営計画の財務目標を引き下げたものの、今後に向けた方向性に大きな変更はなく、弊社においても理にかなったものと評価している。すなわち、DXの動きが社会全体で本格化する一方、IT人材不足が顕在化するなかで、これまでのIT課題だけでなく、事業課題や社会課題にまで領域を広げるとともに、コンサルティングを起点としたバリューチェーンの最適化により、需要の拡大を取り込む戦略は、持続的な成長を実現していくうえでも説得力がある。これまでの取り組みや明らかになった課題を踏まえ、形になりつつある事業モデルをさらにブラッシュアップし、具体的な収穫に結び付けられるかがポイントになるだろう。最大の注目点は、1) 「クラウドサービス」の事業拡大に向けた道筋、2) 新たな価値提供モデルの確立の2点である。特に1) については、パートナー各社との協業の形が見えてきた事業推進クラウドのブレークスルーが期待される。そのためには、サービス&データマネジメント基盤における強みを訴求し、各方面から有力パートナーを呼び込むとともに、販売チャネルの獲得までを含めた戦略がカギを握るであろう。成功事案が増えれば、さらに新たなパートナーの獲得にもつながるといった好循環も考えられる。一方、ソーシャルクラウドにおいては、データを集めるところにこそ将来の優位性や参入障壁が確立されるビジネスモデルであるため、本格的な収益化には時間を要するものの、足元では具体的な動きが出始めており、軌道に乗れば計画の上振れ要因となる可能性もある。2) についても、サービス&データマネジメント領域でのコンサルティングを生かした一気通貫型の価値提供モデルが形となってきたが、事業間及びグループ間の連携によるバリューアップの余地はまだありそうだ。2024年4月に実施した組織体制の強化がどのように機能していくのか、その効果をフォローしていきたい。M&Aの動きも気になるところである。M&Aの実現によっては成長スピードや価値提供モデルの確立が一気に加速する可能性もあるだろう。いずれにしても、安定した収益源であるメインフレーム事業がキャッシュカウとなっている間に、次の収益の柱を育て上げ、強固な収益基盤の維持・向上を図ることが中長期の最大のテーマであることは明らかであり、そういった視点から、今後の動向に注目する必要がある。(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫) <HN> 2025/07/02 13:07 注目トピックス 日本株 フューチャー---大幅反発、業績拡大フェーズ入りとして国内証券が格上げ *13:06JST フューチャー---大幅反発、業績拡大フェーズ入りとして国内証券が格上げ フューチャー<4722>は大幅反発。大和証券では投資判断を「2」から「1」に格上げ、目標株価も2050円から3000円にまで引き上げている。既存案件が続々と稼働を開始、次期案件の高採算な上流工程が増加することで、ミックス改善や業績成長が期待できることを評価引き上げの背景としている。25年12月期は2ケタ営業増益に回帰し、26年12月期は業績拡大期に入るとみている。26年12月期営業利益は前期比18.7%増の193.5億円を予想。 <ST> 2025/07/02 13:06 注目トピックス 日本株 ユニリタ Research Memo(6):新たにグループパーパスを制定。地域交通課題解決の取り組み前進 *13:06JST ユニリタ Research Memo(6):新たにグループパーパスを制定。地域交通課題解決の取り組み前進 ■ユニリタ<3800>の主な活動実績1. グループパーパスの策定社名変更から10年という節目を迎え、同社グループのパーパス(存在意義)を改めて見直すとともに、ミッション、ビジョン、バリューといった理念体系を整理した。2025年6月に公表したパーパス「利他で紡ぐ経済をつくる」には、「ITという見えない糸」によって利他の連鎖を起こし、価値を紡ぎ、その価値が社会全体へと広がり、すべてのステークホルダーに恩恵をもたらす、「三方ともに良し」の経済へとつなげていくという想いが込められている。パーパスの実現に向け、ミッション「Create Your Business Value 〜ITの力で、一歩先の未来を創造する〜」、ビジョン「共感をカタチにし、ユニークを創造するユニリタグループへ」、バリュー「ユニーク&利他」を行動指針とするパーパスストーリーを歩んでいく考えだ。2. 地域交通課題の解決に向けた取り組み2025年3月に、同社グループのユニ・トランドが、国土交通省による「交通空白」解消を目的とする『「交通空白」解消・官民連携プラットフォーム』に参画したことを公表した。これは国土交通省が主導する官民連携の取り組みで、バスや鉄道の縮小により移動手段が限られる地域における「交通空白」の課題解決を目指すものである。ユニ・トランドは、「交通×DX」の視点から、データの収集・可視化・分析を通じ、これまでの実績と知見を生かした「ソリューションの提供」「パイロットプロジェクトの協働」「ナレッジの共有」により持続可能な交通手段の構築を支援しており、これまでも福島県三春町(定額会員制タクシーとバスロケーションシステムの導入)、香川県坂出市(地域住民向けキャッシュレス決済によるバス運賃割引の導入)、山形県長井市(デジタル技術による公共交通の利便性向上と運行最適化)、北海道岩内町(キャッシュレス決済とデータ活用による持続可能な地域交通の実現)などで実績を挙げてきた。なかでも香川県坂出市や北海道岩内町などに導入している交通DXアプリケーションサービス「Community MaaS」は、複数の公共交通機関に加え、移動先の商業施設・地域施設・自治体などが提供する「移動の目的を促すサービス」を最適に組み合わせて連携させることができるため、決済業務の効率化にとどまらず、共創型まちづくりを支えるものとして各自治体や交通事業者の注目を集めている。■業績見通し2026年3月期は戦略的パートナーとの連携を強化し、増収増益を見込む1. 2026年3月期の業績予想2026年3月期の業績予想について同社は、売上高を前期比7.0%増の12,500百万円、営業利益を同24.9%増の1,050百万円、経常利益を同19.8%増の1,200百万円、親会社株主に帰属する当期純利益を同18.6%増の850百万円と増収増益を見込んでいる。売上高は、引き続き「プロダクトサービス」が好調に推移するとともに、2025年3月期に伸び悩んだ「クラウドサービス」のテコ入れに取り組む。特に戦略的パートナーとの協業やグループ連携を強化し、事業拡大に向けたボトルネック(課題)を解消する考えだ。また「プロフェッショナルサービス」についても、良好な受注環境を背景にコンサルティングやアウトソーシングが好調を維持するほか、主要パートナーからの受注が縮小したSI事業においては高付加価値領域へのシフトを進める考えだ。損益面では、戦略的投資を継続しながらも、利益率の高い「プロダクトサービス」の伸びや「クラウドサービス」の黒字化、「プロフェッショナルサービス」の付加価値向上により大幅な増益を目指す。2. 弊社の見方不透明な経済情勢やエネルギー価格を含む物価高の影響には注意が必要であるものの、良好な受注環境が継続していることから、同社の業績予想は十分に達成可能と見られる。今後、特に注目されるのは、成長ドライバーと位置付けられる「クラウドサービス」の強化策である。単に業績面での実績を追うだけでなく、戦略的パートナーとの協業やグループ連携に向けた具体的な動きなど、前期の停滞感を打ち破るような展開が期待される。ある程度時間を要すると見込んでいたソーシャルクラウド(地域交通の課題解決)についても、具体的な案件が形になってきており、今後どのように業績へ寄与してくるのかを見定める必要がある。(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫) <HN> 2025/07/02 13:06 注目トピックス 日本株 ユニリタ Research Memo(5):2025年3月期はクラウドサービスの新規獲得が伸び悩み、減収減益(2) *13:05JST ユニリタ Research Memo(5):2025年3月期はクラウドサービスの新規獲得が伸び悩み、減収減益(2) ■決算動向2. 2025年3月期の総括ユニリタ<3800>の中期経営計画「Re.Connect 2026」の初年度であった2025年3月期は、各方面で将来を見据えた取り組みを進めたものの、業績面では計画を下回る結果となった。業績数値の増減で見ると、SI事業における大口パートナーからの受注縮小によるマイナス影響が大きいが、その点は高付加価値領域へのシフトを進めるきっかけとして前向きに捉えたい。問題は、本来伸ばすべきクラウドサービスの新規獲得に遅れが生じたところである。需要が拡大し、同社サービスの機能も優れており、導入先からの評価が高いことを踏まえれば、売り方(製品認知や販売チャネルを含む、クロージングまでの受注プロセス)にボトルネックとなる原因があると考えられる。特にミドルウェアという製品特性を踏まえた提案力の強化を図る必要があるだろう。もちろん同社では課題の解決に向け、既にサービス提供体制の整備をはじめ、パートナーとの協業やグループ連携による価値提供モデルの創出に取り組んでおり、本格的に軌道に乗ってくれば十分にブレークするポテンシャルを秘めている。いずれにしても、メインフレームにおける残存者利益や地域交通の課題解決に向けた取り組みなど、各方面でポジティブな材料が広がっており、いかに業績の伸びに結び付けていくのか、今後の展開が注目される。(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫) <HN> 2025/07/02 13:05 注目トピックス 日本株 ユニリタ Research Memo(4):2025年3月期はクラウドサービスの新規獲得が伸び悩み、減収減益(1) *13:04JST ユニリタ Research Memo(4):2025年3月期はクラウドサービスの新規獲得が伸び悩み、減収減益(1) ■決算動向1. 2025年3月期決算の概要ユニリタ<3800>の2025年3月期の業績は、売上高は前期比2.5%減の11,687百万円、営業利益は同17.8%減の840百万円、経常利益は同14.0%減の1,001百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同12.1%減の716百万円と、期初予想を下回る減収減益となった。売上高は、旺盛なマイグレーション需要を捉えた自動化事業の伸長などにより「プロダクトサービス」が好調に推移したものの、「クラウドサービス」における新規受注の遅れやSI事業の「プロフェッショナルサービス」のSI事業における既存パートナーからの受注減により減収となった。時系列で見れば、クラウドサービスを中心とする上期の進捗遅れを下期での巻き返しでカバーしきれなかった格好だ。損益面でも、減収による収益の下押しに加え、「クラウドサービス」における原価率アップや生成AI活用などの研究開発費の増加、社会課題やデータサイエンス分野への積極投資などにより減益となった。営業利益率も7.2%(前期は8.5%)に低下した。財政状態については特筆すべき動きはなく、総資産は前期末比2.5%減の15,366百万円に縮小した。一方、自己資本は同2.1%増の11,971百万円に増加したことから、自己資本比率は77.9%(前期末は74.4%)に改善した。事業別の業績は以下のとおりである。(1) プロダクトサービス売上高は前期比1.7%増の4,468百万円、セグメント利益は同5.0%増の1,286百万円と増収増益となった。売上高は、自動化事業が「2025年の崖」問題※1に伴うマイグレーション需要※2を捉え、主力商品「A-AUTO」などが大きく伸長し、過去最高件数を受注した。帳票事業も「まるっと帳票クラウドサービス」がDX推進や業務効率化を進める企業ニーズに対応して順調に伸びている。また、市場が縮小傾向にあるメインフレーム事業についても、メインフレームベンダーの市場撤退に伴う新規顧客獲得などにより大きく上振れた。さらに残存者利益を獲得するため、メインフレーム領域の技術及び人材面を補完するパートナーとの協業も開始した。損益面では、クラウド基盤の仕入原価高騰による影響を受けたものの、利益率の高いメインフレーム事業の上振れを中心とする増収による収益の押し上げにより、増益を実現することができた。セグメント利益率も28.8%(前期は27.9%)と高水準がさらに高まった。※1 経済産業省が2018年に発表した「DXレポート」と呼ばれる資料の中で使用された用語。本レポートでは、日本国内の企業が市場で勝ち抜くためにはDXの推進が必要不可欠であり、DXを推進しなければ業務効率・競争力の低下は避けられないとしており、競争力が低下した場合の想定として、2025年から年間で現在の約3倍、約12兆円もの経済損失が発生すると予測されており、これを「2025年の崖」と表現している。※2 システムやハードウェア、ソフトウェア、データなどを現在とは別の環境やプラットフォーム、バージョンに移行すること。富士通のメインフレーム撤退によるレガシーマイグレーションなども含む。(2) クラウドサービス売上高は前期比1.4%増の3,693百万円、セグメント損失は412百万円(前期は99百万円の損失)と微増収ながら損失幅が拡大した。売上高は、IT活用クラウドが2,468百万円となった。サービスシフトと品質向上の両立を目指す企業からのサービスマネジメント導入ニーズが拡大するなかで、主力商品「LMIS」は同7.1%増と順調に拡大した。一方、データマネジメント案件及び情報セキュリティを含むID管理及びSSO案件などへの引き合い増を受けて、「Waha! Transformer」(データ加工・連携クラウドサービス)や「infoScoop×Digital Workforce」(リモートワーク推進サービス)の提案件数は増加傾向にあるものの、新規獲得の伸び悩みや大型案件の失注などにより伸び悩み、下振れ要因となった。事業推進クラウドは1,248百万円となった。リモートワークから出社勤務に戻す企業の増加やパートナーとの協業により「らくらくBOSS」(通勤費管理サービス)が伸びた。一方、「DigiSheet」及び「The Staff-V」(人材派遣業向け人事管理サービス)は景気回復に伴う人材派遣業界の活況により案件は増加傾向にあるものの、受注プロセスに課題を残し想定よりも伸び悩んだ。「Growwwing」(カスタマーサクセスの立ち上げと成長支援サービス)はコンサルティングを含めた案件の引き合いが増えているようだ。ソーシャルクラウドは257百万円となった。地方自治体において公共交通の課題解決に向けた取り組みが本格化するなか、現状把握のためのデータ収集と分析等を支援する持続的社会の構築を支援するデジタル基盤「Community MaaS」の引き合いが増加しているものの、2025年3月期中には成約には至らなかった。一方、当サービス全体の損益は、減収による収益の下押しに加え、サービス提供体制増強にかかるコスト増などにより損失幅が拡大した。(3) プロフェッショナルサービス売上高は前期比10.6%減の3,525百万円、セグメント利益は同17.9%減の303百万円と減収減益となった。売上高は、コンサルティング事業が同4.0%増の1,039百万円となった。企業のデータドリブン経営への取り組みやITベンダー各社におけるシステム運用ビジネス拡大などを背景に、データマネジメント・サービスマネジメント領域ともに好調に推移した。SI事業は同20.7%減の1,932百万円となった。大口パートナーからの受注減少及び一括請負案件の減少が響いた。しかしながら、メジャークラウドに精通した技術者育成などにより高付加価値領域のシフトを進め、収益性は改善傾向にあるようだ。アウトソーシング事業は同9.3%増の555百万円となった。DX投資を背景としたシステム運用のアウトソーシング需要が拡大した。損益面では、SI事業の落ち込みのほか、技術者育成にかかる費用やデータサイエンス分野への積極投資により大幅な減益となった。(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫) <HN> 2025/07/02 13:04 注目トピックス 日本株 ユニリタ Research Memo(3):サービス&データマネジメントに強みを持ち、顧客のデジタル変革を支援(2) *13:03JST ユニリタ Research Memo(3):サービス&データマネジメントに強みを持ち、顧客のデジタル変革を支援(2) ■会社概要2. 企業特長ユニリタ<3800>は、「共感をカタチにし、ユニークを創造するユニリタグループへ」というビションのもと、「Create Your Business Value ~ITの力で、一歩先の未来を創造する~」をミッションに掲げ、社名の由来でもある「ユニークと利他」を共通の価値観としている。同社の特長として以下の3点が挙げられる。(1) 独立系の自社開発パッケージソフトウェアメーカー創業時からの主力事業であるシステム運用及びメインフレーム向け製品は、コンピュータの規模やメーカーなどの制約を受けることなく、システムのスムーズな運用を可能としている点に強みがある。競合するメーカー系製品では、ハード部分だけをほかのメーカーに切り替えることができないため、顧客にとって柔軟なシステム構築を妨げる要因となっているが、同社製品はそうした制約を受けず、柔軟なシステム構築を可能にする。また、同社の主力事業における提供価値は、ITシステム運用の自動化及び効率化への貢献に集約される。最近では、各企業が提供する顧客サービスの品質向上においても重要な役割を担うようになっており、同社がその分野に特化して積み上げてきた実績やノウハウは、製品及びサービスの性能発揮、そして提案力の強化に貢献している。システム導入に際して代理店任せの傾向が多く見られるなか、同社製品は金融機関や大手企業を中心に直販で提供されてきた。システム更新時にリプレースで採用されるケースが多いのは、その裏付けと言えるだろう。さらに、同社が運営を受託している「システム管理者の会」(日本最大規模のシステム管理者のネットワーク)は、個人会員数19,000名、賛同企業数は400社を超え、同社がこの分野をけん引する存在であることを示している。今後は、顧客ニーズの変化に合わせ、これまでの製品販売による提供方法から、クラウドの活用とシステム運用を組み合わせた継続課金型の収益モデルへの転換により、顧客との関係をさらに密接にする方針である。(2) メインフレーム向けの安定収益源を次の成長分野へ投資同社収益の大部分が「プロダクトサービス」で占めているが、そのなかでも「メインフレーム事業」の利益率は50%を超える水準にあり、安定的な収益源として同社の業績を支えている。それを可能としているのは、同社製品及びサービスへの信頼のほか、顧客のスイッチングコスト(システムを入れ替えることにより発生するコスト)の高さにも起因していると考えられる。「メインフレーム事業」はオープン化の進展などの外部環境の影響※により縮小傾向が続いているものの、残存者利益を享受するポジショニングや底堅い需要の継続により、しばらくはキャッシュカウ(資金源)の役割を担っていくことが想定される。したがって、その資金をクラウドサービスなどの成長分野への投資に振り向けることができるのは、同社にとって大きなアドバンテージと考えられる。※ なお、富士通<6702>は2030年にメインフレームの製造・販売から撤退する方針を表明した。ユーザー企業は、保守期間の終了までにクラウドなどへの移行が求められることになる。(3) サービス&データマネジメントを生かしたトータル提案に強みこれまでの事業構造変革を通じて、従来の情報システム部門から事業部門、管理部門へとサービス提供範囲を拡大し、ITシステム運用の自動化・効率化に貢献するだけでなく、企業価値を創出する分野へと事業領域の拡充に取り組んできた。消費トレンドがモノからコトへと変化し、企業のサービス提供モデルも販売型からサービス型(定額利用料形式)へと移行する流れが加速するなか、データ活用の重要性が一層高まっている。こうした状況において、顧客事業の「攻め」と「守り」の両面を支援できる体制が、同社の優位性である。同社では、システム運用とデータ活用領域で培ってきた「サービスマネジメント」「データマネジメント」をコアコンピタンスと再定義し、それらを生かした企業の事業変革とIT課題解決を支援する方向性を掲げている。2022年3月期にグループ機能を「プロダクトサービス」「クラウドサービス」「プロフェッショナルサービス」の3つのセグメントに再編した。特に「プロフェッショナルサービス」では、横断的なグループエコシステムを構築し、コンサルティングを起点としたプロダクト及びクラウドセグメントの各種サービスの導入支援、システムインテグレーション、アウトソーシングまでをワンストップで提供可能な体制を確立している。(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫) <HN> 2025/07/02 13:03 注目トピックス 日本株 ユニリタ Research Memo(2):サービス&データマネジメントに強みを持ち、顧客のデジタル変革を支援(1) *13:02JST ユニリタ Research Memo(2):サービス&データマネジメントに強みを持ち、顧客のデジタル変革を支援(1) ■会社概要1. 事業概要ユニリタ<3800>は、金融や製造をはじめ、幅広い業種向けにデータ活用とシステム運用に関する製品・サービス開発と販売、周辺システム開発、コンサルテーション事業を手掛けている。創業以来、金融機関や大手企業を中心としたメインフレーム向けの製品が安定収益源であり、高い収益性を維持している。また、過去においては、顧客のジョブ管理や帳票管理など、ITシステム運用の自動化、効率化に貢献することで同社の業績も着実な成長を遂げてきた。システムのオープン化やダウンサイジング化の進展、クラウドの普及、ビッグデータの活用など外部環境の変化を受けて、それまでのITシステム運用の自動化、生産性向上など効率化に貢献する分野に加えて、顧客の企業価値向上に直接貢献する市場拡大や競争力の向上などの分野へと事業領域を拡充してきた。特に、企業の情報システム部門だけでなく事業部門における各サービスの提供モデルにもDXの流れが加速しており、ITの「攻め」と「守り」の両面において、顧客のDXニーズに対応するための事業体制の確立が同社の強みとなっている。最近では、同社自身のビジネスモデルのクラウド活用により自社サービスを提供する継続課金型の収益モデルへの移行やデジタル技術を活用した社会課題解決ビジネスなどにも取り組んでいる。事業セグメントは、「プロダクトサービス」「クラウドサービス」「プロフェッショナルサービス」の3つに区分される。創業以来の主力である「プロダクトサービス」の売上高構成比は約38%であり、営業利益率が高いため収益源となっている。今後は、成長分野である「クラウドサービス」を大きく伸ばす戦略である。各事業の概要は以下のとおりである。(1) プロダクトサービスシステム運用領域にかかわるプロダクト(自動化、帳票等)をオンプレミス型※1並びにサービス型で提供している。また、創業以来の主力事業であり、金融機関や生損保、大手製造業を中心としたメインフレーム向け製品(基幹業務システムの運用管理)の販売・サポートも展開している。主力製品には、ジョブ管理ツール「A-AUTO」(自動化事業)※2や帳票業務をまとめて支援する「まるっと帳票クラウドサービス」※3などがある。※1 サーバやソフトウェアなどの情報システムを、使用者が管理している施設の構内に設置して運用すること。※2 「A-AUTO」は、異なるプラットフォームで稼働するシステムのジョブを統合管理し、自動実行制御を実現するバッチ処理のジョブ管理ツール。※3 顧客の面倒な帳票の出力業務(帳票の印刷・郵送代行から、電子化・Web配信まで)をまとめて支援するサービス。(2) クラウドサービスサービス提供による課題解決領域を「IT課題」(IT活用クラウド事業)、「事業課題」(事業推進クラウド事業)、「社会課題」(ソーシャルクラウド事業)の3つのカテゴリに区分し、それぞれの特性に合わせたサービスを提供している。1) IT活用クラウド事業では、「LMIS」(サービスマネジメントプラットフォーム)※1や、「infoScoop × Digital Workforce」(リモートワーク推進サービス)、「Waha! Transformer」(データ変換・加工処理サービス)などを企業の情報システム部門向けに展開している。2) 事業推進クラウド事業では、「DigiSheet」(人材派遣業向け勤怠管理サービス)、「らくらくBOSS」(業務管理の統合ソリューション)、「CommuRing」(企業間コミュニケーションを支援するサービス)、「Growwwing」(カスタマーサクセスの立ち上げと成長支援サービス)などを企業の事業部門・管理部門向けに展開しており、今後の成長分野として位置付けている。また、3) ソーシャルクラウド事業では、公共交通と地域活性化の実現を支援する「Community MaaS」※2を地方自治体や公共交通機関向けに推進している。※1 企業のサービスデスク機能(システムの不具合や、技術サポートなどユーザーの問い合わせに対応する窓口)を中心としたサービスマネジメントプラットフォーム。※2 子会社の(株)ユニ・トランドが、複数の公共交通機関やそれ以外の移動サービスを最適に組み合わせ、路線検索や予約・決済などを一括で行うサービスであるMaaSに、移動の目的を促すサービスを連携させ、そのサービスで収集したデータを活用できるプラットフォーム。(3) プロフェッショナルサービスグループ企業を主体とし、データ・サービスマネジメント領域における専門性を生かしたコンサルティングからシステム導入支援、システムインテグレーション、アウトソーシングまでのサービスをワンストップで提供している。顧客数(同社製品の導入実績数)は2,000社を超え、大手企業による導入実績が多く見られる。業種別売上構成比では、幅広い業種に対応しているが、製造、小売・流通、金融・保険の比率が高い。販売チャネルは、従来は直販が中心であったが、最近ではパートナー企業(販売代理店)との協業によるソリューション提供力の強化に取り組んでおり、パートナー企業数も100社に達した。また、Webマーケティングにも注力しており、Webマーケティングからの案件化の仕組みも確立している。主な連結子会社は、システム運用コンサルティング事業を展開する(株)ビーエスピーソリューションズと中国の販売拠点である備実必(上海)軟件科技有限公司のほか、(株)ヒューアップテクノロジー(人材ビジネス業界向けサービス)、(株)データ総研(データ活用に関するコンサルティング事業)、(株)ユニ・トランド(地方公共交通向け移動体IoTサービスの提供)、(株)ユニリタプラス(西日本地域の顧客への販売強化及びパートナー企業との連携)、(株)無限(システムインテグレーション事業、自社パッケージソフトの開発・販売など)、(株)ユニリタエスアール(システム運用代行業務及び技術支援サービスの提供)の計8社となっている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫) <HN> 2025/07/02 13:02 注目トピックス 日本株 ユニリタ Research Memo(1):2025年3月期は減収減益。パートナーとの連携を強化し巻き返しを目指す *13:01JST ユニリタ Research Memo(1):2025年3月期は減収減益。パートナーとの連携を強化し巻き返しを目指す ■要約1. 会社概要ユニリタ<3800>は、金融や製造をはじめ、幅広い業種向けにデータ活用とシステム運用に関する製品・サービス開発と販売、周辺システム開発、コンサルテーション事業を手掛けている。ITの役割が「守り」(業務効率化やコスト削減など)から「攻め」(ビジネスの競争優位性を実現する手段)へ変化するなか、「サービスマネジメント」と「データマネジメント」領域における強みを生かし、デジタル変革(DX)に取り組む企業の業務課題を直接解決するソリューション提供力を発揮してきた。最近では、「サービスシフト」の経営方針の下、クラウド活用による自社サービス提供を特徴とする継続課金型収益モデルへの移行やデジタル技術を活用した社会課題解決(働き方改革や地方創生、一次産業活性化)ビジネスなどに取り組み、ビジネスモデルの変革を進めてきた。3ヶ年の中期経営計画が2025年3月期にスタートし、初年度が経過した。「Re.Connect 2026」という基本方針の下、ビジョンとして掲げる「共感をカタチにし、ユニークを創造するユニリタグループへ」の実現に向け、「サービス提供型事業の拡大」「新たな価値提供モデルの確立」「事業プロセスの変革」の3つの事業戦略をさらに推進する方針だ。また、人的資本投資の加速を含め、持続的な成長に向けたサステナビリティ基盤をさらに強化し、グループの経営資源とITソリューション力を生かした事業活動を通じて、事業会社としての経済的価値と社会課題解決による社会的価値の双方を実現する考えだ。2025年6月には社名変更から10年という節目を迎え、あらためて同社グループのパーパス(存在意義)を「利他で紡ぐ経済をつくる」と制定し公表した。2. 2025年3月期決算の概要2025年3月期の業績は、売上高は前期比2.5%減の11,687百万円、営業利益は同17.8%減の840百万円と期初予想を下回る減収減益となった。売上高は、旺盛なマイグレーション需要を捉えた自動化事業の伸長などにより「プロダクトサービス」が好調に推移したものの、「クラウドサービス」における新規受注の出遅れや「プロフェッショナルサービス」のSI事業における既存パートナーからの受注減により減収となった。損益面でも、減収による収益の下押しに加え、「クラウドサービス」における原価率アップや生成AI活用などの研究開発費の増加、社会課題やデータサイエンス分野への積極投資などにより減益となった。3. 2026年3月期の業績予想2026年3月期の業績予想について同社は、売上高を前期比7.0%増の12,500百万円、営業利益を同24.9%増の1,050百万円と増収増益を見込んでいる。売上高は、引き続き「プロダクトサービス」が好調に推移するとともに、前期に伸び悩んだ「クラウドサービス」のテコ入れに取り組む。また、「プロフェッショナルサービス」についても、良好な受注環境を背景にコンサルティングやアウトソーシングが好調を維持するほか、既存パートナーからの受注が縮小したSI事業においては高付加価値領域へのシフトを進める考えだ。損益面では、戦略的投資を継続しながらも、利益率の高い「プロダクトサービス」の伸びや「クラウドサービス」の黒字化、「プロフェッショナルサービス」の付加価値向上により大幅な増益を目指す。4. 中期経営計画の方向性中期経営計画では、コアコンピタンスを「サービスマネジメント」と「データマネジメント」に再定義したうえで、コンサルティングを起点とするグループ一体となった新たな価値提供モデルの確立を目指している。特に、クラウド成長領域への投資を継続し、協業パートナーとの連携を含む価値共創の推進により、各クラウドカテゴリーのスケールアップの実現を目指す。2025年3月期の「クラウドサービス」の遅れを踏まえ数値目標を引き下げたが、今後の方向性に大きな変更はない。最終年度2027年3月期の目標として、売上高132.5億円、営業利益11.5億円、ROE7.4%を掲げており、利益成長に伴う増配にも意欲的である。■Key Points・2025年3月期はクラウドサービスの新規獲得が伸び悩み、計画を下回る減収減益・「プロダクトサービス」は、マイグーション需要やDXに伴うIT投資意欲を背景に受注環境が良好であり、引き合い件数は順調に拡大・2026年3月期は戦略的パートナーとの連携を強化し、増収増益を見込む・中期経営計画を減額修正。2027年3月期は売上高132.5億円、営業利益11.5億円を目指す(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫) <HN> 2025/07/02 13:01 注目トピックス 日本株 東京計器:日本を代表する計測・制御機器の総合メーカー、防衛関連で注目も複数事業でニッチトップ製品保有 *12:46JST 東京計器:日本を代表する計測・制御機器の総合メーカー、防衛関連で注目も複数事業でニッチトップ製品保有 東京計器<7721>は、日本を代表する計測・制御機器の総合メーカーであり、1896年の創業以来、125年以上にわたり、社会インフラや産業、そして防衛分野において重要な役割を果たしてきた。同社は、4つのセグメント及びその他の事業に分かれ、その中に大きく11の事業がある。4つのセグメントは船舶港湾機器事業、油空圧機器事業、流体機器事業、防衛・通信機器事業である。各セグメントはそれぞれ独自の技術基盤と市場ニーズに支えられており、同社の収益基盤を支える柱となっている。船舶港湾機器事業では、ジャイロコンパスやオートパイロット、電子海図情報表示装置といった航行支援システムが国内外の海運・関係者から高い支持を得ており、グローバル展開も進んでいる。油空圧機器事業では、産業機械向けに、省エネ・制御性に優れた油空圧機器を供給、建設機械向けは主に特装車向けに油圧製品と各種信号を制御する電子機器などを供給している。流体機器事業では、超音波流量計を世界で初めて実用化した実績とマイクロ波によるレベル計があり、流量測定や水位監視の分野で高い評価を得ている。防衛・通信機器事業は、長年の技術蓄積に基づく高性能なレーダー警戒装置を航空機向けに、高精度な慣性航法装置を艦艇・潜水艦向けに提供するなど、防衛省をはじめとする官公庁との信頼関係を構築している。対気緒元計算装置(ADC)はブルーインパルスの機体にも搭載されている。その他事業の一つである鉄道機器事業では、列車の運行安全を支えるためにレール内の見えない傷を点検する超音波レール探傷車を展開し、保守性と信頼性の高さから7割以上の鉄道各社に採用されている。同社の強みは、9つのコア技術(マイクロ波応用、ジャイロ応用、慣性センサー応用、超音波応用、油空圧制御、ソフトウェア、情報通信、画像処理、精密加工)を融合した製品設計にあり、国内外のニッチ市場でトップシェアを獲得している。特に計測・認識・制御に特化したソリューションは、AIやIoT、ビッグデータといった新技術との親和性が高く、次世代製品の創出にもつながっている。また、同社は船舶機器、防衛装備品、油空圧制御機器といった分野において独自の強みを発揮している。たとえば、ジャイロコンパスにおいては国内外で高いシェアを維持しており、防衛分野では数十年にわたる納入実績と技術支援により官公庁からの評価が高い。また、鉄道関連機器についても、長寿命かつ高精度の製品群によって運行の安全性を確保する重要なインフラの一翼を担っている。具体的には、船舶港湾機器事業のオートパイロット、ジャイロコンパスが世界の商船60%以上・国内内航船80%以上、油空圧機器事業の油圧機器(産業機器向け国内プラス     チック射出成形機用)が約40%、流体機器事業の超音波流量計が国内上下水道・農業用水向け60%以上、防衛・通信機器事業の船舶通航業務(VTS)システムが全国の海上交通センター向け100%、地震計用加速度計が気象庁向け約80%、アンテナ自動指向装置が国内TV局の報道ヘリ搭載90%以上、鉄道機器事業の超音波レール探傷車がJR各社・民間鉄道会社向け70%以上、と同社のニッチトップ製品は数多い。まさに、安全な社会や暮らしの基盤を支えている国内屈指の優良企業である。2025年3月期の売上高は57,650百万円(前期比22.2%増)、営業利益4,856百万円(同75.4%増)と堅調な増収増益を記録した。全ての利益項目で大幅な増益となり、営業利益、経常利益は過去最高を更新。防衛関連機器の需要増加に加え、船舶機器の堅調な販売等が要因となっている。特に、防衛事業を含む防衛・通信機器事業は、防衛予算の増加を背景に航空機用レーダー警戒装置や航空機用部品等の納入が好調に推移したことから、高収益に寄与した。2026年3月期の売上高は59,600百万円(同3.4%増)、営業利益3,890百万円(同19.9%減)を計画している。防衛・通信機器事業をはじめとして売上高の増加が見込まれるものの、人件費の増加や本社移転に伴う費用の発生が見込まれることが原因である。また、今期は設備投資額が7,953百万円(前期比約2倍)と将来の成長のための投資に重点を置いており、防衛事業の開発案件に対応するほか、各種生産設備の更新及び増強に加えて本社移転に伴う投資を計画している。市場環境においては、防衛費の増加、インフラの老朽化への対応、新エネルギー分野での設備投資の拡大など、同社にとって追い風となる要素が多い。特に、政府主導の安全保障政策やGX(グリーントランスフォーメーション)推進による水素ステーション、宇宙・航空分野における新規需要の創出が進む中、東京計器の技術資産は新たな成長機会を捉えるポテンシャルを秘めている。また、エッジAI技術の進化により、同社が強みとするセンサー・制御技術の価値はさらに高まるとみられる。同社は中期経営計画を上方修正しており、2027年3月期の売上高683億円(従来計画603億円)、営業利益55.8億円(同48.1億円)を掲げている。2025年3月期に計画外で受注した防衛事業における大型研究開発案件、及び堅調な船舶港湾機器事業の見通し等を反映している。また、長期的には、「東京計器ビジョン2030」に基づき、2030年度までに連結売上高1,000億円以上、連結営業利益100億円以上の達成を掲げており、研究開発費・設備投資・人的資本への投資を戦略的に進めている。持続的な成長と中長期的な企業価値向上を図るステージへと転換していくために、売上高の拡大だけではなく利益の拡大にも重点を置いた基本方針に変更しており、今後は「AI」「水素」「宇宙」「鉄道」等の成長ドライバーの展開と既存事業の強化を図っていく。新規分野にも注力し、技術革新と市場ニーズの双方を取り込むことで事業ポートフォリオの多様化を図っていく。株主還元方針においては、安定配当を基本としつつ、業績や投資計画に応じて柔軟な資本政策を実施している。2025年3月期においても35.0円で前期比2.5円増、安定的かつ継続的な株主還元に努めている。また、2026年3月期の予想は40.0円。また、株主優待も導入しており、対象となる株主の保有株式数に応じてポイントを贈呈。ポイントを株主限定の特設ウェブサイト「東京計器プレミアム優待倶楽部」において商品と交換できる。総じて、同社は伝統的なものづくり企業としての信頼と実績に加え、技術革新と社会課題解決に挑む姿勢を明確にしており、今後の成長が期待される企業である。既存事業の深化と新規領域への積極展開を両立する戦略は、中長期的な企業価値向上をもたらす可能性が高く、投資対象としての注目度も今後一層高まる可能性があろう。 <HM> 2025/07/02 12:46 注目トピックス 日本株 ROBOT PAYMENT---「請求管理ロボ」「サブスクペイ」月額利用料金を価格改定 *12:33JST ROBOT PAYMENT---「請求管理ロボ」「サブスクペイ」月額利用料金を価格改定 ROBOT PAYMENT<4374>は1日、主力サービスである「請求管理ロボ」および「サブスクペイ」の月額利用料金を、2025年7月利用分より改定すると発表した。政府による請求業務の電子化推進や企業のDX化の加速を背景に、両サービスが担う役割の重要性が増しており、同社は今後も機能の拡充やセキュリティ強化を積極的に推進していく。価格改定の具体的内容は、「請求管理ロボ」が月額3,000円(税抜)、「サブスクペイ(クレジットカード)」が月額1,500円(税抜)の値上げとなる。現状のサービス品質を維持するとともに、さらなる向上を図るための措置であり、MRR(毎月繰り返し得られる収益)の向上が期待できる。同社は、利用企業の請求業務の効率化と高度化に貢献する製品提供を目指し、今後も継続的なシステム開発に注力する。 <NH> 2025/07/02 12:33 注目トピックス 日本株 アール・エス・シー Research Memo(10):2025年3月期は1株当たり年間24円。2026年3月期も同水準 *12:10JST アール・エス・シー Research Memo(10):2025年3月期は1株当たり年間24円。2026年3月期も同水準 ■株主還元策アール・エス・シー<4664>は、安定的な経営成績の確保及び経営基盤の維持増強に努めるとともに、株主に対する利益配分を最重要事項の1つとして認識し、配当性向(単体ベース)30%以上を継続して実施することを目標としている。2025年3月期の年間配当については、前期比4円増配、期初予想比9円増配となる1株当たり24円(中間7円、期末17円)を実施した。2026年3月期においても前期と同額の1株当たり24円(中間7円、期末17円)を予定している。(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫) <HN> 2025/07/02 12:10 注目トピックス 日本株 アール・エス・シー Research Memo(9):サステナビリティ基本方針を策定するとともに、マテリアリティを特定 *12:09JST アール・エス・シー Research Memo(9):サステナビリティ基本方針を策定するとともに、マテリアリティを特定 ■サステナビリティ経営アール・エス・シー<4664>は、「“人”と“地域との関係性”を重視し、お客さまに信頼されるサービスを提供することにより、企業価値の向上と地域発展に貢献する」ことを念頭にサステナビリティ基本方針を定めるとともに、1) お客様からの信頼を礎にした事業活動と法令遵守意識の徹底、2) 人的資本経営とダイバーシティの推進、3) 地域社会への積極的な関わり、4) DXによるナレッジ蓄積とサービスクオリティの向上、5) 地球環境への配慮の5項目をマテリアリティ(重点課題)として特定した。2025年3月期も各マテリアリティに対して様々な取り組みを行ってきた。(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫) <HN> 2025/07/02 12:09 注目トピックス 日本株 アール・エス・シー Research Memo(8):ソリューション提案やエリア管理体制構築、新技術導入で成長基盤を作る *12:08JST アール・エス・シー Research Memo(8):ソリューション提案やエリア管理体制構築、新技術導入で成長基盤を作る ■アール・エス・シー<4664>の中期経営計画1. 中期経営計画の方向性(今後の成長戦略)5ヶ年の中期経営計画の最終年度である2026年3月期を迎え、1) 収益力の向上(ソリューション提案、エリア管理体制の構築)、2) 技術力の強化(サービス品質の維持/向上、新技術の導入)、3) 職場環境の改善(従業員エンゲージメントの向上、女性の活躍推進)、4) 経営基盤の強化(持続的な成長の実現、環境への配慮)を基本戦略として、持続的な利益成長の基盤づくりに引き続き取り組んでいる。特に、競争力や収益性の向上に向けては、「サンシャインシティモデル」を軸とするワンストップソリューションの提供、池袋エリア及び丸ノ内・有楽町エリアを中心とするエリア管理体制の拡充、他社との連携による警備DXの推進などに注力している。また、今後の成長戦略については、質の高いビルマネジメント業務、ビルメンテナンスサービスの提供を目指し、M&Aを中心とした投資戦略(基盤事業の強化と事業ポートフォリオの拡充)、及び人を生かすDX戦略(他社との協業を軸とする生産性・付加価値の高いサービス)の推進により、総合的な提案力を生かしたワンストップソリューションサービス(サンシャインシティモデル)を提供していくことを掲げている。2. これまでの進捗中期経営計画が2021年4月にスタートしてから、1) 丸ノ内エリアにおけるエリア管理体制の構築(2021年7月)、2) 巡回清掃管理における埼玉エリアの拡大(2022年3月)、3) セコムとの業務提携によるセキュリティロボット「cocobo」の導入(2022年6月)、4) 内装工事等を手掛ける友和商工の子会社化(2023年2月)、5) 有楽町地区における東宝日比谷プロムナードビルの警備業務開始(2023年2月)、6) 埼玉エリアでの複合施設の清掃業務受託並びに各エリアの巡回清掃業務拡大、7) AI警備システムの開発・販売を行うアジラとの業務提携によるサイシャインシティでの行動認識AIの実証実験開始(2024年9月から本格運用)、並びにサンシャインシティプリンスホテルで行動認識AIを活用した警備業務の開始(2024年4月)、8) 飛鳥コンテナ埠頭での警備業務開始(2024年4月)、9) 清掃業務を手掛けるクリーンフォースのグループイン(2025年1月)などで実績を上げることができた。また、業績目標についてもおおむね達成見込みである。3. 2026年3月期の重点取り組み(1) 基本戦略1 収益力の向上1) 新たな顧客の獲得と事業領域の拡大、2) 利益率の改善と安定的な利益の確保、3) 大阪・関西方面の警備業務の確実な実行に取り組む。1)については、既に、新たに竣工する大型複合施設の警備業務(2棟)及び関西エリアの清掃業務(1棟)などを獲得しており、今後の業績への寄与が期待できる。また、2)については、労務費上昇に対応する価格転嫁の推進、並びに事業機会を確実に取り込むための人材確保(300名を計画)を計画している。(2) 基本戦略2 技術力の強化DXを進めた業務サービスの提供に注力する。引き続き、大規模施設への警備DXの導入による警備業務の効率化、省人化を進めるとともに、新たなサービスの開発にも取り組む。(3) 基本戦略3 環境職場の改善1) 活力ある、働きやすい職場環境への改善取り組み、2) 全般的な人財育成のスピードアップと採用活動の活性化に取り組む。1)については、従業員の待遇改善、スマイルプロジェクトによる女性の職域拡大と働きやすい職場環境の整備の推進、2)については、資格取得の推奨とサポート、自社研修施設を活用した教育の実施、採用活動における地域採用の推進と多角化などを掲げている。(4) 基本戦略4 経営基盤の強化1) M&A及びアライアンス戦略の活性化による事業・業績の拡大、2) コンプライアンス経営の徹底とサステナビリティ推進活動の全社化に取り組む。特に1)については、警備部門の人材確保と業態拡大、並びに警備・清掃業務のDX化の加速を目的としたものを構想しているようだ。4. 中長期の注目点中期経営計画は最終年度を迎えたが、引き続き警備・清掃DXの推進や人的資本の強化、外部リソースの活用(アライアンス・M&A)等により持続的な利益成長の基盤づくりに取り組む方向性に変更はないと弊社では見ている。特に、警備・清掃DXの加速が最大の目玉になるものと見ており、次の中期経営計画でどのような戦略が打ち出されるのかに注目したい。優位性を確固たるものにしていくためには、アライアンスやM&Aへの取り組み、DXを活用した「サンシャインシティモデル」の進化が大きなカギを握ることは明らかであり、そういった視点から今後の動向をフォローする必要があるだろう。(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫) <HN> 2025/07/02 12:08 注目トピックス 日本株 アール・エス・シー Research Memo(7):2026年3月期は減収も営業利益は前期並みで中計の目標達成の見通し *12:07JST アール・エス・シー Research Memo(7):2026年3月期は減収も営業利益は前期並みで中計の目標達成の見通し ■アール・エス・シー<4664>の業績見通し1. 2026年3月期の業績見通し中期経営計画の最終年度となる2026年3月期の連結業績については、売上高を前期比6.2%減の8,300百万円、営業利益を同0.3%減の300百万円、経常利益を同3.3%減の300百万円、親会社株主に帰属する当期純利益を同9.6%増の205百万円と見込んでおり、売上高、営業利益は中期経営計画を達成する見通しだ。減収となるのは、前期業績に大きく寄与した大型周年イベントの反動減によるものである。一方、その反動減を大阪・関西万博の警備を受注したことに加え、前期に開始した警備・清掃部門の新規受託案件による通年寄与、さらには新たに竣工する大型複合施策の警備業務並びに関西エリアの清掃業務の受注によりカバーし、減収ながら営業利益は前期並みを確保する見通しだ。営業利益率も労務費上昇に対応する適正な価格転嫁等により3.6%(前期は3.4%)への改善を図る。2. 弊社の見方同社の業績予想の前提はマイナス要因を合理的に見積もる一方、プラス要因については慎重に見極めた保守的な水準であると見ている。特に、例年、期初時点では読み切れない臨時契約の受注が上振れ要因となっていることを考慮すれば、その部分が業績のアップサイドとなる可能性については今後も注意深く見守る必要があろう。また、原価上昇分の価格転嫁の進捗も収益性の改善に向けて重要な材料と捉えている。中長期で注目すべきは、中期経営計画の最終年度として、次のステージに向けてどのような仕上げをしていくのかにある。特に、次期中期経営計画の目玉になると考えられる警備DXの動きには目が離せない。サンシャインシティプリンスホテルにおけるAI警備システムの導入等を契機に、他のホテルや施設等への提案力、さらには相手側からの関心も格段に高まっているようで、今後いかに具体的な案件に結び付けていくのかがポイントになるだろう。また、実績が積み上がってくれば、様々な技術やノウハウを持つ有望なパートナーを惹きつけ、アライアンスやM&Aのチャンスも増えてくることが予想される。警備業界では人手不足問題が大きなボトルネックとなっており、日本有数の集客力を誇る大型複合施設の建物総合管理サービスを手掛けるアドバンテージを生かし、DX化で先行することができれば、これからの大きな飛躍に向けて視界が開けてくると見ている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫) <HN> 2025/07/02 12:07 注目トピックス 日本株 アール・エス・シー Research Memo(6):ホテルや大型複合施設へのAI警備システム導入等に注目すべき進展あり *12:06JST アール・エス・シー Research Memo(6):ホテルや大型複合施設へのAI警備システム導入等に注目すべき進展あり ■アール・エス・シー<4664>の主な活動実績1. 警備DX(AI警備システム)の導入実績業務提携先であるアジラ※1との連携により、サンシャインシティプリンスホテルでAI警備システム『AI Security asilla』(以下、asilla)を活用した警備業務を開始(2024年4月)すると、これまで実証実験を進めてきたサンシャインシティの各エリアにおいてもAI警備システムの本格運用を開始(2024年9月)した。さらに、2025年3月からは、HazeraTower(池袋)※2でもAI警備システムの実証実験を開始しており、着々と階段を上がってきた。※1 同社とアジラは2023年8月16日に業務提携契約を締結した。アジラの開発するAI警備システム『asilla』を同社が運用管理する施設などに導入することにより、次世代セキュリティシステムの構築を目している。※2 2020年7月にグランドオープンした、東京都豊島区東池袋に位置する複合施設であり、オフィスビル、商業施設、劇場、公園などで構成される。行動認識AIを使用した『asilla』は、防犯カメラの映像から、瞬時に人の行動を解析し通知を行うため、不審行動の早期発見や転倒事故などへの迅速な対応を可能にする。事故発生時の即時対応を可能にするシステムの活用によって、一層の安全・安心・快適なサービスの提供を目指すとともに、警備員の省人化や警備員による顧客対応時間の拡充により警備全体の品質向上を図る考えだ。また、「サンシャインシティプリンスホテル」への導入については、同社としてあらためてホテル業界の警備に参入するものであり、『asilla』のホテル業界への本格導入は初となる。これを足掛かりに革新的な警備サービスによる差別化を図り、ホテル業界を含め、様々な施設警備をDX提案により、開拓していく戦略であり、既に一定の手応えをつかんでいるようだ。2. 清掃業務を手掛けるクリーンフォースの子会社化2025年1月に、ビル、店舗、マンション、住宅等の清掃業を手掛けるクリーンフォースの株式取得により子会社化した。同社では、清掃業務の売上拡大・品質改善などによる体制強化を戦略テーマの1つに掲げており、2024年4月にはビルマネジメント事業部内に「清掃グループ」を新設した。クリーンフォースの子会社化は、その取り組みの一環であり、業績への影響は軽微であるものの、クリーンフォースと同社清掃グループとの協業による清掃業務の事業拡大及び品質向上に狙いがある。(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫) <HN> 2025/07/02 12:06 注目トピックス 日本株 アール・エス・シー Research Memo(5):2025年3月期はマイナス要因を打ち返し、期初計画を上回る増収増益 *12:05JST アール・エス・シー Research Memo(5):2025年3月期はマイナス要因を打ち返し、期初計画を上回る増収増益 ■アール・エス・シー<4664>の決算概要1. 2025年3月期の業績概要2025年3月期の連結業績は、売上高が前期比9.2%増の8,845百万円、営業利益が同6.0%増の301百万円、経常利益が同3.4%増の310百万円、親会社株主に帰属する当期純利益(以下、最終利益)が同23.6%減の187百万円と、期初計画(売上高8,103百万円、営業利益152百万円、経常利益152百万円、最終利益79百万円)を上回る増収増益となった。なお、最終利益のみが前期比で減益となったのは、投資有価証券売却益(特別利益)のはく落によるものである。売上高は、前期好調だった臨時業務受注(グループ会社友和商工の工事業務)の反動減、並びに予定されていた官公庁大型長期案件の終了による影響(約10億円の減収要因)があったものの、建物総合サービス(警備・清掃部門等)での新規業務の開始や、大型周年イベント業務の受託(約13億円の増収要因)により増収となった。特に期初計画を上回ったのは、大型周年イベントにおける仕様変更による影響が大きかったほか、建設工事や設備部門が上振れたことが要因である。損益面については、期初計画に沿った人的資本投資(賃上げ等)や物価上昇に伴う建設資材等の高騰がコスト要因となったものの、増収による収益の底上げより増益を確保した。営業利益率は3.4%(前期は3.5%)とほぼ横ばいで推移した。財政状態について大きな動きはなく、長期借入金の返済に伴う現預金の減少等により総資産は前期末比1.0%減の4,160百万円とわずかに縮小した。一方、自己資本は利益剰余金の積み増しにより同5.9%増の2,178百万円に拡大したことから、自己資本比率は52.4%(前期末は49.0%)に改善した。セグメントごとの業績及び活動実績は以下のとおりである。(1) 建物総合管理サービス事業売上高は前期比4.2%減の6,879百万円、セグメント利益は同6.8%減の626百万円と減収減益となった。売上高は、前期好調だった友和商工による内装工事の反動減や官公庁との長期大型契約の終了により減収となった。ただ、建物総合サービス(警備・清掃部門等)での新規案件※1の開始に加え、設備部門における臨時案件※2や工事部門における大型工事※3などを数多く受注したことで計画を上回った。損益面では、減収による収益の下押しに加え、人的資本投資及び建築資材等の高騰により減益となり、セグメント利益率は7.1%(前期は8.3%)に低下した。一方、活動面では、サンシャインシティプリンスホテルにてAI警備システムを取り入れた警備業務を開始したほか、サンシャインシティ各エリアにおける本格運用、さらにはHarezaTower(池袋)での実証実験の開始など、警備DXの実現に向けて進展を図った。※1 大型シティホテル、都内大型物流施設に加え、グループ会社RSC中部による飛鳥コンテナ埠頭等の大型警備業務案件を複数獲得。※2 大型家電量販店の昇降機設備等のリニューアル業務並びに学校給食センターの設備機器の修繕業務など。※3 サンシャインシティのシャッター改修工事など。(2) 人材サービス事業売上高は前期比114.2%増の1,966百万円、セグメント利益は同231.2%増の119百万円と大幅な増収増益となった。こちらも官公庁大型長期案件の終了による影響が大きかったものの、大型周年イベント業務の受託(及び仕様変更)などにより大きく伸長し、計画を上回る増収となった。損益面でも、人件費等の費用増を増収によりカバーし大幅な増益となった。セグメント利益率も1.3%(前期は0.4%)に改善した。2. 2025年3月期の総括2025年3月期を総括すると、官公庁との長期大型契約(警備保障・人材サービス)の終了による影響があったなかで、それを打ち返すだけの受注を獲得できたことは、好調な受注環境と同社の幅広い需要を取り込む総合力(警備保障のほか、イベント運営、清掃業務、設備・建設工事等)を実証したものと評価できる。収益基盤である施設警備は年間契約ということで比較的安定しているが、最近の社会情勢を背景に需要が高まっているイベント関連業務や設備工事等のスポット受注が業績の上振れ要因となっている点には今後も注意が必要となろう。活動面では、他社との連携によるAI警備システムの本格運用などで注目すべき成果を上げることができ、人材不足が課題となっている警備業界において、業務効率や差別化を図るうえでも大きなアドバンテージとなる可能性が高い。また、今後の伸びしろの1つとして取り組んでいる清掃業務の体制強化に向けては、M&Aの実現((株)クリーンフォースのグループイン)や清掃ロボットの導入(埼玉エリアの複合施設)など具体的な動きが出てきた。今後いかに規模拡大や新技術の導入等により効率化を図っていくのかがカギを握ると弊社では見ており、これからの展開に期待したい。(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫) <HN> 2025/07/02 12:05 注目トピックス 日本株 アール・エス・シー Research Memo(4):売上高はコア施設を軸に安定推移。利益は収益体質の強化で着実に成長 *12:04JST アール・エス・シー Research Memo(4):売上高はコア施設を軸に安定推移。利益は収益体質の強化で着実に成長 ■アール・エス・シー<4664>の業績動向これまでの業績を振り返ると、売上高はコアとなる継続受託施設を軸として安定推移してきた。逆の見方をすれば、成長性に欠けるとの評価もできるが、この数年はトップラインの伸びよりも収益性の改善に注力してきたことや、そもそも労働集約的な事業特性であることから社内リソースの制約を受けてきたことも、その要因として考えられる。利益面では、2017年3月期に新規受注業務への先行費用などにより営業損失を計上したものの、その後は収益体質の強化に取り組み、着実な利益成長を実現してきた。特に2021年3月期に収益化が遅れていた介護サービス事業から撤退すると、丸ビルの警備業務を開始した2022年3月期には上場以降、過去最高水準の営業利益となり、営業利益率も3.8%の水準にまで引き上がった。2023年3月期はM&Aなどに係る先行費用により一旦減益となったが、2024年3月期は内装工事を手掛ける友和商工の連結効果等により大幅な増益を実現した。2025年3月期は人的資本投資や原価上昇等により利益率はやや停滞したものの、増収による収益の底上げにより高い利益水準を確保した。財政状態を見ると、総資産は2022年3月期まで大きな変動なく推移してきた。一方、自己資本は内部留保を着実に積み増してきたことから自己資本比率は上昇傾向をたどってきた。なお、2023年3月期に総資産が拡大した一方、自己資本比率が低下したのは、友和商工を連結化したことによる。もっとも、自己資本比率は約45%の水準を確保するとともに、M&Aに係るのれん計上額も122百万円(2024年3月末時点)に留まることから、財務の安全性に懸念はない。また、資本効率を示すROEについては、ほぼ営業利益率と連動して改善傾向をたどり、2022年3月期には10%近くの水準に到達した。2023年3月期は先行費用により減益となったことでROEも低下したが、2024年3月期は営業利益率の改善と有価証券売却益(一過性要因)が重なり12.4%に大きく上昇した。2025年3月期は一過性要因のはく落や原価増により8.8%の水準に落ち着いた。(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫) <HN> 2025/07/02 12:04 注目トピックス 日本株 アール・エス・シー Research Memo(3):ワンストップソリューションに加え、新技術の導入でも差別化を図る *12:03JST アール・エス・シー Research Memo(3):ワンストップソリューションに加え、新技術の導入でも差別化を図る ■アール・エス・シー<4664>の企業特長(1) ワンストップソリューションの提供警備保障、清掃、設備・工事はもとより、受付、イベント運営等の人材サービスなど、施設や入居するオフィス・テナント向けに幅広いサービスをワンストップで提供できるところは、とりわけ大規模複合施設を受託するうえで大きな差別化要因となっている。顧客にとっては、それぞれを別々に委託し管理するよりはるかに効率が良く、同社にとっても施設当たりの単価向上や収益性向上につなげることができる。同社では、重要なパートナーとして強固な関係を築いてきたサンシャインシティへの総合的なソリューション提供を「サンシャインシティモデル」としてモデル化し、他の大規模総合施設等へも展開していく考えである。(2) エリア管理体制の構築同社のコア事業である警備保障を中心に、個々施設への配置から、エリア単位での管理により省人化を推進しているところも戦略的な特長と言える。すなわち、前述したワンストップソリューションを点から面へ展開するイメージである。業界として人材不足が課題となるなかで、エリア単位で集積度を高めていくことで効率的な警備員の配置や管理・運営が可能となり、その結果、顧客にとっても警備保障に係るコスト効果を高めることが可能となる。同社では、重点エリアである池袋地区(合計29施設)、日本のビジネスの中心地である丸ノ内・有楽町地区(合計12施設)を中心にエリア管理体制の拡充を図る考えであり、特に池袋地区においては、サンシャインシティとの連携を進めていく。(3) 新技術の導入に向けたアライアンスの強化業界DX化に向けて、機械化や新技術の導入にも積極的である。2019年9月にはセコムと締結した業務提携契約に基づき、サンシャインシティで自律走行型巡回監視ロボット「セコムロボット X2」を活用した実証実験を開始し、有効性や安全性等が確認できたため、2022年6月にはセコムから最先端技術を活用して業務を行うセキュリティロボット「cocobo」を導入し、サンシャインシティでのサービスを開始した。また、2023年4月には監視カメラによる実証実験を開始したほか、2023年8月にはAI警備システムの開発・販売を行うアジラとの業務提携契約を締結し、サンシャインシティでの実証実験(2024年9月から本格運用)、並びにサンシャインシティプリンスホテルにてAI警備システムを活用した警備業務を開始するなど、新技術の導入に向けたアライアンスに積極的に取り組んでいる。なお、このような独自技術を有するアライアンス先との業務提携を可能としているのは、サンシャインシティとの相互に戦略的な関係があるからにほかならない。アライアンス先にとっては、日本有数の集客力を誇るサンシャインシティにおいて、自ら開発した技術を導入し、さらに完成度を高める機会を得ることは大きなステップになる。前述した「サンシャインシティモデル」についても、新技術の導入という新たな価値提案が加わることにより、今後さらに発展していくことが期待される。(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫) <HN> 2025/07/02 12:03 注目トピックス 日本株 アール・エス・シー Research Memo(2):ビル管理・人材サービスを展開。機械化とAI等の新技術活用にも積極的 *12:02JST アール・エス・シー Research Memo(2):ビル管理・人材サービスを展開。機械化とAI等の新技術活用にも積極的 ■事業概要アール・エス・シー<4664>の事業セグメントは、「建物総合管理サービス事業」と「人材サービス事業」の2つで、「建物総合管理サービス事業」が売上高全体の約80%を占める。各事業の概要は以下のとおりである。(1) 建物総合管理サービス事業官公庁、民間企業の事務所ビルをはじめ、店舗、ホテル、病院等各種建物に対する警備保障、清掃、オフィスサービス(受付など)、設備管理などを行っている。「サンシャインシティ」や「丸ビル」など、日本を代表するビルの管理業務を含め、コアとなる継続受託施設数は200を上回る(臨時受託並びに巡回警備を除く)。仙台支店、名古屋支店、大阪支店のほか、子会社には(株)アール・エス・シー中部(名古屋)や友和商工(株)(東京)、新たにグループインした(株)クリーンフォース(東京)を有するが、東京地区における売上高構成比が高い。また、任意団体「警備員研修所」の運営にも携わっており、サービスの品質向上や人材育成にも注力している。2018年1月には警備品質の向上や新サービスの創造等を目的にセコムと業務提携契約を締結し、セキュリティロボットやAI活用などで連携を図っている。2023年8月にはAI警備システムの開発・販売を行うアジラとの業務提携を締結した。(2) 人材サービス事業1986年からスタートした事業であり、オフィス・事務関連、営業・販売・サービス関連、IT関連、製造・物流・軽作業、イベント関連などで構成されている。「建物総合管理サービス事業」との親和性が高く、総合的な提案力を形成する要素にもなっている。■沿革1971年に設立。サンシャインシティとともに実績を積み上げてきた歴史1971年9月に建物内外の安全及び維持管理を目的として、東京都港区に総合ビル管理(株)として設立された。設立当初は、官公庁や民間企業の事務所ビルをはじめ、公共機関の警備等を受託することで安定した事業基盤を確立した。1978年にサンシャインシティが完成すると、以降、今日に至るまで重要顧客かつパートナーとして(株)サンシャインシティと強固な関係を築いてきた。1981年には人材派遣事業に参入(本格的なサービス展開は1986年より)し、総合提案力の基盤ができ上がった。また、地方への進出は、1972年の名古屋営業所(現 アール・エス・シー中部)を皮切りに、1987年の大阪営業所(現 大阪支店)、1999年の仙台営業所(現 仙台支店)へと展開してきた。1995年に事業拡大、イメージ向上を目的として商号を現在のアール・エス・シーに変更すると、1997年には日本証券業協会に株式を店頭登録(現在は東京証券取引所スタンダード市場に上場)。2000年に新規参入した介護サービス事業については収益化の遅れにより2021年に撤退したものの、セコムとの業務提携締結(2018年1月)及びセキュリティロボット「cocobo(ココボ)」の導入に関する合意(2022年2月)、丸ビル・三菱ブロックの常駐警備業務開始(2021年7月)、内装工事等を手掛ける友和商工の子会社化(2023年2月)、AI警備システムの開発・販売を行うアジアとの業務提携によるサンシャインシティプリンスホテルでの行動認識AIを活用した警備業務の開始(2024年4月)など、今後の事業拡大や警備DXへの対応に向けて着々と取り組んでいる。(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫) <HN> 2025/07/02 12:02 注目トピックス 日本株 アール・エス・シー Research Memo(1):2025年3月期は計画を上回る増収増益。警備DXの取り組みも進展 *12:01JST アール・エス・シー Research Memo(1):2025年3月期は計画を上回る増収増益。警備DXの取り組みも進展 ■要約1. 会社概要アール・エス・シー<4664>は2021年に創業50周年を迎えた総合ビルメンテナンス企業であり、人材サービスも展開している。「信頼されるサービスを提供し、人が生活するあらゆる場面において、常に安全・安心・快適な環境を創造していきます」を経営理念に掲げ、「サンシャインシティ」や「丸の内ビルディング(以下、丸ビル)」など、日本を代表するビルの管理業務を手掛けている。創業来の主力である警備保障に加え、清掃、設備・受付、人材サービスなどを組み合わせた総合的なサービス提案に強みがあり、業績は堅調に推移している。今後は業界におけるDX化に向けて、機械化や新技術(セキュリティロボットやAI等)を積極的に活用し、持続的な成長を目指す方針である。5ヶ年の中期経営計画は最終年度に入っているが、業績目標を達成する見込みである。また、戦略面でも、セコム<9735>との業務提携によるセキュリティロボットの導入、内装工事等を手掛ける友和商工(株)の子会社化、(株)アジラとの業務提携(AI警備システムの導入)など、経営基盤の強化や将来を見据えた取り組みで着々と実績を積み上げてきた。警備DXの流れや業界再編の動きが加速するなかで、同社はまさに変革期を迎えている。2. 2025年3月期の業績概要2025年3月期の連結業績は、売上高が前期比9.2%増の8,845百万円、営業利益が同6.0%増の301百万円と、期初計画(売上高8,103百万円、営業利益152百万円)を上回る増収増益となった。売上高は、前期好調だった臨時業務受注(グループ会社友和商工の工事業務)の反動減、並びに予定されていた官公庁大型長期案件の終了による影響があったものの、建物総合サービス(警備・清掃部門等)での新規業務の開始や、大型周年イベント業務の受託等により、増収となった。損益面については、期初計画に沿った人的投資(賃上げ等)や建築資材等の高騰がコスト増大要因となったものの、増収による収益の底上げより増益を確保した。活動面では、サンシャインシティプリンスホテルにてAI警備システムを取り入れた警備業務を開始したほか、サンシャインシティ各エリアにおける本格運用、さらにはHarezaTower(池袋)での実証実験の開始など、警備DXの実現に向けて進展を図った。3. 2026年3月期の業績見通し2026年3月期の連結業績は、売上高が前期比6.2%減の8,300百万円、営業利益が同0.3%減の300百万円と見込んでいる。減収要因は、前期業績に大きく寄与した大型周年イベントの反動減によるものだ。一方、その反動減を大阪・関西万博の警備を受注したことに加え、前期開始した警備・清掃部門の新規受託案件による通年寄与、さらには新たに竣工する大型複合施策の警備業務並びに関西エリアの清掃業務の受注によりカバーし、減収ながら営業利益は前期並みを確保する見通しである。営業利益率もコスト増に見合う価格改定により改善を図る。4. 中期経営計画最終年度を迎えた中期経営計画では、1) 収益力の向上(ソリューション提案、エリア管理体制の構築)、2) 技術力の強化(サービス品質の維持/向上、新技術の導入)、3) 職場環境の改善(従業員エンゲージメントの向上、女性の活躍推進)、4) 経営基盤の強化(持続的な成長の実現、環境への配慮)を基本戦略として、持続的な利益成長の基盤づくりに取り組んでいる。業績目標はおおむね達成する見込みであるが、加えて、戦略面ではM&Aによる経営基盤の強化や他社との連携を通じたAI警備システムの導入などで大きな成果を上げた。次のステージに向けてどのように仕上げをしていくのか、次の中期経営計画ではどのような方向性が示されるのかに注目したい。■Key Points・2025年3月期はマイナス要因を打ち返し、期初計画を上回る増収増益。活動面ではAI警備システムの導入に向けて進展・2026年3月期は大型案件の反動減により減収減益も、中期経営計画をおおむね達成する見込み・中期経営計画の最終年度を迎え、引き続き警備DXの推進や人的資本の強化、M&A等により持続的な利益成長の基盤づくりに取り組む方針(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫) <HN> 2025/07/02 12:01 注目トピックス 日本株 アドバンテス---大幅反落、米国ハイテク株下落に連れ安へ *11:24JST アドバンテス---大幅反落、米国ハイテク株下落に連れ安へ アドバンテス<6857>は大幅反落。本日は同社をはじめとして半導体関連株が総じてさえない展開となっている。米国市場では、パウエル議長が利下げに慎重な姿勢を再表明したため利下げ期待が後退、長期金利の上昇によってハイテク株には売りが優勢となった。エヌビディアが約3%の下落となったほか、SOX指数も上値の重い展開に。東京市場でも半導体関連の短期的な過熱警戒感が強まっていた中、米国関連株の下落に連れ安する展開へ。 <ST> 2025/07/02 11:24 注目トピックス 日本株 千葉興銀---大幅反落、過度な再編プレミアム期待なども後退か *11:23JST 千葉興銀---大幅反落、過度な再編プレミアム期待なども後退か 千葉興銀<8337>は大幅反落。前日にはストップ高と急伸、同行と千葉銀行が経営統合する方向で協議入りしたことがわかったと報じられ、買収プレミアムに対する期待感が高まる状況となった。会社側では現時点で決定している事実はないとのコメント。両社の統合という方向性自体は想定されていたとみられるほか、千葉銀にとってはメリットと比較して負担も大きいことから、過度なプレミアム期待も後退する方向にもなっているもよう。 <ST> 2025/07/02 11:23

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