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ネクスグループ Research Memo(1):収益基盤の再構築で2025年11月期は大幅増収・EBITDA黒字化達成

配信日時:2026/02/19 11:31 配信元:FISCO
*11:31JST ネクスグループ Research Memo(1):収益基盤の再構築で2025年11月期は大幅増収・EBITDA黒字化達成 ■要約

ネクスグループ<6634>は、暗号資産交換所を運営する(株)Zaif、ソフトウェア開発を行う(株)ネクスソフト、Web3コンサルティングを手掛けるチューリンガム(株)、コミッションプラットフォーム「Skeb」を運営する(株)スケブ、電子書籍事業を手掛ける(株)実業之日本デジタル、外食産業・コスメティックショップ向けの、消耗品・備品・パッケージ・厨房備品の供給等を手掛ける総合商社である(株)ケーエスピーを擁するホールディングカンパニーである。「メタバース・デジタルコンテンツ事業」「IoT関連事業」「ソリューション事業」「暗号資産・ブロックチェーン事業」「その他」の5セグメントで事業を展開している。

1. 2025年11月期の業績概要
2025年11月期の連結業績は、売上高が3,562百万円(前期比67.2%増)、営業損失が223百万円(前期は246百万円の損失)、経常損失が250百万円(同230百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失が728百万円(同289百万円の損失)となった。親会社株主に帰属する当期純損失が、M&Aに伴う費用やのれん償却の影響を受け728百万円まで拡大した一方で、のれん償却額を加味したEBITDAは38百万円(前期は70百万円の損失)と黒字転換しており、基礎的なキャッシュ創出力が改善傾向にあると弊社では見ている。

同社グループは、デジタルコンテンツ領域及び暗号資産・ブロックチェーンを含むWeb3領域を成長分野と位置付け、既存事業の強化とM&Aを通じた収益基盤の再構築を進めている。2025年11月期においては、2025年2月に(株)ネクスデジタルグループを連結子会社化し、Zaif、チューリンガム、ネクスソフトなどが新たにグループへ加わった。一方、IoT関連事業子会社であったネクスについては、事業特性及び中長期的な成長戦略を踏まえ、CAICA DIGITAL<2315>の完全子会社とすべく譲渡する株式交換を実施した。これにより、IoTハードウェア事業の位置付けを見直し、グループ全体として成長性及び戦略的整合性を重視した事業再編を進めている。成長性の高い領域へ経営資源を集中するとともに、非中核事業の整理を進めた点は、今後の収益構造改善に向けた重要な取り組みとして評価できる。

2. 2026年11月期の業績見通し
2026年11月期の連結業績は、売上高が4,383百万円(前期比23.1%増)、営業利益が103百万円(前期は223百万円の損失)、経常損失が184百万円(同250百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益が111百万円(同728百万円の損失)を見込んでいる。参考指標として、M&Aによるのれん償却額を加味したEBITDAは628百万円としている。利益面では営業段階での黒字化を見込む一方、経常段階では引き続き損失計上を想定しているが、最終利益では黒字転換を計画している。

M&Aにより取得した事業の立ち上げ及び成長を着実に進めるとともに、既存事業の収益性改善を並行して推進することで、連結ベースでの実質的な収益力向上を目指している。今後は、各事業におけるサービス・商品ラインナップの拡充や顧客基盤の拡大に加え、グループ内外におけるシナジー創出を重要な成長ドライバーと位置付けている。あわせて、EBITDAを主要指標とした投資回収の可視化を強化し、M&Aに伴うのれん償却負担を上回る利益創出を実現することで、持続的な企業価値の向上を図る。同社は複数の成長領域を対象に、M&Aと事業育成を組み合わせた戦略を展開しており、短期的にはのれん負担が業績の重石となるものの、EBITDAとキャッシュ・フローの改善により、実態ベースでの収益力は着実に強化されつつある。特に、Skebを中心とするデジタルコンテンツ事業は高い成長ポテンシャルを有していることから、中長期的な業績拡大につながる可能性が高いと弊社では見ている。

3. 中期経営計画
同社は2023年4月に、中期経営計画(2023年11月期~2025年11月期)を策定した。2022年11月期に事業構造改革を完了し、営業利益の黒字化を達成したことを受け、同計画では成長性及び収益性の高い事業モデルへの転換を通じた持続的成長を目標に掲げていた。当初は、IoT関連事業を主体とする事業構造からの転換を進め、「ブロックチェーン」「トークン」「メタバース」といった要素を組み合わせたWeb3領域への事業展開を志向するとともに、ネクスが有するIoTの戦略資産に新たな付加価値を加え、デジタルツイン市場での展開を視野に入れる方針としていた。

2025年11月期は中期経営計画の最終年度であったが、中核事業を担っていたネクスがグループから外れたことにより、2026年11月期以降のトップラインは一定程度縮小する見通しである。一方、事業構成としては、これまでのIoTデバイス事業中心の体制から、デジタルコンテンツ事業を成長ドライバーとする構造へと転換が進んでいる。売上面では、引き続きソリューション事業のケーエスピーがグループ全体のトップラインを下支えする。一方、デジタルコンテンツ事業に属する実業之日本デジタルやSkebは利益率が高く、売上規模の拡大がそのまま利益成長につながりやすい事業構造となっている。ただし、のれん残高は大きく、償却負担が最終損益を押し下げる状況が続くことから、引き続きEBITDAを重視した評価が重要となる。

■Key Points
・2025年11月期は収益基盤の再構築が進みEBITDAの黒字化を達成
・2026年11月期は営業利益の黒字化、EBITDAの大幅増を見込む
・成長分野であるデジタルコンテンツ事業に注力することで、中長期的な利益成長を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木 稜司)

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