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中越パルプ工業:紙・パルプ製造事業が中核、PBR0.4倍台かつ配当利回り4%超え
配信日時:2026/02/03 09:19
配信元:FISCO
*09:19JST 中越パルプ工業:紙・パルプ製造事業が中核、PBR0.4倍台かつ配当利回り4%超え
中越パルプ工業<3877>は、紙・パルプ製造事業を中核に、発電事業およびナノフォレスト事業などを展開する総合製紙メーカーである。売上構成比では紙・パルプ製造事業が約8割を占め、新聞用紙、印刷用紙、包装用紙、板紙、加工原紙など幅広い紙製品を手掛けている。同業他社とは「総合製紙メーカー」という括りは共通しつつも、各社で得意分野が異なるが、基本的には同業他社全体が競合との位置づけである。なかでも同社はパッケージング用紙で一定のシェアを有している点や、壁紙用原紙といったニッチ分野を手掛けている点が特徴とされる。製紙メーカー各社が自家発電を行っている点は共通するが、同社は化石燃料比率が相対的に低いと認識しており、環境面およびコスト面の双方で優位性があるとみている。
紙・パルプ製造事業の地域別売上構成は、国内が約8割、海外が約2割となっている。品種別の売上・利益構成については詳細な外部開示は行っていないものの、事業全体としてはグラフィック用紙の構成比が依然として高い。こうした中、同社が紙・パルプ事業における最大の利益ドライバーとして重視しているのは販売価格である。数量(稼働率)や品種ミックスも重要な要素ではあるが、今後も経済状況や市況に応じて適切なタイミングで適正な価格改定を実施できるかが収益確保の鍵になる。紙需要そのものが縮小する局面においては、総量拡大よりも価格是正による利益確保を優先する姿勢がうかがえる。
発電事業については、木質バイオマスを中心とした燃料調達を行っており、近隣企業などから一定量を一定価格で安定的に調達できているという。バイオマスボイラーの運用において燃料調達面で大きな支障はなく、コスト競争力や供給安定性の面でのリスクは限定的と認識されている。発電事業が紙・パルプ事業と並行して展開されることで、収益の安定化に一定の役割を果たしているとみられる。
その他事業にはナノフォレスト事業や紙・パルプ製造事業の補助的事業が含まれる。ナノフォレスト事業は、パルプ繊維をナノサイズまで解繊したセルロースナノファイバー(CNF)の製造・販売を行う事業である。CNFは軽量・高強度・低熱膨張といった機能性を有し、再生可能な木材由来のグリーンマテリアルとして幅広い用途展開が期待されている。木材パルプに加え、国産竹100%の竹パルプを原料とした竹CNFも展開し、畜産・農業・化粧品など安全性が重視される分野を中心に、近年は樹脂・ゴム用途への引き合いも増加している。環境・安全性と独自の品質特性を強みに、再生プラスチック分野などへの応用も進め、脱炭素社会やSDGsへの貢献を目指している。
2026年3月期上期決算については、売上高53,052百万円(前年同期比4.5%減)、営業利益1,355百万円(同56.6%減)で着地した。紙・パルプ製造事業では、紙需要の減退による生産・販売数量が減少したことやパルプ価格が下落したことが影響、海外市況の悪化が主な下振れ要因となった。販売価格低下の背景も、基本的にはパルプ市況の下落によるものであり、個別の競争激化によるものではない。ただ、上期進捗を受けて通期計画は下方修正しており、売上高110,000百万円(前期比0.9%減、従来計画112,000百万円)、営業利益3,700百万円(同23.6%減、同4,900百万円)に引き下げた。下期は、想定している為替水準(1ドル155円)や原油価格(ドバイ原油70ドル)との大きな乖離はなく、前提条件自体は大きく崩れていないことから、下期計画については計画通りの利益達成を目指せる水準で推移している。
市場環境では、国内のグラフィック用紙需要は引き続き減少基調にあるとの認識である一方、世界全体で見ると需要は横ばいから微増で推移しているという。国内需要の減少分については、海外向け販売を通じて補完していく方針であり、急激な需要減に歯止めをかけたい考えである。また、脱プラスチックの流れを背景に、パッケージング用紙への代替需要には一定の期待が寄せられている。加えて、衛生意識の高まりを背景に、ティッシュペーパーなどの衛生用紙は比較的底堅い需要が見込まれており、グラフィック用紙減少を一部補完する役割を担うとみられている。
同社は「中期経営計画2030」を掲げており、2030年に営業利益80億円、ROE8%という目標を掲げている。紙の総需要が減少する前提の中で、営業戦略展開による拡販と2025年度の価格修正効果でカバーしていくほか、競争力強化によるコストダウンを想定している。価格改定は市況や顧客動向を見極めながら慎重に進めていく姿勢が示され、コスト削減には特定の費目に絞り込むのではなく、毎年億円単位での削減を継続的に積み上げていく方針で、恒常的なコスト構造改善を目指している。また、事業ポートフォリオの再構築も掲げており、2030年度に紙パルプ事業の中でもパッケージング用紙・衛生用紙・特殊紙・パルプなどの割合を48%(2025年度40%)に増やしていく。そのほか、新規領域ではJV・M&A等による共創ビジネスやパルプの高度利用、バイオリファイナリー事業も模索していく。
株主還元については、2027年3月期以降、連結配当性向30%およびDOE2.5%を指標とする方針に変更した。同社としては安定配当を継続する姿勢に変わりはなく、これまでも社内で一定の指標を設けて配当水準を検討してきた経緯があるとしている。PBRが0.4倍台で推移する中、東証からのIR強化要請も意識しており、今後は個人投資家・機関投資家双方に対して、事業内容や環境優位性、発電事業を含めた収益構造について、より分かりやすい情報発信が課題になるとみられる。
足元業績は市況要因からやや足踏み状態となっているが、PBR0.4倍台・配当利回り4.4%で推移するなか、インカムゲインを享受しながら将来的なキャピタルゲインも期待できる状況にある。紙需要減少という構造問題にどう向き合い、価格改定・事業構成転換・環境対応を通じて収益を確保していく企業であるのか、そのストーリーをどこまで明確に示せるかが評価改善の鍵となりそうだ。
<NH>
紙・パルプ製造事業の地域別売上構成は、国内が約8割、海外が約2割となっている。品種別の売上・利益構成については詳細な外部開示は行っていないものの、事業全体としてはグラフィック用紙の構成比が依然として高い。こうした中、同社が紙・パルプ事業における最大の利益ドライバーとして重視しているのは販売価格である。数量(稼働率)や品種ミックスも重要な要素ではあるが、今後も経済状況や市況に応じて適切なタイミングで適正な価格改定を実施できるかが収益確保の鍵になる。紙需要そのものが縮小する局面においては、総量拡大よりも価格是正による利益確保を優先する姿勢がうかがえる。
発電事業については、木質バイオマスを中心とした燃料調達を行っており、近隣企業などから一定量を一定価格で安定的に調達できているという。バイオマスボイラーの運用において燃料調達面で大きな支障はなく、コスト競争力や供給安定性の面でのリスクは限定的と認識されている。発電事業が紙・パルプ事業と並行して展開されることで、収益の安定化に一定の役割を果たしているとみられる。
その他事業にはナノフォレスト事業や紙・パルプ製造事業の補助的事業が含まれる。ナノフォレスト事業は、パルプ繊維をナノサイズまで解繊したセルロースナノファイバー(CNF)の製造・販売を行う事業である。CNFは軽量・高強度・低熱膨張といった機能性を有し、再生可能な木材由来のグリーンマテリアルとして幅広い用途展開が期待されている。木材パルプに加え、国産竹100%の竹パルプを原料とした竹CNFも展開し、畜産・農業・化粧品など安全性が重視される分野を中心に、近年は樹脂・ゴム用途への引き合いも増加している。環境・安全性と独自の品質特性を強みに、再生プラスチック分野などへの応用も進め、脱炭素社会やSDGsへの貢献を目指している。
2026年3月期上期決算については、売上高53,052百万円(前年同期比4.5%減)、営業利益1,355百万円(同56.6%減)で着地した。紙・パルプ製造事業では、紙需要の減退による生産・販売数量が減少したことやパルプ価格が下落したことが影響、海外市況の悪化が主な下振れ要因となった。販売価格低下の背景も、基本的にはパルプ市況の下落によるものであり、個別の競争激化によるものではない。ただ、上期進捗を受けて通期計画は下方修正しており、売上高110,000百万円(前期比0.9%減、従来計画112,000百万円)、営業利益3,700百万円(同23.6%減、同4,900百万円)に引き下げた。下期は、想定している為替水準(1ドル155円)や原油価格(ドバイ原油70ドル)との大きな乖離はなく、前提条件自体は大きく崩れていないことから、下期計画については計画通りの利益達成を目指せる水準で推移している。
市場環境では、国内のグラフィック用紙需要は引き続き減少基調にあるとの認識である一方、世界全体で見ると需要は横ばいから微増で推移しているという。国内需要の減少分については、海外向け販売を通じて補完していく方針であり、急激な需要減に歯止めをかけたい考えである。また、脱プラスチックの流れを背景に、パッケージング用紙への代替需要には一定の期待が寄せられている。加えて、衛生意識の高まりを背景に、ティッシュペーパーなどの衛生用紙は比較的底堅い需要が見込まれており、グラフィック用紙減少を一部補完する役割を担うとみられている。
同社は「中期経営計画2030」を掲げており、2030年に営業利益80億円、ROE8%という目標を掲げている。紙の総需要が減少する前提の中で、営業戦略展開による拡販と2025年度の価格修正効果でカバーしていくほか、競争力強化によるコストダウンを想定している。価格改定は市況や顧客動向を見極めながら慎重に進めていく姿勢が示され、コスト削減には特定の費目に絞り込むのではなく、毎年億円単位での削減を継続的に積み上げていく方針で、恒常的なコスト構造改善を目指している。また、事業ポートフォリオの再構築も掲げており、2030年度に紙パルプ事業の中でもパッケージング用紙・衛生用紙・特殊紙・パルプなどの割合を48%(2025年度40%)に増やしていく。そのほか、新規領域ではJV・M&A等による共創ビジネスやパルプの高度利用、バイオリファイナリー事業も模索していく。
株主還元については、2027年3月期以降、連結配当性向30%およびDOE2.5%を指標とする方針に変更した。同社としては安定配当を継続する姿勢に変わりはなく、これまでも社内で一定の指標を設けて配当水準を検討してきた経緯があるとしている。PBRが0.4倍台で推移する中、東証からのIR強化要請も意識しており、今後は個人投資家・機関投資家双方に対して、事業内容や環境優位性、発電事業を含めた収益構造について、より分かりやすい情報発信が課題になるとみられる。
足元業績は市況要因からやや足踏み状態となっているが、PBR0.4倍台・配当利回り4.4%で推移するなか、インカムゲインを享受しながら将来的なキャピタルゲインも期待できる状況にある。紙需要減少という構造問題にどう向き合い、価格改定・事業構成転換・環境対応を通じて収益を確保していく企業であるのか、そのストーリーをどこまで明確に示せるかが評価改善の鍵となりそうだ。
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