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IXナレッジ Research Memo(3):「業種・顧客ポートフォリオ」「DX案件加速」「人材マネジメント力」が強み
配信日時:2026/01/26 12:33
配信元:FISCO
*12:33JST IXナレッジ Research Memo(3):「業種・顧客ポートフォリオ」「DX案件加速」「人材マネジメント力」が強み
■アイエックス・ナレッジ<9753>の事業内容
1. 主要3業種向けのシステム開発をバランス良く受注
同社グループは、同社、子会社シーアンドエーコンピューター及び関連会社HISホールディングス(株)(旧 北洋情報システム。2004年8月に資本・業務提携、同社出資比率20.0%)で構成され、コンサルティングから主力のシステム開発(システムインテグレーションサービス)、システム運用(システムマネージメントサービス)、商品販売までのトータルソリューションサービスを提供する情報サービス業を展開する。
2026年3月期中間期のサービス品目別売上構成比は、IT戦略立案やIT化推進などを支援する「コンサルティング」が9.2%、ソフトウェア・ハードウェア・ネットワークを統合してベスト・ソリューションを導き出す「システム開発」が67.6%、運用業務のアウトソーシングサービスや運用業務効率化のための運用設計・基盤構築などを行う「システム運用」が23.2%、商品販売ほかが0.0%となり、システム開発が占める割合が大きい。システム品質の妥当性を第三者の立場で確認するほか、業務要件の実現性や操作性といった実運用の適合性をユーザーに代わって検証し、品質状況を報告する「システム検証サービス」も提供しているが、これは「システム開発」に分類される。
また、エンドユーザー業種別売上構成比は、産業・サービス33.2%、金融・証券29.3%、情報・通信24.7%、社会公共・土木建築12.7%となっており、主要3業種のバランスが良い。「社会・公共」分野は、2024年3月期から「社会公共・土木建築」分野へと名称を変更した。土木建築分野において公共性の高いシステムの開発を行うシーアンドエーコンピューターの業績が計上され、当該事業も伸長している。
2. 大手顧客からの安定受注
同社の強みは、コンサルティングからシステム開発、運用・保守に至るまで総合的かつ一貫したサービスを提供できる体制を整えていることである。加えて、創業以来長年にわたり構築してきた強固でバランスの取れた顧客基盤も、安定した成長を支える大きな強みである。
2026年3月期中間期における主要顧客の動向を見ると、構成比の大きいトップ10社の顔触れは例年どおりであり、顧客構成は安定度が高い。トップ5社の売上構成比は61.0%に達し、5社の内訳はNTTデータグループ(産業分野など多様なエンドユーザーの案件)、日立グループ(産業、社会公共分野など多様なエンドユーザーの案件)、KDDIグループ(システム検証案件など)、NEC<6701>グループ、三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>となっている。大手10社の構成比も72.4%と、上位集中度は高い。
同社の過去の経験則では、需要が好調な時期には上位集中度が高まる傾向があるため、現在もそのフェーズに該当すると考えられる。また、売上構成比で11位以降の顧客は入れ替わりも頻繁にあり、顧客の新陳代謝やポートフォリオ管理が健全に行われている。さらに、これらのユーザーとの取引で業務知識やノウハウを蓄積してきたことも強みとなっている。システム開発などで、ユーザーから同社の実績が評価され、大手システムインテグレーターを経由しないエンドユーザーとの直接取引が維持されている点は、その証左と言える。
3. DX案件の実績が加速
同社が力を入れているのが、DXの基盤となるクラウド構築であり、それと並行して採用されるアジャイル開発などの要素技術である。2026年3月期中間期のDX案件売上高は、全社売上高の42.4%である5,237百万円となった。2023年3月期の24.9%から、2024年3月期の30.4%、2025年3月期の40.2%と、DX案件売上高構成比は一貫して上昇傾向にある。2026年3月期中間期は前年同期の39.2%から3.2ポイント上昇しており、DX化の加速がうかがえる。DXを行うスキルを持った人材が十分に確保されているかの指標としては、AWSやMicrosoft Azureが認定する資格の取得数がバロメーターとなる。高付加価値なDX案件の比率が4割を超えたことは、これまでの積極的な人材投資が結実し、同社の収益構造が着実にシフトしている証左と言える。
4. 人材マネジメント力
同社は、人材の「採用」「育成」「処遇」における人材マネジメント力が奏功し、人材不足が叫ばれる業界においても計画どおりの人材確保を実現している。これまで毎年継続的に80名前後の新卒採用を行っており、2025年4月にも82名が入社した。2026年4月入社の新卒社員の採用も前年並みを想定している。システムインテグレーター間の人材獲得競争はますます激化している。そのなかで1,000名規模以上の大手・中堅SIベンダーでは相対的に計画どおりの人材確保ができており、同社もその一角を占める。近年は事業会社(ユーザー企業)によるIT人材の直接採用も活発化し、業界を横断した獲得競争が展開されている。このような状況下で、同社はオンライン採用を効果的に活用し、従来は獲得が困難であった地方の優秀な人材の確保にも成功している。さらに、数年前から注力している中途採用も、即戦力確保の手段として定着している。
また、同社のパートナー企業は全国に200社を超え、プロジェクト組成や需要変動への対応において重要な役割を担っている。同社はパートナー企業と一体となった運営を重視しており、パートナー企業の従業員を含めた教育体制を構築している。また、戦略として掲げる「DXニーズへの対応」に向け、クラウドネイティブ人材の育成に注力している。AWSの技術者育成では、2022年12月にAWS認定資格取得数が200を超える企業として「AWS 200 APN Certification Distinction」に認定されるなど、積極的な人材投資を継続している。近年では、Microsoft Azureの技術者育成にも注力するほか、クラウド以外でも、アジャイル開発やセキュリティ、AIなど先進技術の習得に注力している。今後も顧客DXニーズへの対応力強化の一環として資格取得者を育成する計画である。
処遇の改善や働き方改革にも積極的に取り組んでいる。女性の就業環境整備、時間外労働の削減、テレワークの推進、健康経営(「健康経営優良法人2025」に継続認定)などの施策において成果が顕在化している。同社の平均勤続年数は15年2ヶ月と長く、その定着率の高さは職場の魅力を裏付けるとともに、長期的な顧客関係を維持するうえでの強みとなっている。
5. 中長期のM&A加速
同社は、2024年10月で経営統合から25周年を迎えた。もともと2社の合併により誕生した経緯があり、その後も継続的にM&Aを実施した実績がある。M&Aの検討体制については、外部から提案された案件を個別に検討する受動的な体制から、経営戦略に基づき主体的な探索及び迅速な意思決定を行う体制へと刷新を図っている。
想定されるM&Aの形態としては、顧客業種の拡大(実例としてシーアンドエーコンピューター)、サービス提供エリアの拡大、DX関連の新技術強化などが挙げられる。同社は実質無借金に近い強固な財務基盤を維持しており、積極的なM&A戦略を推進するための資金余力を十分に備えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)
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1. 主要3業種向けのシステム開発をバランス良く受注
同社グループは、同社、子会社シーアンドエーコンピューター及び関連会社HISホールディングス(株)(旧 北洋情報システム。2004年8月に資本・業務提携、同社出資比率20.0%)で構成され、コンサルティングから主力のシステム開発(システムインテグレーションサービス)、システム運用(システムマネージメントサービス)、商品販売までのトータルソリューションサービスを提供する情報サービス業を展開する。
2026年3月期中間期のサービス品目別売上構成比は、IT戦略立案やIT化推進などを支援する「コンサルティング」が9.2%、ソフトウェア・ハードウェア・ネットワークを統合してベスト・ソリューションを導き出す「システム開発」が67.6%、運用業務のアウトソーシングサービスや運用業務効率化のための運用設計・基盤構築などを行う「システム運用」が23.2%、商品販売ほかが0.0%となり、システム開発が占める割合が大きい。システム品質の妥当性を第三者の立場で確認するほか、業務要件の実現性や操作性といった実運用の適合性をユーザーに代わって検証し、品質状況を報告する「システム検証サービス」も提供しているが、これは「システム開発」に分類される。
また、エンドユーザー業種別売上構成比は、産業・サービス33.2%、金融・証券29.3%、情報・通信24.7%、社会公共・土木建築12.7%となっており、主要3業種のバランスが良い。「社会・公共」分野は、2024年3月期から「社会公共・土木建築」分野へと名称を変更した。土木建築分野において公共性の高いシステムの開発を行うシーアンドエーコンピューターの業績が計上され、当該事業も伸長している。
2. 大手顧客からの安定受注
同社の強みは、コンサルティングからシステム開発、運用・保守に至るまで総合的かつ一貫したサービスを提供できる体制を整えていることである。加えて、創業以来長年にわたり構築してきた強固でバランスの取れた顧客基盤も、安定した成長を支える大きな強みである。
2026年3月期中間期における主要顧客の動向を見ると、構成比の大きいトップ10社の顔触れは例年どおりであり、顧客構成は安定度が高い。トップ5社の売上構成比は61.0%に達し、5社の内訳はNTTデータグループ(産業分野など多様なエンドユーザーの案件)、日立グループ(産業、社会公共分野など多様なエンドユーザーの案件)、KDDIグループ(システム検証案件など)、NEC<6701>グループ、三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>となっている。大手10社の構成比も72.4%と、上位集中度は高い。
同社の過去の経験則では、需要が好調な時期には上位集中度が高まる傾向があるため、現在もそのフェーズに該当すると考えられる。また、売上構成比で11位以降の顧客は入れ替わりも頻繁にあり、顧客の新陳代謝やポートフォリオ管理が健全に行われている。さらに、これらのユーザーとの取引で業務知識やノウハウを蓄積してきたことも強みとなっている。システム開発などで、ユーザーから同社の実績が評価され、大手システムインテグレーターを経由しないエンドユーザーとの直接取引が維持されている点は、その証左と言える。
3. DX案件の実績が加速
同社が力を入れているのが、DXの基盤となるクラウド構築であり、それと並行して採用されるアジャイル開発などの要素技術である。2026年3月期中間期のDX案件売上高は、全社売上高の42.4%である5,237百万円となった。2023年3月期の24.9%から、2024年3月期の30.4%、2025年3月期の40.2%と、DX案件売上高構成比は一貫して上昇傾向にある。2026年3月期中間期は前年同期の39.2%から3.2ポイント上昇しており、DX化の加速がうかがえる。DXを行うスキルを持った人材が十分に確保されているかの指標としては、AWSやMicrosoft Azureが認定する資格の取得数がバロメーターとなる。高付加価値なDX案件の比率が4割を超えたことは、これまでの積極的な人材投資が結実し、同社の収益構造が着実にシフトしている証左と言える。
4. 人材マネジメント力
同社は、人材の「採用」「育成」「処遇」における人材マネジメント力が奏功し、人材不足が叫ばれる業界においても計画どおりの人材確保を実現している。これまで毎年継続的に80名前後の新卒採用を行っており、2025年4月にも82名が入社した。2026年4月入社の新卒社員の採用も前年並みを想定している。システムインテグレーター間の人材獲得競争はますます激化している。そのなかで1,000名規模以上の大手・中堅SIベンダーでは相対的に計画どおりの人材確保ができており、同社もその一角を占める。近年は事業会社(ユーザー企業)によるIT人材の直接採用も活発化し、業界を横断した獲得競争が展開されている。このような状況下で、同社はオンライン採用を効果的に活用し、従来は獲得が困難であった地方の優秀な人材の確保にも成功している。さらに、数年前から注力している中途採用も、即戦力確保の手段として定着している。
また、同社のパートナー企業は全国に200社を超え、プロジェクト組成や需要変動への対応において重要な役割を担っている。同社はパートナー企業と一体となった運営を重視しており、パートナー企業の従業員を含めた教育体制を構築している。また、戦略として掲げる「DXニーズへの対応」に向け、クラウドネイティブ人材の育成に注力している。AWSの技術者育成では、2022年12月にAWS認定資格取得数が200を超える企業として「AWS 200 APN Certification Distinction」に認定されるなど、積極的な人材投資を継続している。近年では、Microsoft Azureの技術者育成にも注力するほか、クラウド以外でも、アジャイル開発やセキュリティ、AIなど先進技術の習得に注力している。今後も顧客DXニーズへの対応力強化の一環として資格取得者を育成する計画である。
処遇の改善や働き方改革にも積極的に取り組んでいる。女性の就業環境整備、時間外労働の削減、テレワークの推進、健康経営(「健康経営優良法人2025」に継続認定)などの施策において成果が顕在化している。同社の平均勤続年数は15年2ヶ月と長く、その定着率の高さは職場の魅力を裏付けるとともに、長期的な顧客関係を維持するうえでの強みとなっている。
5. 中長期のM&A加速
同社は、2024年10月で経営統合から25周年を迎えた。もともと2社の合併により誕生した経緯があり、その後も継続的にM&Aを実施した実績がある。M&Aの検討体制については、外部から提案された案件を個別に検討する受動的な体制から、経営戦略に基づき主体的な探索及び迅速な意思決定を行う体制へと刷新を図っている。
想定されるM&Aの形態としては、顧客業種の拡大(実例としてシーアンドエーコンピューター)、サービス提供エリアの拡大、DX関連の新技術強化などが挙げられる。同社は実質無借金に近い強固な財務基盤を維持しており、積極的なM&A戦略を推進するための資金余力を十分に備えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)
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