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インサイト:北海道発の総合広告会社から「観光・ふるさと納税×東京案件」軸に第二創業フェーズへ
配信日時:2026/01/05 14:22
配信元:FISCO
*14:22JST インサイト:北海道発の総合広告会社から「観光・ふるさと納税×東京案件」軸に第二創業フェーズへ
インサイト<2172>は北海道を地盤とする総合広告会社で、新聞折込やマスメディア4媒体といった従来型広告に加え、デジタル広告、販促物制作、観光・地方創生コンサルティングまでを手掛けている。近年は広告制作・運用の内製化を進めており、デザイン人材を社内に抱え、デジタル広告運用も外部任せにせず自社でコントロールできる体制を構築している。北海道では媒体枠の仲介に特化した広告代理店が多い中、同社は企画立案から制作、運用、効果検証までを一気通貫で担える総合広告会社としてポジションを確立してきた。
競争優位性の源泉は、課題解決型の広告提案への転換をいち早く進めてきた点にある。従来、北海道では広告代理店による枠売り型ビジネスが主流であったが、同社は東京の広告市場で主流となっている「顧客の課題解決に広告を使う」発想を取り込み、ビジネスモデルの変革を進めてきた。自社で生活者パネルを保有し、調査・効果測定を行う「INSEARCH」を活用することで、データに基づいた提案が可能となっており、これが他社との差別化要因となっている。
広告事業の中でも、足元で存在感を高めているのが観光コンサルティング分野であり、その中核を成すのがふるさと納税関連業務である。現在、全国約50自治体を担当し、返礼品開発、在庫管理、コールセンター業務、バナー制作など、寄付額拡大に向けた業務を包括的に担っている。自治体が得る寄付額の一定割合を手数料として受け取るモデルであるため、寄付額が拡大すれば同社の収益も連動して伸びる構造となっている。単にポータルサイトへ掲載するだけでなく、プロモーションや運営全般に関与する点が特徴であり、デザイン力や広告ノウハウを活かした付加価値提供が可能となっている。
一方で、従来売上の多くを占めていた紙媒体については構造的な縮小を見据え、デジタル広告や付加価値型のコンサル領域へのシフトを進めている。新設した東京オフィスでは、いわゆる広告代理業に加え、クライアント企業の宣伝・マーケティング人材を補完する「レンタルマーケティング」に近い役割も担っており、大手広告会社では対応が難しい領域の案件獲得が進みつつあるようだ。足元では東京オフィス発の大型案件も収益に寄与しており、今後の成長ドライバーとして位置付けられている。
併営する債権投資事業については、広告事業の補完的な位置づけである。不良債権などを一定量取得し、外部の債権回収会社を通じて回収を行う財務投資であり、広告市況が悪化する局面でも一定の収益を確保することを目的としている。経営として積極的な拡大を狙う事業ではなく、投資額も限定的であるため、業績に対するリスクは相対的に小さい。一方で、同事業単体で成長ストーリーを描くことは難しく、あくまで業績の下支え役と位置付けるのが妥当であろう。
2026年6月期第1四半期は、広告事業が割合低調な期間乍ら売上高613百万円(前年同期比11.8%増)、営業損益46百万円の黒字に転換、増収かつ営業黒字転換と好調なスタートとなった。ふるさと納税における制度変更前の駆け込み需要や、東京オフィスでの大型案件が寄与した。一方、通期計画は売上高2,310百万円(前期比6.1%減)、営業利益72百万円(同2.1%増)と減収・小幅増益と保守的な前提が置かれている。例年、12月にかけてふるさと納税関連の需要が高まる傾向があることから、会社計画に対する上振れ余地も意識される。
中期的には、ふるさと納税関連業務と東京オフィスを成長ドライバーとし、年率20%程度の成長を目指す考えを示している。広告・マーケティング事業の広告業界は、各企業のプロモーション活動によりイベントや広告の需要も高まる傾向となっており、経済全般のデジタル化の流れを背景に各企業ともデジタル技術を活用したプロモーション活動への加速化が進み、インターネット広告分野の拡大傾向が続いていく。ただ、東京オフィスでは人材不足が成長の制約となっており、今後3年程度をかけた人材投資が必要となる見通しとなる。リスク要因はふるさと納税制度の変更であり、高額納税者への規制強化などが実施された場合には、成長シナリオに影響が及ぶ可能性がある。
株主還元については現行の配当方針を継続しつつ、業績拡大に応じた増配を検討する姿勢を示している。株主構成は個人投資家が中心で、創業家の持分比率も高い。現時点では積極的なIR強化や市場変更には慎重な姿勢だが、規模拡大とともに株主構成含めての動向に注目しておきたいところ。
総じて、インサイトは北海道発の総合広告会社として内製力と調査機能を武器に差別化を進め、観光・ふるさと納税と東京案件を軸に第二創業フェーズへ移行しつつある。札証上場・小型株ゆえ流動性や情報開示の制約は大きいものの、広告一本足からの脱却が進んでいる。成長ストーリーとして、ふるさと納税関連の観光コンサルティングや東京オフィスの人材拡充による案件の増加に期待しておきたい。
<NH>
競争優位性の源泉は、課題解決型の広告提案への転換をいち早く進めてきた点にある。従来、北海道では広告代理店による枠売り型ビジネスが主流であったが、同社は東京の広告市場で主流となっている「顧客の課題解決に広告を使う」発想を取り込み、ビジネスモデルの変革を進めてきた。自社で生活者パネルを保有し、調査・効果測定を行う「INSEARCH」を活用することで、データに基づいた提案が可能となっており、これが他社との差別化要因となっている。
広告事業の中でも、足元で存在感を高めているのが観光コンサルティング分野であり、その中核を成すのがふるさと納税関連業務である。現在、全国約50自治体を担当し、返礼品開発、在庫管理、コールセンター業務、バナー制作など、寄付額拡大に向けた業務を包括的に担っている。自治体が得る寄付額の一定割合を手数料として受け取るモデルであるため、寄付額が拡大すれば同社の収益も連動して伸びる構造となっている。単にポータルサイトへ掲載するだけでなく、プロモーションや運営全般に関与する点が特徴であり、デザイン力や広告ノウハウを活かした付加価値提供が可能となっている。
一方で、従来売上の多くを占めていた紙媒体については構造的な縮小を見据え、デジタル広告や付加価値型のコンサル領域へのシフトを進めている。新設した東京オフィスでは、いわゆる広告代理業に加え、クライアント企業の宣伝・マーケティング人材を補完する「レンタルマーケティング」に近い役割も担っており、大手広告会社では対応が難しい領域の案件獲得が進みつつあるようだ。足元では東京オフィス発の大型案件も収益に寄与しており、今後の成長ドライバーとして位置付けられている。
併営する債権投資事業については、広告事業の補完的な位置づけである。不良債権などを一定量取得し、外部の債権回収会社を通じて回収を行う財務投資であり、広告市況が悪化する局面でも一定の収益を確保することを目的としている。経営として積極的な拡大を狙う事業ではなく、投資額も限定的であるため、業績に対するリスクは相対的に小さい。一方で、同事業単体で成長ストーリーを描くことは難しく、あくまで業績の下支え役と位置付けるのが妥当であろう。
2026年6月期第1四半期は、広告事業が割合低調な期間乍ら売上高613百万円(前年同期比11.8%増)、営業損益46百万円の黒字に転換、増収かつ営業黒字転換と好調なスタートとなった。ふるさと納税における制度変更前の駆け込み需要や、東京オフィスでの大型案件が寄与した。一方、通期計画は売上高2,310百万円(前期比6.1%減)、営業利益72百万円(同2.1%増)と減収・小幅増益と保守的な前提が置かれている。例年、12月にかけてふるさと納税関連の需要が高まる傾向があることから、会社計画に対する上振れ余地も意識される。
中期的には、ふるさと納税関連業務と東京オフィスを成長ドライバーとし、年率20%程度の成長を目指す考えを示している。広告・マーケティング事業の広告業界は、各企業のプロモーション活動によりイベントや広告の需要も高まる傾向となっており、経済全般のデジタル化の流れを背景に各企業ともデジタル技術を活用したプロモーション活動への加速化が進み、インターネット広告分野の拡大傾向が続いていく。ただ、東京オフィスでは人材不足が成長の制約となっており、今後3年程度をかけた人材投資が必要となる見通しとなる。リスク要因はふるさと納税制度の変更であり、高額納税者への規制強化などが実施された場合には、成長シナリオに影響が及ぶ可能性がある。
株主還元については現行の配当方針を継続しつつ、業績拡大に応じた増配を検討する姿勢を示している。株主構成は個人投資家が中心で、創業家の持分比率も高い。現時点では積極的なIR強化や市場変更には慎重な姿勢だが、規模拡大とともに株主構成含めての動向に注目しておきたいところ。
総じて、インサイトは北海道発の総合広告会社として内製力と調査機能を武器に差別化を進め、観光・ふるさと納税と東京案件を軸に第二創業フェーズへ移行しつつある。札証上場・小型株ゆえ流動性や情報開示の制約は大きいものの、広告一本足からの脱却が進んでいる。成長ストーリーとして、ふるさと納税関連の観光コンサルティングや東京オフィスの人材拡充による案件の増加に期待しておきたい。
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