注目トピックス 日本株
アンジェス Research Memo(6):「AV-001」は新たな適応症でもライセンス契約を締結
配信日時:2025/12/23 12:06
配信元:FISCO
*12:06JST アンジェス Research Memo(6):「AV-001」は新たな適応症でもライセンス契約を締結
■アンジェス<4563>の主要開発パイプラインの動向
3. ARDS治療薬(Tie2受容体アゴニスト化合物)
カナダのVasomuneとの共同開発品であるARDS治療薬「AV-001」(Tie2受容体アゴニスト)※は、2018年より全世界を対象に急性呼吸不全など血管の不全を原因とする疾患の治療薬として共同開発を進めてきた。中等度から重度の新型コロナウイルス感染症肺炎患者向けの治療薬としても効果があると見て、2022年1月より米国で前期第2相臨床試験を実施している。しかし、新型コロナウイルス感染症の変異株では重篤な肺炎を発症する感染者が急減したことから、現在は対象疾患をインフルエンザ等のウイルス性及び細菌性肺炎を含むARDSに拡大し(FDA承認済み)、予定症例数は60例としている。投与量は3群に分け、「AV-001」と標準治療薬またはプラセボと標準治療薬のいずれかを投与し、安全性及び忍容性と有効性を評価する。
※ 同社は2018年にVasomuneと、急性呼吸不全など血管の不全を原因とする疾患を対象とした「AV-001」の全世界を対象とした共同開発契約を締結した。開発費用と将来の収益を折半し、また、同社がVasomuneに対して契約一時金及び開発の進捗に応じたマイルストーンを支払う契約となっている。ARDSの患者数は米国だけで26万人いる。
2025年12月時点で当初予定の60例の登録は完了する見通しだが、途中離脱者があり数例を追加することにしたため、登録完了時期やトップラインデータの発表は2026年前半にずれ込む見通しだ。良好な結果が得られればライセンスアウトする意向だが、後期第2相臨床試験でも引き続き開発助成金を得られる可能性があるため、独自で臨床試験を進めることも考えている。「AV-001」は2024年5月にFDAからFast Track※に指定されており、臨床試験に関する協議や審査などの手続きを迅速に進めることが可能となっている。
※ 重篤な疾患に対する新たな治療法やアンメット・メディカル・ニーズを満たす可能性のある薬剤などの開発を促進し、迅速に審査することを目的に制定された制度。
また、新たに血液透析患者における急性虚血性脳損傷の予防を目的とした医師主導臨床試験の開始を決定した。同研究はカナダ心臓・脳卒中財団の助成を受けて実施され、血液透析によって引き起こされる細胞毒性脳浮腫を軽減し、脳の白質の機能を維持できるかを評価する試験となる。良好な結果が得られれば、より大規模な試験が検討される。末期腎不全患者の最大90%が血液透析を利用しているが、55歳以上の患者の約70%が細胞毒性脳浮腫となり、中等度から重度の認知障害を引き起こすなど医療現場において大きな課題となっている。「AV-001」はTie2/Angiopoietin-1シグナル伝達経路を標的とすることで血管を安定化させ、血管漏出や炎症を抑制する効果が期待できる。このため、細胞毒性脳浮腫の軽減により血液透析患者の脳の機能を守る新たな治療法となる可能性がある。臨床試験費用は助成金で賄われ、2026年にも開始する見通しだ。
今回の医師主導治験の開始に伴い、同社はVasomuneと「AV-001」の適応疾患拡大による契約を、2025年11月に締結した。同契約に基づき、2025年内に1百万USドル、2026年から2027年にかけて3百万USドルを支払うことになるが、同疾患向け治療薬として導出の決定や上市に成功した場合には、同社もその対価を一部得られることになる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<HN>
3. ARDS治療薬(Tie2受容体アゴニスト化合物)
カナダのVasomuneとの共同開発品であるARDS治療薬「AV-001」(Tie2受容体アゴニスト)※は、2018年より全世界を対象に急性呼吸不全など血管の不全を原因とする疾患の治療薬として共同開発を進めてきた。中等度から重度の新型コロナウイルス感染症肺炎患者向けの治療薬としても効果があると見て、2022年1月より米国で前期第2相臨床試験を実施している。しかし、新型コロナウイルス感染症の変異株では重篤な肺炎を発症する感染者が急減したことから、現在は対象疾患をインフルエンザ等のウイルス性及び細菌性肺炎を含むARDSに拡大し(FDA承認済み)、予定症例数は60例としている。投与量は3群に分け、「AV-001」と標準治療薬またはプラセボと標準治療薬のいずれかを投与し、安全性及び忍容性と有効性を評価する。
※ 同社は2018年にVasomuneと、急性呼吸不全など血管の不全を原因とする疾患を対象とした「AV-001」の全世界を対象とした共同開発契約を締結した。開発費用と将来の収益を折半し、また、同社がVasomuneに対して契約一時金及び開発の進捗に応じたマイルストーンを支払う契約となっている。ARDSの患者数は米国だけで26万人いる。
2025年12月時点で当初予定の60例の登録は完了する見通しだが、途中離脱者があり数例を追加することにしたため、登録完了時期やトップラインデータの発表は2026年前半にずれ込む見通しだ。良好な結果が得られればライセンスアウトする意向だが、後期第2相臨床試験でも引き続き開発助成金を得られる可能性があるため、独自で臨床試験を進めることも考えている。「AV-001」は2024年5月にFDAからFast Track※に指定されており、臨床試験に関する協議や審査などの手続きを迅速に進めることが可能となっている。
※ 重篤な疾患に対する新たな治療法やアンメット・メディカル・ニーズを満たす可能性のある薬剤などの開発を促進し、迅速に審査することを目的に制定された制度。
また、新たに血液透析患者における急性虚血性脳損傷の予防を目的とした医師主導臨床試験の開始を決定した。同研究はカナダ心臓・脳卒中財団の助成を受けて実施され、血液透析によって引き起こされる細胞毒性脳浮腫を軽減し、脳の白質の機能を維持できるかを評価する試験となる。良好な結果が得られれば、より大規模な試験が検討される。末期腎不全患者の最大90%が血液透析を利用しているが、55歳以上の患者の約70%が細胞毒性脳浮腫となり、中等度から重度の認知障害を引き起こすなど医療現場において大きな課題となっている。「AV-001」はTie2/Angiopoietin-1シグナル伝達経路を標的とすることで血管を安定化させ、血管漏出や炎症を抑制する効果が期待できる。このため、細胞毒性脳浮腫の軽減により血液透析患者の脳の機能を守る新たな治療法となる可能性がある。臨床試験費用は助成金で賄われ、2026年にも開始する見通しだ。
今回の医師主導治験の開始に伴い、同社はVasomuneと「AV-001」の適応疾患拡大による契約を、2025年11月に締結した。同契約に基づき、2025年内に1百万USドル、2026年から2027年にかけて3百万USドルを支払うことになるが、同疾患向け治療薬として導出の決定や上市に成功した場合には、同社もその対価を一部得られることになる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<HN>
Copyright(c) FISCO Ltd. All rights reserved.
ニュースカテゴリ
注目トピックス 市況・概況
NY市場・クローズ
海外市場動向
注目トピックス 日本株
注目トピックス 経済総合
強弱材料
コラム【EMW】
オープニングコメント
日経225・本日の想定レンジ
寄り付き概況
新興市場スナップショット
注目トピックス 外国株
個別銘柄テクニカルショット
ランチタイムコメント
後場の投資戦略
後場の寄り付き概況
相場概況
本日の注目個別銘柄
JASDAQ市況
マザーズ市況
Miniトピック
来週の買い需要
日経QUICKニュース
みんかぶニュース 投資家動向
みんかぶニュース 為替・FX
みんかぶニュース 市況・概況
みんかぶニュース 個別・材料
みんかぶニュース コラム
みんかぶニュース その他
ビットコインニュース
アルトコインニュース
GRICI
暗号資産速報
Reuters Japan Online Report Business News
金融ウォッチ その他
FISCO その他
グロース市況
