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東鉄工業:JR東日本の保線最大手、受注堅調と収益性改善で中計上方修正、配当利回り3%超
配信日時:2025/12/22 11:14
配信元:FISCO
*11:14JST 東鉄工業:JR東日本の保線最大手、受注堅調と収益性改善で中計上方修正、配当利回り3%超
東鉄工業<1835>は、鉄道の保持・強化を目的に、鉄道省(当時)の要請により、1943年に国策会社として設立された。現在は、東証プライム市場に上場する総合建設会社として、鉄道関連の土木・建築事業を主軸としつつ、ビル・工場・マンションなども手掛けている。東日本旅客鉄道(JR東日本)<9020>が21.2%を保有する筆頭株主で、売上の約7割をJR東日本向けが占める。
同社は、JR東日本管内全体で3割、首都圏では5割の保線シェアを担い、保線車両100台超の保有や夜間作業体制などを背景に鉄道工事分野で高い競争優位性を確立している。また、線路メンテナンス事業者と技術共有する「機械作業技術交流会」を主宰するなど、業界を牽引する立場にある。事業は主に線路・土木・建築の3部門で構成され、売上構成比は線路2割、土木4割、建築3割である。同社は鉄道近接工事や難易度の高い案件に強く、建設業界でオンリーワンの地位を志向している。業界における主要な課題である人手の確保に対し、同社は労働環境の改善を最優先に取り組んでいる。賃金増加につながるJR東日本との単価交渉や宿舎の提供に加え、つくばみらい市の研修センターを協力会社にも開放することで、協力会社との共存共栄を図っている。こうした取り組みによって、同社及び協力会社双方で、採用増加・離職者減少につながっている。
国内建設投資は増加基調にあり、安全対策、防災・減災、インフラ長寿命化の需要が継続すると予測される。鉄道関連では耐震補強、降雨防災、ホームドア整備、新幹線大規模改修などの案件が拡大しており、同社が得意とする領域で中長期的な需要が見込まれる。また、夜間作業体制の優位性は、工場やテーマパークなどの民間修繕需要の取り込みにも寄与し、安定した事業環境の形成につながっている。これらを踏まえると、鉄道工事及び社会インフラ分野における同社の競争力は今後も維持されると考えられる。
2025年3月期は、売上高160,047百万円(前期比12.8%増)、営業利益15,526百万円(同32.1%増)、経常利益16,035百万円(同32.5%増)、当期純利益11,564百万円(同39.4%増)となり、大幅な増収増益であった。売上は大規模地震対策工事や自然災害対応工事の継続により増収となった。利益面では、増収に加え、売上総利益率が前期比1.0ポイント改善し増益となった。線路部門ではJR東日本との単価引き上げ、土木部門では橋梁耐震補強などの高採算案件の増加と工法改良によるコストダウン進展、建築部門でも民間マンションの選別受注と技術開発により利益率が改善した。
2026年3月期中間期は、売上高65,688百万円(前年同期比6.0%増)、営業利益6,270百万円(同52.2%増)、経常利益6,650百万円(同51.2%増)、中間純利益4,474百万円(同38.6%増)となり、引き続き高い成長を示した。売上は官庁一般工事が減少した一方、土木工事を中心とする民間鉄道工事の増加が寄与し、増収となった。利益は売上総利益率が前年同期比2.8ポイント改善したことが伸びを後押しした。高採算案件の増加と継続的なコスト改善の取り組みの成果である。
2026年3月期通期では、売上高165,000百万円(前期比3.1%増)、営業利益16,000百万円(同3.1%増)、経常利益16,500百万円(同2.9%増)、当期純利益12,000百万円(同3.8%増)と増収増益を予想している。売上は線路部門の安定収益に加え、土木・建築部門の長期案件の進捗による増収を見込む。利益面では、技術開発による採算性の向上、建築部門の戦略転換による単価改善、コスト低減など、前期からの改善要因が継続することで、粗利率の底上げを通じた安定的な収益成長が見込まれている。
2025年3月期に開始した5ヶ年の中期経営計画「アクションプラン2029」では、2029年3月期に売上高1,900億円以上、ROE10%以上を目標として掲げている。堅調な受注動向や収益性の改善を踏まえて、これらの目標はいずれも2025年5月に上方修正した。重点事業として、駅舎建設・耐震工事やホームドアなどの公営・民間鉄道関連、跨線道路橋や地下道など鉄道近接工事、インフラ老朽化対応の公共・民間事業者向け工事の3領域を定め、事業収益の多様化を図る。成長投資700億円のうち、人的投資に200億円、技術開発・機械化投資に500億円を充当し、保線機械増備やAI・DX活用、新幹線改修工法の開発を進める。JR東日本と共同開発した駅ホーム上屋の耐震補強工事に用いる「柱ウェブピタッと工法」は工期半減・工費20%削減を実現し、施工競争力の向上に寄与する。2025年の社長交代を機に、技術開発とDX推進を一段と加速している。
株主還元については、DOE3%以上の累進配当を基本方針としている。2025年3月期の年間配当金は135.0円(配当性向40.2%)実施し、2026年3月期は140.0円(同40.2%)を予定している。株主との対話を重視し、その内容を配当政策やROE目標に反映させている。また、堅調な業績、中期計画の上方修正、増配などを背景に株価は2025年4月以降に約1.5倍となったが、配当利回りは3%超で推移しており投資妙味は高い状態にある。
<NH>
同社は、JR東日本管内全体で3割、首都圏では5割の保線シェアを担い、保線車両100台超の保有や夜間作業体制などを背景に鉄道工事分野で高い競争優位性を確立している。また、線路メンテナンス事業者と技術共有する「機械作業技術交流会」を主宰するなど、業界を牽引する立場にある。事業は主に線路・土木・建築の3部門で構成され、売上構成比は線路2割、土木4割、建築3割である。同社は鉄道近接工事や難易度の高い案件に強く、建設業界でオンリーワンの地位を志向している。業界における主要な課題である人手の確保に対し、同社は労働環境の改善を最優先に取り組んでいる。賃金増加につながるJR東日本との単価交渉や宿舎の提供に加え、つくばみらい市の研修センターを協力会社にも開放することで、協力会社との共存共栄を図っている。こうした取り組みによって、同社及び協力会社双方で、採用増加・離職者減少につながっている。
国内建設投資は増加基調にあり、安全対策、防災・減災、インフラ長寿命化の需要が継続すると予測される。鉄道関連では耐震補強、降雨防災、ホームドア整備、新幹線大規模改修などの案件が拡大しており、同社が得意とする領域で中長期的な需要が見込まれる。また、夜間作業体制の優位性は、工場やテーマパークなどの民間修繕需要の取り込みにも寄与し、安定した事業環境の形成につながっている。これらを踏まえると、鉄道工事及び社会インフラ分野における同社の競争力は今後も維持されると考えられる。
2025年3月期は、売上高160,047百万円(前期比12.8%増)、営業利益15,526百万円(同32.1%増)、経常利益16,035百万円(同32.5%増)、当期純利益11,564百万円(同39.4%増)となり、大幅な増収増益であった。売上は大規模地震対策工事や自然災害対応工事の継続により増収となった。利益面では、増収に加え、売上総利益率が前期比1.0ポイント改善し増益となった。線路部門ではJR東日本との単価引き上げ、土木部門では橋梁耐震補強などの高採算案件の増加と工法改良によるコストダウン進展、建築部門でも民間マンションの選別受注と技術開発により利益率が改善した。
2026年3月期中間期は、売上高65,688百万円(前年同期比6.0%増)、営業利益6,270百万円(同52.2%増)、経常利益6,650百万円(同51.2%増)、中間純利益4,474百万円(同38.6%増)となり、引き続き高い成長を示した。売上は官庁一般工事が減少した一方、土木工事を中心とする民間鉄道工事の増加が寄与し、増収となった。利益は売上総利益率が前年同期比2.8ポイント改善したことが伸びを後押しした。高採算案件の増加と継続的なコスト改善の取り組みの成果である。
2026年3月期通期では、売上高165,000百万円(前期比3.1%増)、営業利益16,000百万円(同3.1%増)、経常利益16,500百万円(同2.9%増)、当期純利益12,000百万円(同3.8%増)と増収増益を予想している。売上は線路部門の安定収益に加え、土木・建築部門の長期案件の進捗による増収を見込む。利益面では、技術開発による採算性の向上、建築部門の戦略転換による単価改善、コスト低減など、前期からの改善要因が継続することで、粗利率の底上げを通じた安定的な収益成長が見込まれている。
2025年3月期に開始した5ヶ年の中期経営計画「アクションプラン2029」では、2029年3月期に売上高1,900億円以上、ROE10%以上を目標として掲げている。堅調な受注動向や収益性の改善を踏まえて、これらの目標はいずれも2025年5月に上方修正した。重点事業として、駅舎建設・耐震工事やホームドアなどの公営・民間鉄道関連、跨線道路橋や地下道など鉄道近接工事、インフラ老朽化対応の公共・民間事業者向け工事の3領域を定め、事業収益の多様化を図る。成長投資700億円のうち、人的投資に200億円、技術開発・機械化投資に500億円を充当し、保線機械増備やAI・DX活用、新幹線改修工法の開発を進める。JR東日本と共同開発した駅ホーム上屋の耐震補強工事に用いる「柱ウェブピタッと工法」は工期半減・工費20%削減を実現し、施工競争力の向上に寄与する。2025年の社長交代を機に、技術開発とDX推進を一段と加速している。
株主還元については、DOE3%以上の累進配当を基本方針としている。2025年3月期の年間配当金は135.0円(配当性向40.2%)実施し、2026年3月期は140.0円(同40.2%)を予定している。株主との対話を重視し、その内容を配当政策やROE目標に反映させている。また、堅調な業績、中期計画の上方修正、増配などを背景に株価は2025年4月以降に約1.5倍となったが、配当利回りは3%超で推移しており投資妙味は高い状態にある。
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