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ニップン:2026年3月期は過去最高となる売上・営業利益を目指す 成長投資に積極的も株価は割安
配信日時:2025/12/22 11:09
配信元:FISCO
*11:09JST ニップン:2026年3月期は過去最高となる売上・営業利益を目指す 成長投資に積極的も株価は割安
ニップン<2001>は、1896年に日本製粉として設立され、日本初の欧米式機械製粉設備で操業を開始した。現在は東証プライム市場に上場し、「人々のウェルビーイング(幸せ・健康・笑顔)を追求し、持続可能な社会の実現に貢献します」を経営理念として掲げる。創業以来の製粉事業を基盤に食品事業を拡充し、冷凍食品や中食・総菜などへ多角化している点が特徴である。小麦粉販売の国内シェアは約25%と高く、研究開発力、加工技術、原材料調達力、品質保証力を含む総合力が強みである。
事業は、製粉、食品、その他の3セグメントで構成される。売上構成比は製粉が3割、食品が6割、その他が1割程度である。製粉事業では国内最大級の千葉工場をはじめ全国展開し、最近では作りたてのような食感が長持ちする「やわら小麦」を用いた小麦粉商品の供給を開始した。食品事業では家庭用小麦粉、パスタ(「オーマイ」「オーマイプレミアム」)や冷凍食品などを展開し、付加価値の高い冷凍パスタやワンプレート商品を強化している。その他事業はペットフード、健康食品、外食などを手掛ける。
事業環境は、外食やインバウンド需要が追い風となる一方、インフレに伴う節約志向の高まりや、諸コスト上昇の影響を受ける。また、農水省による輸入小麦の政府売渡価格改定も収益環境に影響する。一方で家庭用冷凍食品では、時短・簡便ニーズを背景に市場が拡大している。同社は2022年秋から(株)刀との協業を通じてマーケティングを強化し、乾燥・冷凍パスタは市場を上回る成長を実現した。2025年4月には商品開発と営業支援活動を統合的に運用するため、マーケティング本部を新設している。
2025年3月期は、売上高410,878百万円(前期比2.6%増)、営業利益21,486百万円(同5.6%増)、経常利益24,393百万円(同4.8%増)、当期純利益24,757百万円(同6.1%減)であった。売上は、外食やインバウンド需要の拡大、価格改定、オーマイプレミアムの販売好調が増収に寄与し、過去最高売上を更新した。利益面では、人件費や物流費など諸コストの増加があったものの増収効果により、営業利益、経常利益は過去最高を更新した。一方、当期純利益は、投資有価証券売却益の減少や法人税の増加により減益となった。
2026年3月期中間期は、売上高207,903百万円(前年同期比1.5%増)、営業利益10,855百万円(同3.1%増)、経常利益12,130百万円(同0.3%増)、中間純利益9,269百万円(同34.0%減)であった。売上は、インバウンドやマーケティング強化による販売促進並びに諸コストの上昇に実施した価格改定が寄与し増収となった。利益面では、生産性向上によりコスト増を吸収し、営業利益・経常利益は増益を確保した。中間純利益は前年の遊休地売却益の反動で減益となった。
2026年3月期通期では、売上高424,000百万円(前期比3.2%増)、営業利益21,500百万円(同0.1%増)、経常利益24,500百万円(同0.4%増)、当期純利益20,200百万円(同18.4%減)を予想する。製粉事業は販売数量は増加するものの粉価改定により減収を見込む。一方、食品事業とその他事業は堅調に推移し、過去最高売上の更新を目指す。利益面では、引き続き諸コストの増加に加えて、新工場稼働に伴う償却負担の増加があるものの、増収効果が上回り、営業利益は過去最高を更新する見通し。
同社は、「長期ビジョン2030」を策定し、総合食品企業として食による社会課題解決に取り組んでいる。2027年3月期を最終年度とする5ヶ年の中期目標では、売上高4,500億円、営業利益210億円、ROE8%以上、ROIC5%以上を掲げている。基盤領域の収益力強化と成長領域及び新規事業領域への戦略投資を主な基本方針とし、冷凍食品と海外事業を重点事業としている。設備投資も積極的に進めており、新工場では自動化とDXによる高効率な生産体制が導入される。具体的には、知多製粉新工場は2026年2月に、連結子会社化した畑中食品の冷凍食品新工場は2026年度末にそれぞれ稼働予定である。海外は北米とアジアでの事業拡大を目指し、出資した米国のユタ製粉工場はすでに稼働し、ベトナムではプレミックス工場の建設も進めている。また、M&Aや事業提携については、既存事業とのシナジー発揮や事業拡大を念頭に、機会を追求する方針である。これらの取り組みを通じて、2030年度に売上高5,000億円、営業利益250億円の達成を目指している。
株主還元は、安定的かつ持続的な配当を基本方針とし、特殊要因を除いた連結配当性向30%以上を目安に配当増加を目指している。2025年3月期の年間配当金は66.0円であり、2026年3月期も同額を予定している。併せて、40億円を上限とする自己株式取得を実施し、2026年3月末までの完了を予定している。これにより総還元性向の向上に努める。また、株主優待制度も導入している。
株価はPBRは0.7倍台で推移しており、過去最高更新が続く業績や成長投資の進捗を十分に織り込んでいないとみられ、割安水準にある。
<NH>
事業は、製粉、食品、その他の3セグメントで構成される。売上構成比は製粉が3割、食品が6割、その他が1割程度である。製粉事業では国内最大級の千葉工場をはじめ全国展開し、最近では作りたてのような食感が長持ちする「やわら小麦」を用いた小麦粉商品の供給を開始した。食品事業では家庭用小麦粉、パスタ(「オーマイ」「オーマイプレミアム」)や冷凍食品などを展開し、付加価値の高い冷凍パスタやワンプレート商品を強化している。その他事業はペットフード、健康食品、外食などを手掛ける。
事業環境は、外食やインバウンド需要が追い風となる一方、インフレに伴う節約志向の高まりや、諸コスト上昇の影響を受ける。また、農水省による輸入小麦の政府売渡価格改定も収益環境に影響する。一方で家庭用冷凍食品では、時短・簡便ニーズを背景に市場が拡大している。同社は2022年秋から(株)刀との協業を通じてマーケティングを強化し、乾燥・冷凍パスタは市場を上回る成長を実現した。2025年4月には商品開発と営業支援活動を統合的に運用するため、マーケティング本部を新設している。
2025年3月期は、売上高410,878百万円(前期比2.6%増)、営業利益21,486百万円(同5.6%増)、経常利益24,393百万円(同4.8%増)、当期純利益24,757百万円(同6.1%減)であった。売上は、外食やインバウンド需要の拡大、価格改定、オーマイプレミアムの販売好調が増収に寄与し、過去最高売上を更新した。利益面では、人件費や物流費など諸コストの増加があったものの増収効果により、営業利益、経常利益は過去最高を更新した。一方、当期純利益は、投資有価証券売却益の減少や法人税の増加により減益となった。
2026年3月期中間期は、売上高207,903百万円(前年同期比1.5%増)、営業利益10,855百万円(同3.1%増)、経常利益12,130百万円(同0.3%増)、中間純利益9,269百万円(同34.0%減)であった。売上は、インバウンドやマーケティング強化による販売促進並びに諸コストの上昇に実施した価格改定が寄与し増収となった。利益面では、生産性向上によりコスト増を吸収し、営業利益・経常利益は増益を確保した。中間純利益は前年の遊休地売却益の反動で減益となった。
2026年3月期通期では、売上高424,000百万円(前期比3.2%増)、営業利益21,500百万円(同0.1%増)、経常利益24,500百万円(同0.4%増)、当期純利益20,200百万円(同18.4%減)を予想する。製粉事業は販売数量は増加するものの粉価改定により減収を見込む。一方、食品事業とその他事業は堅調に推移し、過去最高売上の更新を目指す。利益面では、引き続き諸コストの増加に加えて、新工場稼働に伴う償却負担の増加があるものの、増収効果が上回り、営業利益は過去最高を更新する見通し。
同社は、「長期ビジョン2030」を策定し、総合食品企業として食による社会課題解決に取り組んでいる。2027年3月期を最終年度とする5ヶ年の中期目標では、売上高4,500億円、営業利益210億円、ROE8%以上、ROIC5%以上を掲げている。基盤領域の収益力強化と成長領域及び新規事業領域への戦略投資を主な基本方針とし、冷凍食品と海外事業を重点事業としている。設備投資も積極的に進めており、新工場では自動化とDXによる高効率な生産体制が導入される。具体的には、知多製粉新工場は2026年2月に、連結子会社化した畑中食品の冷凍食品新工場は2026年度末にそれぞれ稼働予定である。海外は北米とアジアでの事業拡大を目指し、出資した米国のユタ製粉工場はすでに稼働し、ベトナムではプレミックス工場の建設も進めている。また、M&Aや事業提携については、既存事業とのシナジー発揮や事業拡大を念頭に、機会を追求する方針である。これらの取り組みを通じて、2030年度に売上高5,000億円、営業利益250億円の達成を目指している。
株主還元は、安定的かつ持続的な配当を基本方針とし、特殊要因を除いた連結配当性向30%以上を目安に配当増加を目指している。2025年3月期の年間配当金は66.0円であり、2026年3月期も同額を予定している。併せて、40億円を上限とする自己株式取得を実施し、2026年3月末までの完了を予定している。これにより総還元性向の向上に努める。また、株主優待制度も導入している。
株価はPBRは0.7倍台で推移しており、過去最高更新が続く業績や成長投資の進捗を十分に織り込んでいないとみられ、割安水準にある。
<NH>
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