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プリモGHD Research Memo(7):中計目標にROE13%以上を追加。海外展開拡大と国内の収益力強化を目指す
配信日時:2025/12/19 13:07
配信元:FISCO
*13:07JST プリモGHD Research Memo(7):中計目標にROE13%以上を追加。海外展開拡大と国内の収益力強化を目指す
■中長期の成長戦略
● 中期経営計画と進捗状況
(1) 中期経営計画(FY2025-2027)
プリモグローバルホールディングス<367A>は「最高(プリモ)の夢(おもい)を最高(プリモ)の幸(かたち)に」を掲げ、国内外の店舗投資と人財・DXへの投資を両輪に、収益性と成長性を同時に高める中期経営計画を推進している。数値目標は、2024年8月期実績(連結売上収益249億円、連結事業利益22億円、同利益率9%)を起点に、売上収益はCAGR5〜7%程度、事業利益はCAGR10〜15%程度、事業利益率は2027年8月期に12%以上へ引き上げるというもの。収益性の定点指標としてROEも2027年8月期に13%以上を掲げ、資本効率の持続的改善を目指す。
成長戦略の主要施策としては、海外展開戦略、マルチブランド戦略、CRM戦略を掲げている。
海外展開戦略については、日本発の高品質な商品と顧客体験モデル(セレクトオーダー・ホスピタリティ)を水平展開しつつ、各地域の購買行動に合わせて広告・販売体制を最適化し、既存店の活性化と出店拡大を推進しようとしている。とりわけアジアには広大なブライダルジュエリー市場が広がっており、所得水準の向上においても非常に魅力的なマーケットと認識している。
地域別では、台湾や香港については10年以上前から進出しているため一定の売上規模や収益性を確保しているものの、大幅な収益拡大は見込みにくくなっている。一方、中国本土については、カントリーリスクはあるものの圧倒的な人口を背景としたポテンシャルがあり、成長戦略には不可欠なセグメントである。また、東南アジアについては、婚姻時に結婚指輪を贈る文化がある国が多く、日本式の「おもてなし」に対して共感性が高い地域へ優先的に進出する方針である。なお、中国本土では2025年8月期に黒字化を達成したことを受け、当初2027年8月期としていた新規出店を前倒しし、2026年8月期に3店舗を開設予定である。東南アジアはシンガポールに続き、マレーシアへの出店を2026年8月期に実施する方針で、将来的にはベトナムやインドネシアなどの有望地域へ展開領域を広げる考えだ。
海外展開においては一定のリスクがあるものの、同社は2007年に台湾に進出して以来、18年間の海外展開の実績があり、事前に入念な調査を行ったうえで地域分散しているため、業績の安定性に寄与している部分はある。また、アジア地域では所得の向上が続いており、中長期的にも同社ビジネスの成長ドライバーになっていくものと考える。
マルチブランド戦略では、国内事業では顧客層・価格帯に合わせて「I-PRIMO」「LAZARE DIAMOND」の2ブランド、海外事業では「I-PRIMO」に提携ブランドである「K.UNO」「STAR JEWELRY」を加えた3ブランドを使い分けて顧客獲得を推進している。
CRM戦略においては、年間約4万組の顧客データを基盤に、結婚後の記念日(5周年・10周年など)や出産時のベビーリング/誕生石リングといった提案を継続的に行い、1組当たりのLTV(Life Time Value)を高める施策を進めている。CRMは既存顧客向けの販売となるため追加でのマーケティング費用は軽微であり、数年に一度、再購入を促すことで、既存店の売上向上と利益率の改善を目指している。
(2) 財務目標と投資計画
同社では、中期経営計画の最終年度である2027年8月期における財務目標を、1)連結売上収益:CAGR5~7%程度(2025年8月期実績280億円)、2)連結事業利益:CAGR10~15%程度(同33億円)、3)連結事業利益率:12%以上(同11.9%)、4)ROE:13%以上(同11%)と設定し、足元の進捗は計画を上回って推移している。2025年8月期は売上収益280億円、事業利益33億円、事業利益率11.9%と過去最高を更新し、利益率は中計水準に接近。2026年8月期ガイダンスでも売上収益300億円(前期比7.1%増)、営業利益36.5億円(同16.5%増)、営業利益率12.2%を見込むなど、達成時期の前倒しを視野に入れている。
キャッシュ・アロケーションは、本業の高いキャッシュ創出力を背景に「成長投資」と「株主還元」を両立するとしている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 三浦 健太郎)
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● 中期経営計画と進捗状況
(1) 中期経営計画(FY2025-2027)
プリモグローバルホールディングス<367A>は「最高(プリモ)の夢(おもい)を最高(プリモ)の幸(かたち)に」を掲げ、国内外の店舗投資と人財・DXへの投資を両輪に、収益性と成長性を同時に高める中期経営計画を推進している。数値目標は、2024年8月期実績(連結売上収益249億円、連結事業利益22億円、同利益率9%)を起点に、売上収益はCAGR5〜7%程度、事業利益はCAGR10〜15%程度、事業利益率は2027年8月期に12%以上へ引き上げるというもの。収益性の定点指標としてROEも2027年8月期に13%以上を掲げ、資本効率の持続的改善を目指す。
成長戦略の主要施策としては、海外展開戦略、マルチブランド戦略、CRM戦略を掲げている。
海外展開戦略については、日本発の高品質な商品と顧客体験モデル(セレクトオーダー・ホスピタリティ)を水平展開しつつ、各地域の購買行動に合わせて広告・販売体制を最適化し、既存店の活性化と出店拡大を推進しようとしている。とりわけアジアには広大なブライダルジュエリー市場が広がっており、所得水準の向上においても非常に魅力的なマーケットと認識している。
地域別では、台湾や香港については10年以上前から進出しているため一定の売上規模や収益性を確保しているものの、大幅な収益拡大は見込みにくくなっている。一方、中国本土については、カントリーリスクはあるものの圧倒的な人口を背景としたポテンシャルがあり、成長戦略には不可欠なセグメントである。また、東南アジアについては、婚姻時に結婚指輪を贈る文化がある国が多く、日本式の「おもてなし」に対して共感性が高い地域へ優先的に進出する方針である。なお、中国本土では2025年8月期に黒字化を達成したことを受け、当初2027年8月期としていた新規出店を前倒しし、2026年8月期に3店舗を開設予定である。東南アジアはシンガポールに続き、マレーシアへの出店を2026年8月期に実施する方針で、将来的にはベトナムやインドネシアなどの有望地域へ展開領域を広げる考えだ。
海外展開においては一定のリスクがあるものの、同社は2007年に台湾に進出して以来、18年間の海外展開の実績があり、事前に入念な調査を行ったうえで地域分散しているため、業績の安定性に寄与している部分はある。また、アジア地域では所得の向上が続いており、中長期的にも同社ビジネスの成長ドライバーになっていくものと考える。
マルチブランド戦略では、国内事業では顧客層・価格帯に合わせて「I-PRIMO」「LAZARE DIAMOND」の2ブランド、海外事業では「I-PRIMO」に提携ブランドである「K.UNO」「STAR JEWELRY」を加えた3ブランドを使い分けて顧客獲得を推進している。
CRM戦略においては、年間約4万組の顧客データを基盤に、結婚後の記念日(5周年・10周年など)や出産時のベビーリング/誕生石リングといった提案を継続的に行い、1組当たりのLTV(Life Time Value)を高める施策を進めている。CRMは既存顧客向けの販売となるため追加でのマーケティング費用は軽微であり、数年に一度、再購入を促すことで、既存店の売上向上と利益率の改善を目指している。
(2) 財務目標と投資計画
同社では、中期経営計画の最終年度である2027年8月期における財務目標を、1)連結売上収益:CAGR5~7%程度(2025年8月期実績280億円)、2)連結事業利益:CAGR10~15%程度(同33億円)、3)連結事業利益率:12%以上(同11.9%)、4)ROE:13%以上(同11%)と設定し、足元の進捗は計画を上回って推移している。2025年8月期は売上収益280億円、事業利益33億円、事業利益率11.9%と過去最高を更新し、利益率は中計水準に接近。2026年8月期ガイダンスでも売上収益300億円(前期比7.1%増)、営業利益36.5億円(同16.5%増)、営業利益率12.2%を見込むなど、達成時期の前倒しを視野に入れている。
キャッシュ・アロケーションは、本業の高いキャッシュ創出力を背景に「成長投資」と「株主還元」を両立するとしている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 三浦 健太郎)
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