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プリモGHD Research Memo(3):国内事業で磨き上げた“最高の顧客体験”を海外市場に展開(1)
配信日時:2025/12/19 13:03
配信元:FISCO
*13:03JST プリモGHD Research Memo(3):国内事業で磨き上げた“最高の顧客体験”を海外市場に展開(1)
■プリモグローバルホールディングス<367A>の事業概要
1. 事業ポートフォリオ概況
同社の収益源は「国内事業」と「海外事業」の2本柱で、2025年8月期の地域別売上収益は、国内事業が62.6%、海外事業が37.4%で、国内事業が骨格を成しつつも、アジア各地域の寄与が着実に拡大している。
主力は自社ブランド「I-PRIMO」と、国内における商標権を取得した「LAZARE DIAMOND」の2本柱で、国内事業は47都道府県を網羅する販売網と、長期にわたる人財育成に裏付けされた接客力を基盤に高い収益性と既存店成長を確保している。海外事業は中国本土・台湾・香港・シンガポールに進出し、マルチブランド展開しており、出店余地の大きいアジア地域が今後の成長の伸びしろとなる。また、「K.UNO」「STAR JEWELRY」と海外提携しており、台湾及び中国本土で店舗運営している。セグメント利益の構成は国内事業79.5%、海外事業20.5%で、利益面は国内事業の比重が高い一方、海外事業は増益基調でポートフォリオのバランス改善が進んでいる。国内事業のブランド・顧客体験の磨き上げと、海外事業の選択的出店・営業体制強化で、売上の多地域化とマルチブランド化、利益の多極化を同時に追求している。
2. 国内事業
国内事業は同社の中核であり、「I-PRIMO」と「LAZARE DIAMOND」を主力に全国で最大級の販売網と日本発のホスピタリティを武器に安定成長を続けている。国内店舗は主要都市の繁華街・商業施設・百貨店に広く展開し、来店前の認知獲得から店頭の顧客体験、購入後のアフターサービスまで一連の顧客サービスを統合して磨き込むモデルを構築している。ビジネスモデルの核は、ダイヤモンドとリングを自由に組み合わせる“セレクトオーダー”である。顧客が希望するデザインや価格等に応じて商品を組み合わせて提供することができるため、初めてのリング選びでも顧客は安心して購入することができる。また、受注後に仕入発注することによって在庫回転が高まる資本効率の観点でのメリットもある。店頭ではタブレットや専用計測ツールを活用したカウンセリング・コンサルティングにより、顧客満足と成約率の双方を押し上げている。同社は一貫して、一生に一度の買い物に対する“最高の顧客体験”の提供を心掛けており、そのための人財育成等、人的資本に注力している。
商品面では、「I-PRIMO」が200種超のデザイン、着け心地の良さ、幅広い価格帯での商品展開により、ブライダルジュエリー顧客の需要を幅広く取り込み、「LAZARE DIAMOND」はダイヤモンドが理想的に輝くプロモーションである「アイディアルメイク」により、ダイヤモンドの輝きにこだわる層へ訴求する。両ブランドの棲み分けによって、景気の変動等の外部環境に左右されにくいブライダル需要を安定的に獲得しつつ、単価と利益率のバランスを最適化する構成となっている。足元の国内業績は好調で、広告販促の効果や価格の見直し、店舗移転・改装の寄与により2ケタの増収を実現している。営業利益も大幅に増加し、全社の利益成長をけん引している。四半期ベースでも売上成長は右肩上がりとなっており、SNSやWebマーケティング等を通じた集客増や適時の価格転嫁、接客力改善などが相乗効果となって表れている。
同社の競争優位の源泉は、最高の顧客体験を創り上げる人財である。平均約2時間に及ぶコンサルテーション型接客と、洗練された所作・言葉遣いでの日本式の「おもてなし」により、初来店時から高い安心感と納得感を提供している。さらに入社後10年にわたる計画的育成カリキュラム「プリモカレッジ」で専門性とホスピタリティを継続的に磨き、店舗間の顧客サービス品質を均質化している。これらの仕組みが来店から成約への転換率を高水準へ押し上げ、顧客ロイヤルティと収益性の向上につながっている。一方、ビジネス上のリスクとしては、プラチナ等の原材料価格の急騰や消費マインドの変化など外部要因の影響が想定される。ただし結婚というライフイベントに連動する需要は一定の安定性があり、近年においても、結婚指輪の購入率は90%を超えている。また、共働きが増加したことから結婚時の夫婦年収は増加しているため、ブライダルジュエリー市場の規模及び販売単価が上昇傾向にある点は同社にとっても追い風になっている。そのため、中長期的には国内市場の縮小は懸念されるものの、足元においてはインフレ・所得増加の影響から、同社事業にとってはポジティブなトレンドが継続している。
総じて国内事業は継続的なブランド力・商品力・接客力の強化によって、質・量ともに高い成長とシェア拡大を続ける段階にある。今後は、移転・改装などハード面の強化、「I-PRIMO」と「LAZARE DIAMOND」のブランドポートフォリオ最適化、SNS等を通じた集客力強化を続け、店舗単位の収益性の持続的改善を見込む。国内最大級の顧客接点と最高の顧客体験の提供を起点に、国内市場でのプレゼンス拡大とキャッシュ創出の両立が期待される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 三浦 健太郎)
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1. 事業ポートフォリオ概況
同社の収益源は「国内事業」と「海外事業」の2本柱で、2025年8月期の地域別売上収益は、国内事業が62.6%、海外事業が37.4%で、国内事業が骨格を成しつつも、アジア各地域の寄与が着実に拡大している。
主力は自社ブランド「I-PRIMO」と、国内における商標権を取得した「LAZARE DIAMOND」の2本柱で、国内事業は47都道府県を網羅する販売網と、長期にわたる人財育成に裏付けされた接客力を基盤に高い収益性と既存店成長を確保している。海外事業は中国本土・台湾・香港・シンガポールに進出し、マルチブランド展開しており、出店余地の大きいアジア地域が今後の成長の伸びしろとなる。また、「K.UNO」「STAR JEWELRY」と海外提携しており、台湾及び中国本土で店舗運営している。セグメント利益の構成は国内事業79.5%、海外事業20.5%で、利益面は国内事業の比重が高い一方、海外事業は増益基調でポートフォリオのバランス改善が進んでいる。国内事業のブランド・顧客体験の磨き上げと、海外事業の選択的出店・営業体制強化で、売上の多地域化とマルチブランド化、利益の多極化を同時に追求している。
2. 国内事業
国内事業は同社の中核であり、「I-PRIMO」と「LAZARE DIAMOND」を主力に全国で最大級の販売網と日本発のホスピタリティを武器に安定成長を続けている。国内店舗は主要都市の繁華街・商業施設・百貨店に広く展開し、来店前の認知獲得から店頭の顧客体験、購入後のアフターサービスまで一連の顧客サービスを統合して磨き込むモデルを構築している。ビジネスモデルの核は、ダイヤモンドとリングを自由に組み合わせる“セレクトオーダー”である。顧客が希望するデザインや価格等に応じて商品を組み合わせて提供することができるため、初めてのリング選びでも顧客は安心して購入することができる。また、受注後に仕入発注することによって在庫回転が高まる資本効率の観点でのメリットもある。店頭ではタブレットや専用計測ツールを活用したカウンセリング・コンサルティングにより、顧客満足と成約率の双方を押し上げている。同社は一貫して、一生に一度の買い物に対する“最高の顧客体験”の提供を心掛けており、そのための人財育成等、人的資本に注力している。
商品面では、「I-PRIMO」が200種超のデザイン、着け心地の良さ、幅広い価格帯での商品展開により、ブライダルジュエリー顧客の需要を幅広く取り込み、「LAZARE DIAMOND」はダイヤモンドが理想的に輝くプロモーションである「アイディアルメイク」により、ダイヤモンドの輝きにこだわる層へ訴求する。両ブランドの棲み分けによって、景気の変動等の外部環境に左右されにくいブライダル需要を安定的に獲得しつつ、単価と利益率のバランスを最適化する構成となっている。足元の国内業績は好調で、広告販促の効果や価格の見直し、店舗移転・改装の寄与により2ケタの増収を実現している。営業利益も大幅に増加し、全社の利益成長をけん引している。四半期ベースでも売上成長は右肩上がりとなっており、SNSやWebマーケティング等を通じた集客増や適時の価格転嫁、接客力改善などが相乗効果となって表れている。
同社の競争優位の源泉は、最高の顧客体験を創り上げる人財である。平均約2時間に及ぶコンサルテーション型接客と、洗練された所作・言葉遣いでの日本式の「おもてなし」により、初来店時から高い安心感と納得感を提供している。さらに入社後10年にわたる計画的育成カリキュラム「プリモカレッジ」で専門性とホスピタリティを継続的に磨き、店舗間の顧客サービス品質を均質化している。これらの仕組みが来店から成約への転換率を高水準へ押し上げ、顧客ロイヤルティと収益性の向上につながっている。一方、ビジネス上のリスクとしては、プラチナ等の原材料価格の急騰や消費マインドの変化など外部要因の影響が想定される。ただし結婚というライフイベントに連動する需要は一定の安定性があり、近年においても、結婚指輪の購入率は90%を超えている。また、共働きが増加したことから結婚時の夫婦年収は増加しているため、ブライダルジュエリー市場の規模及び販売単価が上昇傾向にある点は同社にとっても追い風になっている。そのため、中長期的には国内市場の縮小は懸念されるものの、足元においてはインフレ・所得増加の影響から、同社事業にとってはポジティブなトレンドが継続している。
総じて国内事業は継続的なブランド力・商品力・接客力の強化によって、質・量ともに高い成長とシェア拡大を続ける段階にある。今後は、移転・改装などハード面の強化、「I-PRIMO」と「LAZARE DIAMOND」のブランドポートフォリオ最適化、SNS等を通じた集客力強化を続け、店舗単位の収益性の持続的改善を見込む。国内最大級の顧客接点と最高の顧客体験の提供を起点に、国内市場でのプレゼンス拡大とキャッシュ創出の両立が期待される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 三浦 健太郎)
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