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高島 Research Memo(2):省エネ化・省力化で顧客に貢献する「サステナの先進商社」(1)
配信日時:2025/12/19 12:32
配信元:FISCO
*12:32JST 高島 Research Memo(2):省エネ化・省力化で顧客に貢献する「サステナの先進商社」(1)
■会社概要
1. 会社概要
高島<8007>は、「事業を通じて社会に貢献する」という企業使命の下、1915年に創業した機能商社である。機能商社とは「過度に広範な市場展開を追求するのではなく、ターゲット市場における顧客価値の追求を重視する」ことを基本姿勢とし、顧客にとって真に必要な機能・ソリューションをテーラーメイドで提供することで、より高い収益性を実現するビジネスモデルのことである。
また、国内・海外ともに多くの事業拠点を構えているところも、顧客への価値提供を実現するうえで重要なポイントとなっている。2025年6月末時点の同社グループは、同社及び連結子会社30社(うち海外6社)、関連会社3社で構成されている。加えて協力工場・パートナー企業なども国内・アジアに多く抱え、顧客のビジネスをグローバルにサポートしている。
2. 事業内容
同社は、建材セグメント、産業資材セグメント、電子・デバイスセグメントの3つで事業を展開している。2026年3月期中間期のセグメント別売上高構成は、建材セグメントが64.7%、産業資材セグメントが19.6%、電子・デバイスセグメントが15.6%となった。バリューチェーンの上流工程である企画・設計から下流の施工・サポートまで幅広い範囲にわたって顧客ニーズに合わせて商流をデザインし、顧客の省エネ化・省力化に貢献するとともにサステナビリティ社会の実現に寄与している。
(1) 建材セグメント
売上高構成比で64.7%(2026年3月期中間期。以下同)を占める中核事業で、「非住宅」「住宅」「再生可能エネルギー資材」の3分野で構成されている。住宅及び非住宅建築物向け外壁材、基礎杭工法、断熱材、太陽光パネル関連資材、インテリアなど、建設・建装に関わる様々な商材・ソリューションを取りそろえている。全国規模の販売・工事ネットワークを生かして、企画・設計から施工までバリューチェーン全体にわたって顧客をサポートしている。商流をデザインし、顧客価値を創出する事例としては、ハウスビルダー向け断熱材フルプレカットが挙げられる。物件ごとに割付(断熱材の取り付け位置・寸法を決める詳細な図面を作成すること)図に基づく「加工」を行い、加工後の断熱材を施工現場に個別配送する。同社が加工・物流機能まで担うことで、工事現場の省力化と工期の短縮を実現している。今後は、中期経営計画「サステナV(バリュー)」の下で、将来的な需要拡大が見込まれる再生可能エネルギー資材に注力する方針だ。具体的には、太陽光発電・EV(電気自動車)関連に積極投資していく。その一例として、2022年12月に買収した新エネルギー流通システム(株)、2025年2月に傘下に加えたサンワホールディングスが挙げられる。両社が持つ施工機能と高島の持つ販売機能を組み合わせ、ソリューション提供能力をさらに向上していく。
a) 非住宅
大型物流施設や工場を主とした非住宅建築物で使用する高機能な建設資材(壁材・耐火被覆材など)やパイル・土木資材(基礎杭、地盤改良工法、EDO-EPS工法、プラスチック製地下貯留浸透ブロックなど)をはじめとする各種商材を顧客のニーズに合わせて提供している。全国規模の販売・工事ネットワークを活用し、設計検討段階から施工の段階まで、バリューチェーンのすべての工程で顧客の業務効率化に貢献するソリューションを提供している。また、食品工場・物流倉庫などの非住宅建築物に冷凍・冷蔵空間を実現する断熱パネルに多彩で高機能な断熱材・工法を提供し、省エネ化に寄与している。2023年6月には、地盤調査・地盤改良に関して、設計・施工まで一貫して対応できるトータルソリューションの提供により、中四国においてリーディングカンパニーの地位を確立している岩水開発(株)を完全子会社化している。2025年2月には、産業用・住宅用太陽光発電システムの販売・施工を合わせて10,000件以上の実績を持ち、太陽光発電システムに特化した全国ネットワークを構築し、用地取得からメンテナンスまでワンストップで対応している(株)サンワシステムを中心とするグループ会社14社を有するサンワホールディングスを完全子会社している。このM&Aにより、同社が持つ設計・施工機能が強化され、顧客提供価値がさらに高まっている状況だ。
b) 住宅
ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)をはじめ、多様化する住宅に対応し、住環境の安全性・快適性・省エネ性の向上に欠かせない商材(外壁材・屋根材・オール電化商材・断熱材)に加え、各種カウンター(キッチンカウンターや洗面化粧台向け人工大理石)の加工や施工、内装に関わる様々な商材を提供している。その他、ハウスビルダー向けに断熱材をフルプレカットし、割付・加工・物流機能を同社が担うことで、工事現場における採寸・カット・廃棄作業の省力化に寄与している。
c) 再生可能エネルギー資材
1994年から再生可能エネルギー資材分野に先駆けて取り組み、住宅用太陽光発電システム市場において業界トップクラスの実績を誇る。産業用・住宅用太陽光発電システムや蓄電池・自社開発架台などの創蓄に関わる商材を包括的に取りそろえており、将来的なEV時代の本格的な到来を見据えて、V2H(Vehicle to Home。電気自動車に蓄積された電力を家庭用として有効活用する考え方)やソーラーカーポートの販売にも注力する。2022年12月には、太陽光発電システム及びV2Hの工事施工を全国で手掛ける新エネルギー流通システムを子会社化、2025年2月には産業用・住宅用太陽光発電システムの販売・施工をワンストップで行うサンワホールディングスを連結子会社化することで、事業規模の一段の拡大を図っている。
また、2024年8月に(株)DGキャピタルグループ傘下の事業会社である(株)DGパワーシステムとデジタルグリッド技術の普及に向け、合弁で(株)DG Takashimaを設立した。これまでも同社は、デジタルグリッド技術の普及を目的にDGキャピタルグループとの資本提携を進めてきたが、今後、同技術をさらに普及させるため、デジタルグリッドルーターの開発及び製造を行っているDGパワーシステムと合弁会社を設立した。「電力のインターネット化」を可能とするデジタルグリッド技術は市場の黎明期にある。今後、需要の高まりが予想されるグリッドフォーミング機能を有するインバーターであるデジタルグリッドルーターの製造及び供給・販売を手掛けることにより、市場を黎明期から普及期、成長期へと拡大し業績向上を目指す。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林拓馬)
<HN>
1. 会社概要
高島<8007>は、「事業を通じて社会に貢献する」という企業使命の下、1915年に創業した機能商社である。機能商社とは「過度に広範な市場展開を追求するのではなく、ターゲット市場における顧客価値の追求を重視する」ことを基本姿勢とし、顧客にとって真に必要な機能・ソリューションをテーラーメイドで提供することで、より高い収益性を実現するビジネスモデルのことである。
また、国内・海外ともに多くの事業拠点を構えているところも、顧客への価値提供を実現するうえで重要なポイントとなっている。2025年6月末時点の同社グループは、同社及び連結子会社30社(うち海外6社)、関連会社3社で構成されている。加えて協力工場・パートナー企業なども国内・アジアに多く抱え、顧客のビジネスをグローバルにサポートしている。
2. 事業内容
同社は、建材セグメント、産業資材セグメント、電子・デバイスセグメントの3つで事業を展開している。2026年3月期中間期のセグメント別売上高構成は、建材セグメントが64.7%、産業資材セグメントが19.6%、電子・デバイスセグメントが15.6%となった。バリューチェーンの上流工程である企画・設計から下流の施工・サポートまで幅広い範囲にわたって顧客ニーズに合わせて商流をデザインし、顧客の省エネ化・省力化に貢献するとともにサステナビリティ社会の実現に寄与している。
(1) 建材セグメント
売上高構成比で64.7%(2026年3月期中間期。以下同)を占める中核事業で、「非住宅」「住宅」「再生可能エネルギー資材」の3分野で構成されている。住宅及び非住宅建築物向け外壁材、基礎杭工法、断熱材、太陽光パネル関連資材、インテリアなど、建設・建装に関わる様々な商材・ソリューションを取りそろえている。全国規模の販売・工事ネットワークを生かして、企画・設計から施工までバリューチェーン全体にわたって顧客をサポートしている。商流をデザインし、顧客価値を創出する事例としては、ハウスビルダー向け断熱材フルプレカットが挙げられる。物件ごとに割付(断熱材の取り付け位置・寸法を決める詳細な図面を作成すること)図に基づく「加工」を行い、加工後の断熱材を施工現場に個別配送する。同社が加工・物流機能まで担うことで、工事現場の省力化と工期の短縮を実現している。今後は、中期経営計画「サステナV(バリュー)」の下で、将来的な需要拡大が見込まれる再生可能エネルギー資材に注力する方針だ。具体的には、太陽光発電・EV(電気自動車)関連に積極投資していく。その一例として、2022年12月に買収した新エネルギー流通システム(株)、2025年2月に傘下に加えたサンワホールディングスが挙げられる。両社が持つ施工機能と高島の持つ販売機能を組み合わせ、ソリューション提供能力をさらに向上していく。
a) 非住宅
大型物流施設や工場を主とした非住宅建築物で使用する高機能な建設資材(壁材・耐火被覆材など)やパイル・土木資材(基礎杭、地盤改良工法、EDO-EPS工法、プラスチック製地下貯留浸透ブロックなど)をはじめとする各種商材を顧客のニーズに合わせて提供している。全国規模の販売・工事ネットワークを活用し、設計検討段階から施工の段階まで、バリューチェーンのすべての工程で顧客の業務効率化に貢献するソリューションを提供している。また、食品工場・物流倉庫などの非住宅建築物に冷凍・冷蔵空間を実現する断熱パネルに多彩で高機能な断熱材・工法を提供し、省エネ化に寄与している。2023年6月には、地盤調査・地盤改良に関して、設計・施工まで一貫して対応できるトータルソリューションの提供により、中四国においてリーディングカンパニーの地位を確立している岩水開発(株)を完全子会社化している。2025年2月には、産業用・住宅用太陽光発電システムの販売・施工を合わせて10,000件以上の実績を持ち、太陽光発電システムに特化した全国ネットワークを構築し、用地取得からメンテナンスまでワンストップで対応している(株)サンワシステムを中心とするグループ会社14社を有するサンワホールディングスを完全子会社している。このM&Aにより、同社が持つ設計・施工機能が強化され、顧客提供価値がさらに高まっている状況だ。
b) 住宅
ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)をはじめ、多様化する住宅に対応し、住環境の安全性・快適性・省エネ性の向上に欠かせない商材(外壁材・屋根材・オール電化商材・断熱材)に加え、各種カウンター(キッチンカウンターや洗面化粧台向け人工大理石)の加工や施工、内装に関わる様々な商材を提供している。その他、ハウスビルダー向けに断熱材をフルプレカットし、割付・加工・物流機能を同社が担うことで、工事現場における採寸・カット・廃棄作業の省力化に寄与している。
c) 再生可能エネルギー資材
1994年から再生可能エネルギー資材分野に先駆けて取り組み、住宅用太陽光発電システム市場において業界トップクラスの実績を誇る。産業用・住宅用太陽光発電システムや蓄電池・自社開発架台などの創蓄に関わる商材を包括的に取りそろえており、将来的なEV時代の本格的な到来を見据えて、V2H(Vehicle to Home。電気自動車に蓄積された電力を家庭用として有効活用する考え方)やソーラーカーポートの販売にも注力する。2022年12月には、太陽光発電システム及びV2Hの工事施工を全国で手掛ける新エネルギー流通システムを子会社化、2025年2月には産業用・住宅用太陽光発電システムの販売・施工をワンストップで行うサンワホールディングスを連結子会社化することで、事業規模の一段の拡大を図っている。
また、2024年8月に(株)DGキャピタルグループ傘下の事業会社である(株)DGパワーシステムとデジタルグリッド技術の普及に向け、合弁で(株)DG Takashimaを設立した。これまでも同社は、デジタルグリッド技術の普及を目的にDGキャピタルグループとの資本提携を進めてきたが、今後、同技術をさらに普及させるため、デジタルグリッドルーターの開発及び製造を行っているDGパワーシステムと合弁会社を設立した。「電力のインターネット化」を可能とするデジタルグリッド技術は市場の黎明期にある。今後、需要の高まりが予想されるグリッドフォーミング機能を有するインバーターであるデジタルグリッドルーターの製造及び供給・販売を手掛けることにより、市場を黎明期から普及期、成長期へと拡大し業績向上を目指す。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林拓馬)
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