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コニシ Research Memo(1):2026年3月期は増収増益を見込む。2027年3月期に営業利益115億円目指す
配信日時:2025/12/19 12:01
配信元:FISCO
*12:01JST コニシ Research Memo(1):2026年3月期は増収増益を見込む。2027年3月期に営業利益115億円目指す
■要約
コニシ<4956>は、「ボンド」ブランドで知られる国内トップクラスの接着剤・シーリング材メーカーである。一般家庭用が有名であるが、産業用、住宅・建材用、建築・土木用と幅広い製品を揃えており、主たる市場は住宅・建築・土木関連である。
1. 2026年3月期中間期の業績概要
2026年3月期中間期の業績は、売上高65,533百万円(前年同期比0.2%減)、営業利益4,622百万円(同4.7%減)、経常利益4,865百万円(同5.8%減)、親会社株主に帰属する中間純利益3,299百万円(同1.4%減)となった※。減価償却費の増加により期初から営業減益を予想していたため、ほぼ計画線の着地であったと言える。EBITDA(償却前営業利益=営業利益+減価償却費+のれん償却費)は6,122百万円(前年同期比4.4%増)であった。セグメント別では、主力のボンドは新製品の新規採用と販売価格改善により増収となったが、栃木工場の新水性製造所の稼働などによる減価償却費の増加で減益となった。化成品は各業界向け商材が順調に推移し増収となったが、子会社の販管費増加により減益となった。工事事業は減収となったものの、工事の進捗がほぼ計画どおりであったことから、セグメント利益は増益となった。
※ 2025年3月期まで「不動産賃貸」を「その他事業」として売上高・売上原価を計上していたが、2026年3月期から同事業の収益を「営業外収益」に計上している。前年同期も同様に遡及・修正されている。
2. 2026年3月期の業績見通し
2026年3月期の業績は、売上高142,000百万円(前期比4.5%増)、営業利益10,670百万円(同0.2%増)、経常利益11,200百万円(同0.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益8,100百万円(同0.2%増)を見込んでおり、期初予想を据え置いた。セグメント別では、ボンド事業の建築基準法改正による前期の駆け込み需要の影響が縮小することと、工事事業は工事の進捗が順調に推移することを見込み、通期業績計画の変更はない。主力のボンドでは、住宅用は弱含みの可能性があるが、市場開拓による販売数量増や価格改定の効果が残るため増収増益を見込んでいる。化成品は増収予想ながら利益率の改善(経費削減)により増益予想としている。工事事業では土木関係や補修・改修・補強需要が堅調に推移すると予想されるが、工期の長期化による利益計上の遅れにより減益を予想している。設備投資額は、6,127百万円(中間期実績2,191百万円)を予定、前期比では減少するが依然として高水準であり、減価償却費は3,129百万円(前期実績2,082百万円)と大幅に増加する見込みだ。そのため、営業利益の伸びは小幅にとどまっているが、EBITDAは同8.1%増を予想している。年間配当は、38.0円(予想配当性向31.1%)の予定である。
3. 中期経営計画
同社は、2027年3月期を最終年度とする中期経営計画を発表している。2027年3月期における定量的な目標値として、売上高1,500億円、営業利益115億円、EBITDA145億円を設定した。この間の設備投資額(累計)は、事業拡大・効率化を目的とした成長投資を中心に約150億円を計画しており、さらに株主還元も約120億円(自己株式取得約50億円、配当約70億円)を行う予定だ。今後これらの計画・目標がどのように進捗するか、定量的な目標の達成だけでなく、定性的にも同社がどのように変わるか注目したい。
■Key Points
・国内トップクラスの接着剤・シーリング材メーカー。販売先は産業用、住宅・建材用、建築・土木用など幅広い
・2026年3月期は営業利益は前期比0.2%増予想だが、EBITDAは同8.1%増を見込む
・中期経営計画に沿って、2027年3月期に営業利益115億円を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<HN>
コニシ<4956>は、「ボンド」ブランドで知られる国内トップクラスの接着剤・シーリング材メーカーである。一般家庭用が有名であるが、産業用、住宅・建材用、建築・土木用と幅広い製品を揃えており、主たる市場は住宅・建築・土木関連である。
1. 2026年3月期中間期の業績概要
2026年3月期中間期の業績は、売上高65,533百万円(前年同期比0.2%減)、営業利益4,622百万円(同4.7%減)、経常利益4,865百万円(同5.8%減)、親会社株主に帰属する中間純利益3,299百万円(同1.4%減)となった※。減価償却費の増加により期初から営業減益を予想していたため、ほぼ計画線の着地であったと言える。EBITDA(償却前営業利益=営業利益+減価償却費+のれん償却費)は6,122百万円(前年同期比4.4%増)であった。セグメント別では、主力のボンドは新製品の新規採用と販売価格改善により増収となったが、栃木工場の新水性製造所の稼働などによる減価償却費の増加で減益となった。化成品は各業界向け商材が順調に推移し増収となったが、子会社の販管費増加により減益となった。工事事業は減収となったものの、工事の進捗がほぼ計画どおりであったことから、セグメント利益は増益となった。
※ 2025年3月期まで「不動産賃貸」を「その他事業」として売上高・売上原価を計上していたが、2026年3月期から同事業の収益を「営業外収益」に計上している。前年同期も同様に遡及・修正されている。
2. 2026年3月期の業績見通し
2026年3月期の業績は、売上高142,000百万円(前期比4.5%増)、営業利益10,670百万円(同0.2%増)、経常利益11,200百万円(同0.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益8,100百万円(同0.2%増)を見込んでおり、期初予想を据え置いた。セグメント別では、ボンド事業の建築基準法改正による前期の駆け込み需要の影響が縮小することと、工事事業は工事の進捗が順調に推移することを見込み、通期業績計画の変更はない。主力のボンドでは、住宅用は弱含みの可能性があるが、市場開拓による販売数量増や価格改定の効果が残るため増収増益を見込んでいる。化成品は増収予想ながら利益率の改善(経費削減)により増益予想としている。工事事業では土木関係や補修・改修・補強需要が堅調に推移すると予想されるが、工期の長期化による利益計上の遅れにより減益を予想している。設備投資額は、6,127百万円(中間期実績2,191百万円)を予定、前期比では減少するが依然として高水準であり、減価償却費は3,129百万円(前期実績2,082百万円)と大幅に増加する見込みだ。そのため、営業利益の伸びは小幅にとどまっているが、EBITDAは同8.1%増を予想している。年間配当は、38.0円(予想配当性向31.1%)の予定である。
3. 中期経営計画
同社は、2027年3月期を最終年度とする中期経営計画を発表している。2027年3月期における定量的な目標値として、売上高1,500億円、営業利益115億円、EBITDA145億円を設定した。この間の設備投資額(累計)は、事業拡大・効率化を目的とした成長投資を中心に約150億円を計画しており、さらに株主還元も約120億円(自己株式取得約50億円、配当約70億円)を行う予定だ。今後これらの計画・目標がどのように進捗するか、定量的な目標の達成だけでなく、定性的にも同社がどのように変わるか注目したい。
■Key Points
・国内トップクラスの接着剤・シーリング材メーカー。販売先は産業用、住宅・建材用、建築・土木用など幅広い
・2026年3月期は営業利益は前期比0.2%増予想だが、EBITDAは同8.1%増を見込む
・中期経営計画に沿って、2027年3月期に営業利益115億円を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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