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SIGG Research Memo(3):幅広い業種・業態にソリューションを提供
配信日時:2025/12/18 13:03
配信元:FISCO
*13:03JST SIGG Research Memo(3):幅広い業種・業態にソリューションを提供
■事業概要
4. 特徴・強み
SIGグループ<4386>の顧客は大手企業が中心で、システム開発では地方自治体や電力会社などへの基幹システム系の導入実績が多数あり、創業以来30年以上の積み重ねで多様な導入ノウハウを蓄積している。そして、顧客のシステムニーズに応える技術と実績をベースに、DX対応を含めて幅広い業種・業態にソリューション提供できることを強みとしている。また2021年12月にAWSが提供するAPNにおいて「アドバンストティアサービスパートナー」に認定されている。現在ではAWS公式の認定資格保有者も数多く在籍しており、AWSの新規システム構築だけでなく、オンプレミスからAWSへの移行、既存AWSシステムのコスト最適化やセキュリティ強化などをワンストップで提供できることも強みだ。なお主要販売先としては官公庁・地方自治体・一般社団法人・大学等の公共分野のほか、日立製作所<6501>などがある。
プロジェクト進捗・品質管理を徹底
5. リスク要因・収益特性と課題・対策
システム開発・情報サービス産業における一般的なリスク要因としては、景気変動などによる企業のIT・DX投資抑制、市場競合の激化、不採算プロジェクトや品質不具合の発生、技術革新への対応遅れ、人材の確保・育成、協力会社・販売パートナーとの関係、法的規制などがある。また収益に関する一般的な季節要因として、顧客である官公庁・地方自治体及び一般企業の多くの年度末にあたる3月に案件クローズが集中しやすいため、売上高、営業利益とも1~3月期(同社の場合は第4四半期)が高い傾向にある。
企業のIT・DX投資については、一時的な抑制・停滞が発生しても、中長期的には高水準に推移することが予想され、同社にとって事業環境悪化への懸念は小さい。不採算プロジェクトや品質不具合の発生については、同社は受注前に顧客要件を十分に分析し、見積決済書による社内手続きのうえで受注している。さらに受注後は、開発工程ごとに進捗・品質管理を徹底し、個別プロジェクトの不採算化や不具合発生を防ぐことに努めている。技術革新への対応については、資本・業務提携しているベンチャー企業やIT企業との協業も行いながら、IT技術によるクラウド環境の構築、ネットワークセキュリティの提供、サービスアプリ開発などに取り組んでいる。また、マイナンバーカードを利用した連携サービスの開発や地方自治体のDXサポートなどにも力を入れている。
■業績動向
2026年3月期中間期は計画を上回る2ケタ増収・営業増益で過去最高
1. 2026年3月期中間期連結業績の概要
2026年3月期中間期の連結業績は売上高が前年同期比24.5%増の5,319百万円、営業利益が同11.3%増の341百万円、経常利益が同1.3%減の360百万円、親会社株主に帰属する中間純利益が同4.5%増の206百万円だった。前回予想(2025年5月13日付の期初公表値、売上高5,060百万円、営業利益316百万円、経常利益310百万円、親会社株主に帰属する中間純利益217百万円)に対して、売上高は259百万円、営業利益は25百万円それぞれ上回る2ケタ増収・営業増益で、いずれも中間期として過去最高だった。ACRの新規連結(売上高814百万円)が寄与したほか、既存事業もおおむね順調に推移して人件費の増加、M&Aに伴うのれん償却額の増加、管理コストの増加などを吸収した。経常利益は前年同期比では微減益だが、計画を50百万円上回った。親会社株主に帰属する中間純利益は計画を10百万円下回ったが、前年同期比では小幅増益だった。
売上総利益は同22.8%増加したが、売上総利益率は同0.3ポイント低下して21.3%となった。販管費は同28.6%増加し、販管費比率は同0.5ポイント上昇して14.9%となった。この結果、営業利益率は同0.8ポイント低下して6.4%となった。なお営業外収益では受取保険金12百万円を計上したほか、助成金収入が同5百万円増加(前年同期は9百万円、当期は14百万円)した一方で、保険解約返戻金が同44百万円減少(前年同期は46百万円、当期は1百万円)した。また特別利益では前年同期に計上した減損損失31百万円が一巡した。
システム開発事業、インフラ・セキュリティサービス事業とも順調に拡大
2. 事業別の動向
システム開発事業の売上高は前年同期比32.2%増の3,850百万円だった。大幅増収だった。一部の子会社において要員不足によりプロジェクトの体制構築に苦戦したものの、ACRの新規連結効果に加え、既存事業も主要取引先のDX案件の継続的な増加や新規取引先からの受注などで順調に推移した。分野別では特に公共系及びサービス系が拡大した。
インフラ・セキュリティサービス事業の売上高は同7.9%増の1,469百万円だった。一部案件の前倒しやクラウド案件の獲得など受注が順調に推移したほか、単価交渉の成果で高利益率案件が増加して収益性も向上した。分野別では特に金融系及びサービス系が好調に推移したほか、脆弱性診断案件やメールセキュリティ案件などセキュリティ分野も堅調に推移し、セキュリティコンサルティングや一次請け案件などにより高付加価値化も進展した。
なお分野別の状況としては、行政分野はガバメントクラウド移行支援の大型案件が稼働中であり、高稼働案件への一部体制変更を実施した。金融分野は部門連携による案件獲得が順調である。大手銀行系案件や一次請け案件の増加で今後も拡大見込みである。通信分野はMVNO(仮想移動体通信事業者)向けシステム開発案件の契約が継続し、単価交渉も継続しているほか、新規案件の体制強化も進行している。ヘルスケア分野は業界全体が好調で、引き合いも増加している。今後は対応可能な人材の獲得と安定稼働に注力する。電力分野はCIS開発支援やスマートメーター制御管理システム開発支援に拠点複合チームで対応しているほか、エネルギー系案件も新規案件獲得見込みである。交通分野はカーシェア関連の案件が増加しているほか、テレマティクス案件が安定稼働している。
また子会社別の売上高増減(内部取引等調整前)は、SIGのシステム開発分野は同157百万円増収だった。公共系・サービス系案件が拡大し、MVNOが堅調に推移したほか、既存システムの仮想基盤からクラウドへの移行案件が増加した。SIGのインフラ分野は50百万円増収だった。クラウド・セキュリティを中心とした案件が好調に推移し、地方拠点メンバーによる体制拡充で収益を確保した。また新技術領域への対応も進展した。ACTは84百万円増収だった。DX関連案件への要員シフトと増員を実施し、順調に推移した。UISは29百万円増収だった。開発分野は要因不足で計画を下回ったが、インフラ分野が一次請けの増加や単価アップにより計画を上回った。ACRは売上高の新規連結効果が814百万円だった。カーシェア関連の受注が増加したほか、利益面では外注費削減や外資製薬一次請け案件も寄与した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)
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4. 特徴・強み
SIGグループ<4386>の顧客は大手企業が中心で、システム開発では地方自治体や電力会社などへの基幹システム系の導入実績が多数あり、創業以来30年以上の積み重ねで多様な導入ノウハウを蓄積している。そして、顧客のシステムニーズに応える技術と実績をベースに、DX対応を含めて幅広い業種・業態にソリューション提供できることを強みとしている。また2021年12月にAWSが提供するAPNにおいて「アドバンストティアサービスパートナー」に認定されている。現在ではAWS公式の認定資格保有者も数多く在籍しており、AWSの新規システム構築だけでなく、オンプレミスからAWSへの移行、既存AWSシステムのコスト最適化やセキュリティ強化などをワンストップで提供できることも強みだ。なお主要販売先としては官公庁・地方自治体・一般社団法人・大学等の公共分野のほか、日立製作所<6501>などがある。
プロジェクト進捗・品質管理を徹底
5. リスク要因・収益特性と課題・対策
システム開発・情報サービス産業における一般的なリスク要因としては、景気変動などによる企業のIT・DX投資抑制、市場競合の激化、不採算プロジェクトや品質不具合の発生、技術革新への対応遅れ、人材の確保・育成、協力会社・販売パートナーとの関係、法的規制などがある。また収益に関する一般的な季節要因として、顧客である官公庁・地方自治体及び一般企業の多くの年度末にあたる3月に案件クローズが集中しやすいため、売上高、営業利益とも1~3月期(同社の場合は第4四半期)が高い傾向にある。
企業のIT・DX投資については、一時的な抑制・停滞が発生しても、中長期的には高水準に推移することが予想され、同社にとって事業環境悪化への懸念は小さい。不採算プロジェクトや品質不具合の発生については、同社は受注前に顧客要件を十分に分析し、見積決済書による社内手続きのうえで受注している。さらに受注後は、開発工程ごとに進捗・品質管理を徹底し、個別プロジェクトの不採算化や不具合発生を防ぐことに努めている。技術革新への対応については、資本・業務提携しているベンチャー企業やIT企業との協業も行いながら、IT技術によるクラウド環境の構築、ネットワークセキュリティの提供、サービスアプリ開発などに取り組んでいる。また、マイナンバーカードを利用した連携サービスの開発や地方自治体のDXサポートなどにも力を入れている。
■業績動向
2026年3月期中間期は計画を上回る2ケタ増収・営業増益で過去最高
1. 2026年3月期中間期連結業績の概要
2026年3月期中間期の連結業績は売上高が前年同期比24.5%増の5,319百万円、営業利益が同11.3%増の341百万円、経常利益が同1.3%減の360百万円、親会社株主に帰属する中間純利益が同4.5%増の206百万円だった。前回予想(2025年5月13日付の期初公表値、売上高5,060百万円、営業利益316百万円、経常利益310百万円、親会社株主に帰属する中間純利益217百万円)に対して、売上高は259百万円、営業利益は25百万円それぞれ上回る2ケタ増収・営業増益で、いずれも中間期として過去最高だった。ACRの新規連結(売上高814百万円)が寄与したほか、既存事業もおおむね順調に推移して人件費の増加、M&Aに伴うのれん償却額の増加、管理コストの増加などを吸収した。経常利益は前年同期比では微減益だが、計画を50百万円上回った。親会社株主に帰属する中間純利益は計画を10百万円下回ったが、前年同期比では小幅増益だった。
売上総利益は同22.8%増加したが、売上総利益率は同0.3ポイント低下して21.3%となった。販管費は同28.6%増加し、販管費比率は同0.5ポイント上昇して14.9%となった。この結果、営業利益率は同0.8ポイント低下して6.4%となった。なお営業外収益では受取保険金12百万円を計上したほか、助成金収入が同5百万円増加(前年同期は9百万円、当期は14百万円)した一方で、保険解約返戻金が同44百万円減少(前年同期は46百万円、当期は1百万円)した。また特別利益では前年同期に計上した減損損失31百万円が一巡した。
システム開発事業、インフラ・セキュリティサービス事業とも順調に拡大
2. 事業別の動向
システム開発事業の売上高は前年同期比32.2%増の3,850百万円だった。大幅増収だった。一部の子会社において要員不足によりプロジェクトの体制構築に苦戦したものの、ACRの新規連結効果に加え、既存事業も主要取引先のDX案件の継続的な増加や新規取引先からの受注などで順調に推移した。分野別では特に公共系及びサービス系が拡大した。
インフラ・セキュリティサービス事業の売上高は同7.9%増の1,469百万円だった。一部案件の前倒しやクラウド案件の獲得など受注が順調に推移したほか、単価交渉の成果で高利益率案件が増加して収益性も向上した。分野別では特に金融系及びサービス系が好調に推移したほか、脆弱性診断案件やメールセキュリティ案件などセキュリティ分野も堅調に推移し、セキュリティコンサルティングや一次請け案件などにより高付加価値化も進展した。
なお分野別の状況としては、行政分野はガバメントクラウド移行支援の大型案件が稼働中であり、高稼働案件への一部体制変更を実施した。金融分野は部門連携による案件獲得が順調である。大手銀行系案件や一次請け案件の増加で今後も拡大見込みである。通信分野はMVNO(仮想移動体通信事業者)向けシステム開発案件の契約が継続し、単価交渉も継続しているほか、新規案件の体制強化も進行している。ヘルスケア分野は業界全体が好調で、引き合いも増加している。今後は対応可能な人材の獲得と安定稼働に注力する。電力分野はCIS開発支援やスマートメーター制御管理システム開発支援に拠点複合チームで対応しているほか、エネルギー系案件も新規案件獲得見込みである。交通分野はカーシェア関連の案件が増加しているほか、テレマティクス案件が安定稼働している。
また子会社別の売上高増減(内部取引等調整前)は、SIGのシステム開発分野は同157百万円増収だった。公共系・サービス系案件が拡大し、MVNOが堅調に推移したほか、既存システムの仮想基盤からクラウドへの移行案件が増加した。SIGのインフラ分野は50百万円増収だった。クラウド・セキュリティを中心とした案件が好調に推移し、地方拠点メンバーによる体制拡充で収益を確保した。また新技術領域への対応も進展した。ACTは84百万円増収だった。DX関連案件への要員シフトと増員を実施し、順調に推移した。UISは29百万円増収だった。開発分野は要因不足で計画を下回ったが、インフラ分野が一次請けの増加や単価アップにより計画を上回った。ACRは売上高の新規連結効果が814百万円だった。カーシェア関連の受注が増加したほか、利益面では外注費削減や外資製薬一次請け案件も寄与した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)
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