注目トピックス 日本株
ネオマーケ Research Memo(3):一気通貫のマーケティングと多様なサービスで顧客を支援(1)
配信日時:2025/12/18 11:03
配信元:FISCO
*11:03JST ネオマーケ Research Memo(3):一気通貫のマーケティングと多様なサービスで顧客を支援(1)
■ネオマーケティング<4196>の事業概要
1. 収益構成
同社グループは、同社と連結子会社であるパイルアップで構成されている(ネオパートナーズは非連結)が、マーケティング支援事業の単一セグメントである。グループで展開するサービスはインサイトドリブン、カスタマードリブン、デジタルマーケティング・PR、カスタマーサクセス・その他に分類され、顧客のマーケティングフェーズに応じたサービスを展開している。2025年9月期の売上構成比の内訳を見ると、カスタマードリブンが43.3%を占め、インサイトドリブンが23.9%、デジタルマーケティング・PRが18.1%、カスタマーサクセス・その他が14.7%を占めている。
2. 競争力の源泉
同社では、競争力の源泉として、「マーケティングを一気通貫で支援」「インバウンドによる案件流入経路の確立」「ナレッジの蓄積」の3つを挙げている。
「マーケティングを一気通貫で支援」とは、顧客のマーケティングプロセスにおける段階ごとに課題に応じたコンサルティング(課題解決)のすべてを、自社で実施していることを意味する。同社は、マーケティング支援サービスを内製化して、ワンストップで提供する数少ない企業である。
「インバウンドによる案件流入経路の確立」とは、マーケティング会社としての優位性・経験則を活用して、自社オウンドメディアの運用により顧客獲得を実現していることを指す。2015年3月から2025年9月に公表したレポート本数は累計261本に上る。これらの独自の調査レポートは、優良な見込み顧客獲得ツールとして重要な役割を果たしており、セミナー・ウェビナーやカンファレンスなどを通じた件数も含め、2025年9月期においては14,745件(前期比20%増)のリードを獲得している。
「ナレッジの蓄積」とは、プロジェクトの実績がマーケティングナレッジデータベースとして蓄積されることをいう。同社設立以来の累計プロジェクト46,000件以上となるデータベースを活用して、社内の専門家たちがプロジェクトチームを組んで顧客のマーケティング課題を解決し、品質の高いナレッジを提供している。
3. 運営サイト・サービス
(1) アイリサーチ
「アイリサーチ」は、同社が「生活者起点のマーケティング支援」を実現するためのインフラとして運営する、独自のマーケティングプラットフォームである。外部パネルの利用も含め、国内最大規模である3,073万人超の生活者パネル※の活用が可能となっており、海外のアンケートパネルも豊富に取り揃えている。「アイリサーチ」は同社が生活者起点のマーケティング支援事業を展開するうえで基礎となるサービスインフラであり、モニター管理を徹底的に実施することにより、高品質なサービス提供を確保している。大規模調査や海外調査実施はもちろん、モニターのデモグラフィック情報(年齢、収入、職業)やジオグラフィック情報(住居、勤務地)を把握しているため、特定条件を満たす対象者への調査についても効率的な調査実施が可能となっている。
※ 企業が実施する市場調査などのマーケティング活動に協力することを承諾し、登録された一般消費者の回答者ネットワーク。登録者には協力した度合いに応じて同社から謝礼が支払われる。
(2) ソルパネ
「ソルパネ」は、インターネットを通じて不特定多数の人々に業務を委託するための会員組織のプラットフォームである。クライアント企業が、会員に対して店頭調査、購買体験、イベント体験、各種アンケート、データ入力などの業務を委託できるサービスを提供している。
(3) リサーチDEMO!
「リサーチDEMO!」は、顧客企業が自らエンドユーザーへの定性調査を簡単に実施できるクラウド型サービスである。「アイリサーチ」「ソルパネ」が同社による請負型サービスであるのに対し、顧客主導により調査を完結できる「リサーチDEMO!」はマーケティングの内製化を目指す企業を支援するセルフ型サービスという特徴を持つ。
提携パネルの拡大により、同サービスの調査対象者のリーチ可能数を従来の約54万人から約8倍となる426万人へと大幅に増強しており、多様な属性やニーズに応じたリサーチ設計が、一層柔軟かつ効果的に行うことが可能となった。また、インタビューの実施も最短1営業日で対応可能となり、スピード感を求める現代のマーケティング業務にフィットした体制も整備されている。
なお、利用者の多様なニーズに対応するため、2025年11月に新たな料金プランが導入されている。新料金体系は、従来の定額プランに替えて、月々のインタビュー件数に応じてより柔軟かつ経済的に利用できる「新定額プラン」へと再編されたものである。一方で、必要なタイミングで必要な回数のみを購入できる「スポットプラン」も従来どおり選択可能であり、突発的な調査ニーズにも対応できる柔軟性を維持している。これら2つのプランにより、利用者はインタビュー頻度や予算に応じて最適な料金プランを選択でき、サービスの利便性が一段と向上したと言えよう。
(4) インフルエンサーマーケティング支援サービス「Looply(ループリー)」
同社は、2025年7月にインフルエンサーマーケティング支援サービス「Looply」の提供を開始した。このサービスは、InstagramやTikTokにおいて高品質な投稿実績を有する一般生活者クリエイターを活用し、企業の商品に関するリアルな使用感や体験談を継続的に発信することを目的としたマーケティング支援サービスである。
同社の調査により、SNSで商品を知ったユーザーの大半が検索・比較検討を経て購買に至る実態が確認されており、特に「有名インフルエンサー」よりも「一般生活者による体験ベースの投稿」を支持する傾向が高く、購買意欲が顕著に高まるという結果も明らかとなっている。Looplyはこの調査結果を踏まえ開発されたサービスであり、発信力よりも共感性・親近感・情報鮮度を重視した口コミ生成モデルを提供する点に特徴がある。
クリエイターの選定はすべて手動で行われ、フォロワー数1,000~5,000程度で投稿品質の高いユーザーのみを対象とする。エンゲージメント率5~10%、アクティブフォロワー率70%以上を基準に起用することで、生活者目線での自然な体験発信を実現する仕組みである。また、投稿は主にInstagram・TikTokの動画を中心とし、生成された投稿の二次利用(広告素材や自社SNS活用)が可能である点も企業側の利便性を高めている。さらに、薬機法・景表法への対応としてオプションで法務チェックを提供し、企業のリスク管理にも配慮した設計となっている。
Looplyは、100件を超える口コミが購買意欲を大きく押し上げるという同社の調査結果を背景に構築された、信頼性の高いクチコミを継続的に創出する仕組みだ。ブランドの認知拡大と購買促進に寄与する新しいインフルエンサーマーケティング支援サービスとして、今後の展開に期待できよう。
(5) 人材紹介事業
同社は、2025年4月に100%出資子会社であるネオパートナーズを設立し、マーケティング人材に特化した人材紹介事業を開始した。現在は事業の立ち上げ段階であり重要性の観点から非連結となっているが、将来的には、新卒・中途問わずマーケティングを学びたい人材に対して教育コンテンツを提供し、即戦力となるマーケティング人材を企業へ紹介する事業を企図している。また、派遣やフリーランス人材とのマッチングプラットフォーム構築も視野に入れており、多様化する働き方や人材ニーズに柔軟なサービスを提供できる事業を構築していく予定である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 西村 健)
<HN>
1. 収益構成
同社グループは、同社と連結子会社であるパイルアップで構成されている(ネオパートナーズは非連結)が、マーケティング支援事業の単一セグメントである。グループで展開するサービスはインサイトドリブン、カスタマードリブン、デジタルマーケティング・PR、カスタマーサクセス・その他に分類され、顧客のマーケティングフェーズに応じたサービスを展開している。2025年9月期の売上構成比の内訳を見ると、カスタマードリブンが43.3%を占め、インサイトドリブンが23.9%、デジタルマーケティング・PRが18.1%、カスタマーサクセス・その他が14.7%を占めている。
2. 競争力の源泉
同社では、競争力の源泉として、「マーケティングを一気通貫で支援」「インバウンドによる案件流入経路の確立」「ナレッジの蓄積」の3つを挙げている。
「マーケティングを一気通貫で支援」とは、顧客のマーケティングプロセスにおける段階ごとに課題に応じたコンサルティング(課題解決)のすべてを、自社で実施していることを意味する。同社は、マーケティング支援サービスを内製化して、ワンストップで提供する数少ない企業である。
「インバウンドによる案件流入経路の確立」とは、マーケティング会社としての優位性・経験則を活用して、自社オウンドメディアの運用により顧客獲得を実現していることを指す。2015年3月から2025年9月に公表したレポート本数は累計261本に上る。これらの独自の調査レポートは、優良な見込み顧客獲得ツールとして重要な役割を果たしており、セミナー・ウェビナーやカンファレンスなどを通じた件数も含め、2025年9月期においては14,745件(前期比20%増)のリードを獲得している。
「ナレッジの蓄積」とは、プロジェクトの実績がマーケティングナレッジデータベースとして蓄積されることをいう。同社設立以来の累計プロジェクト46,000件以上となるデータベースを活用して、社内の専門家たちがプロジェクトチームを組んで顧客のマーケティング課題を解決し、品質の高いナレッジを提供している。
3. 運営サイト・サービス
(1) アイリサーチ
「アイリサーチ」は、同社が「生活者起点のマーケティング支援」を実現するためのインフラとして運営する、独自のマーケティングプラットフォームである。外部パネルの利用も含め、国内最大規模である3,073万人超の生活者パネル※の活用が可能となっており、海外のアンケートパネルも豊富に取り揃えている。「アイリサーチ」は同社が生活者起点のマーケティング支援事業を展開するうえで基礎となるサービスインフラであり、モニター管理を徹底的に実施することにより、高品質なサービス提供を確保している。大規模調査や海外調査実施はもちろん、モニターのデモグラフィック情報(年齢、収入、職業)やジオグラフィック情報(住居、勤務地)を把握しているため、特定条件を満たす対象者への調査についても効率的な調査実施が可能となっている。
※ 企業が実施する市場調査などのマーケティング活動に協力することを承諾し、登録された一般消費者の回答者ネットワーク。登録者には協力した度合いに応じて同社から謝礼が支払われる。
(2) ソルパネ
「ソルパネ」は、インターネットを通じて不特定多数の人々に業務を委託するための会員組織のプラットフォームである。クライアント企業が、会員に対して店頭調査、購買体験、イベント体験、各種アンケート、データ入力などの業務を委託できるサービスを提供している。
(3) リサーチDEMO!
「リサーチDEMO!」は、顧客企業が自らエンドユーザーへの定性調査を簡単に実施できるクラウド型サービスである。「アイリサーチ」「ソルパネ」が同社による請負型サービスであるのに対し、顧客主導により調査を完結できる「リサーチDEMO!」はマーケティングの内製化を目指す企業を支援するセルフ型サービスという特徴を持つ。
提携パネルの拡大により、同サービスの調査対象者のリーチ可能数を従来の約54万人から約8倍となる426万人へと大幅に増強しており、多様な属性やニーズに応じたリサーチ設計が、一層柔軟かつ効果的に行うことが可能となった。また、インタビューの実施も最短1営業日で対応可能となり、スピード感を求める現代のマーケティング業務にフィットした体制も整備されている。
なお、利用者の多様なニーズに対応するため、2025年11月に新たな料金プランが導入されている。新料金体系は、従来の定額プランに替えて、月々のインタビュー件数に応じてより柔軟かつ経済的に利用できる「新定額プラン」へと再編されたものである。一方で、必要なタイミングで必要な回数のみを購入できる「スポットプラン」も従来どおり選択可能であり、突発的な調査ニーズにも対応できる柔軟性を維持している。これら2つのプランにより、利用者はインタビュー頻度や予算に応じて最適な料金プランを選択でき、サービスの利便性が一段と向上したと言えよう。
(4) インフルエンサーマーケティング支援サービス「Looply(ループリー)」
同社は、2025年7月にインフルエンサーマーケティング支援サービス「Looply」の提供を開始した。このサービスは、InstagramやTikTokにおいて高品質な投稿実績を有する一般生活者クリエイターを活用し、企業の商品に関するリアルな使用感や体験談を継続的に発信することを目的としたマーケティング支援サービスである。
同社の調査により、SNSで商品を知ったユーザーの大半が検索・比較検討を経て購買に至る実態が確認されており、特に「有名インフルエンサー」よりも「一般生活者による体験ベースの投稿」を支持する傾向が高く、購買意欲が顕著に高まるという結果も明らかとなっている。Looplyはこの調査結果を踏まえ開発されたサービスであり、発信力よりも共感性・親近感・情報鮮度を重視した口コミ生成モデルを提供する点に特徴がある。
クリエイターの選定はすべて手動で行われ、フォロワー数1,000~5,000程度で投稿品質の高いユーザーのみを対象とする。エンゲージメント率5~10%、アクティブフォロワー率70%以上を基準に起用することで、生活者目線での自然な体験発信を実現する仕組みである。また、投稿は主にInstagram・TikTokの動画を中心とし、生成された投稿の二次利用(広告素材や自社SNS活用)が可能である点も企業側の利便性を高めている。さらに、薬機法・景表法への対応としてオプションで法務チェックを提供し、企業のリスク管理にも配慮した設計となっている。
Looplyは、100件を超える口コミが購買意欲を大きく押し上げるという同社の調査結果を背景に構築された、信頼性の高いクチコミを継続的に創出する仕組みだ。ブランドの認知拡大と購買促進に寄与する新しいインフルエンサーマーケティング支援サービスとして、今後の展開に期待できよう。
(5) 人材紹介事業
同社は、2025年4月に100%出資子会社であるネオパートナーズを設立し、マーケティング人材に特化した人材紹介事業を開始した。現在は事業の立ち上げ段階であり重要性の観点から非連結となっているが、将来的には、新卒・中途問わずマーケティングを学びたい人材に対して教育コンテンツを提供し、即戦力となるマーケティング人材を企業へ紹介する事業を企図している。また、派遣やフリーランス人材とのマッチングプラットフォーム構築も視野に入れており、多様化する働き方や人材ニーズに柔軟なサービスを提供できる事業を構築していく予定である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 西村 健)
<HN>
Copyright(c) FISCO Ltd. All rights reserved.
ニュースカテゴリ
注目トピックス 市況・概況
NY市場・クローズ
海外市場動向
注目トピックス 日本株
注目トピックス 経済総合
強弱材料
コラム【EMW】
オープニングコメント
日経225・本日の想定レンジ
寄り付き概況
新興市場スナップショット
注目トピックス 外国株
個別銘柄テクニカルショット
ランチタイムコメント
後場の投資戦略
後場の寄り付き概況
相場概況
本日の注目個別銘柄
JASDAQ市況
マザーズ市況
Miniトピック
来週の買い需要
日経QUICKニュース
みんかぶニュース 投資家動向
みんかぶニュース 為替・FX
みんかぶニュース 市況・概況
みんかぶニュース 個別・材料
みんかぶニュース コラム
みんかぶニュース その他
ビットコインニュース
アルトコインニュース
GRICI
暗号資産速報
Reuters Japan Online Report Business News
金融ウォッチ その他
FISCO その他
グロース市況
