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NexTone Research Memo(1):中間期は売上ミックス悪化の影響を受けたが、通期予想達成は可能と見る
配信日時:2025/12/10 10:31
配信元:FISCO
*10:31JST NexTone Research Memo(1):中間期は売上ミックス悪化の影響を受けたが、通期予想達成は可能と見る
■要約
NexTone<7094>は2016年の発足以降、音楽を中心としたエンタテインメント領域において、著作権管理事業、デジタルコンテンツディストリビューション(以下、DD)事業、音楽配信事業などを展開し、音楽産業における権利者と利用者の双方を幅広くサポートしている。主力事業である著作権管理事業の主な競合は、(一社)日本音楽著作権協会(JASRAC)であり、同社とJASRACの2社寡占市場である。
1. 2026年3月期中間期の業績概要
2026年3月期中間期の連結業績は、売上高が前年同期比9.0%増の10,267百万円、営業利益が同55.4%増の587百万円、経常利益が同50.6%増の599百万円、親会社株主に帰属する中間純利益が同28.4%増の376百万円であり、増収増益となった。営業利益の増減要因を見ると、増収要因として全セグメントともに増収を確保したことによる効果が2.9億円、減収要因として人件費増加が0.4億円、システム・その他コスト増加が0.4億円となる。他方で、会社予想比では売上高は0.6%上回ったものの、営業利益は著作権管理事業における売上ミックスの悪化などにより13.4%減と下振れして着地した。
2. 2026年3月期業績見通し
2026年3月期通期の連結業績は、売上高が前期比18.5%増の23,000百万円、営業利益が同79.1%増の1,800百万円、経常利益が同75.0%増の1,800百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同73.3%増の1,200百万円と、増収増益を予想している。通期予想に対する営業利益の中間期進捗率はややビハインドではあるものの、市場環境が堅調であること、著作権管理楽曲数、著作権管理事業の取扱高、取扱原盤数など主要KPIが順調に拡大していることから、下期の巻き返しは十分可能であると判断されよう。
3. 中長期の成長戦略
同社は2026年3月期から2028年3月期までの中期業績計画を開示している。2ケタ増収増益基調が続く見通しであり、2028年3月期には売上高296億円、営業利益27億円、営業利益率9.1%を目標としている。収益の中核である著作権管理事業及びDD事業は引き続き高成長を維持しながら、新規事業の展開を通じて、新たな成長ドライバーの創出を図ることにより非連続的な成長を実現し、中長期的な企業価値の持続的向上を目指す。また、同社は2026年3月期から配当を実施する。2026年3月期は1株当たり年間20円(中間0円・期末20円)を見込んでいる。安定的かつ継続的な配当を基本方針とし、収益成長に応じた増配も視野に入れている。
■Key Points
・主力事業の著作権管理事業は同社とJASRACの2社寡占市場
・2026年3月期中間期の営業利益は前年同期比で大幅拡大、会社予想比では著作権管理事業のミックス悪化により下振れた
・2026年3月期の通期予想は下期の挽回により達成可能な範囲と判断、初配実施も注目される
(執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林 拓馬)
<HN>
NexTone<7094>は2016年の発足以降、音楽を中心としたエンタテインメント領域において、著作権管理事業、デジタルコンテンツディストリビューション(以下、DD)事業、音楽配信事業などを展開し、音楽産業における権利者と利用者の双方を幅広くサポートしている。主力事業である著作権管理事業の主な競合は、(一社)日本音楽著作権協会(JASRAC)であり、同社とJASRACの2社寡占市場である。
1. 2026年3月期中間期の業績概要
2026年3月期中間期の連結業績は、売上高が前年同期比9.0%増の10,267百万円、営業利益が同55.4%増の587百万円、経常利益が同50.6%増の599百万円、親会社株主に帰属する中間純利益が同28.4%増の376百万円であり、増収増益となった。営業利益の増減要因を見ると、増収要因として全セグメントともに増収を確保したことによる効果が2.9億円、減収要因として人件費増加が0.4億円、システム・その他コスト増加が0.4億円となる。他方で、会社予想比では売上高は0.6%上回ったものの、営業利益は著作権管理事業における売上ミックスの悪化などにより13.4%減と下振れして着地した。
2. 2026年3月期業績見通し
2026年3月期通期の連結業績は、売上高が前期比18.5%増の23,000百万円、営業利益が同79.1%増の1,800百万円、経常利益が同75.0%増の1,800百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同73.3%増の1,200百万円と、増収増益を予想している。通期予想に対する営業利益の中間期進捗率はややビハインドではあるものの、市場環境が堅調であること、著作権管理楽曲数、著作権管理事業の取扱高、取扱原盤数など主要KPIが順調に拡大していることから、下期の巻き返しは十分可能であると判断されよう。
3. 中長期の成長戦略
同社は2026年3月期から2028年3月期までの中期業績計画を開示している。2ケタ増収増益基調が続く見通しであり、2028年3月期には売上高296億円、営業利益27億円、営業利益率9.1%を目標としている。収益の中核である著作権管理事業及びDD事業は引き続き高成長を維持しながら、新規事業の展開を通じて、新たな成長ドライバーの創出を図ることにより非連続的な成長を実現し、中長期的な企業価値の持続的向上を目指す。また、同社は2026年3月期から配当を実施する。2026年3月期は1株当たり年間20円(中間0円・期末20円)を見込んでいる。安定的かつ継続的な配当を基本方針とし、収益成長に応じた増配も視野に入れている。
■Key Points
・主力事業の著作権管理事業は同社とJASRACの2社寡占市場
・2026年3月期中間期の営業利益は前年同期比で大幅拡大、会社予想比では著作権管理事業のミックス悪化により下振れた
・2026年3月期の通期予想は下期の挽回により達成可能な範囲と判断、初配実施も注目される
(執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林 拓馬)
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