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PBシステムズ Research Memo(5):クラウド化とセキュリティ対応で事業基盤を強化
配信日時:2025/12/09 13:15
配信元:FISCO
*13:15JST PBシステムズ Research Memo(5):クラウド化とセキュリティ対応で事業基盤を強化
■事業内容
1. セキュアクラウドシステム事業
ピー・ビーシステムズ<4447>の主力事業であるセキュアクラウドシステム事業は、一言で表現すればデジタルワーク推進からDXの実現までをクラウド技術力でトータルにサポートする。具体的には、単一企業・組織内で利用するクラウドを「プライベートクラウド」と呼ぶが、「システムのプライベートクラウド化」を核として事業を展開している。企業名で言えばCitrix、Broadcom(旧 VMware)、DELL、Microsoftなどの多様な選択肢のなかから、セキュリティ、ストレージ、サーバーなどのハードウェア商品及び各種ソフトウェア商品を含め、企業のDX実現の前提となる最適なクラウド基盤の提案を設計・構築・維持にとどまらずレジリエンスまで含めて行っている。また、近年大企業でも多数の事例があり、強く問題視されているのが「サイバー攻撃」だ。ランサムウェアや不正アクセスなどをはじめとした攻撃によって引き起こされるシステム障害からの回復力、システム自体の強靭化、つまり「レジリエンス」に対する実務レベルでの深い知見と豊富な実績を持っていることが同事業の特色の1つとして挙げられるだろう。BtoCで直接サイバーセキュリティ対策製品を開発・提供しているわけではないため、サイバーセキュリティ対策の専門家としての性格がややわかりにくい。しかし2025年3月から企業・自治体向けサービス「サイバー忍法帖」で、コンサルティングから防御・監視・バックアップまで一気通貫での提供を開始した。早速サイバー攻撃被害企業からの引き合いが来ており、レジリエンス支援の特性を強めている。多種多様な選択肢のなかから、基幹システムとの整合性なども踏まえて、顧客にとって最適な提案を行うことができるのは、独立系のSIerである同社の強みだ。2023年には、国内市場シェアで1位を獲得した実績もあるEDR※製品を有する「Cybereason」のパートナーに同社が加わったほか、2025年11月には急増するランサムウェア対策の強化を目的に、EDR製品「SentinelOne」と(株)アクトが運営するセキュリティオペレーションセンターを統合したソリューションの提案に向け、アクトとの協業も強化した。
※ Endpoint Detection and Responseの略で、PCやサーバーといった「エンドポイント」を保護対象に、内部の挙動を常時監視し、不審な動きを検知・分析する。
なお、同社は売上高100~500億円規模の中堅企業をメインターゲットとしてビジネス展開しており、近年は公共(自治体や各種団体など)領域での引き合いも増加している。同事業は、サーバーの仮想化や強靭なセキュリティ環境の構築を行う「プラットフォーム」、仮想化環境に特化し、現場から発生するニーズを満たした機能を製品化して販売を行う「プロダクツ」、老朽システムの刷新、業務ロジックのプログラミング、DXでデータ活用に必要となるデータベース構築を行う「カスタマイザー」の3区分で構成されている(約9割が「プラットフォーム」)。
「MetaAnywhere」「MetaWalkers」の二本柱で需要取り込み
2. エモーショナルシステム事業
エモーショナルシステム事業は、360度スクリーンに3D映像を切れ目なく表示する特許(特許第4166260号:立体映像の投影方法及び立体映像の投影装置)をもとにした、没入感の高いVR空間を生み出す、体験共有型VRシアター「MetaWalkers(旧称:4DOH、2023年1月16日に変更)」シリーズを中心に製造販売する事業だ。2025年9月現在、同シリーズの常設設置箇所は遊園地を中心として、国内12ヶ所、海外1ヶ所、計13ヶ所(一般向けに利用公開されていない研究機関の国内設置先1ヶ所を含まず)。このほかに本社ショールームと東京オフィスにデモ機を設置しており、オフィスに訪れる既存顧客などへ試用を促して潜在需要を発掘している。
MetaWalkersについては、もともと遊園地を中心としたアトラクション需要がメインだったものの、博物館や科学館での利用を皮切りに、可能性が拡大しており、コロナ禍を超えて防災や地方創生、介護医療及びスポーツ分野への活用が進みつつある。2025年9月期では、九州産業大学と九州産業大学造形短期大学部が開催した展示会でMetaWalkersによるトレーニングシステムを出展したほか、最近ではJFEスチール(株)西日本製鉄所が開催する防災展示会に採用され、開拓を進める防災領域で、公共団体以外での活用事例を作った。
2025年9月期第2四半期決算発表時に「MetaAnywhere」の取り組みを公開した。180度、270度、壁面など既存の構築物にも柔軟な角度対応が可能なうえ、MetaWalkersのようなハードへの投資を要しない。Anywhereの名のとおり場所の制約が取り除かれ、システムさえ用意できれば“どこでも”動く3Dや2D映像をリアルかつインタラクティブに楽しめる。これにより顧客での導入が簡素化され、アイディア次第で気軽に投影対象や映像内容を変更可能となり、需要の変化に即した更改で顧客満足度を継続的に維持できるだろう。2025年7月の「つくばエキスポセンター」で初採用の後も、まつりイベントやアミューズメントパークで採用されるなど、顧客環境に合わせたフレキシブルな対応で好調なスタートを切っている。従来の「MetaWalkers」を没入感が求められる用途に展開し、「MetaAnywhere」を空間演出やある程度の臨場感が必要なライトな環境に提供するという二本柱で事業を進め、成長を促進する考えだ。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一)
<MY>
1. セキュアクラウドシステム事業
ピー・ビーシステムズ<4447>の主力事業であるセキュアクラウドシステム事業は、一言で表現すればデジタルワーク推進からDXの実現までをクラウド技術力でトータルにサポートする。具体的には、単一企業・組織内で利用するクラウドを「プライベートクラウド」と呼ぶが、「システムのプライベートクラウド化」を核として事業を展開している。企業名で言えばCitrix、Broadcom(旧 VMware)、DELL、Microsoftなどの多様な選択肢のなかから、セキュリティ、ストレージ、サーバーなどのハードウェア商品及び各種ソフトウェア商品を含め、企業のDX実現の前提となる最適なクラウド基盤の提案を設計・構築・維持にとどまらずレジリエンスまで含めて行っている。また、近年大企業でも多数の事例があり、強く問題視されているのが「サイバー攻撃」だ。ランサムウェアや不正アクセスなどをはじめとした攻撃によって引き起こされるシステム障害からの回復力、システム自体の強靭化、つまり「レジリエンス」に対する実務レベルでの深い知見と豊富な実績を持っていることが同事業の特色の1つとして挙げられるだろう。BtoCで直接サイバーセキュリティ対策製品を開発・提供しているわけではないため、サイバーセキュリティ対策の専門家としての性格がややわかりにくい。しかし2025年3月から企業・自治体向けサービス「サイバー忍法帖」で、コンサルティングから防御・監視・バックアップまで一気通貫での提供を開始した。早速サイバー攻撃被害企業からの引き合いが来ており、レジリエンス支援の特性を強めている。多種多様な選択肢のなかから、基幹システムとの整合性なども踏まえて、顧客にとって最適な提案を行うことができるのは、独立系のSIerである同社の強みだ。2023年には、国内市場シェアで1位を獲得した実績もあるEDR※製品を有する「Cybereason」のパートナーに同社が加わったほか、2025年11月には急増するランサムウェア対策の強化を目的に、EDR製品「SentinelOne」と(株)アクトが運営するセキュリティオペレーションセンターを統合したソリューションの提案に向け、アクトとの協業も強化した。
※ Endpoint Detection and Responseの略で、PCやサーバーといった「エンドポイント」を保護対象に、内部の挙動を常時監視し、不審な動きを検知・分析する。
なお、同社は売上高100~500億円規模の中堅企業をメインターゲットとしてビジネス展開しており、近年は公共(自治体や各種団体など)領域での引き合いも増加している。同事業は、サーバーの仮想化や強靭なセキュリティ環境の構築を行う「プラットフォーム」、仮想化環境に特化し、現場から発生するニーズを満たした機能を製品化して販売を行う「プロダクツ」、老朽システムの刷新、業務ロジックのプログラミング、DXでデータ活用に必要となるデータベース構築を行う「カスタマイザー」の3区分で構成されている(約9割が「プラットフォーム」)。
「MetaAnywhere」「MetaWalkers」の二本柱で需要取り込み
2. エモーショナルシステム事業
エモーショナルシステム事業は、360度スクリーンに3D映像を切れ目なく表示する特許(特許第4166260号:立体映像の投影方法及び立体映像の投影装置)をもとにした、没入感の高いVR空間を生み出す、体験共有型VRシアター「MetaWalkers(旧称:4DOH、2023年1月16日に変更)」シリーズを中心に製造販売する事業だ。2025年9月現在、同シリーズの常設設置箇所は遊園地を中心として、国内12ヶ所、海外1ヶ所、計13ヶ所(一般向けに利用公開されていない研究機関の国内設置先1ヶ所を含まず)。このほかに本社ショールームと東京オフィスにデモ機を設置しており、オフィスに訪れる既存顧客などへ試用を促して潜在需要を発掘している。
MetaWalkersについては、もともと遊園地を中心としたアトラクション需要がメインだったものの、博物館や科学館での利用を皮切りに、可能性が拡大しており、コロナ禍を超えて防災や地方創生、介護医療及びスポーツ分野への活用が進みつつある。2025年9月期では、九州産業大学と九州産業大学造形短期大学部が開催した展示会でMetaWalkersによるトレーニングシステムを出展したほか、最近ではJFEスチール(株)西日本製鉄所が開催する防災展示会に採用され、開拓を進める防災領域で、公共団体以外での活用事例を作った。
2025年9月期第2四半期決算発表時に「MetaAnywhere」の取り組みを公開した。180度、270度、壁面など既存の構築物にも柔軟な角度対応が可能なうえ、MetaWalkersのようなハードへの投資を要しない。Anywhereの名のとおり場所の制約が取り除かれ、システムさえ用意できれば“どこでも”動く3Dや2D映像をリアルかつインタラクティブに楽しめる。これにより顧客での導入が簡素化され、アイディア次第で気軽に投影対象や映像内容を変更可能となり、需要の変化に即した更改で顧客満足度を継続的に維持できるだろう。2025年7月の「つくばエキスポセンター」で初採用の後も、まつりイベントやアミューズメントパークで採用されるなど、顧客環境に合わせたフレキシブルな対応で好調なスタートを切っている。従来の「MetaWalkers」を没入感が求められる用途に展開し、「MetaAnywhere」を空間演出やある程度の臨場感が必要なライトな環境に提供するという二本柱で事業を進め、成長を促進する考えだ。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一)
<MY>
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