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酒井重 Research Memo(1):2026年3月期中間期の営業利益は大幅減も、期初予想を上回って着地
配信日時:2025/12/09 11:31
配信元:FISCO
*11:31JST 酒井重 Research Memo(1):2026年3月期中間期の営業利益は大幅減も、期初予想を上回って着地
■要約
酒井重工業<6358>は道路舗装用ロードローラをはじめとする道路建設機械の専業メーカーである。国内シェアは60~70%であり、近年では北米や東南アジアを中心に海外市場の開拓に注力している。
1. 2026年3月期中間期の業績概要
2026年3月期中間期の連結業績は、売上高が12,980百万円(前年同期比9.8%減)、営業利益が684百万円(同44.4%減)、経常利益が648百万円(同45.0%減)、親会社株主に帰属する中間純利益が431百万円(同66.9%減)となった。親会社株主に帰属する中間純利益の減益幅が大きいのは、前年同期に計上した特別利益(投資有価証券売却益288百万円)が剥落したことによる。地域区分別売上高では、国内は主力のローラ販売は底入れ基調に推移したが、道路維持機械が減速したことなどから前年同期比4.8%減となった。海外も同14.0%減となったが、北米ではディーラーの在庫調整が続くなかで、高関税政策導入に伴い販売が減速し同17.6%減となった。アジア向けでは、ベトナムやマレーシアなどでは販売が底入れ基調に推移したが、インドネシアと中国で販売が停滞し同9.9%減となった。売上減に加えて米国関税及び仕入原価の継続的上昇により売上総利益率が1.5ポイント低下し、営業利益は大幅減となったが想定の範囲内であり、期初予想(営業利益550百万円)は上回った。さらに前年同期が高い水準であった点を考慮すれば、必ずしも悲観する結果ではなかったと言える。
2. 2026年3月期の業績見通し
2026年3月期の連結業績は、売上高で28,000百万円(前期比0.5%増)、営業利益で1,250百万円(同21.1%減)、経常利益で1,250百万円(同16.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益で900百万円(同37.3%減)を見込んでいる。売上高は期初予想(30,000百万円)から下方修正したが、収益構造改革の効果などにより利益率が改善し、利益は期初予想を据え置いた(前提となる下期の為替レートは1米ドル145円で換算、米国関税コストは下期200百万円の前提)。引き続き世界の建設機械市場で調整局面が続く見通しであるが、底打ちの気配は感じられる。
3. 中期の成長戦略
同社は、2021年6月に2026年3月期を最終年度とする「中期的な経営方針」を発表した。最終目標として、2026年3月期に売上高300億円、営業利益31億円、ROE(自己資本当期純利益率)8.0%を実現し、安定的に配当性向50%を維持することを掲げた。既に売上高・営業利益ともに2024年3月期に目標を上回ったが、2026年3月期が減収減益予想であることから、現時点でこれらの数値目標は据え置いている。また年間配当については、2026年3月期は業績低迷により予想ROEが3.0%に低下する見込みであることから、基本方針(ROE3~6%の場合はDOE3%の還元)に沿って、通期配当は105.0円を予定している。足元の業績は足踏みしているが、ROEの改善に向けて明白な資本政策を発表し、それに沿った株主還元を実行している姿勢は評価できる。
■Key Points
・長い歴史を有するロードローラのトップメーカーで国内シェアは60~70%。海外シェアの拡大により成長を図る
・2026年3月期中間期は前年同期比44.4%減の営業減益となるも期初予想は上回る。通期は前期比21.1%減の営業減益の見込み
・中期経営計画の方針に沿って2026年3月期は年間105.0円配当を予定
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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酒井重工業<6358>は道路舗装用ロードローラをはじめとする道路建設機械の専業メーカーである。国内シェアは60~70%であり、近年では北米や東南アジアを中心に海外市場の開拓に注力している。
1. 2026年3月期中間期の業績概要
2026年3月期中間期の連結業績は、売上高が12,980百万円(前年同期比9.8%減)、営業利益が684百万円(同44.4%減)、経常利益が648百万円(同45.0%減)、親会社株主に帰属する中間純利益が431百万円(同66.9%減)となった。親会社株主に帰属する中間純利益の減益幅が大きいのは、前年同期に計上した特別利益(投資有価証券売却益288百万円)が剥落したことによる。地域区分別売上高では、国内は主力のローラ販売は底入れ基調に推移したが、道路維持機械が減速したことなどから前年同期比4.8%減となった。海外も同14.0%減となったが、北米ではディーラーの在庫調整が続くなかで、高関税政策導入に伴い販売が減速し同17.6%減となった。アジア向けでは、ベトナムやマレーシアなどでは販売が底入れ基調に推移したが、インドネシアと中国で販売が停滞し同9.9%減となった。売上減に加えて米国関税及び仕入原価の継続的上昇により売上総利益率が1.5ポイント低下し、営業利益は大幅減となったが想定の範囲内であり、期初予想(営業利益550百万円)は上回った。さらに前年同期が高い水準であった点を考慮すれば、必ずしも悲観する結果ではなかったと言える。
2. 2026年3月期の業績見通し
2026年3月期の連結業績は、売上高で28,000百万円(前期比0.5%増)、営業利益で1,250百万円(同21.1%減)、経常利益で1,250百万円(同16.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益で900百万円(同37.3%減)を見込んでいる。売上高は期初予想(30,000百万円)から下方修正したが、収益構造改革の効果などにより利益率が改善し、利益は期初予想を据え置いた(前提となる下期の為替レートは1米ドル145円で換算、米国関税コストは下期200百万円の前提)。引き続き世界の建設機械市場で調整局面が続く見通しであるが、底打ちの気配は感じられる。
3. 中期の成長戦略
同社は、2021年6月に2026年3月期を最終年度とする「中期的な経営方針」を発表した。最終目標として、2026年3月期に売上高300億円、営業利益31億円、ROE(自己資本当期純利益率)8.0%を実現し、安定的に配当性向50%を維持することを掲げた。既に売上高・営業利益ともに2024年3月期に目標を上回ったが、2026年3月期が減収減益予想であることから、現時点でこれらの数値目標は据え置いている。また年間配当については、2026年3月期は業績低迷により予想ROEが3.0%に低下する見込みであることから、基本方針(ROE3~6%の場合はDOE3%の還元)に沿って、通期配当は105.0円を予定している。足元の業績は足踏みしているが、ROEの改善に向けて明白な資本政策を発表し、それに沿った株主還元を実行している姿勢は評価できる。
■Key Points
・長い歴史を有するロードローラのトップメーカーで国内シェアは60~70%。海外シェアの拡大により成長を図る
・2026年3月期中間期は前年同期比44.4%減の営業減益となるも期初予想は上回る。通期は前期比21.1%減の営業減益の見込み
・中期経営計画の方針に沿って2026年3月期は年間105.0円配当を予定
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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