注目トピックス 日本株
HCH Research Memo(4):2025年9月期は計画超の大幅増益で事業構造転換が進展
配信日時:2025/12/09 11:04
配信元:FISCO
*11:04JST HCH Research Memo(4):2025年9月期は計画超の大幅増益で事業構造転換が進展
■ヒューマンクリエイションホールディングス<7361>の業績動向
1. 2025年9月期連結業績の概要
2025年9月期の連結業績は、売上高が前期比24.8%増の8,945百万円、営業利益が同23.9%増の781百万円、経常利益が同22.8%増の773百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同1.4%減の398百万円となった。EBITDA(営業利益+減価償却費+その他償却費+利息費用+のれん償却費)は同25.6%増の953百万円となった。親会社株主に帰属する当期純利益は特別損失に投資有価証券評価損77百万円を計上したため微減益だが、既存事業が順調に拡大し、第3四半期よりHCフィナンシャル・アドバイザーを新規連結したことも寄与して売上高は大幅増収、営業・経常利益及びEBITDAは大幅増益となった。
前回予想(2025年5月12日付の修正値、売上高はHCフィナンシャル・アドバイザーを新規連結したことに伴い300百万円上方修正して8,906百万円、営業利益と経常利益は据え置いてそれぞれ635百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は資本業務提携しているアドバンスト・メディアの株価下落に伴う投資有価証券評価損計上に伴い77百万円下方修正して327百万円)に対しては、売上高はおおむね計画水準となり、各利益は計画を大幅に上回った。事業基盤強化を進めている戦略領域が大幅に伸長し、成長ストーリーである次世代経営コンサルティングに向けての事業構造転換が順調に進展した形である。
全体の売上総利益は同30.7%増加し、売上総利益率は同1.4ポイント上昇して30.4%となった。利益率の高い戦略領域の高成長が売上総利益率上昇をけん引した。販管費は同33.7%増加し、販管費比率は同1.4ポイント上昇して21.6%となった。業容拡大に伴って人件費、採用関連費、支払手数料が増加したが、その他費用は適正にコントロールした。この結果、営業利益率は同0.1ポイント低下して8.7%、EBITDA率は同0.1ポイント上昇して10.7%となった。
戦略領域が計画を上回る大幅増収、SESは安定成長
2. 事業別の動向
戦略領域の売上高は前期比66.3%増の3,642百万円となった。計画(2,922百万円)を上回る大幅増収となり、売上高構成比は40%台に上昇した。営業強化によってSMB向けソリューション提供を積み上げたほか、HCフィナンシャル・アドバイザーの新規連結も寄与した。SMB向け売上高は2,101百万円、第4四半期時点における稼働プロジェクト数は68件、翌期に取引が継続する顧客継続率は65.4%、プライム受注(エンドユーザーからの直接受注)比率は53.4%、顧客当たり平均PJ数は3.0件で、取引先別年間取引高構成は1,000万円未満が63社、1,000万円以上が9社、3,000万円以上が5社となった。1,000万円未満の顧客を積み上げ、その後の他部門・他商材案件へのクロスセルにつなげる。新規連結したHCフィナンシャル・アドバイザーの売上高は776百万円となった。2025年9月時点の売り手側アドバイザー契約締結数累計は173件、成約案件数累計は24件と順調に積み上がった。チーム制によるコンサルティング体制を導入し、案件規模にかかわらず成約数増加を推進するとともに、報酬5,000万円超の案件獲得にも取り組んだ。
SESの売上高は同6.6%増の5,303百万円となった。計画(5,683百万円)をやや下回ったものの、前期比では派遣人員数増加や契約単価上昇により安定成長を継続した。SESの人員数(10月~9月の稼働人月の総和÷12で算出)は同2.8%増加して705人工/人月、契約単価は同3.4%増加して667千円/月となった。エンジニアクラス別構成比はPG(プログラマー)が同7.4ポイント低下して43.9%、SE(システムエンジニア)が同3.3ポイント上昇して38.4%、PL(プロジェクトリーダー)が同4.1ポイント上昇して17.7%となった。全体として適正な契約単価の確保に取り組んでいるほか、システム開発の上流案件を重視した戦略により、PGの構成比が低下した一方で、単価の高いSE及びPLの構成比が上昇したことも寄与した。
売上成長が加速、粗利率は2025年9月期第4四半期に急上昇
3. 四半期別の動向
全社ベースの業績を四半期別のトレンドで見ると、全体として売上高は2024年9月期第1四半期まで成長が鈍化していたが、同第2四半期から高成長を回復した。特に2025年9月期第3四半期からは、HCフィナンシャル・アドバイザーの新規連結(第3四半期226百万円、第4四半期550百万円)も寄与して売上成長が加速した。EBITDAは四半期ごとに増減する傾向があるが、2025年9月期第4四半期には過去最高を更新して290百万円となった。
粗利率はおおむね29%前後で推移していたが、2025年9月期第4四半期には利益率の高い戦略領域の拡大によって33.2%へ急上昇した。販管費は2025年9月期第3四半期から大幅に増加した。これはHCフィナンシャル・アドバイザーを新規連結したほか、業容拡大に伴って人件費、採用関連費、支払手数料が増加し、さらにIR活動強化に伴ってその他販管費が増加したためである。ただし適切なコストコントロールを行っている。なお、販管費については賞与及び引当金調整・追加計上等によって第4四半期に増加する傾向がある。
財務の健全性は良好
4. 財務の状況
財務面で見ると、2025年9月期末時点の資産合計は前期末比1,452百万円増加して4,495百万円となった。主に現金及び預金が同414百万円増加、のれんが同756百万円増加した。負債合計は同1,274百万円増加して2,965百万円となった。主に未払金が同339百万円増加したほか、有利子負債残高(長短借入金合計)が同767百万円増加して1,143百万円となった。純資産合計は同177百万円増加して1,530百万円となった。主に利益剰余金が同29百万円増加したほか、自己株式消却(2024年11月)に伴って自己株式(減算)が同96百万円減少した。この結果、自己資本比率は同10.3ポイント低下して33.5%となった。自己資本比率が大幅に低下したが、同社は財務資本戦略の基本方針を「自己資本比率40%以下の維持」として、4四半期連続で基準を超過しないよう自己株式取得等の手段によって資本構成の適正化を随時図っている。したがって自己資本比率33.5%は同社の基準(40%以下)内にあるため、財務の健全性は良好と弊社では考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)
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1. 2025年9月期連結業績の概要
2025年9月期の連結業績は、売上高が前期比24.8%増の8,945百万円、営業利益が同23.9%増の781百万円、経常利益が同22.8%増の773百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同1.4%減の398百万円となった。EBITDA(営業利益+減価償却費+その他償却費+利息費用+のれん償却費)は同25.6%増の953百万円となった。親会社株主に帰属する当期純利益は特別損失に投資有価証券評価損77百万円を計上したため微減益だが、既存事業が順調に拡大し、第3四半期よりHCフィナンシャル・アドバイザーを新規連結したことも寄与して売上高は大幅増収、営業・経常利益及びEBITDAは大幅増益となった。
前回予想(2025年5月12日付の修正値、売上高はHCフィナンシャル・アドバイザーを新規連結したことに伴い300百万円上方修正して8,906百万円、営業利益と経常利益は据え置いてそれぞれ635百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は資本業務提携しているアドバンスト・メディアの株価下落に伴う投資有価証券評価損計上に伴い77百万円下方修正して327百万円)に対しては、売上高はおおむね計画水準となり、各利益は計画を大幅に上回った。事業基盤強化を進めている戦略領域が大幅に伸長し、成長ストーリーである次世代経営コンサルティングに向けての事業構造転換が順調に進展した形である。
全体の売上総利益は同30.7%増加し、売上総利益率は同1.4ポイント上昇して30.4%となった。利益率の高い戦略領域の高成長が売上総利益率上昇をけん引した。販管費は同33.7%増加し、販管費比率は同1.4ポイント上昇して21.6%となった。業容拡大に伴って人件費、採用関連費、支払手数料が増加したが、その他費用は適正にコントロールした。この結果、営業利益率は同0.1ポイント低下して8.7%、EBITDA率は同0.1ポイント上昇して10.7%となった。
戦略領域が計画を上回る大幅増収、SESは安定成長
2. 事業別の動向
戦略領域の売上高は前期比66.3%増の3,642百万円となった。計画(2,922百万円)を上回る大幅増収となり、売上高構成比は40%台に上昇した。営業強化によってSMB向けソリューション提供を積み上げたほか、HCフィナンシャル・アドバイザーの新規連結も寄与した。SMB向け売上高は2,101百万円、第4四半期時点における稼働プロジェクト数は68件、翌期に取引が継続する顧客継続率は65.4%、プライム受注(エンドユーザーからの直接受注)比率は53.4%、顧客当たり平均PJ数は3.0件で、取引先別年間取引高構成は1,000万円未満が63社、1,000万円以上が9社、3,000万円以上が5社となった。1,000万円未満の顧客を積み上げ、その後の他部門・他商材案件へのクロスセルにつなげる。新規連結したHCフィナンシャル・アドバイザーの売上高は776百万円となった。2025年9月時点の売り手側アドバイザー契約締結数累計は173件、成約案件数累計は24件と順調に積み上がった。チーム制によるコンサルティング体制を導入し、案件規模にかかわらず成約数増加を推進するとともに、報酬5,000万円超の案件獲得にも取り組んだ。
SESの売上高は同6.6%増の5,303百万円となった。計画(5,683百万円)をやや下回ったものの、前期比では派遣人員数増加や契約単価上昇により安定成長を継続した。SESの人員数(10月~9月の稼働人月の総和÷12で算出)は同2.8%増加して705人工/人月、契約単価は同3.4%増加して667千円/月となった。エンジニアクラス別構成比はPG(プログラマー)が同7.4ポイント低下して43.9%、SE(システムエンジニア)が同3.3ポイント上昇して38.4%、PL(プロジェクトリーダー)が同4.1ポイント上昇して17.7%となった。全体として適正な契約単価の確保に取り組んでいるほか、システム開発の上流案件を重視した戦略により、PGの構成比が低下した一方で、単価の高いSE及びPLの構成比が上昇したことも寄与した。
売上成長が加速、粗利率は2025年9月期第4四半期に急上昇
3. 四半期別の動向
全社ベースの業績を四半期別のトレンドで見ると、全体として売上高は2024年9月期第1四半期まで成長が鈍化していたが、同第2四半期から高成長を回復した。特に2025年9月期第3四半期からは、HCフィナンシャル・アドバイザーの新規連結(第3四半期226百万円、第4四半期550百万円)も寄与して売上成長が加速した。EBITDAは四半期ごとに増減する傾向があるが、2025年9月期第4四半期には過去最高を更新して290百万円となった。
粗利率はおおむね29%前後で推移していたが、2025年9月期第4四半期には利益率の高い戦略領域の拡大によって33.2%へ急上昇した。販管費は2025年9月期第3四半期から大幅に増加した。これはHCフィナンシャル・アドバイザーを新規連結したほか、業容拡大に伴って人件費、採用関連費、支払手数料が増加し、さらにIR活動強化に伴ってその他販管費が増加したためである。ただし適切なコストコントロールを行っている。なお、販管費については賞与及び引当金調整・追加計上等によって第4四半期に増加する傾向がある。
財務の健全性は良好
4. 財務の状況
財務面で見ると、2025年9月期末時点の資産合計は前期末比1,452百万円増加して4,495百万円となった。主に現金及び預金が同414百万円増加、のれんが同756百万円増加した。負債合計は同1,274百万円増加して2,965百万円となった。主に未払金が同339百万円増加したほか、有利子負債残高(長短借入金合計)が同767百万円増加して1,143百万円となった。純資産合計は同177百万円増加して1,530百万円となった。主に利益剰余金が同29百万円増加したほか、自己株式消却(2024年11月)に伴って自己株式(減算)が同96百万円減少した。この結果、自己資本比率は同10.3ポイント低下して33.5%となった。自己資本比率が大幅に低下したが、同社は財務資本戦略の基本方針を「自己資本比率40%以下の維持」として、4四半期連続で基準を超過しないよう自己株式取得等の手段によって資本構成の適正化を随時図っている。したがって自己資本比率33.5%は同社の基準(40%以下)内にあるため、財務の健全性は良好と弊社では考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)
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