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アイリッジ Research Memo:決算数値の悪化は一過性、類似企業の評価に近づけば株価は3倍
配信日時:2025/11/18 16:35
配信元:FISCO
*16:35JST アイリッジ Research Memo:決算数値の悪化は一過性、類似企業の評価に近づけば株価は3倍
企業向けスマホアプリの企画・開発運用支援やアプリビジネスプラットフォーム「APPBOX」の開発・運営、統合マーケティング支援やビジネスコンサルティング・実行支援などを手がけるアイリッジ<3917>が変化の時を迎えている。のれんの損失処理にめどを付け、中長期の計画達成に向けて順調に歩を進めている。ヤプリの評価に収れんすれば、3倍近い株価の上昇も期待される。
2Q決算の小幅増益と赤字転落は一過性、協業案件が急速に立ち上がる
1. 2026年3月期第2四半期決算の概要
第2四半期(2Q)累計売上高は前年同期比7.4%増3,096百万円、調整後営業損益(営業利益+株式報酬費用+M&Aにより生じた無形資産の償却費用+その他一時費用)は83百万円の赤字(前年同期は99百万円の黒字)、経常損益は92百万円の赤字(同75百万円の黒字)となった。なお、当該数値は7月1日付で株式譲渡を行った関係会社が営むフィンテック事業の実績を除外した数値を表示となる。小幅増収、営業損益の赤字転落となるが、売上高は例年下期に発生しているビジネスプロデュース事業の大型案件が前年2Qに発生した影響から2Q累計で減収となっていることに加え、採用を含む先行的な投資を実施した結果であり、売上高は概ね期初想定通り、調整後営業利益は先行投資に係る今期中の成果創出・売上の追加獲得等により、通期業績予想の達成を図る。
2. 2026年3月期の業績見通し
ディップと共同開発している新サービス「バイトルトーク」をはじめとするEX-DX領域の売上高が2Qのみで前年同期比6.6倍の291百万円に達するなど急速に立ち上がりつつあり、通期予想の売上高7,200百万円(前期比7.3%増)、営業利益270百万円(同23.2%増)は変更されていない。売却したフィンテック事業を除いた成長率は、売上高で前期比18.3%、営業利益で同117.7%となる。
長期目標は2030年3月期で売上高150億円・調整後営業利益15億円
3.中期経営計画、類似企業との比較、株主還元
同社は、小売・鉄道・金融業界等の大手企業を中心に強固な顧客基盤を有しており、ファミペイアプリやコーナンアプリ、【コスモの公式】アプリ、WESTERなど、いままで300を超えるスマホアプリの企画・開発・運用を支援してきた。同社ソリューションが導入されたアプリはMAUで1億を超え、増え続けている。ここまで大企業との取引・実績が多い背景には、スマホアプリを中心とした高度な開発力を有しており、同社プロダクト「APPBOX」や外部のソリューションも活用し、スマホアプリを中心に戦略・企画の策定から開発・グロースまで一気通貫で支援できる点にある。また、これまでの開発実績により多くのカスタマイズ・連携実績のノウハウが蓄積されており、あらゆる顧客要望に対応可能となっているほか、大型アプリの開発は開発力や実績が必要で、競合が少ない点も同社の強みとなっている。顧客企業の戦略から課題解決までトータルで支援してきた実績を活かして、ビジネスプロデュース事業も展開している。
2027年3月期を最終年度とする3カ年の中期経営計画では、開発力やビジネス創出力の活用と顧客企業のパートナーシップの強化による顧客提供価値の向上に取り組んでいくようだ。APPBOXの機能拡張に加えパートナー連携を強化することで、顧客層を拡大し、受託開発領域から顧客企業のアプリ領域を中心とした事業プロデュース支援へ拡張していく。既に、ディップ<2379>との提携を行っており、DXサービスの共同提供を図っている。今後も顧客企業と同様の提携を拡大することで、強いパートナーシップの実現を目指す。また、足もとでは博報堂と資本業務提携を実施し、合弁会社を設立。アイリッジの持つ大型のアプリ開発を遂行するプロジェクトマネジメント力及び開発力と、博報堂が持つ生活者接点全体をデザインするクリエイティビティを掛け算し、顧客接点を中心としたデマンドチェーン変革に向けて協業する。大企業との連携強化には注目しておきたい。数値目標としては、2027年3月期の売上高は82億円、調整後営業利益は5億円以上をオーガニック成長のみで達成し、新規事業の成長やM&Aにより売上・利益を更に積み上げていくようだ。長期目標には2030年3月期に売上高150億円・調整後営業利益15億円の達成を掲げている。
ヤプリ<4168>と比較した成長率などは劣ってきたが、中長期計画の達成へ歩を進めると、アイリッジのパフォーマンスが比較優位となる可能性もある。ヤプリの2026年12月期へ向けての調整後EBITDA目標は10億円超、CAGRで+16%超ということになる。アイリッジの調整後営業利益は2027年3月期の数値で+66.7%(2026年3月期予想比較)、2030年3月期で+49.5%(同)、絶対的な数値でも見劣りしなくなる。ヤプリの時価総額は120億円を上回っており、アイリッジのそれは約39億円。ヤプリの評価に収れんすれば、3倍近い株価の上昇となる。
(執筆:アナリスト 山本泰三)
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2Q決算の小幅増益と赤字転落は一過性、協業案件が急速に立ち上がる
1. 2026年3月期第2四半期決算の概要
第2四半期(2Q)累計売上高は前年同期比7.4%増3,096百万円、調整後営業損益(営業利益+株式報酬費用+M&Aにより生じた無形資産の償却費用+その他一時費用)は83百万円の赤字(前年同期は99百万円の黒字)、経常損益は92百万円の赤字(同75百万円の黒字)となった。なお、当該数値は7月1日付で株式譲渡を行った関係会社が営むフィンテック事業の実績を除外した数値を表示となる。小幅増収、営業損益の赤字転落となるが、売上高は例年下期に発生しているビジネスプロデュース事業の大型案件が前年2Qに発生した影響から2Q累計で減収となっていることに加え、採用を含む先行的な投資を実施した結果であり、売上高は概ね期初想定通り、調整後営業利益は先行投資に係る今期中の成果創出・売上の追加獲得等により、通期業績予想の達成を図る。
2. 2026年3月期の業績見通し
ディップと共同開発している新サービス「バイトルトーク」をはじめとするEX-DX領域の売上高が2Qのみで前年同期比6.6倍の291百万円に達するなど急速に立ち上がりつつあり、通期予想の売上高7,200百万円(前期比7.3%増)、営業利益270百万円(同23.2%増)は変更されていない。売却したフィンテック事業を除いた成長率は、売上高で前期比18.3%、営業利益で同117.7%となる。
長期目標は2030年3月期で売上高150億円・調整後営業利益15億円
3.中期経営計画、類似企業との比較、株主還元
同社は、小売・鉄道・金融業界等の大手企業を中心に強固な顧客基盤を有しており、ファミペイアプリやコーナンアプリ、【コスモの公式】アプリ、WESTERなど、いままで300を超えるスマホアプリの企画・開発・運用を支援してきた。同社ソリューションが導入されたアプリはMAUで1億を超え、増え続けている。ここまで大企業との取引・実績が多い背景には、スマホアプリを中心とした高度な開発力を有しており、同社プロダクト「APPBOX」や外部のソリューションも活用し、スマホアプリを中心に戦略・企画の策定から開発・グロースまで一気通貫で支援できる点にある。また、これまでの開発実績により多くのカスタマイズ・連携実績のノウハウが蓄積されており、あらゆる顧客要望に対応可能となっているほか、大型アプリの開発は開発力や実績が必要で、競合が少ない点も同社の強みとなっている。顧客企業の戦略から課題解決までトータルで支援してきた実績を活かして、ビジネスプロデュース事業も展開している。
2027年3月期を最終年度とする3カ年の中期経営計画では、開発力やビジネス創出力の活用と顧客企業のパートナーシップの強化による顧客提供価値の向上に取り組んでいくようだ。APPBOXの機能拡張に加えパートナー連携を強化することで、顧客層を拡大し、受託開発領域から顧客企業のアプリ領域を中心とした事業プロデュース支援へ拡張していく。既に、ディップ<2379>との提携を行っており、DXサービスの共同提供を図っている。今後も顧客企業と同様の提携を拡大することで、強いパートナーシップの実現を目指す。また、足もとでは博報堂と資本業務提携を実施し、合弁会社を設立。アイリッジの持つ大型のアプリ開発を遂行するプロジェクトマネジメント力及び開発力と、博報堂が持つ生活者接点全体をデザインするクリエイティビティを掛け算し、顧客接点を中心としたデマンドチェーン変革に向けて協業する。大企業との連携強化には注目しておきたい。数値目標としては、2027年3月期の売上高は82億円、調整後営業利益は5億円以上をオーガニック成長のみで達成し、新規事業の成長やM&Aにより売上・利益を更に積み上げていくようだ。長期目標には2030年3月期に売上高150億円・調整後営業利益15億円の達成を掲げている。
ヤプリ<4168>と比較した成長率などは劣ってきたが、中長期計画の達成へ歩を進めると、アイリッジのパフォーマンスが比較優位となる可能性もある。ヤプリの2026年12月期へ向けての調整後EBITDA目標は10億円超、CAGRで+16%超ということになる。アイリッジの調整後営業利益は2027年3月期の数値で+66.7%(2026年3月期予想比較)、2030年3月期で+49.5%(同)、絶対的な数値でも見劣りしなくなる。ヤプリの時価総額は120億円を上回っており、アイリッジのそれは約39億円。ヤプリの評価に収れんすれば、3倍近い株価の上昇となる。
(執筆:アナリスト 山本泰三)
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