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TKP Research Memo(5):TKPとfabbitの複合出店や宿泊施設との連携により新たな価値創出に取り組む
配信日時:2025/11/18 11:05
配信元:FISCO
*11:05JST TKP Research Memo(5):TKPとfabbitの複合出店や宿泊施設との連携により新たな価値創出に取り組む
■ティーケーピー<3479>の活動実績
1. 新規出店の実績
2026年2月期中間期は、27施設の新規出店及び既存施設の増床により9,796坪の増床を達成した※1。そのうち、fabbitは20施設(譲り受けた18施設を含む)を占める。新規出店には、「TKP札幌北口カンファレンスセンター」(241坪)のほか、TKP(貸会議室)とfabbit(シェアオフィス)の複合出店である「TKP fabbit 渋谷」が含まれている。また、第3四半期以降についても、「TKPガーデンシティPREMIUM天神ブリッククロス」(368坪)、「TKPみなとみらいカンファレンスセンター」(541坪)、といった大型施設のほか、「TKP fabbit 虎ノ門」「TKP fabbit 高松」「TKP fabbit 大分駅前」など、とりわけ「TKP fabbit」方式での複合出店が新たなドライバーとなる勢いである。fabbitについては、場所の提供にとどまらず、地域企業や行政、スタートアップが交わる人と情報の交流拠点としての役割も期待でき、地域経済の活性化と新たな価値創出を目指している。また、認知度・ブランド力強化を目的とするランドマーク的物件への出店、並びに大規模イベントの需要拡大を見据え、大人数を収納可能な施設の仕入強化も視野に入れている※2。
※1 一方、契約満了等により6施設(2,822坪)が退店した。
※2 大型施設については、2026年4月開業に向けて、大分市中心部の複合商業ビル「ソレイユ」(2,361坪)を確保済だが、都心においても物色中のようだ。
一方、ホテル・宿泊研修施設については5施設を取得した。その内訳は、アパホテルが3施設(宮崎延岡駅前、宮崎延岡中央、山口防府)、レクトーレ羽生TERRACE※1、ISHINOYA別府(SHONIN PARK内)※2となっている。また、第3四半期以降は、「アパホテル 大分駅前」などを予定しているが、先に開業した「TKP fabbit 大分駅前」との相乗効果により、宿泊を伴う会議・研修・イベントなどにも柔軟に対応可能な環境を整備する計画である。
※1 初めての業態となるトレーラーハウスヴィラを埼玉県イオンモール羽生「noNIWA」内に開業した。
※2 大分県別府市のPark-PFI事業として、2025年7月24日に開業した「SHONIN PARK」内の宿泊施設。全室がオーシャンビューと源泉かけ流し温泉付きである。
2. エスクリへの追加出資
2025年6月には資本業務提携先であるエスクリの株式95万株を追加取得し、議決権比率19.6%の筆頭株主となった。それに伴って、エスクリは同社の持分法適用関連会社となった(2026年2月期第2四半期より)。これまでもブライダル施設における平日の稼働率向上を目的とする共同レンタルスペースブランド「CIRQ」の開発・運営や、コスト最適化を目的として同社完全子会社であるリリカラへの工事委託などで連携を図ってきた。同社グループのブライダル事業については、エスクリが都内、ノバレーゼが地方という棲み分けができているが、エスクリとの資本関係をより強めることで、さらに踏み込んだグループシナジー創出や利益の一部取り込み(持分利益)に狙いがあると見られる。
■業績見通し
2026年2月期の業績予想を増額修正し、大幅な増収増益を見込む
1. 2026年2月期の業績見通し
2026年2月期の連結業績について、中間期業績の進捗等を踏まえ、期初予想を増額修正した。売上高を前期比75.7%増の104,000百万円(修正幅+1,000百万円)、営業利益を同52.1%増の9,000百万円(修正幅+2,000百万円)、経常利益を同37.3%増の8,000百万円(修正幅+2,000百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益(以下、当期純利益)を同5.0%減の3,600百万円(修正幅+400百万円)と、大幅な増収増益(当期純利益を除く)を見込んでいる。当期純利益が減益となるのは、中間期同様、税効果のはく落によるものである。
売上高は、引き続き好調な外部環境や積極的な出店効果により同社本体(空間再生流通事業)が順調に伸びるほか、リリカラ及びノバレーゼの通年寄与が増収に寄与する。売上高予想を増額修正したのは、対面需要の増加により受注が想定以上に拡大していることや新規出店・増床が順調に進捗していることに起因する。
利益面では、新規出店・増床に伴う初期費用やのれん償却費など先行費用の拡大が見込まれるものの、増収によりカバーし営業増益の確保を目指す。また、利益予想の増額修正については、売上高の上振れに加え、内製化を含めた業務効率向上に伴う収益性の改善を見込むものである。
2. 弊社の見方
修正後の通期業績予想を達成するためには、下期に売上高54,102百万円、営業利益5,761百万円が必要となる。先行き不透明な経済情勢の影響には注意が必要であるが、期間貸しや対面イベント、宿泊需要がともに好調であることや、中間期において内製化や業務効率化による収益力の底上げが確認できたこと、下期は子会社を含めて繁忙期を迎えることなどを勘案すれば、業績予想の実現は十分に可能であると考えられる。既に第3四半期、第4四半期の受注が順調に積み上がっているとのことであり、状況によっては上振れる可能性も念頭に置きながら、四半期ごとの業績推移を見守る必要があるだろう。中期経営計画の最終年度として、次期中期経営計画に向けた仕上げに注目したい。特に、地方を含めた出店戦略やグループシナジー創出に向けた進捗をフォローする必要がある。また、出店戦略については、既述のとおりランドマーク的物件への出店、並びに超大型施設の仕入強化の動きにも注目したい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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1. 新規出店の実績
2026年2月期中間期は、27施設の新規出店及び既存施設の増床により9,796坪の増床を達成した※1。そのうち、fabbitは20施設(譲り受けた18施設を含む)を占める。新規出店には、「TKP札幌北口カンファレンスセンター」(241坪)のほか、TKP(貸会議室)とfabbit(シェアオフィス)の複合出店である「TKP fabbit 渋谷」が含まれている。また、第3四半期以降についても、「TKPガーデンシティPREMIUM天神ブリッククロス」(368坪)、「TKPみなとみらいカンファレンスセンター」(541坪)、といった大型施設のほか、「TKP fabbit 虎ノ門」「TKP fabbit 高松」「TKP fabbit 大分駅前」など、とりわけ「TKP fabbit」方式での複合出店が新たなドライバーとなる勢いである。fabbitについては、場所の提供にとどまらず、地域企業や行政、スタートアップが交わる人と情報の交流拠点としての役割も期待でき、地域経済の活性化と新たな価値創出を目指している。また、認知度・ブランド力強化を目的とするランドマーク的物件への出店、並びに大規模イベントの需要拡大を見据え、大人数を収納可能な施設の仕入強化も視野に入れている※2。
※1 一方、契約満了等により6施設(2,822坪)が退店した。
※2 大型施設については、2026年4月開業に向けて、大分市中心部の複合商業ビル「ソレイユ」(2,361坪)を確保済だが、都心においても物色中のようだ。
一方、ホテル・宿泊研修施設については5施設を取得した。その内訳は、アパホテルが3施設(宮崎延岡駅前、宮崎延岡中央、山口防府)、レクトーレ羽生TERRACE※1、ISHINOYA別府(SHONIN PARK内)※2となっている。また、第3四半期以降は、「アパホテル 大分駅前」などを予定しているが、先に開業した「TKP fabbit 大分駅前」との相乗効果により、宿泊を伴う会議・研修・イベントなどにも柔軟に対応可能な環境を整備する計画である。
※1 初めての業態となるトレーラーハウスヴィラを埼玉県イオンモール羽生「noNIWA」内に開業した。
※2 大分県別府市のPark-PFI事業として、2025年7月24日に開業した「SHONIN PARK」内の宿泊施設。全室がオーシャンビューと源泉かけ流し温泉付きである。
2. エスクリへの追加出資
2025年6月には資本業務提携先であるエスクリの株式95万株を追加取得し、議決権比率19.6%の筆頭株主となった。それに伴って、エスクリは同社の持分法適用関連会社となった(2026年2月期第2四半期より)。これまでもブライダル施設における平日の稼働率向上を目的とする共同レンタルスペースブランド「CIRQ」の開発・運営や、コスト最適化を目的として同社完全子会社であるリリカラへの工事委託などで連携を図ってきた。同社グループのブライダル事業については、エスクリが都内、ノバレーゼが地方という棲み分けができているが、エスクリとの資本関係をより強めることで、さらに踏み込んだグループシナジー創出や利益の一部取り込み(持分利益)に狙いがあると見られる。
■業績見通し
2026年2月期の業績予想を増額修正し、大幅な増収増益を見込む
1. 2026年2月期の業績見通し
2026年2月期の連結業績について、中間期業績の進捗等を踏まえ、期初予想を増額修正した。売上高を前期比75.7%増の104,000百万円(修正幅+1,000百万円)、営業利益を同52.1%増の9,000百万円(修正幅+2,000百万円)、経常利益を同37.3%増の8,000百万円(修正幅+2,000百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益(以下、当期純利益)を同5.0%減の3,600百万円(修正幅+400百万円)と、大幅な増収増益(当期純利益を除く)を見込んでいる。当期純利益が減益となるのは、中間期同様、税効果のはく落によるものである。
売上高は、引き続き好調な外部環境や積極的な出店効果により同社本体(空間再生流通事業)が順調に伸びるほか、リリカラ及びノバレーゼの通年寄与が増収に寄与する。売上高予想を増額修正したのは、対面需要の増加により受注が想定以上に拡大していることや新規出店・増床が順調に進捗していることに起因する。
利益面では、新規出店・増床に伴う初期費用やのれん償却費など先行費用の拡大が見込まれるものの、増収によりカバーし営業増益の確保を目指す。また、利益予想の増額修正については、売上高の上振れに加え、内製化を含めた業務効率向上に伴う収益性の改善を見込むものである。
2. 弊社の見方
修正後の通期業績予想を達成するためには、下期に売上高54,102百万円、営業利益5,761百万円が必要となる。先行き不透明な経済情勢の影響には注意が必要であるが、期間貸しや対面イベント、宿泊需要がともに好調であることや、中間期において内製化や業務効率化による収益力の底上げが確認できたこと、下期は子会社を含めて繁忙期を迎えることなどを勘案すれば、業績予想の実現は十分に可能であると考えられる。既に第3四半期、第4四半期の受注が順調に積み上がっているとのことであり、状況によっては上振れる可能性も念頭に置きながら、四半期ごとの業績推移を見守る必要があるだろう。中期経営計画の最終年度として、次期中期経営計画に向けた仕上げに注目したい。特に、地方を含めた出店戦略やグループシナジー創出に向けた進捗をフォローする必要がある。また、出店戦略については、既述のとおりランドマーク的物件への出店、並びに超大型施設の仕入強化の動きにも注目したい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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