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C&R社 Research Memo(7):2026年2月期は2ケタ増収増益、過去最高業績更新へ

配信日時:2025/11/07 11:07 配信元:FISCO
*11:07JST C&R社 Research Memo(7):2026年2月期は2ケタ増収増益、過去最高業績更新へ ■クリーク・アンド・リバー社<4763>の業績見通し

1. 2026年2月期の業績見通し
2026年2月期の連結業績は、売上高で前期比19.3%増の60,000百万円、営業利益で同38.3%増の5,000百万円、経常利益で同35.3%増の5,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同42.1%増の3,200百万円と期初計画を据え置き、売上高・各利益ともに過去最高を更新する見通しだ。既存の主力事業が回復するほか、第2四半期より加わった高橋書店グループの業績(売上高4,900百万円、営業利益500百万円)が上乗せ要因となる。既存事業ベースでも売上高で同9.6%増の55,100百万円、営業利益で同24.5%増の4,500百万円と過去最高業績を見込んでいる。

高橋書店グループは手帳やカレンダーなど季節商材を主力事業としているため、下期偏重型の収益構造となっており、中間期では損失を計上したものの下期に挽回することは可能と見られる。また、低調となった会計・法曹分野についても足元は回復傾向にあり、通期では増収増益に転じる見通しだ。なお、高橋書店グループの子会社化については、後継者難により事業承継先を探していたことや、手帳・カレンダーだけでなく累計発行部数530万超の「ざんねんないきもの事典」シリーズなどオリジナルコンテンツのメディアミックス展開を同社グループで展開することでシナジー創出が可能と判断したためだ。のれん償却額を差し引いても初年度から利益増に貢献する見込みであり、今後のシナジーが期待される。


2026年2月期は8カテゴリすべて増収増益を見込む

2. カテゴリ別見通し
(1) ゲーム&ライツマネジメント
2026年2月期の売上高は前期比14.0%増の16,915百万円、営業利益は同16.0%増の1,750百万円となる見通しである。下期もURS Gamesの業績が順調に推移するほか、「Switch2」向けタイトルの開発需要を取り込むことで2ケタ増収増益を見込む。2027年2月期もクレイテックワークスで受注見込みの大型案件の収益貢献が期待されるほか、海外のゲーム開発需要を取り込むことで増収増益基調が続くものと予想される。

(2) ブロードキャスティング&動画
2026年2月期の売上高は前期比4.0%増の14,800百万円、営業利益は同18.0%増の665百万円となる見通しである。国内におけるテレビ局の人材需要は引き続き堅調に推移するほか、番組制作においても得意とするバラエティ番組の需要が強いことから下期も増収増益基調が続くものと予想される。特にシオンにおいてはNetflix向けに制作したスポーツ系バラエティ番組が海外で人気を集めており、収益拡大につながる新たな市場として注目される。

(3) プロモーション&マーケティング
2026年2月期の売上高は前期比7.0%増の7,550百万円、営業利益は同13.0%増の670百万円となる見通しである。引き続き企業、官公庁向けプロモーション案件の増加が見込まれる。2025年10月には新たな取り組みとして、日本全国の生活者やプロフェッショナルと企業や自治体をつなぐAIファンコミュニティモール「りろかる」を、ファンコミュニティ構築・運営大手のクオン(株)と共同でプレオープンした。生活者は誰でも無料で参加可能で、好きな地域やプロフェッショナル、地元企業とつながり、交流を楽しめるほか、地元企業や自治体は有料でコミュニティを開設して、AIと対話するだけで生活者との交流やファン育成、さらにはデータ分析が可能となっている。自治体においてはふるさと納税を増やす場として活用できるなど、地域の活性化を目的としたサービスとなっている。既に4つのローカルコミュニティ※との連携を開始しており、今後は東南アジアのコミュニティとの連携も進め、越境ECやインバウンド需要の拡大にも貢献していく。

※ 茨城県鹿嶋市「KASHIMA Colorful Base」、福島県「ふくしまの酒」コミュニティ、福島県観光交流課「ふくしま浜通り★こらっせ!広場」、ゆるキャラグランプリ実行委員会「ゆるナビコミュニティモール」と連携している。

(4) メディカル&ヘルスケア
2026年2月期の売上高は前期比6.0%増の5,650百万円、営業利益は同29.0%増の1,400百万円となる見通しである。下期は季節要因で医師紹介事業の成約件数が減少するが、前年同期比では構造改革の効果もあって堅調に推移する見込みで、通期計画の達成は可能と見られる。

(5) AI/DX・IT
2026年2月期の売上高は前期比12.0%増の3,300百万円、営業利益は同83.0%増の110百万円を見込んでいる。「DXの森」を通じた中小企業向けAI・DX導入支援サービスが拡大するほか、下期もリーディング・エッジ社やIdrasysの業績が堅調に推移する見通しである。ただ、中間期の進捗率は売上高で47%、営業利益で17%とやや遅れ気味となっており、下期に一段の売上成長を加速していく必要がある。

(6) プロフェッショナル・エージェンシー
2026年2月期の売上高は前期比9.0%増の2,910百万円、営業利益は同210.0%増の220百万円となる見通しである。中間期の進捗率は売上高で45.1%、営業利益で17.3%と低くなっているが、会計・法曹分野において低迷していた人材紹介サービスが回復傾向にあり、下期での挽回は可能と見られる。

(7) Quality of Life
2026年2月期の売上高は前期比4.0%増の2,650百万円、営業利益は同51.0%増の110百万円となる見通しである。建築分野の低迷が下期も続きそうなため、ファッション・食分野の拡大が計画達成のカギを握るものと見られる。

(8) インキュベーション&デベロップメント
2026年2月期の売上高は前期比342.0%増の7,175百万円、営業利益は同1072.0%増の422百万円を見込んでいる。高橋書店グループの業績が加わることが主因だ。既存事業ベースでは、売上高で同40.0%増の2,275百万円、営業損失78百万円(前期は36百万円の利益)と増収減益となる。利益面では、コネクトアラウンドで開業した複合施設「FUN EAT MAKERS in Okuma」に係る費用1億円が主な減益要因となる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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