注目トピックス 日本株
C&R社 Research Memo(4):2026年2月期中間期の売上高、営業利益、経常利益はおおむね計画どおりに着地
配信日時:2025/11/07 11:04
配信元:FISCO
*11:04JST C&R社 Research Memo(4):2026年2月期中間期の売上高、営業利益、経常利益はおおむね計画どおりに着地
■クリーク・アンド・リバー社<4763>の業績動向
1. 2026年2月期中間期の業績概要
2026年2月期中間期の連結業績は、売上高で前年同期比8.7%増の28,092百万円、営業利益で同2.6%減の2,138百万円、経常利益で同6.8%減の2,112百万円、親会社株主に帰属する中間純利益で同50.7%増の2,214百万円となり、売上高と中間純利益は中間期として過去最高を更新した。第2四半期より損益に反映した高橋書店グループの影響(売上高361百万円、営業損失457百万円※)を除くと、売上高で同7.3%増、営業利益で同18.3%増と増収増益となっており、経常利益段階まではおおむね会社計画どおりに着地した。なお、高橋書店グループが季節性により損失を計上していることに伴い、税金費用が大幅に減少したため、中間純利益は計画を大きく上回った。
※ のれん償却額等を含む。
事業別売上高を同社が開示している売上構成比から試算すると、プロデュース事業が前年同期比13.1%増の14,664百万円、エージェンシー(紹介)事業が同7.0%増の3,371百万円、ライツマネジメント事業ほかが同39.5%増の1,657百万円と順調に増加した一方で、エージェンシー(派遣)事業は会計・法曹分野の低迷が長引いたこともあり同1.5%減の8,399百万円と微減となった。
売上総利益は前年同期比7.1%増の10,487百万円となったが、売上総利益率は高橋書店グループの連結化の影響により同0.6ポイント低下した。事業別ではプロデュース事業が増収効果により同8.6%増の4,530百万円、エージェンシー(紹介)事業が同6.7%増の3,335百万円、ライツマネジメント事業ほかが同20.4%増の755百万円となり、エージェンシー(派遣)事業が同0.2%減の1,866百万円となった。
販管費は前年同期比747百万円の増加となったが、大半は高橋書店グループの加算分となる。また、営業外収支が同97百万円悪化したが、M&A資金を借入金で調達したことによる金融収支の悪化(87百万円)が主因である。なお、2025年4月の新卒社員数は同36名減の325名となった。前年同期は新卒社員の増加や戦力化に時間を要したことが中間期の減益要因となっていたが、当中間期はこれら新卒社員の戦力化が順調に進んだことも既存事業における増益の一員になったとみられる。
主力分野を中心に既存事業は順調に収益を拡大
2. カテゴリ別業績動向
2026年2月期より事業別の業績動向をより明確にするため、展開する事業領域ごとに細分化して業績の開示を開始した。具体的には、ゲーム&ライツマネジメント、ブロードキャスティング&動画、プロモーション&マーケティング、メディカル&ヘルスケア、AI/DX・IT、プロフェッショナル・エージェンシー、Quality of Life、インキュベーション&デベロップメントの8カテゴリに区分している。
(1) ゲーム&ライツマネジメント
ゲーム&ライツマネジメントは、同社及び子会社でゲームソフトの受託開発等を手掛ける(株)クレイテックワークス(出資比率100.0%)、URS Games(同51.0%)、3DCG事業等を展開する(株)forGIFT(同77.5%)、中国で版権ビジネス(小説等の映像化権エージェントサービス等)を展開するCREEK & RIVER SHANGHAI(同100.0%)の5社で構成される。ゲームソフトの受託開発及び人材派遣事業が収益の大半を占めており、ライツマネジメント事業として版権ビジネスや「漫画LABO」、3DCG事業などが含まれる。
2026年2月期中間期の売上高は前年同期比14.9%増の8,509百万円、営業利益は同4.5%増の764百万円となった。このうち、2025年3月に新設したURS Gamesで約7.5億円の増収、約0.6億円の増益要因となり、既存事業ベースでは1ケタ台の増収減益と見られる。減益要因は以下の2点となる。1つ目は、クレイテックワークスにおいて大型案件の受注に向けた先行投資を実施したこと(2026年2月期で約1億円の投資を予定、売上貢献は2027年2月期上期を見込む)、2つ目は第2四半期に中堅規模のゲームソフト開発会社から人員を引き受けたことで人件費負担が増加したことによる。国内のゲームソフト市場は「Switch2」向けの開発需要が旺盛なものの、全体的には競争激化が続くなかで余剰人員を抱えて厳しくなっている企業が増えているようで、こうした人員の引受先となった。同業界ではM&Aの案件も増えているようで、今後市場シェアを拡大していく可能性がある。事業拡大戦略として、同社は2024年にカナダのモントリオールに支社を作り、海外企業向けの営業活動を開始している。既に数社から受注するなど順調に成果が出始めており、2026年2月期で約1億円の売上を見込んでいる。同社では早期に海外向けで10億円の売上を目指す考えだ。なお、forGIFTについては利益面で若干の黒字に転じたほか、中国子会社の業績も堅調に推移した。
(2) ブロードキャスティング&動画
ブロードキャスティング&動画は、同社及び子会社の(株)ウイング(出資比率100.0%)、シオン及び(株)シオンステージ(同100.0%)、韓国のCREEK & RIVER ENTERTAINMENT(同88.2%)の5社で構成され、主にテレビ局向けの人材派遣や番組制作などを行っている。
2026年2月期中間期の売上高は前年同期比2.8%増の7,288百万円、営業利益は同49.4%増の354百万円となった。このうち、韓国子会社の業績は売上高で同11.1%減の1,402百万円、営業損失で16百万円(前年同期は11百万円の損失)と低調が続いたものの、国内事業が売上高で約7%増、営業利益で約35%増と好調に推移した。テレビ局向け人材派遣が堅調に推移したほか、子会社のウイング、シオン、シオンステージの業績も好調で、特に番組制作を行うシオンの採算改善が増益に大きく寄与した。
(3) プロモーション&マーケティング
プロモーション&マーケティングは、企業や官公庁に対してITを活用したプロモーションやマーケティング施策などを企画・提案し、受注した案件に対してプロジェクトチームを編成して業務に従事している。
2026年2月期中間期の売上高は前年同期比7.7%増の3,703百万円、営業利益は同12.4%増の289百万円となった。企業、官公庁向けともにプロモーション需要が旺盛で、順調に受注を伸ばしたことで増収増益となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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1. 2026年2月期中間期の業績概要
2026年2月期中間期の連結業績は、売上高で前年同期比8.7%増の28,092百万円、営業利益で同2.6%減の2,138百万円、経常利益で同6.8%減の2,112百万円、親会社株主に帰属する中間純利益で同50.7%増の2,214百万円となり、売上高と中間純利益は中間期として過去最高を更新した。第2四半期より損益に反映した高橋書店グループの影響(売上高361百万円、営業損失457百万円※)を除くと、売上高で同7.3%増、営業利益で同18.3%増と増収増益となっており、経常利益段階まではおおむね会社計画どおりに着地した。なお、高橋書店グループが季節性により損失を計上していることに伴い、税金費用が大幅に減少したため、中間純利益は計画を大きく上回った。
※ のれん償却額等を含む。
事業別売上高を同社が開示している売上構成比から試算すると、プロデュース事業が前年同期比13.1%増の14,664百万円、エージェンシー(紹介)事業が同7.0%増の3,371百万円、ライツマネジメント事業ほかが同39.5%増の1,657百万円と順調に増加した一方で、エージェンシー(派遣)事業は会計・法曹分野の低迷が長引いたこともあり同1.5%減の8,399百万円と微減となった。
売上総利益は前年同期比7.1%増の10,487百万円となったが、売上総利益率は高橋書店グループの連結化の影響により同0.6ポイント低下した。事業別ではプロデュース事業が増収効果により同8.6%増の4,530百万円、エージェンシー(紹介)事業が同6.7%増の3,335百万円、ライツマネジメント事業ほかが同20.4%増の755百万円となり、エージェンシー(派遣)事業が同0.2%減の1,866百万円となった。
販管費は前年同期比747百万円の増加となったが、大半は高橋書店グループの加算分となる。また、営業外収支が同97百万円悪化したが、M&A資金を借入金で調達したことによる金融収支の悪化(87百万円)が主因である。なお、2025年4月の新卒社員数は同36名減の325名となった。前年同期は新卒社員の増加や戦力化に時間を要したことが中間期の減益要因となっていたが、当中間期はこれら新卒社員の戦力化が順調に進んだことも既存事業における増益の一員になったとみられる。
主力分野を中心に既存事業は順調に収益を拡大
2. カテゴリ別業績動向
2026年2月期より事業別の業績動向をより明確にするため、展開する事業領域ごとに細分化して業績の開示を開始した。具体的には、ゲーム&ライツマネジメント、ブロードキャスティング&動画、プロモーション&マーケティング、メディカル&ヘルスケア、AI/DX・IT、プロフェッショナル・エージェンシー、Quality of Life、インキュベーション&デベロップメントの8カテゴリに区分している。
(1) ゲーム&ライツマネジメント
ゲーム&ライツマネジメントは、同社及び子会社でゲームソフトの受託開発等を手掛ける(株)クレイテックワークス(出資比率100.0%)、URS Games(同51.0%)、3DCG事業等を展開する(株)forGIFT(同77.5%)、中国で版権ビジネス(小説等の映像化権エージェントサービス等)を展開するCREEK & RIVER SHANGHAI(同100.0%)の5社で構成される。ゲームソフトの受託開発及び人材派遣事業が収益の大半を占めており、ライツマネジメント事業として版権ビジネスや「漫画LABO」、3DCG事業などが含まれる。
2026年2月期中間期の売上高は前年同期比14.9%増の8,509百万円、営業利益は同4.5%増の764百万円となった。このうち、2025年3月に新設したURS Gamesで約7.5億円の増収、約0.6億円の増益要因となり、既存事業ベースでは1ケタ台の増収減益と見られる。減益要因は以下の2点となる。1つ目は、クレイテックワークスにおいて大型案件の受注に向けた先行投資を実施したこと(2026年2月期で約1億円の投資を予定、売上貢献は2027年2月期上期を見込む)、2つ目は第2四半期に中堅規模のゲームソフト開発会社から人員を引き受けたことで人件費負担が増加したことによる。国内のゲームソフト市場は「Switch2」向けの開発需要が旺盛なものの、全体的には競争激化が続くなかで余剰人員を抱えて厳しくなっている企業が増えているようで、こうした人員の引受先となった。同業界ではM&Aの案件も増えているようで、今後市場シェアを拡大していく可能性がある。事業拡大戦略として、同社は2024年にカナダのモントリオールに支社を作り、海外企業向けの営業活動を開始している。既に数社から受注するなど順調に成果が出始めており、2026年2月期で約1億円の売上を見込んでいる。同社では早期に海外向けで10億円の売上を目指す考えだ。なお、forGIFTについては利益面で若干の黒字に転じたほか、中国子会社の業績も堅調に推移した。
(2) ブロードキャスティング&動画
ブロードキャスティング&動画は、同社及び子会社の(株)ウイング(出資比率100.0%)、シオン及び(株)シオンステージ(同100.0%)、韓国のCREEK & RIVER ENTERTAINMENT(同88.2%)の5社で構成され、主にテレビ局向けの人材派遣や番組制作などを行っている。
2026年2月期中間期の売上高は前年同期比2.8%増の7,288百万円、営業利益は同49.4%増の354百万円となった。このうち、韓国子会社の業績は売上高で同11.1%減の1,402百万円、営業損失で16百万円(前年同期は11百万円の損失)と低調が続いたものの、国内事業が売上高で約7%増、営業利益で約35%増と好調に推移した。テレビ局向け人材派遣が堅調に推移したほか、子会社のウイング、シオン、シオンステージの業績も好調で、特に番組制作を行うシオンの採算改善が増益に大きく寄与した。
(3) プロモーション&マーケティング
プロモーション&マーケティングは、企業や官公庁に対してITを活用したプロモーションやマーケティング施策などを企画・提案し、受注した案件に対してプロジェクトチームを編成して業務に従事している。
2026年2月期中間期の売上高は前年同期比7.7%増の3,703百万円、営業利益は同12.4%増の289百万円となった。企業、官公庁向けともにプロモーション需要が旺盛で、順調に受注を伸ばしたことで増収増益となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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