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C&R社 Research Memo(1):事業承継ニーズを取り込み、グループシナジーにより収益拡大を目指す

配信日時:2025/11/07 11:01 配信元:FISCO
*11:01JST C&R社 Research Memo(1):事業承継ニーズを取り込み、グループシナジーにより収益拡大を目指す ■要約

クリーク・アンド・リバー社<4763>は、プロフェッショナル(専門職)のエージェンシーとして、プロデュース事業(開発・請負)、エージェンシー事業(派遣・紹介)、ライツマネジメント事業(知的財産の企画開発・流通)の3つの事業を、クリエイティブ分野(映像、ゲーム、Web、広告・出版等)や医療、会計、法曹など様々な分野で展開している。プロフェッショナル人材のネットワークは、グループ全体で41万人超、顧客数は5万社を数える。

1. 2026年2月期中間期の業績概要
2026年2月期中間期(2025年3月~8月)の連結業績は、売上高で前年同期比8.7%増の28,092百万円、営業利益で同2.6%減の2,138百万円となり、おおむね会社計画(売上高28,000百万円、営業利益2,100百万円)どおりの進捗となった。第2四半期より損益に反映した高橋書店グループ※1の影響(売上高361百万円、営業損失457百万円)を除けば、売上高で同7.3%増、営業利益で同18.3%増と増収増益であった。ゲーム分野で(株)バンダイナムコエンターテインメントと2025年3月に設立した合弁会社※2が収益貢献したほか、医師紹介事業が好調に推移した。

※1 (株)C&Rインキュベーション・ラボ(2025年6月1日付で(株)C&R EVERLASTING STORYに社名変更)が、高橋書店グループの持株会社である(株)T&Wオフィスの全株式を取得し、関連会社を含め5社をグループ化した。業績はカレンダー・手帳の売上が集中する下期偏重型となる。
※2 モバイルゲームを中心としたゲーム開発・運営の合弁会社(株)URS Games(ユアーズ ゲームス、出資比率51%)を2025年3月に設立した。

2. 2026年2月期の業績見通し
2026年2月期の連結業績は、売上高で前期比19.3%増の60,000百万円、営業利益で同38.3%増の5,000百万円と期初計画を据え置き、過去最高を更新する見通しだ。高橋書店グループの業績は売上高で4,900百万円、営業利益で500百万円(9ヶ月分)を見込んでおり、既存事業ベースでは売上高で同9.6%増、営業利益で同24.5%増となる見通しである。医療分野やゲーム分野を中心にすべての分野で増収増益を見込んでいる。中間期は低調となった会計・法曹分野も下期は回復に向かう見通しで、会社計画を達成する可能性は高いと弊社では見ている。

3. 成長戦略と株主還元方針
同社は「プロフェッショナル分野のさらなる深耕」「プロフェッショナル人材をベースとしたプロデュース事業の展開」「異分野のプロフェッショナルを掛け合わせたプロデュース事業の展開」に加えて、「グループの営業資産を組み合わせた事業承継、M&Aの推進」を成長戦略としており、売上高1,000億円、営業利益100億円を長期目標に掲げている。株主還元方針は連結配当性向30%以上を目安としており、同方針に基づき2026年2月期の1株当たり配当金は前期比4.0円増配の45.0円(配当性向30.0%)を予定している。また、新たに株主優待制度の導入を発表した。毎年2月末時点で100株以上保有の株主を対象に、高橋書店の商品(カレンダーまたは手帳等)を贈呈する。

■Key Points
・2026年2月期中間期の売上高、営業利益、経常利益はおおむね計画どおりに着地
・2026年2月期は2ケタ増収増益、過去最高業績更新へ
・グループシナジーを生かした事業承継型M&Aを成長戦略の1つに据える

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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