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ロボペイ Research Memo(4):参入障壁の高いビジネスで顧客拡大と顧客単価上昇により2ケタ成長を続ける(2)
配信日時:2025/10/20 13:04
配信元:FISCO
*13:04JST ロボペイ Research Memo(4):参入障壁の高いビジネスで顧客拡大と顧客単価上昇により2ケタ成長を続ける(2)
■ROBOT PAYMENT<4374>の会社概要
(1) ペイメント事業
ペイメント事業では、主に消費者向けにインターネット上で販売等を行う事業者やBtoBビジネスを行う事業者向け決済サービスとなる「サブスクペイ」を提供している。加盟店(以下、顧客)に代わり同社が一元して金融機関やカード会社など各決済事業者との契約手続きや決済情報連携を行うことで、顧客がこうした手続きの手間や時間を割くことなく、クレジットカード決済やコンビニ収納、口座振替、銀行振込等の様々な決済手段を利用できるようになる。サービスは、サブスクビジネスで求められる柔軟な課金設定(課金周期や契約期間、課金日、無料お試し期間等の任意設定・変更)機能を実装し、これら設定作業を容易に行えるよう設計されたUI/UXを特長としている。これにより、顧客の決済関連業務の負担を大幅に軽減できる。さらに、顧客のサービスを利用する会員の解約防止やリピート促進など、LTV最大化を図る施策を講じることができる顧客管理機能を搭載している。料金体系は、月額固定のシステム利用料やオプション料金に加え、従量課金として決済取扱高に応じた決済手数料(2.65%~)、決済処理件数に応じた手数料(5円/件)があり、顧客の事業が拡大することで同社の売上も増加する仕組みを構築している。
2025年6月時点のKPIを見ると、顧客アカウント数は8,661件、顧客単価※1は18,511円、解約率※2は0.44%となっている。顧客単価のうち月額固定料金は9千円程度で、クレジットカード決済機能も利用できる標準的な料金は1.2~1.3万円だが、口座引き落としのみ利用可能なプランは3~4千円となっている。2020年6月時点の顧客アカウント数4,868件、顧客単価10,661円からいずれも右肩上がりに上昇している。
※1 1アカウント当たりの月間リカーリング収益(月間売上高から初期費用を除いたもの)。
※2 金額で算出した解約率。「当月解約した顧客から発生していたリカーリング収益÷前月の全顧客のリカーリング収益」の2025年4月~6月までの各月の平均値。
サブスクに特化した競合サービスはいくつかあるものの、機能の充実度や安定性、操作性、サポート体制などの点において顧客から高い評価を受けており、サブスク管理市場においてトップシェア製品となっている。解約率も0.4~0.5%と低く、解約理由も顧客のサービス終了など、顧客事由によるものがほとんどだ。新規参入障壁の高さも、高い収益性を維持できる一因となっている。特に、クレジットカード会社との包括加盟店契約の締結が非常に困難な点が挙げられる。契約締結には、各決済事業者とのシステム接続(ゲートウェイシステムの構築)、24時間体制のシステム保守、セキュリティ対応、安定した運用体制、法律や業界ルールへの対応が必須要件となり、通常は3~5年の時間を要するためだ。
顧客の業種別構成比については、上位からスクール・eラーニング11.7%、組合・協会8.7%、募金・寄付8.3%、イベント・学会6.3%、フィットネスジム5.7%となっている。そのほか、定期購入サービスを提供する各種物販や不動産賃貸、メディアなどの業種にも利用されている。特定の業種や顧客に偏っていないため、景気変動の影響を受け難く持続的成長を実現している一因となっている。
そのほかのサービスとして、「サブスクペイ」に対してさらに高度な顧客分析やアクションのレコメンド機能、顧客データの統合を可能とする「サブスクペイ Professional」を提供している。また、2022年には、事業者間の取引において請求書の支払いをカード払いにより最大60日間延長できるサービス「1click後払い」を開始し、2024年12月には最短3営業日で売掛金を回収できるサービス「1click早マール」の提供を開始するなど、決済関連サービスを拡充している。
(2) フィナンシャルクラウド事業
フィナンシャルクラウド事業は、請求書発行・送付から集金・入金消込・債権管理まで、毎月発生する請求管理業務を一気通貫で自動化・効率化するクラウドサービス「請求管理ロボ」を主力サービスとしている。そのほかにも、同社が請求管理業務をすべて代行し、売掛債権の保証も行う「請求まるなげロボ」や、2024年9月よりSaaS事業者の資金繰りを支援する「ファクタリングロボ for SaaS※」の提供も開始した。
※ SaaS事業者が毎月請求するSaaS利用料を最短5営業日で、最大1年間分まとめて現金化できるサービス。与信審査から請求書の発行・送付、入金消込、督促などの請求業務を一括請負い、売掛金を100%保証する。
顧客は「請求管理ロボ」を導入することで請求関連業務の負担を大幅に軽減することが可能となる。料金体系は、月額固定のシステム利用料やオプション料金のほか、従量課金として請求金額に応じた決済収益や請求件数に応じた手数料(100件ごとに課金)、まるなげ債権金額に応じた手数料(債権金額の2%~)が設定されている。顧客の事業が拡大することで同社の売上も増加する仕組みとなっている。
2025年6月時点のKPIを見ると、顧客アカウント数は970件、顧客単価は104,850円、解約率は0.74%である。2020年6月時点の顧客アカウント数395件、顧客単価63,574円からいずれも右肩上がりに上昇している。顧客単価のうち月額固定料金は7~8万円程度で、競合サービス※と比較するとやや割高だが、サービス範囲の広いことが要因である。「サブスクペイ」同様、顧客満足度が高く、一度導入すると顧客事由による解約を除けば継続率はほぼ100%となっている。
※ ラクス<3923>が提供する「楽楽請求」は月額3.5万円~。
顧客の業種別構成比については、上位から不動産12.7%、SaaS11.4%、人材紹介8.8%、士業事務所7.4%、医療・美容5.7%と幅広い。なかでも、バックオフィスのリソースが不足しているベンチャー企業や、大企業のグループ傘下にある新規事業会社、コンサルティング会社などが比較的多い。「サブスクペイ」同様に特定の業種や顧客に偏っていないため、景気変動の影響を受け難く持続的成長を実現している一因となっている。
(3) 同社の強み
同社の強みは、毎年獲得した顧客がもたらす売上総額が減らずに永続的に積み重なる収益構造を確立していること(リカーリング収益比率で98%)、競合の新規参入が難しいため新規顧客を継続的に獲得できていること、顧客の業種が多岐に広がっているため、特定業種の好不況の影響を受けにくいことの3点が挙げられる。これらが持続的な収益成長を支えている要因となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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(1) ペイメント事業
ペイメント事業では、主に消費者向けにインターネット上で販売等を行う事業者やBtoBビジネスを行う事業者向け決済サービスとなる「サブスクペイ」を提供している。加盟店(以下、顧客)に代わり同社が一元して金融機関やカード会社など各決済事業者との契約手続きや決済情報連携を行うことで、顧客がこうした手続きの手間や時間を割くことなく、クレジットカード決済やコンビニ収納、口座振替、銀行振込等の様々な決済手段を利用できるようになる。サービスは、サブスクビジネスで求められる柔軟な課金設定(課金周期や契約期間、課金日、無料お試し期間等の任意設定・変更)機能を実装し、これら設定作業を容易に行えるよう設計されたUI/UXを特長としている。これにより、顧客の決済関連業務の負担を大幅に軽減できる。さらに、顧客のサービスを利用する会員の解約防止やリピート促進など、LTV最大化を図る施策を講じることができる顧客管理機能を搭載している。料金体系は、月額固定のシステム利用料やオプション料金に加え、従量課金として決済取扱高に応じた決済手数料(2.65%~)、決済処理件数に応じた手数料(5円/件)があり、顧客の事業が拡大することで同社の売上も増加する仕組みを構築している。
2025年6月時点のKPIを見ると、顧客アカウント数は8,661件、顧客単価※1は18,511円、解約率※2は0.44%となっている。顧客単価のうち月額固定料金は9千円程度で、クレジットカード決済機能も利用できる標準的な料金は1.2~1.3万円だが、口座引き落としのみ利用可能なプランは3~4千円となっている。2020年6月時点の顧客アカウント数4,868件、顧客単価10,661円からいずれも右肩上がりに上昇している。
※1 1アカウント当たりの月間リカーリング収益(月間売上高から初期費用を除いたもの)。
※2 金額で算出した解約率。「当月解約した顧客から発生していたリカーリング収益÷前月の全顧客のリカーリング収益」の2025年4月~6月までの各月の平均値。
サブスクに特化した競合サービスはいくつかあるものの、機能の充実度や安定性、操作性、サポート体制などの点において顧客から高い評価を受けており、サブスク管理市場においてトップシェア製品となっている。解約率も0.4~0.5%と低く、解約理由も顧客のサービス終了など、顧客事由によるものがほとんどだ。新規参入障壁の高さも、高い収益性を維持できる一因となっている。特に、クレジットカード会社との包括加盟店契約の締結が非常に困難な点が挙げられる。契約締結には、各決済事業者とのシステム接続(ゲートウェイシステムの構築)、24時間体制のシステム保守、セキュリティ対応、安定した運用体制、法律や業界ルールへの対応が必須要件となり、通常は3~5年の時間を要するためだ。
顧客の業種別構成比については、上位からスクール・eラーニング11.7%、組合・協会8.7%、募金・寄付8.3%、イベント・学会6.3%、フィットネスジム5.7%となっている。そのほか、定期購入サービスを提供する各種物販や不動産賃貸、メディアなどの業種にも利用されている。特定の業種や顧客に偏っていないため、景気変動の影響を受け難く持続的成長を実現している一因となっている。
そのほかのサービスとして、「サブスクペイ」に対してさらに高度な顧客分析やアクションのレコメンド機能、顧客データの統合を可能とする「サブスクペイ Professional」を提供している。また、2022年には、事業者間の取引において請求書の支払いをカード払いにより最大60日間延長できるサービス「1click後払い」を開始し、2024年12月には最短3営業日で売掛金を回収できるサービス「1click早マール」の提供を開始するなど、決済関連サービスを拡充している。
(2) フィナンシャルクラウド事業
フィナンシャルクラウド事業は、請求書発行・送付から集金・入金消込・債権管理まで、毎月発生する請求管理業務を一気通貫で自動化・効率化するクラウドサービス「請求管理ロボ」を主力サービスとしている。そのほかにも、同社が請求管理業務をすべて代行し、売掛債権の保証も行う「請求まるなげロボ」や、2024年9月よりSaaS事業者の資金繰りを支援する「ファクタリングロボ for SaaS※」の提供も開始した。
※ SaaS事業者が毎月請求するSaaS利用料を最短5営業日で、最大1年間分まとめて現金化できるサービス。与信審査から請求書の発行・送付、入金消込、督促などの請求業務を一括請負い、売掛金を100%保証する。
顧客は「請求管理ロボ」を導入することで請求関連業務の負担を大幅に軽減することが可能となる。料金体系は、月額固定のシステム利用料やオプション料金のほか、従量課金として請求金額に応じた決済収益や請求件数に応じた手数料(100件ごとに課金)、まるなげ債権金額に応じた手数料(債権金額の2%~)が設定されている。顧客の事業が拡大することで同社の売上も増加する仕組みとなっている。
2025年6月時点のKPIを見ると、顧客アカウント数は970件、顧客単価は104,850円、解約率は0.74%である。2020年6月時点の顧客アカウント数395件、顧客単価63,574円からいずれも右肩上がりに上昇している。顧客単価のうち月額固定料金は7~8万円程度で、競合サービス※と比較するとやや割高だが、サービス範囲の広いことが要因である。「サブスクペイ」同様、顧客満足度が高く、一度導入すると顧客事由による解約を除けば継続率はほぼ100%となっている。
※ ラクス<3923>が提供する「楽楽請求」は月額3.5万円~。
顧客の業種別構成比については、上位から不動産12.7%、SaaS11.4%、人材紹介8.8%、士業事務所7.4%、医療・美容5.7%と幅広い。なかでも、バックオフィスのリソースが不足しているベンチャー企業や、大企業のグループ傘下にある新規事業会社、コンサルティング会社などが比較的多い。「サブスクペイ」同様に特定の業種や顧客に偏っていないため、景気変動の影響を受け難く持続的成長を実現している一因となっている。
(3) 同社の強み
同社の強みは、毎年獲得した顧客がもたらす売上総額が減らずに永続的に積み重なる収益構造を確立していること(リカーリング収益比率で98%)、競合の新規参入が難しいため新規顧客を継続的に獲得できていること、顧客の業種が多岐に広がっているため、特定業種の好不況の影響を受けにくいことの3点が挙げられる。これらが持続的な収益成長を支えている要因となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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